エアコンの種類をタイプ別に解説!業務用と家庭用の違いは?
公開日:2023.11.12 最終更新日:2024.07.12
エアコンは、設置場所の広さや用途に合わせて選ぶのが重要です。しかし多くの種類が展開されているため、どれを選べばよいかわからない方もいるでしょう。
そこで本記事では、エアコンの種類をタイプ別に解説します。業務用と家庭用の違いや選び方も取り上げるので、ぜひ参考にしてください。
エアコンの種類は主に2つ
エアコンには大きく分けて、業務用と家庭用の2種類があります。
業務用エアコンは、オフィスや店舗に設置されるエアコンです。空間を広く空調する必要があるため、馬力や性能が高く設定されています。
形状のバリエーションも豊富で、設置場所に合わせて最適なタイプを選択できます。基本的にはメーカーや専門業者から直接購入し、設置まで対応してもらうことが多いです。
家庭用エアコンは、一般の家庭で使用されるエアコンです。家電量販店やネット通販で購入でき、一般的な壁掛けタイプのほか、窓用や据え置き型など幅広く展開されています。
関連記事:業務用エアコンの種類について紹介!形(タイプ)別の特徴も解説
業務用エアコンと家庭用エアコンの違い
業務用エアコンと家庭用エアコンの違いは以下の3つです。
業務用エアコン | 家庭用エアコン | |
冷暖房能力 | 高い | 普通 |
電源・電圧 | 三相200V | 単相100・200V |
設置方法 | 専門業者による特殊な作業が必要 | 家電量販店やメーカーに工事を依頼 |
順番に見ていきましょう。
冷暖房能力
業務用エアコンと家庭用エアコンでは、冷暖房能力に大きな違いがあります。
冷暖房能力とは、単位時間あたりに室温を下げる、もしくは高める能力のことです。業務用エアコンはオフィスや店舗などの広い空間で使用されるため、家庭用エアコンより冷暖房能力が高く設定されています。
電源・電圧
家庭用エアコンには「単相100・200V」、業務用エアコンには「三相200V」が採用されているのも違う点です。
単相は一般家庭で使われる電気交流で、2本の配線で電気を送るため電圧が低く、安全に使用できるのが特徴です。一方の三相は、単相を等間隔に3つ重ね合わせたもので、多くの電力を得られます。
大型エアコンや産業用電気器具など、電力消費が多い機器や、持続的かつ安定した電力が必要な際に用いられます。
設置方法
家庭用エアコンは、家電量販店やメーカーに工事を依頼すれば簡単に設置できます。
しかし業務用エアコンは、天井への埋め込みや配管洗浄など専門業者による特殊な作業が必要です。場所によっては、設置完了までに数時間から数日かかるケースもあります。
業務用エアコンの種類
業務用エアコンには多くの種類があり、設置場所や広さによって最適なタイプが異なります。エアコンを設置する際は、それぞれの特徴を理解したうえで、自社に合う種類を選ぶ必要があるでしょう。
ここからは、業務用エアコンの主な種類を9つ紹介します。
天井カセット形4方向
吹出口が4方向あり、室内機を天井に埋め込む形で設置するエアコンです。
業務用エアコンで最も汎用性が高く、オフィスから店舗まで幅広いシーンに採用されます。風が均等に行き渡るため、温度ムラが発生しにくいのがメリットです。風向きや風量の調整機能も充実しています。
関連記事:天カセエアコンとは?種類や馬力から交換費用の相場まで解説
天井カセット形4方向 コンパクト
天井カセット形4方向よりサイズが小さいため、スペースに余裕がなくても設置できます。見た目もコンパクトで、空間との調和を重視する場合に最適です。
しかし、通常のタイプに比べて冷暖房能力は劣るため注意が必要です。
天井カセット形2方向吹出
天井カセット形2方向吹出は、2つの吹出口から風が出るタイプのエアコンです。
長方形で細身のシルエットなので、天井のデザインを崩したくない場合に適しています。
天井カセット形1方向吹出
吹出口が1方向の業務用エアコンで、部屋の隅やコーナー部分、下がり天井に採用されることが多いです。
下方向や前方向など風の吹出角度を自由に設定できるのはもちろん、高天井にも設置できます。
天井ビルトイン形
天井ビルトイン形では、エアコン本体を天井へ埋め込む形で設置します。本体とフレキシブルダクトをつなぎ、吹出口へ風を送る仕組みです。
給気口を天井面に取り付けるので、オフィスや店舗のデザインを損ねる心配はありません。ただしその分、部材や工事費用が高くなるため注意が必要です。
天井埋込ダクト形
本体を天井に埋め込むタイプのエアコンです。
吹出口と吸込口を本体から分離して設置するため、見栄えがよいのが魅力です。エアコンを目立たせたくないインテリア重視の店舗やホテルに適しています。
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天吊露出形
天井に吊り下げる形で設置するタイプのエアコンです。
埋め込み不要で取り付けられるため、天井内にエアコン本体を埋め込みできない場合に選ばれています。学校の教室に設置されるケースが多いです。
関連記事:天吊り型業務用エアコンが持つ2つの特徴と代表的な機種
壁掛形
ルームエアコンでよく見られる壁掛け形を業務用でも使えるように、馬力を大きくしたタイプです。他の形状より工事費用を抑えられるだけでなく、メンテナンス性に優れているのも魅力です。
しかし、奥行きのある部屋に設置した場合は、冷暖房の効き目にムラが生じるケースがあります。
関連記事:壁掛け型業務用エアコンが持つ4つの特徴と代表的な3つの機種
床置直吹形
床に直接設置するタイプの業務用エアコンです。
天井が低くて他の形状を導入できない場合に用いられます。床に置くだけなので、工事費用を削減できます。
家庭用エアコンの種類
続いて、家庭用エアコンの種類を紹介します。
家庭用エアコンは一般家庭で使用されることが多く、オフィスや店舗では検討の対象に挙がりません。しかし小規模なオフィスでは、家庭用エアコンの方が設置コストを抑えられるケースがあります。
それぞれの特徴や最適な設置空間も解説するので、ぜひ参考にしてください。
壁掛けタイプ
屋内の壁に室内機を取り付け、屋外の室外機とつないで稼働するタイプのエアコンです。部屋の空気を効率よく整えるだけでなく、電気代も安く抑えられます。
しかし設置する際は、室内機と室外機をつなぐ工事が必要です。
窓用タイプ
窓に取り付けるタイプのエアコンです。
室内機と室外機が一体になっているため、室外機のスペースを別で設けたり、取付け工事を依頼したりする必要がありません。本体価格も安く、気軽に導入しやすいのがメリットです。
ただし、他の形状より電気代が高くなりやすいので注意してください。
床置きタイプ
床置きタイプは、本体を床に置くだけで稼働できるエアコンです。屋内や屋外に限らずどこでも使用でき、室外機を別で設置する必要もありません。
しかし、冷暖房能力がそれほど高くないため、部屋全体を空調するのには不向きです。
デスク周りや一箇所で作業をおこなう場合など、空調したい範囲が限られるケースで導入するのに適しています。
種類別!エアコンの選び方
エアコンを選ぶ際は、以下の3点を重視しましょう。
- 室内機の形状をチェックする
- 設置場所の広さと能力を考慮する
- ヒートポンプ式なら電気代を節約できる
順番に解説します。
室内機の形状をチェックする
室内機の形状には「天井埋込形」と「露出形」の2種類があります。
見た目や省スペースを重視するなら「天井埋込形」、設置のしやすさやコスト、メンテナンス性を重視するなら「露出形」を選びましょう。
なお、すでにエアコンが設置されている場合は、同じ形状を選ぶのがおすすめです。しかし、エアコンの風当たりが強かったり、風が全体に行き渡らなかったりする場合は、他の形状を検討しましょう。
新たに設置する場合は、前述したエアコンの種類から、自社の設置場所に合う形状を選択するのがおすすめです。
設置場所の広さと能力を考慮する
エアコンを選ぶ際は、設置場所の広さに応じた製品を導入する必要があります。エアコンの適用畳数が自社のオフィスに適用するか確認しましょう。
なお業務用の場合は、冷暖房能力も考慮する必要があります。冷暖房能力は馬力やkW(キロワット)で表され、同じ面積でも設置環境によって必要な能力が異なります。
たとえばオフィスと飲食店では、熱源の多い飲食店の方が空調の効きが悪いため、より能力の高いエアコンが必要です。設置場所の面積に必要な馬力は、以下の計算式で求められます。
設置場所の面積(㎡)× 算出基準熱負荷(W/㎡)= 冷暖房能力(kW) |
2.8kW=1馬力で、約8畳分の空調管理能力に匹敵します。
ヒートポンプ式なら電気代を節約できる
ヒートポンプとは、空気中の熱を集めてエネルギーにする技術です。空気に含まれる熱をポンプのようにくみ上げ、エアコンから放出することで室内を温める仕組みです。
電気やガスをエネルギーに変えるのではなく空気をエネルギー源とするため、高い省エネ効果が期待できます。電気代を節約するなら、ヒートポンプ式のエアコンを検討しましょう。
まとめ:設置場所や用途に合ったエアコンを選ぼう
エアコンには多くの種類があり、性能や最適な設置場所が異なります。エアコンを選ぶ際は、それぞれの特徴を把握したうえで、自社に適した種類を購入しましょう。
とくに設置場所の広さや用途に合う馬力が備わっているかは重要です。本記事で紹介した計算式を参考に、必要な馬力を確認してみてください。
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この記事を書いた人
hata