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公開日:2024.01.21 最終更新日:2025.08.22
飲食店など店舗を経営されている方の中には、業務用でも換気機能付きエアコンを探している方も多いでしょう。しかし、現段階では業務用の換気機能付きエアコンはどのメーカーからも販売されていません。
この記事では、業務用の換気機能付きエアコンと同等の効果を得られる方法を解説しています。
換気を行う最適な方法がわかりますので、ぜひ最後まで読んでください。

業務用の換気機能付きエアコンはありません。
しかし、室内であれば換気は必須でコロナ以降その注目度は高まっています。ここでは業務用エアコンにおける換気の必要性について詳しく解説していきます。
業務用エアコン単体での換気はできません。
エアコンとは空調設備であり、室内の空気を温めたり冷やしたりすることで快適な空間を作ります。換気に必要な、外と中の空気の入れ替えを行う機能は付属していません。
リモコンには「換気ボタン」がついていますが、配線を繋ぐことで業務用エアコンの使用と同時に換気扇を回すためのボタンで、換気とは関係ありません。
業務用エアコンを使って換気を行うためには、自然換気や換気設備(機械換気)との併用が必要です。
空調は快適に過ごせるよう室内の空気を循環させ、温度や湿度、気流、清浄度を調整することです。それに対し換気は、室内の汚れた空気と外の新鮮な空気を入れ替えることです。
空調で循環させているのは室内の空気に限られるため、CO2や一酸化炭素、ウイルス、カビなどの汚れは室内にとどまり続けます。
つまり空調機器であるエアコンを使い続けている間は、換気は行われていません。空気を入れ替えるためには、窓を空けたり機械を使ったりします。
空調と換気は同じようなものに見えますが、役割には明確な差があることを認識しておきましょう。
関連記事:エアコンの空気清浄機能の効果は?メーカー別の機能も比較
室内の空気が汚れると、身体へ以下のような悪影響が想定されます。
そのため、建築基準法第28条では1人あたり1時間に20㎥の換気量が必要とされています。
しかし、新型コロナウイルスの感染を予防するにあたって厚生労働省が推奨している換気量は1人あたり1時間に30㎥です。
この数字は、成人男性が静かに座っているときに排出される二酸化炭素量に基づいており、室内の二酸化炭素濃度が1,000ppmを超えないように設定されています。
1時間に1人あたり30㎥の換気量を確保するために必要な換気回数は、1時間に2回以上とされています。日本環境感染学会によると窓を開けて換気をする場合1時間に18.7分間、窓を全開にすれば換気回数2回を達成できます。

部屋を換気するためには、空気を取り入れる給気と空気を排出する排気が必要です。給気と排気の仕方の違いで以下の3つの換気方法があります。
それぞれ解説していきます。
第1種換気とは給気も排気も機械で行う方法で、機械によって空気量をコントロールできます。
機種ごとに「1時間あたりに行える換気量」が決まっているため、取り付ける空間に適した機械を選ぶことで計画的な換気が可能です。
換気量の把握がしやすく確実に換気できる一方で、機械が必要なためコストが高くなるデメリットがあります。第1種換気は高気密住宅や高層など、窓がないオフィスビルで採用されています。
第2種換気は給気は機械、排気は自然換気を行う方法です。機械で汚染物質を除去してから新鮮な空気を室内に送り込むことで、清潔な空間を保てる特徴があります。
一方で排気は自然な空気の流れに任せるため、排気が滞ると給気効率が低下し、結露しやすく木造住宅には向かない方法です。清潔さが求められる製造工場やクリーンルーム(無菌室)など、限られた場所で採用されています。
第3種換気は給気を自然換気、排気は機械を使って行う換気方法です。
機械で汚れた空気を外に押し出すことで室内の気圧が外より低くなり、新鮮な空気が中に入ってきます。導入やランニングコストが低く、住居から飲食店まで最も普及している換気方法です。
給気を自然に任せているため、締め切った空間では十分な給気が行われないことで排気効率が低くなります。
また、外の空気をそのまま入れるため、空気の悪い場所ではホコリや排気ガスなどが混入したり騒音の影響を受けるリスクがあります。

全熱交換器とは、室内外の空気を入れ替えるときに特殊な部品を通すことによって、空気と熱の交換を同時に行える機械です。
冬であれば室内の暖かい空気を排出するときに外からの冷たい空気に熱を移し、温めた空気を室内に入れます。全熱交換器は温度変化を防いでくれるため、エアコンにかかる負担が減り快適な空間つくりのコストが抑えられます。
全熱交換器と業務用エアコンを組み合わせるメリットは以下の4つです。
全熱交換器を通して入ってくる空気は、フィルターにより汚染物質が除去されています。
エアコンだけではできない換気が計画的に行えるだけでなく、空気の質や虫の侵入などを心配する必要がありません。
また、窓や扉を開けて行う換気とエアコンを同時に使った場合と熱交換器とエアコンを併用した場合を比べると夏季は約43%、冬季は約47%の省エネにつながるというデータがあり電気代の節約になります。
全熱交換器と業務用エアコンを組み合わせるデメリットは以下の2つです。
全熱交換器の導入には専門業者によるダクト工事や設置工事、電源工事が必要なため機器代の他に工事費用が発生します。設置後は常に電気を使うためランニングコストもかかります。
メンテナンスではフィルターの交換やファンの故障による部品交換や工事費用などが想定されるので、あらかじめ予算に組み込んでおきましょう。
業務用の換気機能付きエアコンは販売されていませんが、全熱交換器と業務用エアコンを組み合わせれば同等の効果が得られます。
全熱交換器の導入は他の換気方法に比べ費用がかかるデメリットもありますが、冷暖房費を抑えた上で効率的な換気ができることは大きなメリットです。
新型コロナの流行後、換気への意識が高まっていることからも業務用エアコンの購入を考えている方は、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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現在は、お客さま対応を担う。年間実績として、120社を超えるクライアントのSEOコンサルを担当。
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