ランク付けをしない人事評価「ノーレイティング」の特徴

人事評価制度自体が曖昧であったり、適切な評価がなされていないと従業員が感じた場合、離職率が上がり、会社全体のモチベーション定価につながるリスクがあります。

会社に停滞する空気の流れを変えるには、思い切って制度を根本から見直すことも必要です。

例えば、「ノーレイティング」という評価制度をご存じでしょうか？
日本国内でも次々と有名企業が導入を始め、従業員のモチベーション向上という結果を出しています。
リスクを回避し、企業の質を上げるため、人事評価制度を見直してみませんか？

今回は、自社の人事評価制度の見直しをご検討中の企業担当者様へ向けて、
ノーレイティングについて詳しく解説していきます。

ノーレイティングとはどのような制度？

ノーレイティングの進め方や給与の決定方法など、具体的な特徴を紹介します。

従来の評価制度との違い

期末や年度末に、明確なランク付けによって給与額が決められる従来の評価では、従業員に評価方法は明かされず、フィードバックがないといったケースも多々あります。

また、画一的な基準を満たしているか・否かで相対評価するため、仮に従業員に隠れたスキルがあったとしても正当に評価がされません。
従業員は仕事へのモチベーションが下がり、また会社としても本来有力な人材を知らずに逃してしまうリスクがあります。

ノーレイティングでは、月に数回程度、必要なときに上司と部下1対1の個人面談を行い、直近の目標設定や前回までの目標達成度などに関するフィードバックが行われます。

面談ではお互い自然体で話し合います。
「目標を達成できたか否か」のみではなく、面談を通して一個人としての従業員と向き合い、どのような人材なのか、隠れた強みはないかといった部分を多面的に見ていきます。

リアルタイムでフィードバックがあることで「現在の自分の仕事」について評価してもらえるほか、目標設定が明確であるため従業員も評価に納得しやすい特徴があります。

給与の決め方

多くの場合、管理部門から人件費の予算がマネージャー（上司）に開示され、上司は面談の内容をもとに各メンバーの給与を考えるといった流れで給与の分配が決定されます。

ノーレイティングのメリット・デメリット

定期的な面談をもとに評価がされるノーレイティング。
メリットとデメリットはどのようなものが考えられるのでしょうか。

メリット

従業員にとってノーレイティングの最大のメリットは、納得度の高い評価がされる点です。
リアルタイムでの目標設定と定期的なフィードバックがあるため、
「このような業務もやって結果を出したのに、評価に直結していない」
といった不満も大幅に減り、従業員にとってもある程度評価基準が納得のいくものになります。

デメリット

ノーレイティングにおける大きなデメリットは、個別の面談を行うことで上司への負担が大きくなってしまうことです。
部下の人数が多く、また自身の業務も多い上司の場合は、面談の時間をセッティングするだけでも業務時間を大幅に圧迫することとなってしまいます。

また、上司にあたる人物がそもそも部下一人ひとりに向き合うことが苦手である場合は、適切な評価がされないため、ノーレイティングを行うこと自体が難しい環境といえます。

人事評価システムの導入でデメリットを解決

人事評価システムを導入することで、ノーレイティングにおけるデメリットを解決できます。

多くの人事評価システムには、目標設定や評価を簡単に行う機能がついているため、時間や手間を削減できます。
例えば、隙間時間を利用してシステム上で程度目標設定やフィードバックを行い、補助として比較的短時間の個人面談を行うことで効率的に評価を行うことができます。

また、従業員一人ひとりの経歴やスキル、業務態度などを細かく登録することで人事異動の結果や部署の適性を予測・分析する機能のあるシステムもあります。
この機能は面談にも活用できるほか、評価を行う上司として適性のある人物か否かといった判断材料として参考になります。

ノーレイティングとは、定期的な面談を通して一個人としての社員を評価する制度

いかがでしたか？

ランク付けによる評価を行わず、上司と部下の定期的な面談で従業員を多角的に評価する制度であるノーレイティング。

負担の集中や担当者の適性など課題点もありますが、人事評価システムを導入することで効率的に、より正確な評価が期待できます。

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