業務用エアコンの修理費用と交換費用ではどちらの方がお得なのか?
公開日:2020.07.22 最終更新日:2024.07.31
本記事では、業務用エアコンが故障した際に、交換と修理どちらがお得かを費用の相場等を比較しつつ解説します。
業務用エアコンの修理費用を確認する前に押さえておきたいポイント
業務用エアコンを修理する前に、押さえておきたいポイントは以下の2つです。
業務用エアコンを修理する際に押さえておきたいポイント
- 業務用エアコンを購入してからの年数
- 故障の内容
それでは、押さえておきたいポイントについて詳しい内容を確認しましょう。
ポイント①業務用エアコンを購入してからの年数
修理費用の確認をする前に、エアコンを購入してからの年数を確認してください。
新しいエアコンでは、メーカーの保証が付いていたり、部品交換で済んだりすることも珍しくありません。
しかし、年数が経つとともに、交換する部品が製造中止になっていたり、新しいエアコンに交換したほうが、電気代が安くなったりするケースもあります。
それぞれの年数について、確認していきましょう。
1年以内の場合
エアコンを購入してから1年以内の場合は、ほとんどは保証期間内に修理や交換が行われます。
保証期間内であれば、修理費用は保証の範囲内でカバーされることが多いため、修理費用の心配は少ないでしょう。
しかし、保証規定によっては一部修理費用を負担することもあるため、メーカーの保証内容を事前に確認しておくことが重要です。
10年以内の場合
エアコンを購入してから10年以内の場合は、比較的新しい状態といえますが、9年以上経過していれば修理に使用する部品が製造中止になっている可能性もあるため、注意が必要です。
また、メーカーの保証期間は一般的に1〜5年程度となるため、修理費用はほとんどの場合が自己負担となります。
なお、修理の際には、故障の内容や修理業者によって修理費用が異なるため、複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。
10年以上の場合
エアコンを購入してから10年以上経過している場合は、機器の老朽化や部品の摩耗が進んでいる可能性があります。
また、修理費用は機器の状態や故障内容によって異なりますが、部品の入手難易度や修理にかかる時間も考慮する必要があります。
エアコンが、2000年以上前に設置したものであれば、買い替えた方がよいでしょう。
最新のエアコンは、省エネモードを搭載しているため、年間の電気代が半額以下になるケースも少なくありません。
修理費用の見積もりを複数の業者から取り、費用やエアコンの寿命、将来的なメンテナンス負担を総合的に考慮して判断することが重要です。
ポイント②故障の内容
業務用のエアコンは、故障の箇所や内容によって費用が大きく異なります。
故障内容の中でも、特に買い替えのほうが安価になる可能性が高い原因は、以下の2つが考えられます。
コンプレッサーの故障
コンプレッサーは、エアコンでの動力部にあたる室外機のパーツです。
コンプレッサーは、エアコンの基本動作である冷房や暖房運転に欠かせない、重要な役割を果たしています。
エアコンの冷媒ガスを圧縮することで、冷却や加熱の効果を生み出し、室内の温度調節を行います。
そのため、コンプレッサーが故障すると冷媒ガスの圧縮ができなくなり、エアコンは正常な冷房や暖房運転を行うことができなくなります。
なお、コンプレッサーの修理代は、重修理となることが多く高額になりがちです。
また、室外機の音が気になるという場合は、新しい室外機になると音が半分以下に抑えられるためおすすめです。
冷媒ガス漏れの可能性
リモコンで温度を変更しても冷房や暖房が出ない場合は、冷媒ガスが漏れているケースがあります。
冷媒配管から、冷媒が漏れていることが原因です。
設置の状況によって異なりますが、耐圧試験は室内機や配管、室外機の3箇所に分けて試験を行います。
そして、漏れている箇所を特定した場所を、溶接にて塞いで再度冷媒ガスを封入します。
冷媒漏れの修理には、配管溶接や冷媒充填技術など資格が必要な作業となります。
そのため、誰でもできる作業ではなく高度な技術が必要となるので、修理費用が高めとなることが多いでしょう。
業務用エアコンを交換する判断ポイント
業務用エアコンは、完全に故障する前に、いくつか交換の判断をすべきポイントがあります。
早めの交換をした方がメリットになるケースも多いので、交換のサインを見逃さないようにしましょう。
- 業務用エアコンを10年以上交換していない
- 軽度・重度にかかわらず、不具合が頻発しはじめた
- 電気代が高いと感じる
- 保証期間が過ぎており、修理のたびに高額な費用がかかる
判断ポイント①業務用エアコンを10年以上交換していない
業務用エアコンの耐用年数は一般的に10~15年といわれています。(1日10時間、1年で合計2,500時間ほど連続稼働させた場合を想定 )
ただし、点検や修理を行わずに使用し続けると、業務用エアコンの耐用年数は6~9年ほどと非常に短くなっていきます。
そのため、10年以上業務用エアコンを活用している場合は交換を考えたほうがよいといえるでしょう。
基本的に経年劣化が進んだものは修理すべき箇所が多くなるので、修理費用が高くなる傾向があります。
不具合が併発するようであれば、エアコンの交換を検討したほうがよいです。
関連記事:業務用エアコンの耐用年数は何年?できるだけ長く使い続けるには?
判断ポイント②軽度・重度にかかわらず、不具合が頻発しはじめた
業務用エアコン稼働中に軽度・重度に関わらず不具合が頻発しはじめたときには、部品やモーターなど、さまざまな点で経年劣化を起こしている可能性があります。
経年劣化はどんなに修理を重ねても完全に改善できないので、不具合が起こるたびに修理をするよりも交換したほうがお得です。
一度交換してしまえば、不具合なくスムーズに活用できるでしょう。
【関連記事】
エアコン不具合時によくあるエラーコードの種類と対策法
業務用エアコンが動かないときの原因とは?対処方法も紹介
判断ポイント③電気代が高いと感じる
古い業務用エアコンは経年劣化により稼働効率が悪くなり、必要以上に電気代を消費してしまうこともあります。
業務用エアコンは次々と省エネ効果の高い機種がリリースされているため、電気代が高いと感じる場合は最新の省エネ機種に交換することをおすすめします。
業務用エアコンは省エネ効果が高いものほど電気代も安くなるので、長期的なランニングコストを考えた場合に現在使っているものよりお得になる可能性もあります。
また、業務用エアコンを交換する以外に、電気代を節約する方法もあります。
電気代の節約術を知りたい方は、こちらをご覧ください。
関連記事:業務用エアコンにかかる電気代の節約術2選
判断ポイント④保証期間が過ぎており修理費用がかさむ
業務用エアコンのほとんどは、購入時に保証が付いており保証期間内であれば故障してしまっても無料または格安で修理をしてもらえます。
しかし、使用年数がかさんで保証期間が切れてしまうと修理代は全額実費になるので注意が必要です。
修理内容によってはかなり高額な料金を請求されてしまうこともあるので、エアコンの保証期間が過ぎてしまった場合も交換時期の目安となります。
メーカーの保証期間は、一般的にに1~5年程度となります。
業務用エアコンの修理・交換にかかる費用の相場
業務用エアコンの修理にかかる費用と新規交換では、それぞれかかってくる費用が異なります。
そのため、まず修理にかかる費用の相場と新規交換に必要な費用の相場を知って、どちらがお得かを判断しましょう。
業務用エアコンの修理にかかる費用の相場
業務用エアコンの修理にかかる費用の相場は、修理する内容により大きく変わります。
軽微な不具合であれば1~3万円前後、重度な不具合であれば10万円以上にもなります。
以下に、修理内容ごとの費用の相場をまとめました。
修理内容 | 費用の相場 |
温度検知などのセンサー類 | 8,000~2万円程度 |
基板交換・リモコンの不調 | 1万5,000~3万円程度 |
ファンモーターの交換 | 2~10万円程度 |
熱交換器の交換 | 5~10万円程度 |
冷媒ガスの漏れ | 10万円以上 |
一般的に軽微と呼ばれる温度検知センサーの不具合や、リモコン等の不具合の場合であれば、1万5,000~3万円前後となります。
しかし、冷媒ガスの漏れなどエアコン内部の重度な不具合の場合は10万円以上かかることもあり、複数の不具合が同時に併発する可能性もあります。
また、上記の相場表は室内機の修理内容の一部ですが、室外機に異常がある場合も修理の対象となります。
室外機の修理の場合も内容により料金に変動がありますが、いずれにせよ専門業者に確認してもらわなければ具体的な修理費用は分かりません。
業務用エアコンの交換にかかる費用の相場
業務用エアコンを交換する場合は、エアコン本体と設置工事にかかる費用がそれぞれ必要となります。
業務用エアコン本体の購入費用は、新品の1.5馬力の場合20~30万円程となります。
そのうえで設置工事費用が別途発生するため、あらかじめどれくらいの費用がかかるのかを業者に見積もりを出してもらうことが重要です。
以下に、オフィスや店舗で使われることの多い天井埋込型エアコンの設置費用の相場をまとめました。
シングルタイプ | マルチタイプ | |
1.5~2.5馬力 | 77,000円 | - |
3馬力 | 96,000円 | 125,000円 |
4馬力 | 110,000円 | 145,000円 |
5~6馬力 | 100,000~115,000円 | 155,000~160,000円 |
8馬力 | - | 195,000円 |
10馬力 | - | 200,000~210,000円 |
上記の表から、1.5馬力の新品のシングル業務用エアコンを導入する場合、設置工事費も含めると27~37万円前後の費用がかかります。
かなりの費用がかかってしまいますが、リース導入することにより初期費用なしで新品のエアコンを交換することができます。
業務用エアコンリースの相場について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
関連記事:業務用エアコンの本体価格と設置にかかる工事費の相場
業務用エアコンの修理費用が交換費用よりも高くなったケース
業務用のエアコンを交換するより、修理費用のほうが高額になるケースもあります。
本来、新規で業務用のエアコン工事をする場合は、電気工事や配管工事などの設置工事費が必要となります。
しかし、古い業務用エアコンから新しい業務用エアコンを設置する場合は、既設の隠ぺい配管の再利用が可能で、エアコンの取り付けや取り外しのみの工事費用の場合では、修理費用の方が高くなる場合もあるでしょう。
業務用のエアコンは、家庭用のエアコンとは異なり特殊です。
そのため、パーツ交換や修理費用が割高となってしまうのです。
業務用エアコンはオフシーズンに交換するとお得
業務用エアコンはオフシーズンである2~4月に交換したほうが、繁忙期に購入するより安くなる傾向にあります。
もちろん選ぶ機種やリリース時期にもよりますが、オフシーズンであれば業者も親身に対応してくれ値引きやスピーディな対応などが期待できます。
逆に繁忙期に交換する場合は、値段も高く設置工事に長期間待たされるケースも多々あるので、早めの交換をした方がよいでしょう。
新しい業務用エアコンの選び方
業務用エアコンを交換する場合、そもそも敷地面積に対して適切な馬力なのかを確認して新しいエアコンを選びましょう。
業務用エアコンの馬力と敷地面積の関係性は密接で、設置場所にも大きく左右されます。
業務用エアコンの馬力の算出方法は、以下のようになります。
業務用エアコンについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
不具合が多い場合や10年以上経っている業務用エアコンは交換がおすすめ
以上、業務用エアコンの修理と交換の費用相場から、どちらがお得かをご紹介してきました。
耐久年数である10~15年以内であれば修理、その期間を過ぎていれば交換したほうがお得であるといえるでしょう。
ただし、保証期間がすぎており不具合が多い場合や、電気代が高い場合には、耐久年数以内であっても交換したほうがいい場合もあります。
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この記事を書いた人
編集部員 河田
編集部員の河田です。編集プロダクションでの書籍編集の経験を経て、現在はEMEAO!のWebコンテンツ編集・執筆とお客様へのインタビューを担当させていただいています。日々、コツコツと皆さんのお役に立つ情報を発信していきます!よろしくお願いします。