防犯カメラを自分で設置する際の注意点や費用・補助金について解説
公開日:2024.09.25 最終更新日:2024.09.25
自宅などに防犯カメラを設置したい場合、自分で設置できるのか悩んでいませんか?防犯カメラの設置方法は、おもに自分で設置するか専門業者に依頼するかの2択になります。
本記事では、自分で設置できる防犯カメラの種類や、おすすめの設置場所などを解説します。プライバシーへの配慮など注意点もあるため、防犯カメラの設置を検討している方は参考にしてください。
防犯カメラの特徴とは?
人どおりの少ない時間帯や場所などで、人の動きや出入りを監視できる防犯カメラ。防犯カメラの基本的な特徴について、以下の2点を解説します。
- 設置するメリット
- 防犯カメラと監視カメラの違い
設置を検討している方は、メリットや監視カメラとの違いを押さえましょう。
設置するメリット
防犯カメラを設置する利点は、おもに以下の3点です。
- 犯罪やいたずらの抑止
- 犯罪やトラブル発生時の状況を記録
- 子どもやお年寄り、ペットなどの見守り
防犯カメラは犯罪を未然に防げるだけでなくトラブル発生時の証拠になり、解決につなげやすくなるでしょう。また、室内に防犯カメラを設置することで、子どもや認知症の方に危険がないか確認できます。
防犯カメラと監視カメラの違い
防犯カメラは犯罪発生時の証拠映像だけでなく、目立つように設置することで抑止にもつなげる目的があります。一方で、監視カメラは犯罪行為などの詳細な映像を取得するのが目的です。
また、監視カメラはトラブル解決のためだけでなく、河川の水量や交通量の計測にも使用されます。そのため、サーモグラフィーなどの機能が付いたカメラを使用するケースもあります。
防犯カメラの設置方法
防犯カメラには、以下の設置方法があります。
- 自分で設置する
- 専門業者に設置を依頼する
どちらを選んでも問題ありませんが、配線が複雑な場合や設置に危険を伴う場合は業者に依頼してください。
自分で設置する
室内に設置する防犯カメラや、ワイヤレスタイプのカメラは配線の必要がなく自分でも簡単に設置できます。バッテリー内蔵型のコンセントが不要な製品もあるため、設置位置に応じて選択してください。
賃貸などで壁に穴を開けたくない場合はベルトなどで固定するタイプがあります。なお、設置の際は工具が必要になるため、購入する場合は業者に頼むのと費用があまり変わらないケースもあります。
専門業者に設置を依頼する
専門業者に設置を依頼すれば、天井や屋外など難しい場所にもスムーズに取り付けられるでしょう。また、商店や事業所など複数台設置するケースも業者に依頼すると手間がかかりません。
とくに屋外に設置する場合、防水対策や配線など自分で行うには危険が伴うため業者への依頼がおすすめです。防犯カメラの専門店や購入した家電量販店などで設置依頼ができるため、費用を確認して検討してください。
自分で設置できる防犯カメラの種類
自分で防犯カメラを設置する場合は、以下のような種類の製品がよいでしょう。
- ワイヤレスカメラ
- ネットワークカメラ
- トレイルカメラ
複雑な配線設定が不要なものが多く、簡単に設置できるのがメリットです。それぞれの特徴を解説します。
ワイヤレスカメラ
ネットワークカメラの一種で、Wi-Fiなどで無線接続し、伝送した映像をHDDなどに保存します。家庭用の防犯カメラでは主流で、設置も簡単なためまずはワイヤレスカメラから検討してはいかがでしょうか。
なお、バッテリー内蔵型の製品もあります。しかし、AC給電タイプを選択すれば電力供給の心配がありません。
設置場所にコンセントがある場合に活用しましょう。
ネットワークカメラ
カメラ自体にIPアドレスが割り当てられるのが特徴で、業務用も含めた防犯カメラにおける主流のモデルです。録画した映像をクラウド上に保存するため、PCやスマホから確認できるのが利点です。
有線LANで接続するタイプや、バッテリー充電式などさまざまなモデルがあります。設置方法もマグネットで取り付けられるタイプがあるため、用途に応じて選びやすいのが魅力です。
トレイルカメラ
人や動物の動きをセンサーで感知して撮影する防犯カメラです。不審者の検知だけでなく、猫やカラスなどの鳥獣被害に悩まされている方にも向いています。
液晶モニターが搭載されており、撮影した映像をその場で確認できます。また、ベルトなどで木や柱に固定できるうえ、乾電池式のモデルもあり設置しやすいのも利点です。
価格もほかのタイプに比べると安価なため、手軽に導入しやすい防犯カメラです。
防犯カメラの設置場所
効果的なポイントを、設置場所ごとに紹介します。
- 一戸建て
- マンション
- 商店・小売店
- 倉庫・工場
設置する際は周囲への配慮が必要なため、次項で解説する注意点を合わせて確認してください。
一戸建て
一戸建ての住宅は盗難防止や死角になる場所、人どおりの少ない場所に取り付けるのがよいでしょう。たとえば、以下のような位置に設置してください。
- 玄関
- 勝手口
- 掃き出し窓
- ベランダ
- 駐輪場
不審者の侵入経路や、イタズラや盗難のおそれがある場所に設置します。抑止効果が高まるよう、道路からも分かるように設置しましょう。
マンション
マンションは元々防犯カメラが付いている場合があります。そのため、自宅に取り付ける際ではなく、自治会などで共有部分に追加設置するケースで活用しましょう。
たとえば、以下のような場所です。
- ゴミ置き場
- 駐車場・駐輪場
- エントランス
- エレベーターホール
不審者の侵入抑止以外にも、車上荒らしや外部からのゴミの持ち込みなどを予防する目的があります。また、自宅玄関前などに設置したい場合、管理会社やオーナーの許可が必要になるため注意してください。
商店・小売店
商店や小売店では、万引き防止や金銭の管理にかかわる位置に設置しましょう。たとえば以下のとおりです。
- 出入口
- レジ
- フロア内
- トイレ前
- バックヤード
「防犯カメラ作動中」といった張り紙を見たことがある方も多いのではないでしょうか。万引きなどの抑止につながるため、カメラの設置を広く周知してください。
倉庫・工場
倉庫や工場では、犯罪の抑止以外に安全性の観点からも防犯カメラの設置は有効です。人どおりの多い場所だけでなく、機械や車両が動く位置にも取り付けましょう。
- 荷受け・出荷場所
- 機械の動作場所
- 出入口
- 事務所
製造や荷受け作業などの工程で、正しく安全管理が行われているかチェックする目的で使用できます。敷地が広い場合は複数台必要になるため、費用を確認して優先度の高い位置から取り付けてください。
防犯カメラを自分で設置する際の注意点
防犯カメラは適切に設置することで効果を発揮します。誤った方法だと効果が薄いだけでなく、トラブルの原因ともなるため、以下のようなポイントに注意してください。
- 視角や電源など適切な場所に設置
- 撮影範囲のプライバシーに配慮
- 設置していることを周知
- 屋外における防塵・防水
- 設置場所に合うカメラを選定
上記に注意したうえでの設置が難しいと感じる場合は、専門業者に依頼しましょう。
視角や電源など適切な場所に設置
防犯カメラは、どの範囲を撮影するのかで設置する位置が変わります。また、カメラを壊されて侵入されることがないよう、奥から手前に向けて撮影するのが基本です。
さらに、設置したいカメラの給電方式にも注意が必要です。AC給電式にもかかわらず、近くにコンセントがない場合は設置ができません。
実際にカメラを購入する前に、撮影したい画角や電源の有無などをチェックしておきましょう。
撮影範囲のプライバシーに配慮
防犯カメラの撮影範囲に、隣の家など私有地の敷地内が映りこまないよう注意が必要です。公道が画角に入る程度なら問題ありませんが、他人の家の中が見えてしまうとトラブルに発展する可能性があります。
場合によっては隣人に先に話をしておくなど、プライバシーに十分配慮して設置してください。
設置していることを周知
防犯カメラは、犯罪に巻き込まれた場合の証拠映像だけでなく、犯罪の抑止も目的の1つです。そのため、分かりやすい位置に設置したり、防犯カメラが作動していることを張り紙で周知するのも効果的です。
泥棒は侵入する場所を一度下見するケースが多いため、防犯カメラに気付いて侵入を諦める可能性があります。近隣の住民に「隠し撮りされた」と思われないためにも、道路から見えやすい位置に設置しましょう。
屋外における防塵・防水
防犯カメラは精密機器です。屋外に設置する場合は防塵・防水性能があるものを選んでください。
防水・防塵性能は「IP〇〇」という形式で表記されます。IPのすぐ後ろの数値が防塵性、最後尾の数値が防水性です。
防塵性は最大「6」、防水は「8」を表しており、家庭用の屋外カメラなら「IP65」や「IP66」の製品がおすすめです。
設置場所に合うカメラを選定
防犯カメラは、設置する場所や用途に合わせて選んでください。ネットワークカメラやトレイルカメラといった種類や、給電方法を確認します。
また、夜間の撮影に対応したもの、設置場所の素材などによる取り付け可否もあらかじめ調べておきましょう。カメラを購入してから後悔しないためにも、設置場所に合わせたカメラを選ぶのが重要です。
防犯カメラを業者に頼む際のポイント
防犯カメラの設置を業者に依頼する場合は、選び方に注意が必要です。業者の選び方について、以下の2点を解説します。
- 防犯カメラの設置ができる事業者
- 費用だけでなく施工実績を確認
設置をどこに頼めばよいか分からない場合も参考にしてください。
防犯カメラの設置ができる事業者
防犯カメラは以下のような事業者に依頼できます。
- 防犯カメラ専門店
- 防犯カメラ設置の専門業者
- 電気工事店
- 購入した家電量販店
- 警備会社
おすすめは、防犯カメラ専門店や防犯カメラ設置の専門業者です。防犯のノウハウがあるため、効果的な設置場所をアドバイスしてもらえるでしょう。
電気工事店や家電量販店でも設置はできますが、設置位置を自分で指定する必要があります。また、ホームセキュリティのサービスを取り扱う警備会社に依頼すると、自宅全体の防犯が可能です。
ただし、防犯カメラの購入から設置まですべて込みになるケースが多く、費用が高額になるおそれがあります。どこに依頼するか迷う場合は、防犯カメラの専門店に相談しましょう。
費用だけでなく施工実績を確認
防犯カメラは適切な位置に設置してはじめて効果を発揮します。事業者に設置を依頼する際は、必ず施工実績も確認しましょう。
実績がない事業者だと、防犯の観点から効果が薄くなる可能性があります。専門業者なら実績があるので、見積もりの際に質問するか、公式ホームページなどを見てください。
防犯カメラの設置費用の相場
防犯カメラを自分で設置する場合は、本体と工具を購入する費用だけでできます。しかし、事業者に依頼する場合は以下の料金が相場です。
事業者 | 相場費用 |
防犯カメラの専門業者 | 本体と合わせて100,000~150,000円 |
防犯カメラ設置の専門業者 | 7,000〜30,000円 |
電気工事店 | 40,000〜50,000円 |
家電量販店 | 要見積もり |
警備会社 | 本体と合わせて200,000円~ |
防犯カメラ設置の専門業者に依頼するのが、費用面と防犯面の2つの観点からおすすめです。
防犯カメラの設置費用を抑える方法
防犯カメラの設置を事業者に任せると費用が高額になるケースがあります。設置費用を抑えたい場合は、以下のような方法を検討しましょう。
- 自分で設置する
- ワイヤレスやネットワークカメラを選ぶ
- 機能を抑えるかダミーカメラも検討
それぞれ解説します。
自分で設置する
防犯カメラの設置は事業者に頼むと高額です。しかし、自分で取り付ければ費用は抑えられるでしょう。
ただし、防犯カメラは防犯の観点から適切な位置に設置する必要があります。また、製品によっては配線や外壁へ穴を開けるといった専門的な工事を行うケースもあります。
設置に失敗するとリカバリーに費用がかかるため注意してください。ベルトで簡単に固定するタイプや、磁石で取り付けるタイプなど、設置方法を確認してから購入しましょう。
ワイヤレスやネットワークカメラを選ぶ
防犯カメラを設置する際に、配線を屋内に通すといった大がかりな工事になると、費用も高額になります。そのため、できるだけ配線工事が不要な製品を選択するとよいでしょう。
たとえば、ワイヤレスカメラやネットワークカメラは、有線でレコーダーなどに接続しなくても使用できます。無線で接続したHDDやクラウド上のストレージに保存されるため、自分で設置しやすいのも利点です。
給電方法がバッテリー式の製品ならコンセントも不要なため、事業者に依頼しても工事費用を抑えられるでしょう。
機能を抑えるかダミーカメラも検討
防犯カメラの目的は撮影だけでなく、犯罪の抑止もポイントです。複数台の防犯カメラを設置する場合は、そのうち何台かはダミーカメラを検討しましょう。
防犯カメラが本物かの区別は難しく、設置しているだけでも一定の抑止効果が期待できます。
また、本物を設置したい場合は機能が最低限のモデルにするなど、性能を抑えて費用削減につなげます。
防犯カメラの設置に活用できる補助金の例
防犯カメラの設置に活用できる補助金を3つ紹介します。
- 東京都荒川区【個人向け】
- 愛知県知多市【個人向け】
- 大阪府箕面市【マンション管理組合向け】
利用には条件があり、予算や定員が一杯になり次第終了となります。事業者向けの補助金が用意されているケースもあるため、設置を検討中の方は一度自治体のホームページなどを確認しましょう。
東京都荒川区【個人向け】
区内の販売店や業者で購入・設置をした場合に、費用の一部を補助する制度があります。
制度名 | 荒川区住まいの防犯対策補助金交付制度 |
補助金額 | 費用の5割(100円未満切り捨て) |
防犯カメラの上限金額 |
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補助条件・条件 |
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申請期間 | 令和6年4月1日から令和7年3月31日 |
申請場所・方法 | 申請書に必要事項記入のうえ、領収書のコピーを添えて来庁または郵送 |
一戸建ての自宅に設置する場合は20,000円を上限として補助金が出ます。荒川区に住んでいる方は活用しましょう。
事後申請なため、領収書をもらい忘れないよう注意してください。
愛知県知多市【個人向け】
上限30,000円まで防犯カメラの購入・設置費用が補助されます。
制度名 | 家庭用防犯カメラの設置費補助 |
補助金額 | 補助対象経費の5割(1,000円未満切り捨て) |
防犯カメラの上限金額・条件 |
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補助条件 | 市内の住宅に住む、市税などの滞納のない市民(世帯主) |
申請期間 | 令和6年4月1日から |
申請場所・方法 | 防災危機管理課(市役所2階)にて交付申請 |
参考元:家庭用防犯カメラの設置費補助
交付申請を行い、決定通知が送られてからの着手となり、手続きが煩雑です。市役所ホームページでは「手続きの流れ」が閲覧できるため、合わせて確認してください。
大阪府箕面市【マンション管理組合向け】
個人ではなく自治会を対象とする補助金制度があります。
制度名 | 自治会(マンション管理組合を含む)が設置する防犯カメラの補助制度 |
補助金額 | 設置費用の4割から9割 |
防犯カメラの上限金額・条件 |
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補助条件 | 防犯カメラを新設する自治会が対象 |
申請期間 | 無期限 |
申請場所・方法 | 市民安全政策室へ申請 |
参考元:自治会(マンション管理組合を含む)が設置する防犯カメラの補助制度
自治会やマンションの管理組合など、地域に新設する防犯カメラについての補助金です。電気代やSDカードの交換費用も対象となっています。
住宅街で死角となっている場所や、マンションの共有部などに設置を検討している場合に活用しましょう。
防犯カメラは自分でも設置可能!適切な場所に設置しましょう
防犯カメラは事業者に依頼するだけでなく、自分でも設置可能です。
ただし、配線が複雑で設置に危険を伴う場合は業者への依頼も検討してください。依頼する場合は、防犯に関する知識の観点から防犯カメラの専門業者がおすすめです。
ネットワークカメラやワイヤレスカメラなど、配線が少ない製品を選ぶと工事費用が抑えられます。
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