業務用エアコンの入替にかかる費用を削減する2つのポイント
公開日:2021.05.20 最終更新日:2024.07.12
本記事では、業務用エアコンの入替費用を抑えるポイントを紹介します。
費用面が気になって業務用エアコンの入替をためらっている事業者様は、ぜひ参考にしてください。
【種類別の目安】業務エアコンの入替工事費用
一口に「業務用エアコン」と言っても、さまざまなタイプや大きさがあり、選ぶエアコンによって費用が大幅に異なります。
ここでは、業務用エアコンの種類と導入する際の工事費用について、順番にご紹介していきます。
なお、業務用エアコンは、エアコンの馬力や設置状況などによって費用に大きく差が出るため、あくまでも目安と考えておきましょう。
壁掛け型業務用エアコン
住宅用のエアコンと同じ形をした業務用エアコンで、一般的なエアコンと同じように壁に取り付けます。
1.5馬力のシングルタイプから8馬力のマルチタイプまでバリエーションが豊富で、小さめの店舗や事務所などに多く導入されています。
入替工事費用相場は機種によって異なりますが、コンパクトタイプで5万円前後、マルチタイプで15万円前後となっており、製品代を含めても20〜30万円程度で入れ替えが可能です。
ほかの業務用エアコンに比べると設置が簡単で工期も短く済むことから、業務用エアコンの中では最も安価に入れ替えられるのが特徴といえるでしょう。
ダクト型業務用エアコン
吹き出し口と吸い込み口が本体から分離しているため、本体と離れた場所にフレキシブルダクトやキャンバスダクトといった吹き出し口や吸い込み口を設置することができる業務用エアコンです。
本体は天井に埋め込んで設置され、自由なレイアウトで吹き出し口と吸い込み口を配置できることからムラや無駄のない空調設計ができ、インテリアや空間の雰囲気にも影響しないため、店舗やホテルなどで幅広く採用されています。
ダクト型業務用エアコンは、どのような状況にも柔軟に対応できる自由度の高いエアコンですが、その分部材や工事費用は高額になる傾向があります。
本体価格は20万円程度から、工事費用は10万円前後が相場とされていますが、設置前の天井裏点検や天井の穴あけ工事など必要となるオプションが多いのが特徴で、最終的に100万円近くなることも珍しくありません。
業務用エアコンの中でも、入替工事費用が最も高額になると考えておきましょう。
関連記事:ダクト型業務用エアコンが持つ2つの特徴と代表的な機種
天吊り型業務用エアコン
名前の通り、天井から吊り下げるタイプの業務用エアコンです。
埋込型が採用できない場合や、広範囲にまんべんなく風を送りたい場合の選択肢となっており、学校の教室や広いオフィスなどで主に採用されています。
本体が大型なので、どうしても存在感が出てしまいますが、天井への穴あけ工事などが不要で比較的手軽に取り付けられることから、埋込タイプに比べると安価に設置できるのが特徴です。
本体価格は18万円から70万円前後までと幅広く、工事費を含めると最低でも30万円前後かかるのが一般的ですが、同じ天井型エアコンである埋込型に比べると大幅に費用は抑えられるため、内装をそこまで重視しないという方は天吊り型業務用エアコンを選ぶのがおすすめです。
関連記事:天カセエアコンとは?種類や馬力から交換費用の相場まで解説
埋込型業務用エアコン
天井に穴を開けて、埋め込む形で設置する業務用エアコンです。
ダクト型業務用エアコンと同様、インテリアや空間の雰囲気に影響しないのが魅力で、1方向吹出型、2方向吹出型、4方向吹出型の3タイプがあります。
4方向吹出埋込型業務用エアコンは業務用エアコンの中でも最も汎用性が高く、現在ではオフィスや店舗において主流タイプとなっています。
4方向に向けて風が出ることから、バランスよく温度調整ができ、一回り小さいコンパクトタイプも人気です。
天井コーナーに設置する場合は1吹出型タイプ、複数台並べる場合は2吹出型タイプなど、状況に合ったタイプを選んで導入することが可能です。
本体価格相場25万円前後から、入替工事費用相場20万円からと他の業務用エアコンに比べると高額になりますが、流通数が多いこともありまとめて設置することで大幅に値下げされるケースもあるため、複数社から見積もりを取って比較検討するといいでしょう。
また、エアコンの設置工事費用について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
【関連記事】
業務用エアコンの設置工事費用まとめ|エアコンのタイプと馬力ごとの相場
埋込型業務用エアコンが持つ2つの特徴と代表的な機種
入替費用に追加料金がかかる4つのケース
業務用エアコンの入替費用についてお伝えしましたが、ダクト型業務用エアコンのご紹介で少し触れた通り、場合によっては工事に際してオプション費用が発生するケースがあります。
どのような時に追加料金が必要となるのか、事前に理解しておくと安心です。
ケース①室内機と室外機の距離が遠い
業務用エアコンを設置する際に、追加料金が発生する原因として最も多いのが、室内機と室外機の設置場所が離れているということです。
家庭用、業務用に関わらず、エアコンを設置する際は室内機と室外機を冷媒配管や電気配線でつなぐ必要があります。
ところが、オフィスや店舗などで使用する業務用エアコンの場合、一般的な住居とは異なり室内機と室外機の距離が遠くなってしまうことが多く、あらかじめ工事費用に含まれる長さではパイプが足りないというケースがしばしば見られます。
そうなると延長パイプが必要となり、そのぶんの費用が別途加算されるため、室内機と室外機の距離が離れれば離れるほど全体としての費用も高額となるのです。
なお、延長ホースの価格は1mあたり5,000円前後と考えておくといいでしょう。
ケース②室外機を高所に設置する
室外機を建物の2階以上の高所に設置する場合は、追加料金が発生するのが一般的です。
業務用エアコンの室外機は家庭用エアコンの室外機に比べるとサイズが大きく、重量も100kg近くあることが多いため、最低でも大人2〜3人で運ぶことになります。
引っ越しで、作業人数が増えれば追加費用が必要になるのと同じように、室外機の設置においても人力で搬入する場合は、そのぶんの追加料金が発生します。
一方、建物内にエレベーターがない場合はクレーン車を用意することも珍しくなく、その場合はクレーン車のレンタルや誘導員の配置などにかかる費用が追加されるため、より高額になると考えておきましょう。
周辺道路の状況や室外機を設置する階数によっても異なりますが、相場は1フロアあたり5,000〜10,000円程度となっています。
ケース③業務用エアコン用の電源がない
業務用エアコンを設置するには「単相200V」もしくは「単相300V」とパワーの大きい電源が必須となり、エアコンの設置を予定している場所に対応電源がない場合は、新たに電気工事が必要となります。
費用としては、コンセントの新設や交換であれば5,000〜10,000円程度で対応してくれるのが一般的ですが、ブレーカーの交換や電線の引き込みが必要となる場合は、プラス10万円程度が相場です。
また、エアコンの設置業者が電気工事に対応している場合は、追加工事として手軽に依頼が可能ですが、そうでない場合は別の業者を探すことになるため、それも含めた日程調整を行いましょう。
ケース④業務用エアコンを新品と入れ替える
新たに業務用エアコンを設置する場合は、追加料金がかかったとしても取り付け費用だけで済みますが、新品と入れ替える場合は、古いエアコンの撤去作業と処分のために別途費用が発生します。
最も手軽な壁掛け型エアコンの撤去・処分でも4万円程度、埋込型エアコンになると最大20万円ほど必要になることを理解しておきましょう。
また、複数の業務用エアコンを同時に入れ替える場合は、撤去作業と処分だけで100万円近い費用がかかる可能性もあります。
それらを考慮した上で予算を立てることも大切です。
業務用エアコンの入替費用を抑えるには
業務用エアコンの入替には、数百万以上の経費がかかるケースも多々あります。
少なくない出費なので、できることなら費用を削減したいですよね。
業務用エアコンの入替費用を安く抑えるポイントは2つあります。
- リーズナブルな価格設定の業者を選ぶ
- 助成金を活用する
ポイント①リーズナブルな価格設定の業者を選ぶ
業務用エアコンの入替費用を抑えるために、まずは複数業者を比較検討して、リーズナブルな価格設定の業者を見つけるようにしましょう。
同じ機器と工事内容であっても、業者によって金額は異なります。
リーズナブルな価格設定の業者は、業務用エアコン本体や工事材料を大量に仕入れたり、メーカーと直接取引することで安さを実現しています。
また、下請けを使わず自社施工することで、工事費用を削減しているケースもあります。
ただし、価格が抑えられている理由が説明されない場合、機器や工事の品質が悪いこともあるので注意が必要です。
トラブルを避けるためには、本体価格や工事費がとにかく安くなればいいとは考えず、その理由まで確認して業者を選びましょう。
関連記事:業務用エアコン取り付け業者の選び方とは?優良業者の条件も解説
ポイント②補助金・助成金を活用する
業務用エアコンの入替費用を削減するために、補助金や助成金を活用する方法もおすすめです。
受け取れる金額の上限や割合は多種多様ですが、中には費用の半分ほどを賄えてしまう制度もあります。
ただし、助成金や補助金は自動的には支給されません。
まずは利用できる制度を調べ、条件を満たしているか確認する必要があります
条件を満たしている場合は、役所など決められた場所で手続きしましょう。
また、業務用エアコンの入替工事を行っている業者が、補助金や助成金に関するサポートを実施してくれるケースもあります。
具体的なサポート内容は、補助金や助成金を使えるかの調査や手続きなどです。
サポートを受けたい場合は、業者を選ぶ時点でどこまでサポートしてもらえるかを聞いておきましょう。
業務用エアコンの入替費用を抑えるために、業者の比較検討や助成金・補助金の申請をしよう!
今回は業務用エアコンの入替費用を削減するポイントを紹介しました。
費用削減のためには業者を比較検討し、明白な理由があってリーズナブルな価格設定を実現している業者を探しましょう!
また、補助金や助成金を活用するためのサポートをしてくれる業者を選ぶのもおすすめです。
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この記事を書いた人
編集部員 濵岸
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