SESの単価相場や利用する流れを解説
公開日:2023.11.16 最終更新日:2023.11.16
システム開発のリソース確保のために、SES会社への依頼を検討している担当者もいるでしょう。しかし、開発するシステムや依頼するSES企業によって費用が大きく異なることもあり、相場がよくわからないと悩んでいる担当者も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、SNSの単価相場や単価が決まる基準について解説します。あわせてSES会社を選ぶポイントについても解説していますので、SES会社選びで困っている担当者もぜひ参考にしてください。
SESの単価相場
SESの単価、相場はフリーランスなのか、下請けか、大手企業かなどによって大きく変わります。
派遣するエンジニアの数・技術料によって変わってくるため、一概には言えないものの、相場は以下の表の通りです。
エンジニアのレベル | 単価 |
PG下請け・フリーランス | 40万円〜80万円 |
PG大手企業 | 60万円〜100万円 |
SE(※技術料によって異なる) | 80〜200万円 |
一人当たりおよそ80万円から120万円ですが、派遣するエンジニアの数が増えれば金額も上がっていきます。またSESのスキルと金額は比例する傾向にあります。
相場が80万から120万と聞くと高いと思う方もいるかもしれませんが、住む地域が東京であれば、100万円は安すぎるといえるほどです。
なお、PGとはプログラマーを指しており、SEはシステムエンジニアのことです。
単価とマージンの関係
基本的にSESは、単価からマージンを引いたものが給与となります。
マージンとは自分の企業が払う社会保険事務手数料等の費用のことです。
マージンの平均は企業によって異なるものの、大体37.7%といわれています。
例として、月の給与が単価40万円であれば、マージンは15万円、月の給料は約25万円となります。
ただし、基本的にマージンは非公開となっており、教えてくれない企業が多いです。
中には公開している企業もありますが、その場合は30%から35%です。
高い企業ともなると40%以上のところもあります。
しかし、フリーランスであればクライアントとの直接契約となり、マージンは発生しません。
仮にマージンが発生したとしても、10%から30%程度と杉企業よりも安価な設定です。
SESの単価が決まる基準
SESの単価が決まる基準は複数ありますが、大まかに以下の3つで決まります。
- 基準①エンジニアのスキル
- 基準②SES会社の規模
- 基準③地域
ここではそれぞれの基準を詳しく紹介します。
なお、SESの単価が決まる基準の前に押さえておきたいのがSESの計算方法です。
まずSESの単価は、1ヵ月あたりで設定されています。そして1ヶ月単位の価格を、IT業界では「人月単価」と呼んでいます。
人月単価の計算式は、1時間あたりの単価と1ヵ月間の労働時間です。
1日あたりの労働時間8時間、勤務日数が20日であれば、1ヶ月の労働時間は160時間となります。
ただし厳密に決めすぎると休暇・業に対応できなくなってしまうため、過不足を許容する「バッファ」を設けて、労働時間を定義して単価を計算します。
では、実際にSESの単価が決まる基準を見ていきましょう。
基準①エンジニアのスキル
エンジニアの単価が決まる大きな基準の1つ目がエンジニアのスキルです。
基本的にはスキルを多く持っていて、経験があるエンジニアの方が単価が高くなります。
例えば、コーディングのみができるエンジニアと、上流のシステム要件定義とコーディングができるエンジニアがいるとしましょう。
後者の方が圧倒的にスキルが高いと判断され、単価が高くなります。
また、最新の技術を扱えるかも重要です。
システム開発の技術を含め、IT業界の知識は常にアップデートされていきます。最新の技術を扱えるエンジニアは希少価値が高くなり、さらに単価があがります。
なお、注意点として、エンジニアのスキルや経験が変化すれば単価は変動します。
最初に60万円で契約していたとしても、契約更新のタイミングでエンジニアのスキルに変化があれば単価が変わります。
最初に契約単価で発注し続けられるわけではないため、注意してください。
基準②SES会社の規模
エンジニアのスキルの高さに関わらず、SNSの会社の規模によっても単価が大きく変わることがあります。
外資系大手IT企業の上級SEであれば200万円を超える場合もありますが、中小企業の新人SEであれば50万円を切ることも珍しくありません。
ここまで差が出る原因としては、会社規模の大きさ、 社内の教育制度が充実していて優秀な人材が揃っていることが挙げられます。
また、大手IT企業は自社製品を販売していることから技術があるとみなされ、高い価格設定になります。一方、中小企業は自社製品を持っているところが少ないため、独自性の技術力があるとは判断できず、単価を低く設定せざるを得ません。
基準③地域
最後の基準が地域です。
単価には、会社の家賃や地域の物価が反映されています。
首都圏であれば、家賃や物価が高くなっていくため、単価が高くなりがちです。
一方、地方であれば、首都圏よりも家賃・物価が安い傾向にあるため、技術に関わらず単価が3割から4割程度安くなります。
そのため、SESの単価が高いかどうかわからないときは、同じ地域のSES企業と比べてみるのも1つの方法です。
SES会社を選ぶポイント
ここでは、SES会社を選ぶポイントを紹介します。
具体的なポイントとしては以下の3つです。
- ポイント①SES会社の実績を確認する
- ポイント②エンジニアの実績を確認する
- ポイント③複数の業者から見積もりを取る
SNSの企業といってもさまざまであり、相性の善し悪しは存在します。
これから紹介する内容を押さえて、自社に合ったSES会社を見つけましょう。
ポイント①SES会社の実績を確認する
まずは、SES会社の実績を確認するようにしましょう。
そもそも、SES会社といっても企業ごとに技術は大きく異なるうえ、取引実績が高ければコストも高くなりがちです。
いくら取引実績があったとしても、依頼したいシステムの開発経験がなかったり、不得意な分野であったりすればその会社に依頼するのはお勧めできません。
しっかりしたものを作ってもらえるよう、予算を踏まえて会社を選ぶのが重要です。
ポイント②エンジニアの実績を確認する
会社の実績だけではなく、エンジニアの実績を確認するのも重要です。会社の実績が良くても、担当のエンジニアの実績が良くなければ不安になるうえ、希望通りのものができない可能性があります。
そのため、必ずエンジニアの実績を確認しておくようにしましょう。
もしも紹介されたエンジニアを変更してほしいと思う場合は、正直に申し出るようにしてください。ただし、エンジニアの変更でコストが変わってくることがあります。
予算を踏まえながら、エンジニアを変えてもらいましょう。
ポイント③複数の業者から見積もりを取る
SES会社を選ぶうえで最も重要なのが、複数の業者から見積もりを取ることです。気になるSES会社があったとしても、実際にいくら払うかは見積もりの作成まで分かりません。
SESのホームページに金額が記載されていたとしても、実際に依頼すると諸費用で想定以上の金額になることもあります。
そこで先に複数社で見積書を作成して、予算・作業内容の比較をすれば、失敗しにくくなります。
なお複数社といっても、SES会社は何百社以上あるため、そもそも候補を絞るのが難しい場合もあるでしょう。
そのときは自分の予算・依頼したい内容、スケジュールを明確にしましょう。条件を明確にしていくことで、自然と依頼企業を絞れるようになります。
SES会社を利用する流れ
SES会社を利用する流れは、以下の5つに分けられます。
- 流れ①SES会社に問い合わせ
- 流れ②案件のヒアリング
- 流れ③エンジニアの紹介
- 流れ④契約
- 流れ⑤業務開始
利用する流れについてあらかじめ押さえておき、スムーズに依頼できるようにしましょう。これからSES会社への依頼を検討している企業は、ぜひ参考にしてください。
流れ①SES会社に問い合わせ
気になるSES会社に電話、もしくはメールで要望を伝えます。多くのSES会社では、Webサイトに問い合わせ欄があるはずです。
また、Webサイトには依頼内容や費用についての記載がされていますので、それらを把握しておくと話をスムーズに進められます。
流れ②案件のヒアリング
企業の担当者と直接、またはオンラインで対面をしてヒアリングを行います。
ヒアリングではどのような業務を依頼するのか、エンジニアのスキルはどの程度か、どのぐらいの期間を想定しているかなどを聞かれます。
もしも人事担当社にIT系の知識がない場合は、社内エンジニアに同席してもらい、社内の現状を明確に伝えられるようにしましょう。
流れ③エンジニアの紹介
案件のヒアリングをもとに、最適なエンジニアが紹介されます。このときに紹介されたエンジニアとの相性がイマイチといった場合は、交換を申し出るようにしましょう。
その際、依頼費用が変わることもあるため注意してください。
流れ④契約
ヒアリングとエンジニアの紹介が終了したら、費用の提案をベースにSES企業との交渉が行われます。
契約内容に問題がなければ無事契約となりますが、もしも契約期間や勤務時間に不明点があった場合は、このときに聞くようにしましょう。
流れ⑤業務開始
実際に契約が終了したら、エンジニアが社内に派遣されて業務が開始されます。なお受入にあたって、社内のルールや、デスクなどの作業場所、必要な研修等を事前に定めておくようにしてください。スムーズに業務を開始するために、重要なポイントです。
見積書のチェック項目
見積書のチェック項目は、以下の5つに分けられます。
- 契約の開始日・終了日
- 納品日
- 納品物
- 金額
- 支払方法・支払期限
見積書に記載されている内容を把握していないと、後からトラブルになる可能性がありますので、チェック項目は必ず押さえておきましょう。
それでも見積書でわからない内容があった場合は、担当者に聞くようにしてください。
それでは実際にそれぞれのチェック項目について紹介します。
契約の開始日・終了日
まずは契約を開始するタイミングを確認してください。スケジュールに余裕がないのであれば、すぐに契約を始められるところがお勧めです。
企業によっては依頼してから契約開始が遅くなることもありますので、必ずいつから契約が開始されるのか確認するようにしてください。
また、契約の締結では、勤務時間、依頼可能な業務なども記載されています。もしも勤務時間や、可能な業務が明確でない場合は、しっかりと確認しておきましょう。
作業が開始してから確認すると、思っていたのと違うとトラブルになる可能性があるためです。
納品日
契約が終了してすぐに成果物が納品されるとは限りません。そのため、必ず納品日をチェックしておきましょう。
特に既に大まかなリリース日が決まっている場合、納品日がわからないとスケジュールが大きくずれてしまう可能性があります。
納品物
見積書には納品物の使用が記載されています。ヒアリングで聞かれる以下の項目が、どこまで反映されているのかを確認するようにしてください。
- 費用
- スケジュール
- システム開発の内容
仕様に漏れがあると、イメージとかけ離れたものが納品される可能性があります。
もしも不安に感じた点があったらしっかりと質問して、なぜこのような仕様になっているのかを聞くようにしましょう。
しっかりとした担当者であれば、的確な回答がもらえるはずです。
金額
見積書に記載されている金額をチェックしましょう。金額の記載内容は、月額単価・比較単価・時間単価で記載されているパターンが多いです。
それぞれの単価を確認して、おかしい点がないかチェックしてください。
支払方法・支払期限
見積書には支払い方法・支払い期限が記載されています。
支払い方法は口座振込が一般的です。指定の金融機関・口座番号宛に支払いをしてください。また、支払期限については納品後◯日以内と記載されているケースが多いです。
扱う金額が大きい場合は、契約前に前渡金を支払い、成果物の納品後に残りの金額を支払うこともあります。細かい支払い方法は企業によって違いますので、確認しておきましょう。
SESの相場を理解した上で依頼を検討しよう
記事ではSESの単価相場について解説しました。SESの単価は技術や地域、企業規模によって大きく異なります。しかし基本的にはスキルと比例します。
また、SES企業といっても、さまざまな企業があります。依頼してから思っていたのと違うとならないよう、本記事で紹介した依頼するポイントを押さえて、自社に合ったSES企業を見つけましょう。
もしも、依頼会社に困ったときは「EMEAO!(エミーオ)」を活用してみるのがおすすめです。EMEAO!では、複数のシステム開発会社を紹介していますので、ぜひ活用してみてください。
この記事を書いた人
編集部員 濵岸
編集部員の濵岸と申します。コンテンツ作成と取材を主に担当しております。身長が低いため学生時代は「お豆」と呼ばれていました!豆らしく、皆様の役に立つ記事を「マメに豆知識を!」の意識で作成します!どうぞよろしくお願いいたします!