クラウドシステム開発とは?オンプレミスとの違いやおすすめの会社10選を紹介
公開日:2024.08.30 最終更新日:2024.08.30
クラウドシステム開発は、クラウドサービス環境を活用して、システムやアプリケーションを開発する方法です。従来のオンプレミスより初期投資が少なく、リソースを柔軟に調整できるため、ビジネスの成長に応じた迅速な対応が可能です。
本記事では、クラウドシステム開発の概要やオンプレミスとの違いを解説します。また、信頼できるおすすめの開発会社10選もまとめているので、参考にしてください。
クラウドシステム開発とは?
クラウドシステム開発とは、インターネット上のクラウドサービスを利用して、ソフトウェアやアプリケーションを開発・運用することです。
ここでは、クラウドシステム開発について解説します。
- クラウドシステム開発は3種類に分けられる
- クラウドシステム開発の大まかな流れ
- オンプレミスとの違い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
クラウドシステム開発は3種類に分けられる
クラウドシステムは、下記3つのサービスに分類されます。
種類 | 特徴 |
SaaS(Software as a Service) | クラウド上で提供されるアプリケーションを利用できるサービス。 ユーザーはソフトウェアのインストールや保守を行わず、インターネットを通じてアプリケーションを利用可能。 例:Google WorkspaceやSalesforceなど |
PaaS(Platform as a Service) | アプリケーションの開発・運用に必要なプラットフォームを提供するサービス。 開発者はインフラの管理を気にせず、アプリケーションの開発に集中可能。 例:Google App EngineやMicrosoft Azureなど |
IaaS(Infrastructure as a Service) | 仮想サーバー・ストレージ・ネットワークなどのインフラをクラウド上で提供するサービス。 オンデマンドで必要なリソースを利用でき、柔軟にスケーリングが可能。 例:Amazon Web Services(AWS)・Microsoft Azureなど |
クラウドシステム開発会社ごとに、得意なシステムの種類は異なります。
クラウドシステム開発の大まかな流れ
クラウドシステム開発の大まかな流れは、下記のとおりです。
作業 | 詳細 |
要件定義 | ビジネスニーズやシステムの機能要件を明確に定義し、解決するべき課題や必要なサービスを具体化します。 |
設計・プランニング | システムの設計やアーキテクチャのプランニングを行います。この段階で、最適なクラウドサービス(SaaS、PaaS、IaaS)を選定します。 |
予算・スケジュール設定 | プロジェクトにかかる予算とスケジュールを設定し、必要なリソースを検討します。 |
開発・実装 | プラットフォーム上でシステムやアプリケーションの開発を行います。 |
テスト | 開発したシステムが要件を満たしているか、テストを行います。 |
運用・保守 | システムの稼働後は、継続的な運用と保守を行います。 |
開発会社によって依頼内容は異なるため、事前に見積もりを依頼し、詳細を確認することが大切です。
オンプレミスとの違い
クラウドシステム開発とオンプレミスの違いは、下記のとおりです。
項目 | クラウドシステム開発 | オンプレミス開発 |
初期コストと運用コスト |
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開発スピード |
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カスタマイズ・連携の範囲 |
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仕様変更の難易度 |
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保守・管理の負担 |
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セキュリティ |
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クラウドシステム開発は、従来のオンプレミスとは異なり、クラウドサービスプロバイダーが提供するリソースを活用します。そのため、初期投資を抑えつつ、柔軟なシステムの構築が可能です。
クラウドシステム開発のメリット7選
クラウドシステム開発のメリットは、下記のとおりです。
- コストを最小限に抑えられる
- 開発にかかる期間を短縮できる
- 柔軟にリソースを調整できる
- 安全性と信頼性を確保できる
- 災害対策を強化できる
- 業務の効率化を図れる
- 中小企業の生産性が向上する
詳しく解説します。
コストを最小限に抑えられる
クラウドシステム開発では、初期の設備投資やハードウェアの購入、自社での管理が不要なため、コストを大幅に削減可能です。
また、必要なときに利用する従量課金制が多いため、無駄な支出も避けられます。
開発にかかる期間を短縮できる
オンプレミスと比べて、サーバーやインフラの準備が不要なため、手軽に開発環境を構築可能です。
また、クラウド上のツールやサービスを活用すれば、効率よく開発を進められます。開発から実行までの手順が簡素化されるため、プロジェクトの期間短縮につながります。
柔軟にリソースを調整できる
オンプレミスの場合、新たにHDDの増設や容量の大きいサーバーへ移設する必要がありました。しかし、クラウドシステム開発なら、契約内容の変更のみで容量を増やせるため、プロジェクトの進行に応じて柔軟にリソースの調整を行えます。
クラウドシステムの導入は、無駄なリソースの使用を避けつつ、常に最適なパフォーマンスを維持するために有効な手段です。
安全性と信頼性を確保できる
クラウドシステムは、高度なセキュリティ対策を施しており、データの暗号化・アクセス制御・監視体制が整っています。
また、複数のデータセンターにデータを分散して保管するため、システムの信頼性が高く、障害が発生しても迅速に復旧できます。
災害対策を強化できる
データが複数の地理的に分散したデータセンターに保存されるため、災害時にもデータの損失を最小限に抑えられます。
実際に、内閣府は自治体の被災者支援システム整備を促進するため、「クラウド型被災者支援システム」を構築し、令和4年度から地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が運用を開始しました。
住民基本台帳情報を基に容易に被災者台帳を作成できるほか、マイナンバーカードを活用して、罹災証明書や被災者生活再建支援金、災害弔慰金などのオンライン申請が可能となっています。また、自宅や遠隔地からの罹災証明書の申請や、全国のコンビニエンスストアなどでの受領も実現しています。
業務の効率化を図れる
クラウド上のツールやサービスの活用で、複数のチームが同時に作業を進められるため、作業の重複を避けてコミュニケーションを円滑に行えます。
また、ファイル共有や文書編集をクラウド上で行えば、常に最新の状態で共有できる点もメリットです。これにより、業務のスピードアップが実現し、全体的な生産性の向上につながります。
中小企業の生産性が向上する
クラウドシステムは、初期投資が少なく、必要な機能をすぐに利用可能です。そのため、中小企業でも最新の技術を取り入れやすくなります。
さらに、リソースの柔軟な利用や自動化ツールの活用により、限られた人材や予算でも効率的に業務を進められます。
クラウドシステム開発のデメリット・注意点
クラウドシステム開発のデメリット・注意点は、下記のとおりです。
- 費用が高くなる
- コンサルタントの質に左右される
- 自社に合わないシステムを導入する可能性がある
- システムの運用がうまくいかない場合がある
詳しく解説します。
費用が高くなる
従量課金制のクラウドサービスでは、使用するリソースやデータの量に応じて費用が増加します。また、クラウドが提供する追加機能やサービスを利用すると、予算を超える可能性があります。
したがって、クラウドサービスの利用には、継続的なコスト管理と、将来の利用状況を見据えた予算計画が必要です。
コンサルタントの質に左右される
クラウドシステム開発を成功させるには、専門的な知識と経験をもつコンサルタントの支援が重要です。しかし、コンサルタントの選定を誤ると、期待した成果が得られないリスクがあります。
質の低いコンサルタントに依頼すると、システムの設計や実装に問題が生じ、最終的な成果物が自社のニーズを満たさない場合があります。コンサルタント選びは慎重に行い、過去の実績や専門性を十分に確認することが大切です。
自社に合わないシステムを導入する可能性がある
クラウドシステム開発では、汎用的なクラウドサービスを利用することが多いです。そのため、自社の特定のニーズに合わないシステムを導入するおそれがあります。
これによって、下記のようなリスクが考えられます。
- システムが十分に機能しない
- 不要な機能が多く含まれてコストや運用が複雑になる
事前に自社の要件を明確にし、カスタマイズの必要性を含めて検討することが重要です。
システムの運用がうまくいかない場合がある
クラウドシステムの運用には、専用の知識やスキルが求められることが多いです。しかし、社内のリソースが不足していると、運用が円滑に進まない場合があります。
また、クラウド環境の特性や更新頻度の高い技術に対応するため、継続的な学習やトレーニングが必要です。運用体制が不十分だと、システムが安定しなかったり、トラブルが発生しても迅速に対応できないリスクがあります。
そのため、運用開始前に必要なリソースを確保し、サポート体制を整えることが大切です。また、外部の専門家やサポートサービスを活用して、システムの安定稼働を支援することも考慮しましょう。
クラウドシステム開発の依頼にかかる費用
クラウドシステム開発の依頼費用は、下記のとおりです。
費用項目 | 費用相場 |
要件定義・設計費用 | 数十万円~数百万円 |
システム開発費用 | 数百万円~数千万円 |
クラウドインフラ利用料 | 月額数万円~数十万円 |
テスト・検証費用 | プロジェクト全体の5%〜15%程度 |
保守・運用費用 | 年間数十万円~数百万円 |
コンサルティング費用 | 数十万円~数百万円 |
費用はプロジェクトの規模や要件により異なります。初期費用を抑えつつ、長期的なコスト管理が求められるでしょう。
クラウドシステム開発の依頼先を選ぶコツ
クラウドシステム開発の依頼先を選ぶ際は、下記のコツを押さえましょう
- クラウドシステム開発の実績はあるか
- 自社のニーズと予算に合うか
- セキュリティ対策・サポート体制が充実しているか
詳しく解説します。
クラウドシステム開発の実績はあるか
開発会社を選ぶ際は、過去のプロジェクト事例や成功例を確認し、類似のシステム開発経験があるかを見極めましょう。
実績のある企業は、経験を活かしてスムーズな開発を進め、予期せぬ問題にも対応できる可能性が高いです。プロジェクトの成功率を上げるためにも、開発会社の実績を通して、企業の技術力と信頼性を確認しましょう。
自社のニーズと予算に合うか
クラウドシステムはカスタマイズ性が高いため、自社の業務フローや目標に合った提案をしてくれる会社を選ぶことが大切です。
まず、自社のビジネス目標や要件を明確にし、開発会社と共有します。提案内容が要件を満たしているか、柔軟なカスタマイズが可能かを確認しましょう。
また、初期開発コストだけでなく、運用・保守にかかる費用も含めて総合的に判断することが大切です。開発会社の提案内容が、自社の現状や将来のビジョンに合致しているか慎重に検討することが、プロジェクトの成功につながります。
セキュリティ対策・サポート体制が充実しているか
開発会社を選ぶ際は、下記のようにセキュリティ対策について確認しましょう。
- 業界標準や法令に準拠しているか
- 定期的な監査や脆弱性テストを実施しているか
また、システム運用後のサポート体制が充実しているかも重要です。24時間365日対応してくれるか、緊急時の連絡体制は整っているかなどを確認してください。
充実したサポート体制は、システムの安定運用と、問題発生時の迅速な対応に直結します。
クラウドシステム開発におすすめの会社10選
クラウドシステム開発におすすめの会社を10選紹介します。
- 合同会社ケトハ
- 株式会社ICT-O
- 株式会社ALT
- 株式会社ルピナスファクトリー
- 株式会社ウィズワンダー
- スペック株式会社
- 株式会社テクノスフィア
- 株式会社エイチビーソフトスタジオ
- 株式会社egoba
- 株式会社kakeruX
それぞれ解説します。
合同会社ケトハ
会社名 | 合同会社ケトハ |
所在地 | 東京都北区志茂2-63-7-1403 |
対応業務 |
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強み |
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リモート営業を通じて全国にサービスを展開している会社です。システム開発の実績が300件以上あり、Web系・事務系のシステム開発に対応しています。
また、既存システムのリニューアルや開発リソースの補填にも力を入れており、少数精鋭のプロフェッショナル集団によるサポート体制が魅力です。
さらに、長期運用を見越した、分かりやすくエラーの起こりにくいシステム設計も可能です。開発後のカスタマイズもしやすいよう工夫されています。
株式会社ICT-O
会社名 | 株式会社ICT-O |
所在地 | 東京都豊島区巣鴨1-20-10 |
対応業務 |
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強み |
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システムの企画から開発、運用までをワンストップで対応できる会社です。Customer向けECサイトやWebアプリケーション、業務システムなど幅広い開発実績をもち、中間マージンが発生しないためのコストを抑えた開発が可能です。
また、Webシステムと業務系システムの実績が豊富で、細かい要望にも柔軟に対応しています。社員教育を徹底しており、高いセキュリティ・秘密保持性をもつため、安心して任せられます。
株式会社ALT
会社名 | 株式会社ALT |
所在地 | 北海道札幌市中央区南11条西13-1-32 |
対応業務 |
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強み |
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北海道の札幌市・函館市を拠点に活動するシステム開発会社です。「あるといいな」と思うIT環境を目指し、蓄積されたノウハウを活用して、迅速かつ効率的な製品開発を行います。
BtoBマッチング系サービスのシステム開発や、顧客管理などの業務系システム開発が得意です。
また、IT導入補助金やものづくり補助金、事業再構築補助金の活用を支援し、サービス提供後のアフターフォローも充実しています。問題が発生した際は速やかに対応し、お客様のビジネスをサポートします。
株式会社ルピナスファクトリー
会社名 | 株式会社ルピナスファクトリー |
所在地 | 東京都豊島区東池袋3-8-5-501 |
対応業務 |
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強み |
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システム開発に関する幅広いニーズに対応可能な会社です。少数精鋭の経験豊富なメンバーが、設計から構築、運用設計まで一貫して請け負います。
構想段階からの開発案件や、1年以上の長期開発、短期開発案件まで柔軟に対応しているのが魅力です。オンラインで全国どこからでも相談可能なので、場所を選ばずに依頼できます。
株式会社ウィズワンダー
会社名 | 株式会社ウィズワンダー |
所在地 | 福岡県福岡市博多区店屋町2-29 iGS博多ビル i Growth Ship 730 |
対応業務 |
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強み |
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構想段階からの相談が可能な会社です。開発技術の高さ・対応領域の広さ・強固なサポート体制に自信をもっています。
また、代表者は、業界最大手の開発会社で数多くのシステム開発を手がけた実績をもっています。入念なヒアリングに基づいて、最適なシステムを提案してくれるのが魅力です。
システム開発が初めての方やコストパフォーマンスを重視する方など、幅広いニーズに応えられます。
スペック株式会社
会社名 | スペック株式会社 |
所在地 | 新潟県三条市猪子場新田117 |
対応業務 |
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強み |
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コストパフォーマンス・手厚いサポート・問題解決力が強みの会社です。豊富なシステム開発経験を活かし、さまざまな課題や要望を解決へ導きます。
開発はすべて元請けで行い、メーカーやベンダーの縛りがなく柔軟な対応が可能です。都市部よりも人件費などの固定費が安価なため、コストパフォーマンスに優れています。システム導入後のアフターフォローも手厚く、多くのお客様が10年以上愛用しています。
株式会社テクノスフィア
会社名 | 株式会社テクノスフィア |
所在地 | 大阪府大阪市淀川区西中島7-7-3 エフベースミュゼオ201 |
対応業務 |
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強み |
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年間約20件の幅広い実績をもつシステム開発会社です。社内向けグループウェアからコンシューマー向けECサイトや予約システムなど、さまざまなシステム開発の実績をもちます。
また、社内サーバーからAWSなどを含むクラウドまで、それぞれの規模に応じた提案を行うのが特徴です。設計、構築から保守運用まで一貫して提供し、お客様に合うオーダーメイドのシステム開発が可能です。
株式会社エイチビーソフトスタジオ
会社名 | 株式会社エイチビーソフトスタジオ |
所在地 | 愛媛県松山市保免上2丁目10-24 |
対応業務 |
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強み |
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スタートアップや新規事業の企画段階から、長期的にサポートを行っている会社です。これまでに200件以上の実績があります。
専門資格をもつエンジニアが、お客様の要望をヒアリングし、予算内で最大限の効果を発揮できるシステムを提供しています。また、クラウド環境の構築においても、クライアントのニーズに最適なサービスを選定して提案可能です。
株式会社egoba
会社名 | 株式会社egoba |
所在地 | 福岡県福岡市中央区大名2-9-17 アリスト大名 11階-B |
対応業務 |
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強み |
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福岡に本社を構えているシステム開発会社です。予算や納期にあわせて、開発可能なシステムを提供しています。従来の管理システムからAIを駆使した最新技術まで、幅広い分野の開発に対応可能です。
行政予約システムや通信教育システムなど、多くの開発実績をもち、社内のエンジニアとデザイナーが強力に連携してプロジェクトを推進します。
株式会社kakeruX
会社名 | 株式会社kakeruX |
所在地 | 岡山県笠岡市笠岡2831-1 |
対応業務 |
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強み |
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アプリやシステムの開発を身近に感じられるように、コストを抑えながら、高品質・高セキュリティ性・スピーディな開発体制を整えています。
総務省をはじめとした行政案件の開発の実績も多数もっています。企画段階からの相談も可能なため、初めての開発依頼でも気軽に問い合わせ可能です。
まとめ:自社に最適なクラウドシステム開発会社に依頼しよう
クラウドシステム開発を成功させるには、自社のニーズに最適な開発会社を選ぶことが重要です。開発会社の技術力や実績、サポート体制を慎重に比較し、信頼できる依頼先を見つけましょう。
また、クラウドの特性を最大限に活かした、柔軟で対応力の高いシステムを構築することで、業務効率の向上やコスト削減が期待できます。適切な開発会社と協力し、ビジネスの成長を支えるシステムを実現しましょう。
この記事を書いた人
hata