メタバース開発に必要なものとは?おすすめの業者5選も紹介
公開日:2024.08.21 最終更新日:2024.08.21
メタバース市場の急速な成長に伴い、多くの企業がこの新たな仮想空間でのビジネスチャンスに注目しています。しかし、メタバース開発には独自の課題と専門知識が必要です。
本記事ではメタバース開発に不可欠な要素や、開発を成功させるためのポイントを解説します。また、開発を外部に委託する際の注意点や、信頼できる開発業者の選び方についても詳しくお伝えします。ぜひ、メタバース開発を成功させるための参考にしてください。
メタバース開発とは?
メタバース開発とは、ユーザー間のコミュニケーションが可能な、没入感のある3D仮想空間を構築するプロセスです。この空間は、インターネットなどのネットワークを通じてアクセスでき、現実世界とは異なる体験を提供します。
メタバースの特徴は、臨場感や再現性・自己投射性・没入感、インタラクティブ性・オープン性などです。開発者はこれらの要素を考慮しながら、ユーザーが自由に活動し、ほかのユーザーと交流できる環境を作り出す必要があります。
また、メタバース開発では、現実世界との関係性も重要です。ユーザーの現実世界でのアイデンティティとメタバース内でのアバターとの関係、メタバース内での行動が現実世界に与える影響(いわゆる着地問題)などの慎重な検討が肝要です。
おもに使用されるプログラミング言語
メタバース開発においては、おもに以下のプログラミング言語が使用されます。
プログラミング言語 | 特徴 |
C# |
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JavaScript |
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Python |
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C++ |
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これらの言語を使いこなすことで、開発者は柔軟性の高いメタバース空間を創出できます。選択する言語は、使用するプラットフォームや開発ツール、求められる機能や性能によって異なります。
Unityなどゲームエンジンを使用した開発
UnityやUnreal Engineなどのゲームエンジンは、多くの場合メタバース開発を効率的に進めるための便利なツールです。これらのゲームエンジンには、3Dグラフィックスの描画機能や物理演算、サウンド処理などの機能が備わっています。
開発者は複雑なプログラムをゼロから書かずに、高度なメタバース空間を構築可能です。さらに、アセットストアなどのマーケットプレイスから、さまざまな3Dモデルやテクスチャ・効果音などを購入し、開発に組み込めます。
ゲームエンジンを活用することで、多くの場合、開発期間の短縮やコスト削減が可能です。ただし、プロジェクトの規模や特定の要件によっては、カスタマイズの追加や最適化を要する場合もあります。
メタバース開発のメリット
メタバース開発はさまざまなメリットをもたらします。ここでは、代表的なメリットを4つ紹介します。
- 場所の制約を受けずに非日常を体験できる
- メタバースならではの没入感を楽しめる
- コミュニケーションが取りやすい
- 集客やブランディングにつながる
それぞれ詳しく見ていきます。
場所の制約を受けずに非日常を体験できる
メタバースの最大の魅力は、物理的な距離や場所の制約を超えて、多様な体験を提供できる点です。たとえば、海外の観光地を仮想空間で再現したり、現実では実現困難な大規模イベントを開催したりすることも可能です。
また、現実世界では危険のある場所でも、メタバース内なら安全に体験できます。身体障がいなど制約のある人々にも、さまざまな体験を提供できるでしょう。このような非日常的な体験は、ユーザーの興味を引き、長期的なエンゲージメントにつながる可能性があります。
メタバースならではの没入感を楽しめる
メタバースは、現実世界と見紛うほどの臨場感と没入感を提供します。ユーザーは、VRデバイスや高精細なグラフィックスを通じて仮想空間に入り込み、まるでその場にいるかのような感覚を味わえます。
この没入感は、従来のデジタル体験では得られないものであり、企業にとっては顧客のエンゲージメントを高める強力な手段となるでしょう。こうした体験は記憶に残りやすく、長期的なブランドロイヤルティの形成にも寄与します。
コミュニケーションが取りやすい
メタバース空間では、アバターを通じた自由なコミュニケーションが可能です。参加者は外見を自由にカスタマイズできるだけでなく、表情やジェスチャーで感情表現も豊かになります。
メタバース空間では、参加者は実際の顔を公開する必要がありません。プライバシーを守りながら、より率直な意見交換や活発な議論が期待できます。現実世界ではコミュニケーションが苦手な方も、メタバース空間では積極的に自己表現できるでしょう。
さらに、メタバースイベントの中には、資料への書き込み機能など、コミュニケーションを促進する機能を備えているケースもあります。このような特徴を生かし、メタバースは現実世界に近い、あるいはそれ以上のインタラクティブな交流の場を提供します。
集客やブランディングにつながる
メタバース上でのイベント開催や魅力的な仮想空間の構築は、新たな顧客層の開拓や、既存顧客との関係強化につながります。また、革新的な取り組みを通じて、企業のブランドイメージ向上にも貢献するでしょう。従来のマーケティング手法とは一線を画す、新たなブランディング戦略の展開が可能です。
また、メタバース開発は時間やコストの削減・業務効率化、そしてグローバル展開などさまざまなメリットをもたらします。これらのメリットを最大限に生かすことで、企業は競争優位性を獲得し、持続的な成長を実現できます。
メタバース開発のデメリット
メタバース開発は魅力的なメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、以下4つのデメリットをお伝えします。
- 機材などコストがかかる
- セキュリティ対策が必要
- ルールや法整備の遅れによるトラブル
- 利用者の依存や健康のリスクがある
これらのデメリットを事前に理解することで、安全かつ効果的なメタバース活用を実現できます。
機材などコストがかかる
メタバース開発には、高性能な機材や専門的な技術が不可欠であるため、これらに伴う高額なコストが課題となります。VRヘッドセットや高性能なコンピューターなど、ユーザーが快適に利用するための機器も高価です。
また、3Dモデリングや高度なプログラミングに精通した人材の確保も必要です。インフラ面では、大規模なサーバー設備や高速なネットワーク環境の整備にも、多額の投資が求められます。
これらの初期投資は、とくに中小企業にとって大きな負担となる可能性があります。また、技術の進歩が早いため、機材の更新や新技術への対応にも継続的なコストがかかるでしょう。
セキュリティ対策が必要
メタバース空間では、ユーザーの個人情報や取引データなど、多くの機密情報が扱われます。そのため、高度なセキュリティ対策が不可欠です。サイバー攻撃やデータ漏洩のリスクは常に存在し、これらの脅威に対応するためには、継続的な監視と対策を要します。
また、ユーザー認証やデータ暗号化などの技術的な対策だけでなく、従業員教育やセキュリティポリシーの策定など、組織全体でのセキュリティ意識の向上も求められます。これらの対策には時間とコストがかかりますが、ユーザーの信頼を維持するためには避けて通れない課題です。
ルールや法整備の遅れによるトラブル
メタバースは発展途上の技術であり、関連する法規制やルール整備が追いついていないのが現状です。この未整備な状況は、さまざまな法的トラブルを引き起こす可能性があります。
たとえば、メタバース空間内での著作権侵害やアバターのなりすまし、個人情報の不正利用などが懸念されます。また、現実世界とメタバースの境界線が曖昧になることで、現実世界への影響や責任の所在なども問題となるでしょう。
このような法的・倫理的な課題に対して、企業は常に最新の法規制やガイドラインを注視し、適切な対策を講じる必要があります。また、業界全体でのルール作りや法整備の促進にも、積極的に貢献していく姿勢が求められます。
利用者の依存や健康のリスクがある
メタバースの没入感の高い体験は、ときに利用者の依存や健康問題を引き起こす可能性もあります。長時間利用による視力低下やVR酔いなどの身体的な影響に加え、現実世界との区別がつかなくなるなどの精神的な影響も懸念されます。
利用時間制限や休憩時間の確保、そして利用者への注意喚起など、企業として責任ある対応が必要です。これらのデメリットを理解し、適切な対策を講じることで、メタバース開発に伴うリスクを最小限に抑えられます。
メタバース開発を依頼する際のポイント
メタバース開発を外部業者に依頼する際には、以下のポイントを整理しておく必要があります。
- 開発の目的や提供したい体験を整理する
- 手軽さや没入感など優先度を考える
- 初心者の場合は企画や要件定義の段階で相談する
- 複数の開発会社に相見積もりする
これらのポイントを明確にすることで、目標達成につながります。
開発の目的や提供したい体験を整理する
メタバース開発は、明確な目的設定から始まります。潜在顧客の獲得や既存顧客とのエンゲージメント強化、あるいは従業員研修など、目的によって必要とされる機能やUI/UXデザインは変動します。
また、ユーザーに提供する体験価値を具体的に定義することも重要です。製品体験やバーチャルイベントへの参加、あるいはコミュニケーション促進など、提供価値の明確化により円滑な開発プロセスを実現できます。
手軽さや没入感など優先度を考える
メタバース開発には、多岐にわたる要素が絡み合います。アクセシビリティや没入感、リアルタイムインタラクションなど、優先順位の明確化で開発効率の向上とコスト最適化を図れます。
たとえば、アクセシビリティを重視する場合、スマホやPCから容易にアクセス可能なWebベースのメタバースが最適です。一方、没入感を重視する場合は、VRヘッドセットに対応した高精細なグラフィック表現が求められます。
初心者の場合は企画や要件定義の段階で相談する
メタバース開発に関して初心者の場合、企画・要件定義の段階から開発会社と連携を取ることがおすすめです。専門家の知見を活用することで、実現の可能性や技術的課題を早期に特定し、プロジェクトの円滑な進行を支援できます。
また、開発会社によっては、企画・要件定義のコンサルティングサービスを提供している場合もあります。経験豊富なプロの助言を得ることで、より具体的な開発計画が策定でき、成功率が高まるでしょう。
複数の開発会社に相見積もりする
メタバース開発は比較的新しい分野であり、開発会社によって提供するサービスや価格設定が大きく異なります。そのため、複数の開発会社から見積もりを取ることが賢明です。
見積もりを比較する際は、単純な価格だけでなく、提案内容や開発アプローチにも注目します。各社の強みや特徴、過去の実績などの総合的な評価が重要です。また、将来的な拡張性についても確認しておくとよいでしょう。
メタバース開発の外注先の選び方
外注先を選ぶ際には、以下の5つを考慮しましょう。
- メタバースを最大限に生かした提案力があるか
- XR全般に関する知識があるか
- さまざまなハードウェアを扱えるか
- 実績やデモ空間を確認する
- サポート体制を確認する
詳しく解説します。
メタバースを最大限に生かした提案力があるか
メタバースは単なる仮想空間ではなく、新たな顧客体験やビジネスチャンスを生み出すプラットフォームです。開発会社にはメタバースの特性を生かし、ビジネスゴールに沿った具体的な提案力が求められます。
たとえば、ECサイトとの連携による新たな購買体験の創出、AIキャラクターによる顧客対応など、従来の枠組みを超えた革新的なアイデアを提案できるのかを確認しましょう。
XR全般に関する知識があるか
メタバース開発には、VR(仮想現実)・AR(拡張現実)・MR(複合現実)といった、XR技術に対する深い理解と専門知識が不可欠です。開発会社がXR技術の最新動向を把握し、最適な技術選定と実装ができるかを確認しましょう。
また、XR技術は日々進化しています。将来的な拡張性も視野に入れた開発提案ができるのかも重要なポイントです。XR技術を活用することで、リアルと仮想をシームレスに結びつけた体験が可能となり、ユーザーの満足度を高められます。
さまざまなハードウェアを扱えるか
メタバースは、VRヘッドセット・スマホ・PCなど、さまざまなデバイスからアクセス可能です。開発会社が各デバイスの特性を理解し、最適化されたUIを提供できるかを確認しましょう。
VRヘッドセットでは高精細なグラフィックと没入感のある体験を、スマホでは手軽にアクセスできるシンプルな操作性など、デバイスに応じた最適なUI/UXデザインが求められます。ハードウェアに対する知識や対応力は、メタバースのユーザビリティを向上させる要素の1つです。
実績やデモ空間を確認する
開発会社の過去の実績やデモ空間は、その技術力やデザインセンスを客観的に評価するうえで貴重な情報源です。自社が目指すメタバースと類似するプロジェクトの実績があれば、より具体的なイメージを共有でき、開発の成功確率を高められるでしょう。
また、デモ空間を実際に体験することで操作性や没入感などを肌で感じられ、開発会社の技術力を直感的に把握できます。とくに、開発時に重視するポイント(グラフィックの品質やアバターの自然な動き・滑らかさなど)に注目して体験してみましょう。
サポート体制を確認する
メタバース開発は、一度構築したら終わりではなく、継続的なサポートが求められます。外注先がどのようなサポート体制を提供しているかの確認が不可欠です。
トラブル発生時の対応やシステムのアップデート、メンテナンスの有無などを事前に確認しておくことで、長期的に安心してプロジェクトを進行できます。サポート体制の充実度は、プロジェクトの持続可能性に大きく影響します。
メタバース開発外注の費用相場
メタバース開発の費用は、開発規模や必要な機能、グラフィックの品質・開発期間など、さまざまな要因により大幅に変動します。ここでは、一般的な費用相場をまとめました。
開発方法 | 費用相場 |
既存プラットフォームの利用 | 数万円~十数万円程度 |
プラットフォームのカスタマイズ | 100万円~ |
オリジナル制作 | 数百万円~1,000万円以上 |
ただし、これらの費用はあくまで目安であり、具体的な見積もりは個々のプロジェクトの要件によって大きく異なります。正確な費用を把握するには、複数の開発会社から詳細な見積もりを取ることが不可欠です。
メタバース開発におすすめの業者5選
おすすめの業者5つを、以下の表にまとめました。
会社名 | 費用相場 | 特徴 |
クラスター株式会社 | 100万円~ |
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株式会社コムフォート | スターターパック:200,000円~ |
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株式会社メタバーズ | 最短5分で作れる少人数ルーム:月額11,000円~ |
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株式会社アドミン | 要相談 |
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株式会社アートリー | 要相談 |
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それぞれ詳しく解説します。
クラスター株式会社
所在地 | 東京都品川区西五反田8-9-5FORECAST五反田WEST10階 |
対応業務 | オリジナルの会場・アバター・演出などの制作/高精度のモーション収録など/企画・制作・配信スタジオ分析などメタバース活用に必要不可欠なサービスをワンストップで提供 |
費用相場 | 100万円から対応可能 |
実績 | 株式会社ポケモン/株式会社横浜DeNAベイスターズ/花王️株式会社/渋谷5Gエンターテイメントプロジェクトなど多数実績あり |
法人向けのメタバースプラットフォームを提供する企業で、とくに企業イベントの実施において業界トップの実績を誇ります。スマホやPC・VR機器などマルチデバイスに対応しており、オフィスの再現や展示会・音楽ライブなど、さまざまなバーチャル空間での活用が可能です。
また、EC機能やカスタマイズ可能な空間を提供し、維持費無料でコスト効率の高いサービスを提供しています。
株式会社コムフォート
所在地 | 大阪府大阪市中央区本町4-4-25本町オルゴビル9階 |
対応業務 | システムコンサルティング/システム開発/システム構築・運用・保守/クラウドコンピューティングサービス |
費用相場 | メタバーススターターパック版 初期導入費用:200,000円 利用料:30,000円/月(年間契約) 保守サポート:20,000円/年 |
実績 | 要問い合わせ |
急速に発展するメタバース市場において、先進的な技術と豊富な経験を活かし、クライアントのDXを支援する重要な役割を果たしています。
企業や組織がバーチャル空間を活用して新たなビジネス機会を創出したり、既存のプロセスを革新したりする際の強力なパートナーとなっています。
株式会社メタバーズ
所在地 | 京都市中京区丸屋町159-1 ※東京にも支店あり |
対応業務 |
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費用相場 |
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実績 | ヒロセ電機株式会社/トヨタ技術会/近畿大学生物理工学部/京都市保育園連盟/京都市観光協会など多数実績あり |
メタバースとバーチャルビーイングに特化した企業で、仮想社会の発展を目指しています。2006年の創業以来、さまざまな仮想社会に関連するプロジェクトを手がけ、開かれたメタバース社会の実現に向けた取り組みを進めています。
株式会社アドミン
所在地 | ディセントラランド本社:Decentraland-105-82番地 ※株式会社アドミンの社員全員テレワークを行い、メタバース上に出勤 |
対応業務 |
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費用相場 | 要相談 |
実績 | 鈴木住電ステンレス株式会社/2Dメタバースを活用した交通警備システム実証実験など多数実績あり |
長崎市出島発のメタバース専門企業です。2020年に事業をデジタル分野に転換し、2Dおよび3Dメタバースの開発を中心に活動しています。全社員がメタバースを職場とし、ペーパーレスやキャッシュレスを実現する環境で働いています。
株式会社アートリー
所在地 | 愛知県名古屋市中区千代田1丁目1-25第1中川ビル |
対応業務 | Webサイトの企画・制作・管理および販売/ソフトウェアの企画・開発・管理および販売/販売促進に関するコンサルティング/広告の企画・制作および運用など |
費用相場 | 要相談 |
実績 |
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名古屋を拠点とするクリエイティブプロダクションで、メタバース開発やコンテンツ制作など、多岐にわたるサービスを提供しています。とくにアートとテクノロジーを融合させた独自のプロデュース力で、企業のプロジェクトを成功に導いています。
まとめ:メタバース開発は専門家への依頼がおすすめ
メタバースは企業の成長を加速させる可能性を秘めていますが、開発には専門知識と多大なリソースが求められます。自社開発は困難を伴うため、専門知識と経験を持つ開発会社への委託が成功の近道です。
経験豊富な開発会社はクライアントのビジョンを形にし、最適な技術と戦略で高品質なメタバース空間を構築します。開発期間の短縮やコスト削減にもつながり、ビジネスチャンスを最大化できるでしょう。
この記事を書いた人
hata