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公開日:2024.08.14 最終更新日:2025.08.22
業務効率化・コスト最適化だけでなく、顧客ニーズをビジネスに取り込むためにも、自社システム導入が求められる時代になりました。
できるだけ早く、安くリリースしたい気持ちがあってこの記事を見ていただいた方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、システム開発にどのくらいの時間がかかるものなのかを規模・工程別に解説します。あわせて、ケース別におすすめの開発モデルと、スケジュール管理のコツをご紹介します。
システム開発にかかる期間は、開発しようとするシステムの規模により開きがあります。
上記はあくまでも目安で、あわせて開発体制・開発モデルの採択によっても前後します。システムの規模とはどういったものかを続けて解説するのでご覧ください。
小規模システム開発に分類できるのは、以下のようなWebコンテンツ構築や、小規模な自社システム開発・改修などです。
このような小規模システム開発は、作成するプログラム数が少なく簡単に済むこともあり、短期間で実装可能です。ただし、要件が明確でない・現状を正しく把握できない状況での改修は、期間がこれより長くかかる要因となります。
また、デザインに強くこだわったホームページなどの作成を委託する際、システム開発会社がデザインをアウトソーシングするケースもあるでしょう。こうしたケースでコミュニケーションが不足すると、イメージ通りの仕上がりになるまでのやり取りに時間を要します。開発期間が長引く原因となりますから、どのように開発するのかも事前に確認しておきましょう。
要件定義が複雑になるケースや、複雑な作りこみが必要な機能を実装したシステム開発は、中規模以上に分類されます。
機能的な作りこみが増えれば増えるほど、開発するプログラム数は増え、プログラム間の連携をとらなければなりません。反対に、この規模のシステム開発で短すぎる納期を提示されたら、品質に問題がないかチェックすることをおすすめします。
以下のようなケースは大規模システムに分類され、短くて6ヶ月以上、長い場合2〜3年以上かけて開発されるケースもあります。
大規模システム開発は業務ごとにチームを分け、それぞれが開発を進め最終的に1つのシステムとして統合し完成形を目指します。プロジェクト全体の連携が円滑でないと、炎上するリスクも高くなるため、スケジュール管理やコミュニケーション能力も欠かせません。
加えて開発するプログラム数も多く、プログラム間の連携が不十分だと大幅な修正が必要になるなど、開発期間の延長につながるリスクが増大することに。大規模システムを委託する場合は、相応の実績のあるベンダーを選定することも重要です。
システム開発の流れや工程別にかかる期間について、中~大規模程度のシステム開発を例に解説します。
| 工程 | 期間目安 | 概要 |
| 要件定義 | 1ヶ月前後 | システムの構造・機能・デザインを明確化する |
| システム設計 | 1・2ヶ月前後 | システムの構造・機能・デザインを設計書に落とし込む |
| プログラム設計・開発 | 2・3ヶ月前後 | プログラム作成・テストを行う |
| システムテスト・本番反映 | 2・3ヶ月前後 | システム間連携・本番環境での稼働確認を行う |
それぞれの工程の詳細を見ていきましょう。
要件定義とは、システム開発を委託する会社に「今抱えている課題・それをどのように解消してほしいか」を伝え、どのようなシステムを開発するかを明確にする工程です。
受託企業にとって、「ユーザーのニーズをくみ取ったシステム開発を行う」ために欠かせないのが要件定義のフェーズです。要件定義が不十分・曖昧な状態で開発をスタートさせてしまうと、要求に沿うための修正や機能追加による改修が必要になり、開発期間が大きく伸びる原因になります。
要件定義に期間がかかるのは、現状・要望を的確に把握し、潜在ニーズもくみ取り、機能やデザインも確定させるため時間がかかるからです。
開発期間の短縮を優先し、要件が不明瞭なままスタートすると、トラブルを誘発し納期遅延の原因になります。結果的にバグや仕様変更での改修増加を避けるため、慎重に行う企業が多いのです。
要件定義にかかる時間を短縮するには、システム利用者を含めてベンダーと密にコミュニケーションを図り、意思疎通を充実させることが欠かせません。委託前に現状の課題・システム開発の目的を明確化しておくと、要件定義がスムーズになります。
システム設計とは、システム全体で利用するデータべース・システムの構造・画面レイアウト・機能設計を行い、個々のプログラム設計まで落とし込んでいく作業です。大規模システムでは、総プログラム数が数百本以上と膨大になります。機能やシステムで切り分け、チームごとに分割し同時並行して進めていくのが一般的です。
作成された設計書は徹底したレビューを行い、システム間連携が問題ないかなども確かめ、次のステップで実際の開発へと進みます。
システム設計を短縮しようとすると、レビューがおろそかになり、万全とはいえないシステムが出来上がってしまうこともあります。この段階で漏れがあると、この後のステップでの改修・再テストが必要です。修正範囲も広がりやすいため、レビューもおろそかにはできません。
プログラム設計・開発は設計書に落とし込まれた仕様に沿って、コーディングしたプログラム単体のテストを行います。続けて複数プログラムを組み合わせたシステムテストを実施し、連携が問題ないことを確認します。
実稼働後にシステムダウンするようなバグを残さないためには、以下のポイントが重要です。
安心して任せられる業者か判断する際には、テスト要領、コーディング規約内容も確認しておくとよいでしょう。
システムテストでシステム全体の連携を確認し、実稼働させる本番環境でのテストを行うステップです。
機能ごとに切り分けたシステムをいくつか接続し問題ないか確認し、稼働確認する範囲を全体にまで拡張していきます。最終的に本番稼働環境下でテストを行い、問題なく稼働できるようになれば納品です。
また、このタイミングでは実際にシステムを利用する顧客(システム開発依頼者)によるユーザーテストも行います。システム仕様書から確認項目を検討し、テスト内容をテスト設計書にまとめておきましょう。
システム開発モデルとは、プロジェクトの目指すべきゴール・目標に向かう際のプロセス・方法です。代表的なシステム開発モデルは以下の2つが挙げられます。
それぞれ特徴・メリットが異なるので、詳しく解説します。
「最短で最低限欲しい機能を実装して、段階的に最終目標を達成したい」というニーズを実現できるのが、アジャイル開発を採択する最大のメリットです。
例えば、ECショップをオープンさせるにあたり、短期間で使えるシステムを開発したいという要望があるとしましょう。後々、口コミ投稿やユーザーごとのおすすめ商品を表示する機能の実装を想定しているといった場合、アジャイル開発であれば柔軟に対応できます。
また、ECショップを最低限のショップ機能を備え開店させた後、お客様の動向を見て、顧客層からその後のサービス展開の方向性を決めるといった場合もアジャイル開発が最適です。
アジャイル開発は、システム全体をいくつかの機能ごとに区切り、段階的に要件定義から開発、納品と進めます。リアルタイムなニーズやフィードバックを反映しながら、システムとしての最適解を目指したいなら、アジャイル開発をおすすめします。
銀行・生保・損保のようなビックデータを扱うシステムの開発や、完成形でリリースしなければならないシステムの開発時に選ばれるのが、ウォーターフォールです。
大規模システムの場合、1年以上の開発期間をかけて完成させることも珍しくありません。システム全体を見通した設計でスタートし、それぞれの機能をチームごとに分割して開発していくため、チーム間の連携も求められます。
システム規模が大きいほど、分割して開発すると連携不足のトラブルのリスクも増加します。ウォーターフォールを採択すると、そうしたリスクを軽減できるのが最大のメリットです。
ウォーターフォールかアジャイルか、システム規模的にもどちらを採択するのが最適か悩ましい場合は、以下を参考に検討してください。
リリース形式・希望納期・システム規模が開発モデルを採択する際の重要なポイントです。
このような希望がある場合、アジャイル開発がおすすめです。ウォーターフォールを選択してしまうと、途中で要件を変更するなどできないため、希望通りのリリースを迎えられなくなる可能性があります。ウォーターフォールの場合に途中で方向性を変えると、影響範囲が大きくなり、開発期間が大幅に伸びる原因になりがちです。
上記に2つ以上当てはまるのであれば、ウォーターフォールを採択するのが良いでしょう。分割して段階的に、柔軟に対応できるのがアジャイル開発のメリットなので、この場合は選ぶメリットがありません。
スケジュール管理のコツを抑えず開発を進めてしまうと、トラブルやバグ改修の頻発での納期延期リスクが増加します。スケジュール管理のコツは次の4点です。
以上のスケジュール管理のコツを抑えると、システム開発期間を適切に保ちやすくなります。
余裕がないと、スケジュール遅延が発生しやすくなります。
これらのポイントを抑えて、それぞれの工程に最適なスケジュールを設定しましょう。
アジャイルでもウォーターフォールでも、開発に入る際は必要な機能を確実に洗い出し実装方法を組み立てられるようにすることが重要です。
欲しい機能を実装するため、どのようなシステムにすべきかが見えない状態では、開発途中でトラブルが発生しやすくなります。
何を成果物とするのか明確にし、そのゴールに向かいどのような流れで開発が進むのかも明確化しておくことも重要です。これらが開発メンバーに通達されていないと、機能実装が不十分な状態での納品・バグの改修で納期延長のほか、最悪炎上のリスクがあります。
そのため全体の流れを明確に示し、開発メンバーにも情報伝達ができる企業に開発を依頼することも重要なのです。
要件・要望・システム規模にあった開発モデルを選ぶことも、最適な期間で開発するコツです。
企業によって得意とする開発モデルが限られる場合もあるため、委託企業を選ぶ場合には必ずチェックしましょう。
システム開発にかかる期間について、よくある疑問にお答えします。
気になるポイントをご確認ください。
システム規模・内容に見合わない短い開発期間は、リリース後にトラブル発生のリスクがあるため、デメリットになりえます。
無理に短い期間でシステム開発しようとすると、システム品質の低下や、最悪な場合セキュリティ面が脆弱で情報漏洩してしまうなど、顧客の信頼を失墜する可能性もあるでしょう。
アプリ開発も、実装する機能数や複雑度により開発期間は大きく代わります。一例が以下のとおりです。
工数比率とは進捗・品質・変更・障害などの管理にかかる工数を、割合で考察する考え方です。プロジェクトを成功に導きクオリティを担保するには、管理工数も重要であり、一般的に10~20%を割り当てるケースが大半です。ですが、小規模システムと大規模システムで同じ割合が最適とは言えず、システム規模によっても前後すると認識しておくと良いでしょう。
システム開発にかかる期間は、システムの規模や採択する開発モデルにより異なります。また、開発に携わるメンバー数によっても大きく違いが生じます。
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異業種で営業経験を積んだのち、Web業界に可能性を感じて株式会社ecloreに中途入社。
現在は、お客さま対応を担う。年間実績として、120社を超えるクライアントのSEOコンサルを担当。
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