業務用エアコンの掃除方法とは?掃除手順やタイミングも詳しく解説
公開日:2020.07.22 最終更新日:2024.07.30
業務用エアコンは環境維持のために欠かせない必需品ですが、掃除せずに使い続けるとむしろ環境を悪化させてしまうことも。
「掃除が必要なのはわかるが、タイミングがわからない」
とお困りの事業者様や設備管理のご担当者様もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、業務用エアコンを掃除すべきタイミングと作業手順をご紹介します。
業務用エアコンをいつ頃掃除したのか分からない事業者様や担当者様は、ぜひご一読ください。
業務用エアコンを掃除するメリット
業務用エアコンは、オフィスや店舗、工場や倉庫といった広い空間で使われる大出力の冷暖房機です。
1年中快適な室内環境にしてくれる頼もしい存在ですが、いくら優れた空調設備であっても、定期的な清掃が行われていないと、本来の性能を発揮することはできません。
では、業務用エアコンの掃除をすることで、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
メリット①ニオイの軽減につながる
エアコン清掃を行うと、エアコン内部のカビなどの汚れが空気中に排出されるのを防ぎ、嫌なニオイもシャットアウトできます。
排出される空気が綺麗なものになれば、エアコン臭もしなくなるはずです。
メリット②エアコンの効きがよくなる
業務用エアコンの掃除をすることで、冷暖房の効きがよくなります。
フィルターの目に詰まったホコリを取るだけでも、エアコンの空気循環が改善されるでしょう。
エアコンの掃除を行うことで、冷暖房の効率はおおむね30%以上改善されるといわれています。
エアコン内部にたまったゴミや黒カビを洗浄すれば、風速も改善されるため、風量を変えなくても風量がアップしたように感じられるはずです。
メリット③電気代が安くなる
エアコン内部を清潔に保つことは、エアコンの消費電力を減らし、電気代の節約につながります。
内部にホコリやカビがたまったエアコンは、空気や熱の変換に通常より多くの電力を消費している状態です。
エアコンの掃除を行ったあとは、エアコン本来の働きを取り戻し、電気代の節約につながるわけです。
エアコン内部の掃除は個人では難しいですが、フィルターの掃除は個人でも比較的簡単にできます。
電気料金高騰が社会問題になりつつある今、電気代節約のためにもエアコンの掃除はこまめに行いましょう。
関連記事:業務用エアコンにかかる電気代の節約術2選
メリット④エアコンの寿命が伸びる
業務用エアコンを定期的に掃除することで、エアコンの過剰運転を防ぎ寿命を伸ばすことにもつながります。
エアコン内部に汚れがたまっていると、通常よりも負荷がかかった状態で稼働することなになり、故障リスクが高まります。
エアコンの平均寿命は10年ほどといわれますが、定期的にエアコン内部の掃除をすれば、本来の寿命よりも長く使い続けることができ、結果的には経済的です。
関連記事:業務用エアコンの耐用年数は何年?できるだけ長く使い続けるには?
業務用エアコン掃除をしないデメリット
業務用エアコンの内部に汚れがたまっていると、快適さが損なわれるだけでなく、さまざまな不具合が発生します。
掃除を怠ったことによる、主なデメリットを挙げてみましょう。
アレルギーの発症の原因になる
業務用エアコンを定期的に掃除せずに使っていると、エアコン内部にどんどんホコリや塵が吸着し、ダニやカビの温床となっていきます。
そのままエアコンの稼働を続けると、室内にカビ胞子をまき散らし、アレルギーや喘息、肺炎などを引き起こしたりするおそれもあります。
こうなっては、快適な空気を生み出すどころか、健康被害の温床でしかありません。
室内をきれいにしているのに、アレルギー症状の従業員や顧客が出た場合は、業務用エアコンの内部が汚れていないかチェックしてください。
電気代が高くなる
業務用エアコンの掃除をしないと、運転効率が落ち、消費電力が上がって電気代がかさむようになります。
エアコンの効きが悪くなれば、通常よりも設定温度を下げたり、風量をアップしたりしなければならず、これも電気代が高くなる原因となります。
故障するリスクが高まる
業務用エアコンの内部に汚れがたまったままだと、通常よりも機器に負荷がかかった状態で運転が行われ、故障リスクが高まります。
エアコンが故障すると、修理もしくは買い替えコストがかかるため、こまめに掃除を行い、故障リスクを減らすことが重要です。
業務用エアコンを掃除する3つのタイミングと清掃手順
業務用エアコンを使用中、以下で紹介する3つの現象が起きたときが掃除を行うベストタイミングです。
各タイミングごとに、その現象が起きた要因とどのように掃除すればいいのかまで解説していきます。
タイミング①業務用エアコンの表面や内部にホコリなどの汚れが出てきた
業務用エアコンの表面や内部に汚れが見られる場合は、室内の空気と一緒に吸い上げたホコリが吐き出し口やエアコン内部に溜まっています。
エアコンは室内の空気を本体に取り込み、それを冷やしたり温めたりして吐き出すので、定期的に掃除をしないと空地中の汚れが溜まってしまうのです。
この場合は、以下の手順でエアコンについたホコリを取っていきましょう。
- エアコンの表面についたホコリや汚れをふき取る
- フィルターを外す
- フィルターの表面についたホコリを掃除機で吸い取る
- 冷却フィンについているホコリを掃除機で吸い取る
冷却フィンの素材は柔らかく曲がりやすいので、掃除機を当てる際は力を入れすぎないように注意してください。
タイミング②業務用エアコンから出てくる風が臭う
エアコンの風から酸っぱい臭いやカビくさい臭いがする場合は、エアコン内部にカビが発生している可能性があります。
この場合はエアコンのフィルターを以下の手順でキレイにしていきましょう。
- フィルターを外す
- フィルターの表面についたホコリを掃除機で吸い取る
- バケツなどにぬるま湯と中性洗剤を入れ、フィルターを漬けて洗う
- 日陰でしっかり乾かす
ただし、フィルターを生乾きのままつけてしまうと、またカビくさい臭いが発生してしまうため、洗ったあとはしっかり乾燥させてください。
タイミング③業務用エアコンの効きが悪くなってきた
設定温度を変えてもあまり温度が変わらなかったり、風量が弱くなってきたりした場合は、フィルターにホコリが溜まり、風がうまく循環できていない可能性が考えられます。
この場合は業務用エアコンのフィルターを以下の手順でキレイにしていきましょう。
- フィルターを外す
- フィルターの表面についたホコリを掃除機で吸い取る
フィルターについたホコリがなくなれば風が循環されるようになるので、エアコンの効きも復活することが多いようです。
業務用エアコンを掃除する頻度
業務用エアコンの掃除頻度の目安は、一般的に次のとおりです。
- フィルターの掃除……1~3か月に1回
- 天井埋め込み型業務用エアコン……2年に1回(機種による)
- 長時間稼働させる店舗設置型エアコン(コンビニなど)……1年に1回程度
フィルター掃除などの自分でできる簡単な掃除は、1~3か月に1度程度行うとよいとされています。
ただし、24時間ずっと稼働している場合や、厨房や居酒屋などで油汚れ・ヤニ汚れが気になる場合は、2週に1回程度の割合で掃除しましょう。
フィルター掃除をしたとしても、機器の内部まではしっかり掃除ができません。
そのため、内部の本格的な清掃は、専門業者に分解洗浄を依頼して、徹底的に行ってもらう必要があります。
このような大がかりな掃除は、2~3年に1度で十分です。
こちらも使用頻度や環境に左右されるため、稼働時間が長い、あるいは、汚れやすい状況で稼働している場合は、年に1回程度の掃除を目安としましょう。
業務用エアコンを自分で掃除する際の注意点
業務用エアコンの掃除は、専門業者に依頼するのがベストです。
個人での業務用エアコンの掃除は、フィルターやダストボックスのゴミ取りが限界であり、内部まで自分でキレイにしようとすれば故障につながります。
これを踏まえて、自分で業務用エアコンを掃除する際の注意点を挙げると次のとおりです。
- 業務用エアコンを分解しすぎない
- 掃除スプレーが故障の原因に
- フィルターは丁寧に扱う
- 専門的なパーツはいじらない
- 鋭利な器具は使用しない
- 高所の作業に注意する
業務用エアコンを分解しすぎない
業務用エアコン掃除をする際は、自分でパーツを分解しすぎず、手の届く範囲のみの掃除にとどめましょう。
エアコンは、さまざまな電子部品で構成されている精密機器なので、専門知識がない人がさわると故障につながります。
エアコンを自己判断で分解したことによって起きた故障は、メーカー保証の対象外です。
そうなってしまっては損失も大きいので、個人での分解清掃には踏み込まないのが得策です。
掃除スプレーを使わない
業務用エアコン掃除をするときに、家庭用で使うエアコン掃除スプレーは絶対に使ってはなりません。
電装部分にスプレーがかかると故障の原因になってしまいます。
スプレーを使った清掃を推奨しているエアコンメーカーはありません。
エアコン内部の掃除は専門業者へ依頼しましょう。
フィルターは丁寧に扱う
エアコンのフィルターは、デリケートな素材でできており、強くこすると変形や破損をしてしまいます。
取り外し、ホコリ払い、水洗い、陰干し、取り付けまで、掃除工程のすべてで丁寧に扱いましょう。
専門的なパーツはいじらない
業務用エアコンのフィルターを外すと、エアコン内部のパーツが見えますが、そこには触れてはなりません。
エアコン内部は、外装パネルや送風ファン、ドレンパンなど複数の機器が組み合わさっており、複雑な構造なので、素人が触ると故障や漏電が起きやすいところです。
鋭利な器具を使用しない
業務用エアコンの掃除をするときは、先端が鋭利な器具は使わず、スポンジやフロスなど柔らかいものを使うようにしましょう。
爪楊枝やタワシなどの先端が鋭利な器具で掃除をすると、エアコン内部の精密機器を傷つけ、故障の原因になります。
また、「柔らかいものなら大丈夫だろう」と、細い棒の先にティッシュなどをつけて、機器の内部に差し込むと、奥まったところに折れて挟まってしまう事故も起こりえます。
高所作業の安全面に注意する
業務用エアコンの多くは天井に取り付けられているので、掃除の際は脚立を使った高所作業になることが多く、十分な注意を要します。
万が一転倒した場合、頭や身体を打って大けがにつながる可能性もあり、非常に危険です。
天井埋め込み型のような業務エアコンの掃除は、必ず2人以上で行うか、高所作業の経験豊富なプロに任せたほうが安心です。
自分でできる業務用エアコンのお手入れ法
ここからは、専門的知識がなくてもできる業務用エアコンの掃除法、お手入れのやり方についてご紹介します。
繰り返しになりますが、自分でできる業務用エアコンの掃除は、フィルターまでです。
分解洗浄が必要な内部の掃除は、専門業者に依頼しましょう。
掃除の前に気をつけるポイント
フィルター掃除の前に、まず、エアコンのタイプと、電源がオフになっていることの2点を必ず確認してください。
業務用エアコンはいくつか種類があり、それぞれでカバーやフィルターの外し方が異なります。
そのため、設置しているエアコンのタイプを確認して、メーカー推奨の正しい方法でカバーやフィルターを外すようにしましょう。
それぞれで掃除方法や注意点も違うため、取扱説明書を正しく読んでエアコンタイプにあった掃除を行うことが大切です。
電源がオフになっているかの確認も極めて重要です。
電源が入ったまま、エアコンのカバーをあけてフィルターを外そうとすると、感電のリスクがあります。
エアコン掃除で大きな事故にならないよう、電源がオフになっていることとは必ず確認してください。
念のためコンセントを抜いておくと安心でしょう。
業務用エアコンを自分で掃除する際の流れと手順
業務用エアコンを自分で掃除する際の大まかな流れと、手順ごとの詳しい解説は次のとおりです。
ここでは、エアコンタイプの確認と電源プラグを抜いたあとの手順を述べていきます。
- フロントパネルとフィルターを外す
- フィルターのホコリを除去する
- フィルターを水洗いする
- フィルターを乾かす
- エアコンにフィルターを取りつける
- フロントパネルを水拭きする
手順①フロントパネルとフィルターを外す
エアコン本体のフロントパネルを外してからフィルターを取り外します。
業務用エアコンのフロントパネルは、外側の見えるところについている留め具を解除すると、外れて片側に吊り下がった状態になります。
分からない時は、取り扱い説明書を確認してから慎重に作業しましょう。
天井埋め込み型のエアコンのフィルターを外す場合は、脚立などを使った高所作業になるので必ず2人以上で行ってください。
手順②フィルターのホコリを除去する
フィルターについたホコリを歯ブラシや掃除機を使って取り除きます。
この段階では大きなホコリをざっと取り除く程度で十分です。
手順③フィルターを水洗いする
エアコンフィルターの目にホコリが詰まって取れない場合や、ヤニ汚れ、油汚れがひどい場合は、フィルターを水洗いします。
フィルター全体に水をかけてから中性洗剤をスポンジにつけて、フィルターをこすり洗いすると、汚れが徐々に落ちていきます。
強くこすってしまうとフィルターが歪むおそれもあるので、力を入れずに優しく扱いましょう。
手順④フィルターを乾かす
フィルターを乾かす際は、必ず陰干しにしてください。
フィルターを直射日光に当てたり、ドライヤーで急激に乾かしたりすると熱によって変形してしまうおそれがあります。
手順⑤エアコンにフィルターを取りつける
フィルターが完全に乾いたら元の位置に取りつけます。
取り外した際と同様に説明書を確認しながら慎重に行いましょう。
手順⑥フロントパネルを水拭きする
フィルターを元どおりに設置したら、エアコンのフロントパネルや外側を水拭きします。
室内機の外側は、屋外タイプなら雨やホコリで汚れています。
しっかりと拭きあげて、乾いたタオルで水気を拭き取ったら掃除は完了です。
以上の手順で、1~3か月に1回のペースでフィルター掃除を行うようにしてください。
業務用エアコンを自分で掃除するのは危険?!
ここまで業務用エアコンを自分で清掃する方法を解説してきましたが、業務用エアコンは精密機器なので、少しのミスで壊れてしまうことがあります。
また、感電や漏電といった事故が起こる可能性もゼロではないので、業務用エアコンの掃除はプロに任せるのがベストです。
業務用エアコンの掃除をプロに依頼すると、以下のように年単位で店内のエアコンを管理してくれます。
8・11・2月:フィルター掃除+内部点検
もちろん「スポット清掃」といって気になったタイミングで掃除を依頼することも可能ですが、上記のように年間のケアをしてもらえば業務用エアコンの寿命も長くなります。
エアコンの寿命が延びれば修理代も抑えられますし、買い替えのタイミングも遅くできるので、長期的にお得になります。
業務用エアコン業者の中には掃除まで対応しているところもありますが、安易に選んではトラブルのリスクになります。
こちらの業務用エアコンの業者選びのコツを確認して、掃除まで任せられる業者を選びましょう。
業務用エアコンの汚れや臭いが気になったら、業者に掃除を頼もう!
以上、業務用エアコンを掃除すべきタイミングと作業手順をご紹介してきました。
業務用エアコンの寿命を延ばすためにも、掃除すべきタイミングがきたと思ったらプロに掃除を依頼するようにしましょう。
「どこに業務用エアコンの掃除を依頼すればいいのかわからない」
「定期的にメンテナンスしてくれる業者に業務用エアコンを発注したい」
と思われた事業者様やご担当者様はぜひEMEAO!にお問い合わせください。
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この記事を書いた人
編集部員 河田
編集部員の河田です。編集プロダクションでの書籍編集の経験を経て、現在はEMEAO!のWebコンテンツ編集・執筆とお客様へのインタビューを担当させていただいています。日々、コツコツと皆さんのお役に立つ情報を発信していきます!よろしくお願いします。