決済代行会社の選び方10選!仕組みやビジネスモデルも解説
公開日:2024.05.27 最終更新日:2024.08.05
決済代行会社の数は多く、どの会社を選べばよいかわからないといった悩みを抱えていませんか。
本ガイドでは、決済代行会社の選び方を10点紹介します。選び方を知ることで、自社に最適な決済代行会社を選べるようになります。
決済代行会社の仕組みやビジネスモデル、利用するメリットもわかるので、決済代行会社を利用する方は参考にしてください。
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決済代行会社の仕組みとは?
決済代行会社と契約すると、複数の決済方法を一括して導入できます。この仕組みは、包括加盟店代理契約によって実現されています。
本来、クレジットカード決済やQRコード決済を受け付けるためには、個別にアクワイアラーや決済事業者と加盟店契約を締結し、データの処理環境を整えなければなりません。しかし、決済手段ごとに契約やシステムの構築・運用をするのは大きな負担です。
決済代行会社は、あらかじめ複数のアクワイアラーや決済事業者と包括して加盟店契約を締結しています。そのため、決済代行会社と契約するだけで一括して導入できるようになりました。
決済代行会社も加盟店なので、決済システムを構築しています。契約後は、決済代行会社のシステムを通じて複数の決済方法の受付が可能です。
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決済代行会社のビジネスモデル
決済代行会社は、大きく分けて以下3つのビジネスモデルがあります。
- ECサイト向け
- 実店舗向け
- BtoB取引向け
ビジネスモデルによって利用できる機能・サービスが異なるので、自社に合っているのはどれか検討してください。
ECサイト向け
実店舗での決済は対応しておらず、オンラインの決済にのみ対応している決済代行会社があります。スクールや定期購入、サブスクリプションなど継続課金に対応していると便利です。
決済代行会社によっては、顧客が都度クレジットカード情報を入力しなくても済む機能を提供しています。リピート時にスムーズに決済できるので、顧客満足度の向上効果を見込めます。
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実店舗向け
実店舗向けの決済代行サービスは、決済端末の提供があるのが特徴です。決済端末とは、実店舗でカードやスマートフォンの決済情報を読み取ったり、通信したりする機能を持つ装置をいいます。
近年では、1つの端末で複数の決済方法に対応したマルチ決済端末が主流です。
決済代行会社によって決済端末の購入費用がかかる場合もあれば、無料でレンタルできる場合もあります。
関連記事:実店舗対応のおすすめ決済代行会社3社それぞれの強み・特徴
BtoB取引向け
請求書や契約書の作成など、事業者同士の取引(BtoB取引・企業間取引)に特化した機能を提供している決済代行会社もあります。
さらに、事業の仕組みは異なりますが、事業者同士の取引で行われる以下の業務を代行してくれる請求代行サービスもあります。
- 与信審査
- 請求書発行
- 代金回収
- 入金管理
- 督促
事業者同士の取引を効率化するなら、BtoB取引に特化した機能を提供している決済代行会社を選びましょう。
決済代行会社を利用する主なメリット
決済代行会社を利用することは、アクワイアラーや決済事業者と個別に契約する場合と比べて以下のメリットがあります。
- 審査・契約手続きの手間を抑えられる
- 決済システムの開発コストを抑えられる
- 売上を1つの画面で管理できる
審査・契約手続きの手間を抑えられる
もし決済代行会社を利用せず個別に契約しようとすると、加盟申込書や登記事項証明書、代表者の本人確認書類など同じような書類を複数枚提出しなければなりません。書類だけでなく、やり取りも申込先ごとに繰り返す必要があります。
多くの決済方法に対応する場合、事務手続きの手間や負担が大きくなってしまうでしょう。
一方で、決済代行会社と契約すると、すでに決済代行会社が複数の決済方法に対応しているため審査・契約手続きが最低1回で済みます。複数の決済方法をスムーズに導入できることが、決済代行会社を利用する大きなメリットです。
決済システムの開発コストを抑えられる
すでに決済代行会社が決済システムを構築しているので、加盟店が個別に決済事業者と接続する決済システムを構築する必要はありません。たとえば、加盟店は自社ECサイトに決済代行業者の決済ページへのリンクを設定した決済ボタンを設置するだけで決済を受け付けられます。
決済代行会社によっては、管理画面で件名や金額を設定するだけでコードが生成され、ECサイトにコードを埋め込むだけで決済代行会社とのシステム連携が可能です。
プログラミングの知識がなくても導入できるので、決済システムを自ら構築する場合と比べて開発コストを大幅に削減できます。
売上を1つの画面で管理できる
もし決済事業者と個別に契約して複数の決済方法を導入すると、売上は個々に確認するのが基本です。開発スキルがあれば各決済の売上の集計は可能ですが、開発工数がかかってしまいます。
一方で、決済代行会社を利用すると、異なる決済方法でも売上は1つのツールで管理できます。自社で開発工数をかけずに決済代行会社が売上を集計してくれるので、すぐに把握や分析が可能です。
関連記事:【2024年版】決済代行会社おすすめ11選!導入するメリットや会社選びのコツを解説
決済代行会社の選び方・比較ポイント
決済代行会社は多く、どの決済代行会社を利用すべきか悩む方も少なくありません。そこで、決済代行会社の選び方や比較ポイントを紹介します。
- 対応決済サービスが多いか
- コストを抑えられるか
- 入金サイクルは早いか
- 管理画面は使いやすいか
- セキュリティ水準は高いか
- 財務状況は良いか
- 業務効率化につながる便利な機能はあるか
- 短期で運用を開始できるか
- 継続課金に対応しているか
- サポートが充実しているか
各ポイントについて詳しく解説するので、ぜひ実践してください。
関連記事:信頼できる決済代行業者の選び方で押さえるべき7つのポイント
対応決済サービスが多いか
決済代行会社を利用する大きなメリットは、複数の決済サービスをまとめて導入できることです。メリットを最大限に活かすために、対応している決済サービスが多い決済代行会社を選びましょう。
オンライン決済に対応した決済サービスとして、次のようなものがあります。
- クレジットカード決済
- コンビニ決済
- キャリア決済
- PayPay決済
- LINE Pay決済
- メルペイ決済
- d払い
- 楽天ペイ決済
- au PAY決済
- Apple Pay
- Google Pay
- Amazon Pay
- JCB PREMO
自社の顧客が実際に求めている決済方法を限定して導入するのではなく、できるかぎり多く導入するのがおすすめです。幅広い決済方法に対応することで、新規顧客の獲得にもつながります。
コストを抑えられるか
決済代行会社を利用すると、決済事業者分だけでなく、決済代行会社に支払うコストも負担します。コストとは、初期費用や月額費用、決済手数料、トランザクション費用などのことです。
コストが高いと、決済代行会社の利用によって向上する売上も目減りしてしまいます。場合によっては、現金支払いのみ受け付けていたほうがよかったかもしれません。
ところが、具体的なコストは決済代行会社に見積りをとるまでわからないケースがあります。ほかの比較ポイントをみて決済代行会社を絞ってから、具体的なコストを比較しましょう。
入金サイクルは早いか
入金サイクルが遅い決済代行会社だと、資金繰りに悩む可能性があります。入金サイクルとは、売上の入金タイミングのこと。月末締め翌月末支払いの場合や、最短で翌営業日に支払われる場合などさまざまです。
入金サイクルが早いほど資金繰りに困る可能性は抑えられるので、入金サイクルが早い決済代行会社を選びましょう。
なお、決済代行会社によっては早期入金オプションを利用できます。オプションにかかる費用も決済代行会社によってさまざまなので、問い合わせ時に確認しておきましょう。
管理画面は使いやすいか
決済代行会社は、決済状況の確認や決済の売上処理、売上明細データのダウンロードなどができる管理画面を提供しています。
管理画面も決済代行会社によって差が出るので、使いやすいかどうか確認しておくのがおすすめです。管理画面が使いやすければ、売上管理や経理処理もしやすくなります。
ただし、管理画面の使いやすさは決済代行会社と契約した後でなければわからない場合も少なくありません。管理画面の操作方法が公開されているかどうか、事前にチェックしておきましょう。
セキュリティ水準は高いか
決済事業者との接続を含め、決済に関するデータ処理は主に決済代行会社の責任で構築・運用されています。自社で決済システムの構築・運用をする必要がない反面、セキュリティについては決済代行会社に依存する形です。
したがって、決済代行会社のセキュリティ水準は高いかどうかよく確認しておきましょう。セキュリティ水準の目安になるものは以下のとおりです。
- PCI DSSに準拠しているか
- ISMS認証を取得しているか
- プライバシーマークを取得しているか
PCI DSSはクレジットカード業界のグローバルセキュリティ基準のことです。国際ブランド5社が共同設立した「PCI SSC」によって運用されています。
ISMS認証は、組織のセキュリティ管理体制が適切であるかを第三者機関が認証する制度です。
プライバシーマークは、個人情報を適切に管理していることを第三者機関が認証した事業者が使用できるマークです。
PCI DSSに準拠するほか、ISMS認証やプライバシーマークを取得している決済代行会社は、高いセキュリティ水準を確保していると評価できます。
財務状況は良いか
もし決済代行会社が倒産すると、入金される予定の売上が入金されなくなる可能性があります。決済代行会社との取引は、長期間継続します。現在はよくても将来、倒産しない保証はありません。
したがって、長期的に取引を継続できる相手なのか、決済代行会社の財務状況もチェックしておきましょう。具体的には、以下のような財務指標から判断します。
- 流動比率(流動資産÷流動負債)が120%以上か
- 当座比率(当座資産÷流動負債)が100%以上か
- 自己資本比率(自己資本÷総資本)が50%以下か
ただし、決済代行会社が上場企業でない場合、財務分析の基になる資料の取得は簡単ではありません。その場合は、導入実績が豊富であるかを目安にしましょう。
業務効率化につながる便利な機能はあるか
一部の決済代行会社は、以下のように業務効率化などにつながる便利な機能を提供しています。
- 在庫管理
- 請求書作成
- 予約管理
- 売上分析
- オンラインショップ
- リアルタイム振込
- 請求書カード払い
たとえば、決済代行会社が在庫管理機能を提供していれば、在庫管理システムを別途探して導入するよりも手間がかかりません。
決済代行会社のWebサイトで確認するほか、問い合わせ時に便利な機能がないか確認しましょう。
短期で運用を開始できるか
最短当日でクレジットカード決済に対応できる決済代行会社もあれば、3ヶ月ほど時間がかかる決済代行会社もあります。決済方法の導入を急いでいるのであれば、短期で運用を開始できる決済代行会社を選びましょう。
継続課金に対応しているか
スクールやサブスクリプションなど継続的にサービスを提供する事業者は、決済代行会社が継続課金に対応しているか確認しておくことが重要です。
継続課金とは、顧客にクレジットカード情報を一度入力してもらったら、その後はユーザーのアクション不要で売上処理ができる機能をいいます。顧客に毎月クレジットカード情報を入力してもらう必要がある場合、継続率が低下するおそれがあります。
継続課金に対応した決済代行会社を選ぶことで、自社サービスを安定的に利用してもらいやすくなるのがメリットです。
サポートが充実しているか
決済代行会社の利用中、必ずしも想定どおりの決済ができるとは限りません。決済エラーが生じ、対応に困るケースもあります。決済の実装方法や管理ツールの操作方法がわからず、時間がかかってしまう場合もあります。
土日にサポートしてくれない決済代行会社だと、顧客からの問い合わせ対応に時間がかかり、顧客離れの原因になるかもしれません。
一方で、土日もサポートしてくれるなどサポートが充実していると、スムーズに顧客対応でき、決済の実装や操作にかかる時間も短くなります。
スムーズな決済を通じて売上の向上を図るために、決済代行会社のサポート力も確認しておきましょう。
まとめ:後悔しないために最適な決済代行会社を選ぼう
数ある決済代行会社から自社に最適な会社を選ぶには、さまざまな切り口から決済代行会社を比較する必要があります。
紹介した選び方を実践して、後悔のないように決済代行会社を選んでください。
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