
水銀灯からLED照明への交換でトラブルを防ぐ5つの注意点
公開日:2021.06.29 最終更新日:2024.02.28
この記事では、水銀灯をLEDに交換する前に確認すべき5つの注意点について解説します。
水銀灯からLEDへの交換を考えている事業者様は、ぜひご一読ください。


水銀灯をLEDに交換する前に確認すべき5つの注意点
水銀灯をLEDに交換する際は、きちんと事前確認をしておく必要があります。
「せっかく購入したのに取り付けられなかった」ということのないように、5つの注意点をおさえておきましょう。
注意点①対応している口金のサイズやタイプを確認する
口金(くちがね)とは、電球の根元にある金属部分のことで、「ねじ込みタイプ」と「差し込みタイプ」の2種類があります。
また、それぞれのタイプでサイズの単位が異なるので、以下の表で確認してから購入しましょう。
口金のタイプ | 単位 |
ねじ込みタイプ | E=口金の直径 |
差し込みタイプ | Gu=ピンとピンの間の長さ |
注意点②LED電球の重量に気を付ける
LED電球は水銀灯よりも重く、口金の同じ大きさの電球でも70g~180gと重量に差があります。
照明器具に対して重すぎるLEDを取り付けた場合、照明器具に負荷をかけてしまいます。
一般的な照明器具に取り付ける場合は、従来の水銀灯の重さと同じくらいのものを選びましょう。
注意点③LED照明のほうが照射範囲が狭い
水銀灯は360度照らすことができますが、LEDは一直線に光を発するものが基本となります。
水銀灯に比べて照射範囲は狭いものの、最近のLEDには照射範囲が260度の商品もあるので、シチュエーションに合わせて選びましょう。
注意点④適切な色合いを選ぶ
LEDの光色には、大きく分けて「電球色」「昼白色」「昼光色」の3種類が基本となります。
3種類の色のグラデーションで多彩な色を表現し、「温白色」という電球色と昼白色の中間的な光色なども選ぶことができます。
- 電球色…オレンジがかった温かみのある色合い
- 昼白色…自然光に近い色合い
- 昼光色…青みがかったクールな色合い
注意点⑤LED照明のほうが明るい
LEDは少ない消費電力で明るさを確保できるため、水銀灯400WよりもLED60Wの方が明るく照らしてくれます。
また、点灯から水銀灯は100%の明るさになるまで時間がかかりますが、LEDは点灯した瞬間的に100%の明るさまで到達することができます。
LEDの明るさはさまざまなため、照明を選ぶ時は取り付ける場所の雰囲気に合わせた明るさを選んでみてください。
水銀灯をLEDに交換する2つの方法
水銀灯をLEDに交換する際には、照明だけでなく器具も交換する方がよいです。水銀灯をLEDに交換する方法は次の2つがあります。
- 器具そのものを交換する
- 安定器を切断しランプを交換する
いずれの方法も、基本的に電気工事が必要です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
器具そのものを交換する
工場などの照明は高い場所に取り付けられており、単にランプだけを交換すると照度不足になることがあります。
同時に、照明器具のシェードをそのまま利用すると、放熱が十分にできず故障の原因になるケースもあります。
このような問題は、器具そのものを交換することで回避可能です。室内の明るさを維持できる上に、放熱も適切に行われます。
さらに、器具そのものを交換することで、次のメリットがあります。
- 安定器の不調による点灯不良が発生しづらくなる
- 寿命が長くなるため、交換までのスパンが長く省エネにつながる
安定器を切断しランプ交換をする
LEDは専用の電源を使用しており、水銀灯の安定器は対応していません。
安定器を取り外さない限り、通電され続けることになります。その結果、安定器が故障する可能性があり、つながっているLED照明も一緒に故障します。
不要な故障を防ぐために、安定器を切断しランプを交換することが一般的です。
水銀灯をLEDに交換したときの比較
ここでは、水銀灯とLEDについて、次の項目を比較します。
- 点灯までの速さ
- 放熱温度
- 電気代
- 寿命
点灯までの速さ
水銀灯はスイッチを入れてから点灯まで5~10分ほどかかります。
一方、LED照明はスイッチを入れたら瞬時に明かりがつくので、点灯まで待つ必要がありません。
放熱温度
電気のエネルギーを光に変換する過程において、多くの熱が発生します。
照明から放出される光には赤外線が含まれているためです。
電気から光に変換する際に熱が発生する現象を赤外線放射と呼びますが、光源によって赤外線放射となる割合が異なります。
電気のエネルギーを光に変換するときに赤外線放射となる割合は次の通りです。
水銀灯 | 放出した光の約60% |
LED照明 | ほぼ0% |
LEDは効率的に光を発生させるため、発熱量が少なく、赤外線放射も極めて低い傾向にあります。
電気代
電気代を算出するために消費電力が必要ですが、水銀灯とLED照明の消費電力は次の通りです。
水銀灯 | 400W |
LED照明 | 100~130W |
実際に、いくら電気代が安くなるのか計算式に当てはめてみましょう。次の計算式で電気代を算出します。
消費電力(W)÷1000×1日の使用時間(時間)×1kWhあたりの電力量料金=電気代
(1kWhあたりの電力量料金=27円で計算)
1時間あたりの電気代は次の通りです。
水銀灯 | 400W÷1000×1時間×27円=10.8円 |
LED照明 | 100W÷1000×1時間×27円=2.7円 |
LEDは水銀灯の約1/4しか電気代がかからないことが分かります。照明50個を1日10時間、10年間使った場合1,400万円もの差が出ます。
水銀灯 | LED | 差額 | |
1日 | 5,400円 | 1,350円 | 4,050円 |
1週間 | 37,800円 | 9,450円 | 28,350円 |
1か月 | 162,000円 | 40,500円 | 121,500円 |
1年 | 1,971,000円 | 492,750円 | 1,478,250円 |
3年 | 5,913,000円 | 1,478,250円 | 4,434,750円 |
5年 | 9,855,000円 | 2,463,750円 | 7,391,250円 |
10年 | 19,710,000円 | 4,927,500円 | 14,782,500円 |
寿命
水銀灯とLED照明を比較した寿命は次の通りです。
水銀灯 | 3,000~12,000時間 |
LED照明 | 40,000時間 |
LED照明の方が3~13倍ほど高寿命です。
水銀灯をLEDに交換するときによくある質問
水銀灯からLED照明への交換を検討する上で、今まで使用していた水銀灯との違いは何か疑問を感じる方もいることでしょう。ここでは、水銀灯からLEDに交換するときによくある質問について解説します。
Q.水銀灯のワット数はどうやって見分けますか?
水銀灯のワット数は型番によって見分けられますが、先に照明が水銀灯であるか確認しましょう。型番の開始文字がいずれかの場合、水銀灯です。
- H
- HF
- HG
- HGF
- HRF
型番に続く数字がワット数です。例えば型番が「H300」であれば、300ワットの水銀灯を指します。
Q.水銀灯をLEDに変える工事は自分でできますか?
水銀灯をLEDに変える工事を行う際には、電気工事が必要です。一般的には工事を業者にお願いします。
Q.水銀灯をLEDに変える工事が不要と聞いたのですが本当ですか?
パラストレス水銀ランプを使用していた場合、LEDに変える際に工事が不要です。
なぜなら、このタイプの水銀灯は元々安定器を必要としておらず、「パラストフィラメント」が安定器の役割を果たしているからです。
しかし、パラストレス水銀ランプは、看板などの高い場所に取り付けられる場合が多いです。高所の交換作業として工事が必要な場合があるため、よく確認しましょう。
水銀灯をLEDに交換する際には重量や照明タイプなどを事前に確認しよう
以上、水銀灯をLEDに交換する前に確認すべき5つの注意点について解説しました。
LEDは水銀灯に比べて明るさや重量などが大きく異なります。
そのため、部屋の雰囲気や照明器具にあわせたLEDを選ぶ必要があります。
LEDは水銀灯に比べて省エネで明るいので、導入のメリットも大きいです。
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この記事を書いた人
編集部員 城下
EMEAO!編集部員の城下です。雑誌編集者と人材コーディネーターの勤務経験を生かし、現在はWebコンテンツの作成を担当しています。業者選定ガイドでは真っ白でクリーンな情報を届け、皆様にとって有益な知識の溢れるお城となるようなメディアを目指します。よろしくお願いします!





