ビルトインエアコンとは?導入メリットやおすすめのメーカーを紹介
公開日:2023.11.20 最終更新日:2024.07.12
ビルトインエアコンとは、天井や壁に本体を埋め込んで取り付けるタイプで、設置場所のレイアウトに合わせて導入できるのが魅力です。 しかし一方で、設置や修理に伴う工事費用が高い、商品ラインナップが少ないなど、いくつかのデメリットもあります。そのため、ビルトインエアコンの導入を迷っている方もいるでしょう。 本記事では、ビルトインエアコンについて解説します。メリットやデメリット、おすすめのメーカーも取り上げるので、導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
ビルトインエアコンとは
ビルトインエアコンは、天井や壁など、建物の内部に埋め込んで設置するものです。 一般的なエアコンは本体を壁に掛けて設置するため、見た目に圧迫感が生じるのが難点です。その点ビルトインエアコンは、本体が建物内に収納されるので、オフィスや店舗の内装の雰囲気を損ねず設置できます。 また、本体と吹出口がフレキシブルダクトでつながれているため、本体から離れた場所でも吹出口を設置できます。複雑な間取りや柱が多い空間、パーテーションで仕切られている場合でも設置場所に困ることはありません。 ここからは、ビルトインエアコンの特徴と耐用年数を詳しく解説します。
分散空調に優れたエアコン
ビルトインエアコンは、一つのユニットにつき2〜4つの吹出口を設置できるため、分散空調に優れています。 エアコン本体と吹出口はフレキシブルダクトでつながれており、オフィスや店舗の間取りに合わせて吹出口を設置できます。 東芝キャリアが取り扱う「天井埋込形ビルトインタイプ P80形」を例に挙げましょう。凸の字や屈曲した間取りでも、フレキシブルダクトを伸ばせば空間の隅々まで吹出口を分散できます。 一般的な壁掛けエアコンでは効率よく空調できない複雑な間取りや、空間の温度を均一にしたい場合に適しています。
耐用年数は13~15年
ビルトインエアコンの耐用年数は、13〜15年程度といわれています。一般的な壁掛けエアコンの寿命が9〜10年程度なのを考えると、耐用年数は長いといえるでしょう。 ビルトインエアコンは天井や壁の内部に配管工事を施すので、空調設備というより建物の一部として見なされます。そのため、壁掛けエアコンより4〜5年程度耐用年数が長くなります。
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ビルトインエアコンのメリット
オフィスや店舗にビルトインエアコンを導入するメリットは、以下の3つです。
- インテリアを邪魔しない
- 空調効率がよい
- 吹出口を自由にレイアウトできる
順番に見ていきましょう。
インテリアを邪魔しない
ビルトインエアコンは天井や壁に埋め込む形で設置するため、本体が露出しません。そのため、オフィスや店舗の内装デザインを重視する場合に最適でしょう。 一般的な壁掛けタイプだと本体が目立ったり、空間が圧迫されたりします。その点ビルトインエアコンなら本体が建物内に収納されるため、空調設備特有の圧迫感がなくなり、部屋を広く見せる効果も期待できます。 なお、製品によっては吹出口パネルを変更できるものもあります。木目調やカラフルな色味など、設置場所の雰囲気に合わせてコーディネートできるのも魅力です。
空調効率がよい
壁掛けタイプのエアコンは1方向にしか風を送れません。そのため、エアコンからの距離が離れていると冷暖房効果を感じにくくなります。 また、オフィスが均一に空調されなくなり、体感温度に差が生じて業務効率の低下につながる恐れも。 一方ビルトインエアコンなら、2方向以上に風を送れます。空調効率が高く室温を一定に保ちやすくなるため、省エネにもつながるでしょう。
吹出口を自由にレイアウトできる
ビルトインエアコンは、エアコン本体と吹出口がフレキシブルダクトでつながっています。一つのユニットに対して2〜4つの吹出口と連結でき、ダクトが約10mの長さまで伸びるため、複雑な間取りでも自由にレイアウトできます。 変形した間取りや柱の多い空間でも、設置場所を気にすることなく導入できるのが魅力です。
ビルトインエアコンのデメリット
空調効率やインテリア性の高さなど多くのメリットがあるビルトインエアコンですが、一方で以下のようなデメリットも存在します。
- 本体購入や修理・メンテナンスにかかる費用が高い
- 商品ラインナップが少ない
順番に見ていきましょう。
本体購入や修理・メンテナンスにかかる費用が高い
ビルトインエアコンは本体を天井や壁に埋め込んで設置するため、一般的なエアコンより導入費用がかさみやすいです。 一般的なエアコンは1〜3万円程度で設置工事を依頼できます。中には商品代金に工事費用が含まれている場合もあり、比較的安価で済みます。 一方、ビルトインエアコンの場合は12万〜18万円程度が相場です。 とくに新規で取り付ける際は、天井の化粧板を本体に合うようにカットしたり、特殊な配管作業をしたりするため、工事に手間と費用がかかります。 また、一般的なエアコンより商品ラインナップが少ないことから、修理やメンテナンスに対応できる業者が限られる点もデメリットです。たとえ対応可能でも、修理料金を高く設定している業者も多く、費用がかかりやすくなります。
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商品ラインナップが少ない
一般的なエアコンでは、機能・色・形が異なるさまざまな商品が発売されており、ラインナップが豊富です。また、機能も年々グレードアップしています。 一方、ビルトインエアコンは一般的な商品に比べてラインナップが少なく、選べる機種が限られています。さらに、取り扱うメーカーが少なく競争が起こりにくいことから、最新機能が搭載されないケースも多いです。 しかし、最近では業務用だけでなく家庭用エアコンとして採用されるケースもあります。それに伴い、省エネ設計や長期間交換不要な除菌・脱臭フィルターが搭載された製品も少しずつ展開されています。
ビルトインエアコンのおすすめメーカー
ここからは、ビルトインエアコンのおすすめメーカーを紹介します。
- ダイキン
- パナソニック
- 三菱電機
それぞれの特徴や便利機能についても取り上げるので、ビルトインエアコンを検討中の方はぜひ参考にしてください。
ダイキン
ダイキンの「天井埋込カセット形 ビルトインHiタイプ」は、オフィスや店舗スペースに合わせて自由に吹出口を調整できるのが魅力です。 L字やコの字などの複雑な間取りでも柔軟に対応可能。日照や人の集まり具合などさまざまな条件をクリアしながら、誰もが過ごしやすい温度に整えます。 さらに、業界トップレベルの薄型化に成功しているのも特徴です。設計自由度が高く、空間の雰囲気を損ねずにエアコンを設置できます。 なお、吹出パネル部分には自動昇降(オートグリル)機能が搭載されています。パネルが自動で昇降するので、脚立を用意しなくてもグリルやエアフィルターの手入れが可能です。
パナソニック
パナソニックの業務用エアコン「天井ビルトインカセット形」は、多彩なシステム展開でスペースに応じた快適空調を実現できます。 複雑な間取りでもフレキシブルに対応できるだけでなく、節電や省エネ性能にも優れています。 人の活動量を自動で検知して節電運転する「エコナビ機能」や、熱交面積を30〜80%に拡大した「くの字形熱交換器」はパナソニックならでは。 また、本体を軽量化することによって、施工時の負担軽減も実現しました。天井スペースが狭い場所でも自由に設置できます。
三菱電機
三菱電機の業務用エアコン「天井ビルトイン形」は、薄型かつ軽量で設置スペースの自由度が高いのが特徴です。 オフィスや店舗の間取りに左右されない、フレキシブルな設計が可能です。ドレンアップメカを標準搭載しているため、省工事も実現できます。 また、フィルター部分には「清潔Vフィルター」を標準装備。従来の抗菌や防カビに加え、ウイルスを抑制する作用も期待できます。別売りのアレル除菌フィルターを設置すれば、空気の質を手軽に改善することも可能です。
まとめ:空調効率を高めるならビルトインエアコンがおすすめ
ビルトインエアコンは、天井や壁に本体を埋め込む形で設置する空調機器です。特殊な配管作業や天井の化粧板を加工する必要があり、工事費用がかかります。また、取り扱うメーカーが限られているため商品ラインナップが少ないのも難点です。 しかし一方で、設置の自由度が高く、オフィスや店舗の雰囲気を損ねずに導入できるメリットがあります。また、2方向以上から風を送れるため高い空調効率も期待できます。 オフィスや店舗の内装デザインを損ねたくない、複雑な間取りで空調の効きにムラがあるという場合に最適です。ぜひ本記事を参考に、ビルトインエアコンを導入してみてください。
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この記事を書いた人
hata