【比較】パッケージ開発とフルスクラッチ開発との 違いとメリット・デメリット
公開日:2021.01.05 最終更新日:2023.11.14
このコラムでは、システム開発におけるフルスクラッチ開発とパッケージ開発の違いについて解説します。
それぞれの開発方法のメリットとデメリットを知って、目的・状況に最適な方法を選ぶようにしましょう!
システム開発におけるパッケージ開発とフルスクラッチ開発の概要
システム開発の方法は、大きく分けて「パッケージ開発」と「フルスクラッチ開発」に分けられます。ここではまず、それぞれの開発方法について解説します。
システム開発のパッケージ開発とは
パッケージ開発は、既に一般流通しているソフトなどを使ってシステム開発をすることです。パッケージの種類には、インターネット共有するクラウド型と、自社内にサーバを構築し共有するオンプレミス型があります。
パッケージ開発では、従来のソフトをそのまま使って業務スタートできるので、他社との差別化はできませんが、標準的なシステムを短期間で導入することができます。
また、自社に技術担当者がいなくても、導入しやすいメリットがあります。
さらに、業務に適したシステムを構築するには、パッケージの一部をカスタマイズすることもできます。
パッケージ開発の費用は、フルスクラッチ開発のようにオーダーメイドではないので、カスタマイズ費用の上限を設定すれば、コストを抑えることが可能です。
また、一からシステムを独自で構築する必要がないため、導入までの時間も最低限で済みます。
システム開発のフルスクラッチ開発とは
フルスクラッチ開発は、既存のパッケージを使わずにクライアントの要望に合わせてオーダーメイドするシステム開発です。
一からオーダーメイドする独自性と自由度が高い特徴がありますが、その分、システム構築に時間がかかるためパッケージ開発のように短期間で導入することは難しくなります。
システム開発に時間をかけてじっくり導入できる企業に向いている方法です。
また、スクラッチ開発と、同様に使われているフルスクラッチ開発については、フルスクラッチ開発は、パッケージ化されたものは採用せずに開発を行います。一方、スクラッチ開発は、一部にテンプレートなどを使用する方法です。一般的には、2つの言葉は、ほぼ同字意味として使われています。
スクラッチ開発をスタートする際は、開発企業は、まずどういった機能のシステムが欲しいのかという要件定義をクライアントから聞き取ります。
そして、開発企業は自社の技術力で要件定義を可能な限り実現する努力をします。
具体的な開発の流れとしては、要件定義、方式設計、詳細設計、実装、単体テスト、結合テスト、運用テストと全部で7つの段取りが順に設定されています。
パッケージ開発のメリット
システム開発におけるパッケージ開発の3つのメリットは以下の通りです。
- 開発期間が短い
- 初期コストが安くなる
- 安定した機能で再現性が高い
開発期間が短い
パッケージ開発は、既存のひな型を利用するため、開発時間を短くすることができます。
開発前の準備として、クライアントとの打ち合わせなども短い時間で済ませることが可能です。
一方、スクラッチ開発の開発期間は、およそ2年以上かかります。システム内容や開発方法などを決める期間から完成までが、パッケージ開発とは大きく異なります。
企業によっては早急にシステム開発を進めたい場合もあるでしょう。その場合は、スクラッチ開発よりもパッケージ開発が適しています。
パッケージ開発は、ソフトを購入後、インストールさえすれば短い時間で利用開始できます。ただし、さらにカスタマイズする場合は、工数がかかり開発が長期化するとコストが高くなりますので予算に合わせて検討しましょう。
初期コストが安くなる
パッケージ開発は、スクラッチ開発と比較すると初期費用は安くなります。ただし、パッケージ購入費用とカスタマイズ費用が、スクラッチ費用より高額にならないように見積もりを行うことが必要です。カスタマイズの部分が増えると、費用が高くなるため注意しましょう。パッケージ開発の初期費用を安くするには、カスタマイズ費用の上限によって決まります。
安定した機能で再現性が高い
パッケージ開発は、利用ユーザーが多いため、再現性が高く安定した機能性が期待できます。常時、アップデートされた状態で利用できるため、自社のトラブルにもスピーディに問題解決できます。ログの監視やメンテナンスなどの保守運用を開発会社に任せられるので、システム導入後に安全に稼働することができるようになります。
パッケージ開発のデメリット
システム開発におけるパッケージ開発の3つのデメリットは以下の通りです。
- オリジナル性と自由度が低い
- 現場ではパッケージに合わせて対応する
- ブラックボックス化のリスクがある
オリジナル性と自由度が低い
既存のパッケージを利用するため、スクラッチ開発のようなオリジナルなシステムを構築するのは難しくなります。パッケージ開発は、あくまでも標準化されたシステムであるため、自由度に制限はありますが、業務を標準化することで効率的に作業を進めることが可能になります。
現場ではパッケージに合わせて対応する
パッケージのシステムは変更できないため、パッケージに合わせてシステムを運用する必要があります。パッケージと業務フローの相性が悪い場合は、実際に利用する現場では、正常に稼働するまでに時間がかかる可能性が高くなります。
ブラックボックス化のリスクがある
パッケージ開発の場合、システムの内部構造まで把握できないため、ブラックボックス化になった場合、トラブルを解決するまでに時間がかかりやすくなります。ブラックボックス化のリスクは、システム上の不具合によって現場の仕事が滞ってしまったり、顧客対応の質が落ちてしまったり等、さまざまな場面でトラブルの下となります。
パッケージ開発とスクラッチ開発の比較ポイント
パッケージ開発とスクラッチ開発、どちらを採用するか検討する際に、以下の比較ポイントを確認しましょう。
カスタマイズの必要性は?
パッケージ開発の場合は、自由度に制限があるため、自社業務に適合するか否かがチェックポイントです。カスタマイズしても業務対応が難しい場合は、スクラッチ開発がおすすめです。スクラッチ開発であれば、オリジナリティを重視して細かい部分まで調整してシステムを作り上げることができます。
また、導入後に業務フローに変更が起きたり、大幅なカスタマイズが必要になってしまうと、コストが高くなってしまうリスクが生じます。
もし、大幅なカスタマイズが必要で、複数の製品を活用しなければならない場合は、スクラッチ開発の方が良いでしょう。
ただし、予算に制限があり、独自性よりも標準的なシステムを目指す場合は、パッケージ開発の方が適しています。
オリジナル性を重視したいか?
オリジナル性のあるシステムを構築する際は、パッケージ開発よりもスクラッチ開発が適しています。業務フローに合わせてフレキシブルに対応できる企業には、パッケージ開発であれば、低コスト・短期間で導入することができます。
例えば、WEBサービスの運用を行う場合は、他社との差別化でオリジナル性が重視されるため、スクラッチ開発を選ぶ企業もあります。
システム開発に優先する条件は?
システム開発の目的や問題解決のためには、どちらの開発方法が適しているか検討する必要があります。独自性が必要なのか?時間の制約はあるのか?機能面に過不足がないか?など、システム開発に必要な条件について許容範囲がどこまでなのかをしっかり比較検討することが必要です。
また、業務の優先度のほかに、導入後の保守運用についても考慮する必要があります。スクラッチ開発の場合は、導入後のサポート体制が行き届いているため長期的に安心して運用することが可能です。一方、パッケージ開発の場合は、サポート終了後に再度、自社で、もしくは再度外注する形でシステム構築をしなければならないケースもあります。
既製品を利用するパッケージ開発とオーダーメイドのフルスクラッチ開発
システム開発におけるパッケージ開発とフルスクラッチ開発の違いについて解説しました。
パッケージ開発は、既製のパッケージを流用して、独自のシステムにカスタマイズをする方法です。フルスクラッチ開発は、一からオーダーメイドでシステムを開発する方法です。
パッケージ開発は、決められた予算内で開発時間があまり取れない場合で、オリジナル性よりも標準化されたシステム構築に向いている方法です。
スクラッチ開発は、ゼロからシステムを構築する方法で、オリジナル性を重視して自由にカスタマイズできるため、費用も高額になり、開発期間は長期化します。
システム開発においては、自社業務に必要な条件を揃えて、機能や目的、予算と所要期間に合わせて最適な開発方法を選びましょう
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この記事を書いた人
編集部員 濵岸
編集部員の濵岸と申します。コンテンツ作成と取材を主に担当しております。身長が低いため学生時代は「お豆」と呼ばれていました!豆らしく、皆様の役に立つ記事を「マメに豆知識を!」の意識で作成します!どうぞよろしくお願いいたします!