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システム開発業者の選び方で注目すべき6つのポイント

公開日:2020.10.22 最終更新日:2024.08.29

システム開発には多大な費用がかかるため、目的にマッチしたシステム開発業者に依頼しないとトラブルになるリスクがあります。

そこで本記事では、システム開発業者の選び方6つのポイントをご紹介します。
システム開発業者選びにお悩みの事業者様は、ぜひ業者選びの参考にしてみてください。

システム開発業者の選び方で押さえておきたいポイント

それではさっそく、システム開発業者の選び方で重視すべき6つのポイントをご紹介していきます。
以下のポイントをチェックしながら依頼先の候補を絞り込んでいきましょう。

ポイント①個人か法人どちらに依頼するかを決める

システム開発業者は、目的や開発するシステムの規模にあわせて個人か法人どちらに依頼するかを決めましょう。
システム開発業者には、専門の開発会社に依頼する場合と個人のエンジニアなどに依頼する場合があります。

開発会社は大規模なシステム開発を得意としており、社内にはエンジニアやプログラマーもいるためワンストップで対応してくれるケースも多いです。
進捗管理や品質維持をしっかりとしてくれますが、開発費用は個人に依頼するよりも高くなる傾向があります。

一方、個人のエンジニアは小規模なシステムの開発に適しています。
業務ツールのようなシンプルなシステムであれば、開発会社よりも小回りがきく分スピーディな開発が可能です。
ただし十分な技能を持っていないエンジニアも多くいるので、実績を確認して確かな技術力をもっているかを見極める必要があります。

ポイント②自社開発の割合は高いか

システム開発業者の選び方で、重要なポイントが自社開発の割合はどれくらいなのかということです。

システム開発を行っている業者には、受注や管理は自社で行い開発業務を外部に委託している会社もあれば、外部委託と自社開発の両方を行っている会社もあります。
自社開発の比率が高い場合、常に技術を磨いている技術力の高いエンジニアやプログラマーに開発を担当してもらえるでしょう。

また、開発の担当者との間に別業者が入ることがないので細かい部分の要望がしっかり伝わりやすく、トラブルが起こった場合でも速やかに対応してもらえます。

開発業務を外部に委託している業者に依頼した場合、コストは安くなる傾向がありますが技術不足だったり要望が伝わりにくかったりするケースも多々あります。
そのため、できるだけ自社開発の割合が高いシステム開発業者を選ぶことをおすすめします。

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ポイント③開発担当者と打ち合わせができるか

システム開発業者を選ぶうえで、実際に開発をする担当者と打ち合わせをできるのかという点も重要です。

ヒアリングをしてくれた担当者と開発担当者が異なる場合、要望が正しく伝わらず意図していたものとは違うシステムになるケースもあります。
一方で、開発担当者と直接打ち合わせができると、要望を正しく伝えやすくなります。

また、依頼前に実際に開発をする担当者と話すことができると、開発担当者のスキルもチェックできます。
詳しい開発体制や進捗報告の方法などを確認しておくことで、開発着手後のトラブルも抑えられるでしょう。

ポイント④企業自体の業績が安定しているか

システム開発の業者選びでは、企業の業績が安定しているのかということも重要なポイントのひとつになります。

一旦システム開発を依頼すれば、納品されてから10年程度は使用するのが一般的です。
保守なども必要となるため、システムの使用期間中にシステム開発会社が潰れてしまうと大きな問題に発展しかねません。

依頼先の業者が上場している場合は、四季報やIRを利用して業績の調査を行いましょう。
システム開発を依頼する会社の経営状態が安定していれば、将来のメンテナンスに対する不安を極力減らすことが可能です。

ただし、都内の経営が安定しているシステム開発会社に依頼する場合は、比較的コストが高くなるケースが多いです。
予算が少ない場合は、地方のシステム開発会社も候補に入れると、優良企業かつコストがリーズナブルな開発業者を見つけやすくなります。

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ポイント⑤企業の得意分野や実績を見る

システム開発会社には、それぞれ得意分野や強みがあります。依頼したい内容と似たシステムの開発実績があるか確認しましょう。

たとえばECサイトの開発実績が豊富な会社であれば、決済システムとの連携や、ユーザー体験の向上にノウハウを持っている可能性が高いといえます。AIや機械学習を用いたシステム開発に力を入れている会社であれば、最新の技術を活用した革新的なシステムを開発してくれるかもしれません。

ただ実績の数を見るのではなく、開発したシステムの種類や品質を確認しておくことが重要です。開発したいシステムによって、必要なノウハウやスキルは異なります。自社システムと親和性の高い企業を選ぶことで、希望に沿ったシステム開発を実現しやすくなります。

ポイント⑥アフターフォローの有無を確認する

開発会社を選ぶ際は、システムのクオリティや費用ばかりに目を向けてしまいがちになります。しかし、システムは開発したら終わりではなく、長期にわたって使い続けるものです。

システム開発後も安心して利用できるよう、アフターフォロー体制が充実しているかどうか確認してください。アフターフォローの実施有無だけでなく、内容も確認することが重要です。

アフターフォローに含まれる内容は、おおむね次のとおりです。

  • 定期的なメンテナンス
  • トラブル発生時の対応
  • 操作方法のサポート
  • 機能追加などのカスタマイズ

ただし開発会社によってはトラブル発生時の対応のみで、機能追加やカスタマイズには応じてくれないケースもあります。アフターフォローを受ける際は、費用が別途発生することもあるため、保守契約の内容をよく確認しておきましょう。

システム開発の種類

システム開発は、大きく分けて「スクラッチ開発」と「パッケージ開発」の2つがあります。開発方式ごとにメリットとデメリットがあり、プロジェクトの目的や内容によって適した方法が異なります。

それぞれの特徴を確認しましょう。

スクラッチ開発

スクラッチ開発とは、1からシステムを開発する開発方式です。メリットとデメリットは次のとおり。

メリットデメリット
  • 自由度が高い
  • 拡張性が高い
  • 競合他社と差別化できる
  • 開発期間が長期化しやすい
  • 開発コストが高い
  • リスクが高い

完全に独自のシステムを構築するため自由度が高く、自社の業務フローやニーズに合わせて開発を進められます。また好みのデザインや機能を表現できるため、競合他社との差別化を図ることも可能です。

一方で設計からシステムの構築まですべての工程を行うため、開発期間が長くなりやすく、コスト負担も大きくなります。新規開発であるため、想定外のトラブルが発生した際のリスクも高い傾向です。大きなリターンが得られる方法である一方、リスクやデメリットを踏まえたうえで進めなければなりません。

なお、著作権が受託者側に発生することも押さえておきましょう。発注側に著作権を移す場合は、契約時に「著作権の帰属」に関する文言を入れておく必要があります。

パッケージ開発

パッケージ開発とは、既存のパッケージソフトウェアを導入し、自社に合わせたカスタマイズを行う方式です。メリットとデメリットは以下のとおり。

メリットデメリット
  • 開発期間が短い
  • コストが抑えられる
  • リスクが低い
  • 細かなニーズには対応していない
  • 自由度が低い
  • 他社との差別化が難しい

既存のソフトウェアを使うため、コストダウンにつながります。また迅速に開発したい場合にも向いている方法です。しかし多くの人が汎用的に使えるように開発されているため、スクラッチ開発のように自由度は高くありません。

コストを抑えながら短期間でシステムを導入したい場合は、パッケージ開発が適しているといえます。複雑な機能や既存のパッケージで実現できない場合は、スクラッチ開発を検討するとよいでしょう。

システム開発の進め方

システム開発は、次のフェーズに沿って進めていきます。

  1. 要件定義
  2. 設計
  3. プログラム開発
  4. テスト
  5. 運用開始

それぞれの工程を理解し、円滑にプロジェクトを進めましょう。

要件定義

システムを開発する際は、求められる機能や性能などを明確にするため、必ず要件定義を行います。要件定義で定めるのは、おもに次の項目です。

  • システムの目的
  • 実装する機能
  • 業務フロー
  • 性能要件(処理速度やデータ容量など)
  • セキュリティ要件
  • 運用環境

たとえばECサイトを開発する際は、「商品検索機能」「カート機能」「決済機能」「会員登録機能」などがおもな機能です。また同時アクセス数1,000人、レスポンス時間2秒以内などの細かな性能用件も要します。

要件定義を行う際は、双方の認識にギャップが生じやすい点に注意しなければなりません。開発者のみが理解できる技術的な言葉は依頼者に伝わりにくいため、かみ砕いた表現で示す必要があります。

また、すべての要件を網羅することは難しいため、優先順位をつけて重要なものから順に定義することが大切です。要件定義が不明瞭だとあとの工程が円滑に進まなくなるため、詳細に取り決めておきましょう。

設計

要件定義に基づいて、システムの具体的な構造を設計する工程です。おもにシステムの全体構成を決める「外部設計」や、内部構造を決める「内部設計」を行います。

設計の工程を怠ると、システム全体の構造や各機能間の連携が不明瞭となり、不具合が起こりやすくなります。設計段階での見落としにより、希望するシステムが仕上がらないおそれもあるため、緻密な設計を行うことが重要です。

作成した設計書はお客様との間で共有し、完成イメージと異なる点があれば適宜修正します。設計段階から、開発チームとお客様との間で密にコミュニケーションを取ることが成功のポイントです。

プログラム開発

設計書に基づき、実際にプログラムを作成する段階です。要件定義で取り決めた内容によって実現する機能やシステムの種類が異なるため、それに応じた開発環境やプログラミング言語を活用する必要があります。

たとえば、動的なWebサイトを構築したい場合はHTMLやCSSとJavaScriptを組み合わせて使用したり、アプリ開発ではRubyやPythonが用いられたりします。

テスト

開発したシステムが意図したとおりに動作するかを確認するために、さまざまなテストを実施します。テストでは一般的に次の内容を実施します。

  • 単体テスト:単一の機能やモジュールが動作するかを確認するテスト
  • 結合テスト:機能同士のやり取りや操作が正しく行われるかを確認するテスト
  • システムテスト:システム全体の動作を確認するテスト
  • 受入れテスト:納品前の最終的な確認テスト

テストの目的は、不具合やバグを早期に見つけ出すことや、要件定義に定められた品質基準をクリアしているかを確認することです。テストを繰り返すことで開発中の手戻りを少なくし、効率的にプロジェクトを進められます。

運用開始

システムが完成したら、実際に運用をスタートします。システムを安定的に稼働させるためには、定期的なメンテナンスやバージョンアップが必要です。

またユーザーからの要望やビジネスの変化に対応するため、新しい機能を追加する必要性が生じる場合もあります。システムの運用開始は開発のゴールではなく、むしろ新たなスタートラインともいえるでしょう。

継続的に利用するためにもトラブル時のバックアップ体制を築き、必要に応じてシステムの改善を繰り返すことが重要です。

【TIPS①】システム開発にかかる費用の相場

システム開発の費用は、主にシステムの規模と種類によって決まります。
システムの規模が大きいほどに多くのエンジニアやプログラマーが必要となり、開発者の技術力や職種によっても費用が変わってきます。

ここでは、システム開発の費用が決まる人件費の算出方法と、システムの種類ごとの費用相場を紹介します。

システム開発にかかる人件費の算出方法

システム開発の人件費の算出方法は、人月単価と開発期間を掛け算して算出できます。
人月単価とはエンジニア1人に対して1ヵ月分の単価となります。

例えば、人月単価50万円のエンジニア2人で2ヵ月間をかけて開発を行う場合、(50万×4=200万円)となります。
技術者の単価はプログラマーかエンジニアか、また経験や職種によって異なります。

職種別月相場(1人月)
  • プログラマー・下請け(個人) :40〜60万円
  • プログラマー・大手企業 :50〜100万円
  • システムエンジニア・初級 :60〜100万円
  • システムエンジニア・中級 :80〜120万円
  • システムエンジニア・上級: 100〜160万円

システム開発の種類別費用相場

システム開発は種類によっても費用相場は異なりますが、平均的な費用の相場は233万円~といわれています。
ただし、相場の差は種類によって大きく開いているため、システムの種類ごとの相場を知る必要があります。

以下に、システムの種類ごとに費用相場をまとめました。

種別相場
顧客管理システム20万円〜
Webシステム 130万円〜
業務システム400万円〜

上記の相場はあくまで目安なので、業者に必要な機能等を相談して見積りを出してもらうほうが正確でしょう。

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【TIPS②】システム開発をスムーズに行うためのコツ

システム開発を行う際、開発会社に丸投げするだけではいけません。
トラブルなくシステム開発を行うには、発注者側もある程度の協力が必要となります。

特に重要なことは、開発するシステムの要件定義をしっかり決めておくことです。
要件定義は発注者の要望を元にどのようなシステムにしていくかという、重要な指標です。

要件定義をあやふやに決めまま開発をスタートすると、結果的にイメージと違ったものができたり変更・修正の度に余計なコストがかかることもあります。
要件定義は開発したシステムを活用してどのような目的を達成したいか、いつまでに必要かなどを明確にしておきましょう。

余裕を持ったスケジュールを設定する

無理なスケジュールを組むと、システムの品質低下を招くおそれがあります。開発途中での要件変更や、新たな課題に対応する必要性が生じる場合もあるためです。

不測の事態が発生すると対応に時間が取られてしまいます。納期遅延によって、リリースが延期するかもしれません。

一方スケジュールに余裕があれば、より徹底的なテストと改善を行うことができるため、品質の高いシステムの構築が実現します。

遅延を発生させないためには、要件変更が生じないように厳密な設計手順を踏み、 ゆとりのあるスケジュールを設定することが大切です。全体的なタスクの20%〜30%程度の期間に余裕を持たせておくとよいでしょう。

開発側と発注側のコミュニケーションを大切にする

システム開発は、単に技術的な作業を要するだけではありません。お客様のニーズを正確に把握し、それを形にしていくことが求められます。

開発側と発注者側のコミュニケーションが密に行われることで、双方の認識をすり合わせられます。ニーズに沿ったシステムを構築するためにも、互いに連携が取り合える体制を築きましょう。

プロジェクトは長期にわたって実施するものです。お互いの信頼関係を構築することで、風通しのよいコミュニケーションが生まれます。意見交換の場や定期的な進捗報告の場を設けることで、コミュニケーションがより円滑になるでしょう。

自社システムに合った開発手法を選ぶ

システム開発にはさまざまな手法が存在し、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。したがって、自社の状況やプロジェクトの規模、開発するシステムの種類などによって最適な手法は異なります。

主要な開発手法とそれぞれの特徴は下記のとおりです。

システム開発の手法特徴
ウォーターフォール開発
  • システム開発の各工程を順に実施する
  • 大きな仕様変更のない基幹システムの開発に向いた手法
アジャイル型開発
  • 各工程を反復しながら素早く進められる
  • 要件変更が生じやすいプロジェクトに向いた手法
プロトタイプ型開発
  • 試作品(プロトタイプ)を作成し、詳細なプログラムを付け足していく手法
  • 依頼者の具体的なニーズを掘り下げられる
スパイラル型開発
  • 開発工程を繰り返しながらシステムを構築する手法
  • 品質が安定していない段階でお客様へ提示し、評価しながら進めていく
MVCモデル
  • 「Model」「View」「Controller」のそれぞれの部位でプログラミング開発を進める手法
  • システムの保守性や効率化を図れる
DevOps
  • 開発チームと運用チームの連携によりシステムの品質向上や効率化を目指す手法
  • 各チームの連携により後戻りを防げる

自社の状況やプロジェクトの特性を考慮して、最適な開発手法を選択することが大切です。

たとえば大規模で複雑なシステム開発にはウォーターフォール型、小規模で柔軟な開発にはアジャイル型が適しています。しかし要件変更が多い場合、ウォーターフォール型は適さないため、別の手法が望ましいでしょう。

これらの特徴を踏まえ、自社システムに合った手法でプロジェクトを成功させてください。

システム開発業者の選び方は実績があり直接開発担当者とコミュニケーションがとれるかを確認

以上、システム開発業者の選び方で重視すべきポイントを4つご紹介してきました。

システム開発は企業にとっても大きなプロジェクトとなるケースが多いので、慎重に業者を選ぶ必要があります。
ポイントとしては、システムの規模を考慮して個人か法人どちらに依頼するかを決め、実績があり自社開発を行っている開発会社に依頼しましょう。
その際、開発担当者と直接コミュニケーションが取れるかも確認しておくことも重要です。

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この記事を書いた人

編集部員 濵岸

編集部員の濵岸と申します。コンテンツ作成と取材を主に担当しております。身長が低いため学生時代は「お豆」と呼ばれていました!豆らしく、皆様の役に立つ記事を「マメに豆知識を!」の意識で作成します!どうぞよろしくお願いいたします!

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