
業務用エアコンの馬力とは?業種別に最適な目安を紹介
公開日:2020.07.22 最終更新日:2024.07.30
業務用エアコンのパワーの大きさは、普段見慣れない「馬力」という単位を使って表されます。
本記事では、業務用エアコンの馬力を決める目安について紹介します。
業務用エアコンをお探しの事業者様やご担当者様は、ぜひ最後までご覧ください。


業務用エアコンの馬力とは?
業務用エアコンの馬力とは、エアコンの出力の強さを表す単位で、エアコンの効きの強さを表す指標として用いられます。
そもそも「馬力」という言葉は馬車を引く馬の力が語源となっており、1馬力は「1頭の馬の仕事量」を表す単位として使用されてきました。
馬力という単位は業務用エアコン以外にも乗用車や船舶のパワーを示す際の単位として用いられます。
業務用エアコンのパワーを表す馬力という単位は、部屋の大きさにみあう適切なエアコンを選ぶうえで重要な判断材料となります。
目安として、業務用エアコンを選ぶ際には床面積10平方メートルあたり1馬力を基準にすると、適切なエアコンの機種が定まります。
業務用エアコンは小さいもので1.5馬力、最大で10馬力まで種類があるため、家庭用エアコンと比較すると大きなパワーを備えていることがわかります。
関連記事:業務用エアコンの馬力とは?業種別に最適な目安を紹介
業務用エアコンと家庭用エアコンの違いとは
業務用エアコンと家庭用エアコンでは「見た目」「最大馬力」「パワー」「耐久性」などのポイントにおいて違いがみられます。
まず最大馬力における違いでは、業務用エアコンは最大10馬力程度、家庭用エアコンは3馬力程度が目安です。
次に家庭用エアコンでは一般的に壁掛型の機種が多い一方、業務用エアコンは天井に設置するタイプが大半を占めます。
天井設置タイプのほかには家庭用エアコンと同様の壁掛型や、床に直接設置する床置型、飲食店などで使用される厨房型、そしてビルトイン型、ダクト型などがあります。
業務用エアコンは広い空間や多くの人が出入りする場所を想定して設計されているため、家庭用と比較して高い空調管理能力が備わっている点も特徴の1つです。
また耐久性における違いでは、家庭用エアコンの耐用年数が約6年であるのに対し、業務用エアコンは約15年の長期間にわたって利用可能です。
さらに家庭用エアコンの電源は電圧の低い「単相200V」が一般的である一方、業務用エアコンでは多くの電力を一気に流せる「三相200V」と「単相200V」の2種類があります。
単相の電気代は三相の電気代と比較して基本料金が安く使用料が高くなる特徴があるため、年中エアコンを稼働させる場合には「三相200V」を備えた業務用エアコンのほうが電気代が安くなるケースが多くみられます。
また業務用エアコンの設置には数日の工事期間が必要である一方、家庭用エアコンの工事は当日中に完了します。
関連記事:業務用エアコンと家庭用エアコンは何が違う?異なる3点を徹底解説
適切な馬力数の業務用エアコンを選んだほうがよい理由
ここまで、業務用エアコンの馬力や業務用エアコンと家庭用エアコンの違いについて解説しました。
業務用エアコンを選ぶ際には、使用する空間の広さや稼働時間、必要な耐用年数にあわせて適切な馬力の機種を選ぶことが重要です。
ここからは、適切な馬力数の業務用エアコンを選ぶべき3つの理由について解説します。
理由➀電気代を最適化できるため
適切な馬力の業務用エアコンを選ぶことで、電気代を最適化できるメリットがあります。
エアコンを設置する空間の床面積や空間の構造などに対してエアコンの出力が不足する場合、設定温度を維持するためには最大出力に近い状態で稼働する必要があります。
最大出力での稼働が続けば大量の電気が消費され、電気代は跳ね上がります。
一方空間に対しスペックが高すぎる場合には電力を余分に消費してしまうため、この場合でも電気代が高額にのぼる可能性が高くなります。
そのため、適切な馬力・スペックのエアコンを選ぶことで、最適な電気代に調整することが可能になるのです。
家庭用エアコンの出力はkwで示されますが、馬力をkwに換算すると「1馬力=約2.8kw」と計算できます。
例として家庭用エアコンを使用する際、10畳用で2.8kw、12畳用で3.7kwであることを参考にすると、1馬力が約2.8kwに相当することから、広い室内用の家庭用エアコンでも出力は2馬
力に達することなく、業務用エアコンと家庭用エアコンでは業務用のほうが圧倒的な出力を備えていることがわかります。
理由②空調を効率的に行えるため
適切なスペックの業務用エアコンを選ぶことで、空調を効率的に行えるメリットがあります。
部屋の床面積に対し業務用エアコンの出力が不足する場合には、冷房や暖房が部屋全体に十分に行き渡りません。
また冷却や加温能力を補うため送風を使用する場合には、場所によって冷えすぎたり乾燥したりする問題も発生します。
快適な室内環境を整えるためにも、適切な馬力の業務用エアコンを選ぶことは大切です。
さらにエアコン選びを誤ると快適な温度に調整しづらくなるだけでなく、ブレーカーが頻繁に落ちる恐れがあります。
ブレーカーが何度も落ちればその度に復旧が必要となり業務効率が悪くなるリスクも考えられるでしょう。
理由③エアコン本体が長持ちするため
適切なスペックの業務用エアコンを選べば、本体に余計な負荷をかけることなく、長期間にわたって使い続けることが可能です。
反対に業務用エアコンの出力が不足していると、稼働中に大きな負荷がかかり、故障の原因となるでしょう。
このように、たとえ耐久性の高いエアコンであっても過大な負荷をかけ続ければ、耐久度が落ちたり故障の原因となったりする恐れがあるため、エアコン選びでは価格の安さだけでなく業種や用途に適した馬力のエアコンを選ぶことが大切です。
業務用エアコンの馬力が不適切だとどうなる?
業務用エアコンの馬力が不適切だと、以下の問題が発生する可能性があります。
- 室内が思い通りの温度にならない
- 省エネ効率が低下する
それぞれの問題が発生する理由を詳しく解説します。
室内が思い通りの温度にならない
例えば、室内の広さに対して馬力が不十分だと、エアコンの冷気や暖気は行きわたりにくくなり、設定した温度に到達しない可能性があるでしょう。
反対に、馬力が大きすぎる場合は、風量が効きすぎたり極端に暑さ・寒さを感じたりすることになります。理想的な体感温度にならないと、従業員の体調不良やパフォーマンスの低下を引き起こすかもしれません。
省エネ効率が低下する
空調が効きづらい場合、設定温度を最大にして運転する状態が続きます。そのため、使用している時間に対して割高な電気代になるでしょう。エアコンを使う時間が長いほど電気代も上がるため、予算を大幅に超える出費となる可能性があります。
業務用エアコンの馬力を決める目安
業務用エアコンの馬力を決める際には「部屋の床面積」「用途」の2点に注意が必要です。
なぜなら部屋が広いほど温度管理に必要なエネルギーは大きくなり、同じ床面積の部屋であっても部屋の使用用途が違えばエアコンの効きが悪くなるためです。
業務用エアコンの出力を表す馬力とは、エアコンによる冷風または温風を満遍なく部屋中に行き渡らせるのに必要なパワーを数値化したものです。
そのため馬力の数値が大きいほど、パワーの強いエアコンと判断できます。
このとき、とにかく馬力の大きいエアコンを選べば安心、というわけではないという点に注意が必要です。
必要以上に馬力が大きいエアコンを使用すると、かえって電気代がかさむ原因になります。
一方で、必要な馬力が足りない場合にはエアコンの効きが悪くなってしまいます。
また設置工事にかかる費用は、業務用エアコンの馬力や種類によって大きく異なります。
業務用エアコンの設置工事費用が気になる事業者様は、こちらの業務用エアコンの種類別・馬力別工事費の相場をご参照ください。
業務用エアコンの工事費用の相場
業務用エアコンの工事費用の相場は、3万~21万円程度と、馬力やタイプによって価格に大きなひらきがあります。
種類別の工事費用の相場は、以下の通りです。
【タイプ別】業務用エアコンのタイプと工事費用の相場
- 壁掛け形:4万~13万円程度
- 床置き形:5万~18万円程度
- 天井吊形:7.3万~20万円程度
- 天井埋め込み形:7.7万~21万円程度
壁掛け型や床置き型は搬入や設置が容易である分、工事費用を比較的安く抑えられます。
一方で設置に際してダクト工事や天井への穴あけ工事が必要な天井吊型や天井埋め込み型は、工事費用が高額にのぼります。
また同じタイプの機種でも、馬力によって工事費用に差が生まれるため、設置を検討する際にはメーカーのWebサイトやカタログなどで費用の詳細を確認しておきましょう。
業務用エアコンの工事費用相場についてもっとくわしく知りたい方は、ぜひこちらの記事もあわせてご覧ください。
業務用エアコンの最適馬力算出法
ここまで述べてきたように、業務用エアコンを選ぶ際には最適な馬力の機種を選ぶことが大切です。
業務用エアコンの最適馬力は、次の計算式で算出できます。
「算出基準負荷」とは空間の使用目的に応じて変動する、エアコン能力の目安です。
算出基準負荷は設置するエリアや建物の種類によって異なりますが、今回は以下の数値を目安に具体的な算出例について解説します。
- 飲食店…190~370w/㎡
- 一般商店…160~180w/㎡
- 理美容院…230~290w/㎡
- オフィス…105~230w/㎡
【設置場所別】業務用エアコンの最適馬力の算出例
ここからは、設置場所別にどれくらいの馬力が最適かについて、最適馬力の算出例を解説します。
実際に業務用エアコンを選ぶ際の最適馬力の算出例として参考にしてみてください。
今回は床面積40㎡の空間を想定して計算します。
そのため実際に最適馬力を算出する場合には、実際の面積を計算式にあてはめて計算してください。
ケース①飲食店
1馬力=2.8kw
7.6kw÷2.8kw=2.7
この計算式から、40㎡の厨房のみでガスを使用する飲食店の場合、3馬力の業務用エアコンが最適といえます。
ただし焼き肉店やお好み焼き店のように、テーブル席でお客さんが自ら調理を行う店では、算出基準負荷を370w/㎡で計算するのがおすすめです。
1馬力=2.8kw
14.8kw÷2.8kw=5.2
この計算式から、客席でも火を使う飲食店の場合、5~6馬力の業務用エアコンが最適といえます。
ケース②一般商店
1馬力=2.8kw
6.8kw÷2.8kw=2.4馬力
雑貨店やアパレル店舗など、発熱機器の使用がほとんどない一般商店の場合、算出基準負荷は「160~180w/㎡」です。
以上の計算式から、一般商店に設置する場合には2~3馬力の業務用エアコンが最適といえます。
ケース③理美容院
1馬力=2.8kw
10.4kw÷2.8kw=3.7馬力
理美容院は施術中にパーマやドライヤーなどで熱機器を使用しますが、お客さんは長時間席から動けないため、算出基準負荷は「230~290w/㎡」となります。
以上の計算式から、理美容院に設置する場合には4馬力の業務用エアコンが最適といえます。
ケース④オフィス
1馬力=2.8kw
9.2kw÷2.8kw=3.2馬力
オフィスではガスや火を使用する場面はないものの、パソコンや複合機などの機器類が熱をもっている点に注意が必要です。
そのため、室内に電子機器が多く設置されている場合は、最大値の算出基準負荷で計算するのがおすすめです。
以上の計算式から、電子機器が多いオフィスに設置する場合には3馬力の業務用エアコンが最適といえます。
業務用エアコンの最適な選び方
ここまで、最適馬力の算出方法について解説しました。
それでは、業務用エアコンを選ぶ際にはどのようなポイントに気をつけるべきなのでしょうか。
ここからは、業務用エアコンの最適な選び方について、2つのポイントに絞って解説します。
選び方①空間の床面積で決める
業務用エアコンの馬力の目安は「10畳あたり3馬力」といわれています。
業務用エアコンを選ぶ際には、事前に導入する部屋の床面積を正確に把握したうえで、適した馬力を備えているエアコンを選びましょう。
選び方②業種や用途で決める
業務用エアコンを選ぶ際には「店舗の業種」や「発熱機器の有無」が重要な判断材料となります。
店舗の大きさが同じであっても発熱機器の有無やどのような用途でその場所を使用するかによって必要な馬力は異なります。
発熱機器が多い場合や熱が発生しやすい環境である場合には、高い馬力のエアコンを選びましょう。
選び方③省エネ効率で決める
業務用エアコンは、「省エネタイプ」「超省エネタイプ」と、省エネ効率が2つのグレードがあります。省エネ性能が標準の「省エネタイプ」は、比較的安価で導入できます。最新機種のものは、従来の機器に比べて省エネ性能が上がっているため、電気代を抑えることが可能です。
「超省エネタイプ」は、高効率の省エネができるタイプで、「省エネタイプ」に比べて高価ですが、長時間使用する場合には電気代の削減につながります。
自社のエアコンの使用状況に合わせた省エネ効率を選びましょう。
選び方④業者の提案で決める
業務用エアコンは、専門知識を持った業者による提案をもとに選定することもポイントの1つです。現場の状況に合った業務用エアコンの選定から施工まで任せられるため、工事にかかる手間を減らすこともできます。たとえ自身で業務用エアコンを選定した場合でも、専門業者に確認してもらうと安心です。
選び方⑤部屋の収容人数で決める
部屋にいる人数で冷気・暖気の伝わり方は変化するため、収容人数に適した馬力の業務用エアコンを選ぶ必要があります。出入りする人数や常駐する人数などを加味した上で、エアコンを選定しましょう。
選び方⑥熱源量で決める
熱源量によってエアコンの効き方が変わるため、室内の熱源に応じた馬力の業務用エアコンを選ぶことが大切です。特に熱源が多くなる飲食店は、一般的なオフィスに比べて大きな馬力のエアコンが求められます。そして、飲食店の中でも鍋料理や鉄板焼きなど各座席で熱気が発生する場合は、より多くの馬力が必要となるでしょう。
業務用エアコンを入れ替えたい場合は?
業務用エアコンの入れ替えは家庭用エアコンのものと比べて複雑なため、時間がかかります。そのため、工事に際して専門業者による現地調査が必要です。業務用エアコンは馬力だけでなく、設置場所や電源・ブレーカー、配管の長さや場所、ルートなど様々な箇所を調査した上で工事が実施されます。
設置場所や台数によって数時間〜数日間と期間が変動するため、場合によっては工事のために休業が必要なこともあります。業務用エアコンの工事を依頼する場合は、自社の稼働にも影響が出ることを把握しておかなければいけません。
業務用エアコンを設置するための業者の選定ポイント
業務用エアコンの選定や設置工事は、信頼できる業者に依頼することが大切です。業者を選ぶ際には、以下のポイントに着目しましょう。
- 自社設置工事を行っている
- 提案力がある
- 資格・免許の有無
自社で設置工事を行っている
自社のみで工事を行わない場合。一貫して1つの業者が担当するのではなく、複数の業者が絡むことになります。そうなると、コストが上がるだけでなく、トラブルが発生した際に責任の所在が不明となったり、対応をたらいまわしにされたりする可能性もあるでしょう。
自社での設置工事であれば、相談から施工、サポートまで一貫して依頼できるため、スムーズな工事が期待できます。
提案力がある
エアコンに関する知識がないと漠然としたイメージしか湧かず、どんなものを選んだらいいか分からなくなることもあるでしょう。また、業務用エアコンは多角的に見た上で自社に適したものを選ぶ必要があるため、自身で見極めるのは難しいといえます。
提案力のある業者であれば、自社の状況に最適な業務用エアコンや工事の提案をしてくれるため、安心して依頼できます。
資格・免許の有無
定期メンテナンスまで含めて資格者による施工が法令で義務付けられているため、資格や免許を持った業者に依頼することが必要です。資格がなくても依頼できる軽微な工事もありますが、トラブルが発生するリスクも鑑みると、資格や免許を持っていることは信頼できる業者の指標の1つといえます。
エアコンの取り付け工事に必要な資格は以下のものが挙げられます。業者に依頼する場合は、これらの資格を有しているかを確認しておきましょう。
- 管工事業 許認可の有無
- フロンガス回収作業の登録の有無
- 定期メンテナンス・アフターサービス
部屋面積と用途から業務用エアコンの馬力を計算しよう
以上、業務用エアコンの選び方や設置費用の目安について解説しました。
「最適馬力がわからない」
「最適馬力がわかったからさっそく発注したい」
とお思いの事業者様やご担当者様は、ぜひEMEAO!をご利用ください。
コンシェルジュが業務用エアコンの種類や馬力に関するアドバイスはもちろん、優良な設置業者の紹介まで、完全無料でサポートいたします。
業務用エアコンの優良おすすめ業者とメーカーを知りたい方はこちらをご覧ください。
業務用エアコンのおすすめ主要国内メーカー6社を比較!優良な販売・設置会社も紹介
地域別におすすめ業者を知りたい方はこちらをご覧ください。

この記事を書いた人
編集部員 河田
編集部員の河田です。編集プロダクションでの書籍編集の経験を経て、現在はEMEAO!のWebコンテンツ編集・執筆とお客様へのインタビューを担当させていただいています。日々、コツコツと皆さんのお役に立つ情報を発信していきます!よろしくお願いします。





