防犯カメラの屋外工事とは?種類や依頼できる事業者を解説
公開日:2024.03.13 最終更新日:2024.05.15
防犯カメラの屋外工事には、どのような種類があるのか知っている方は少ないでしょう。
今回は、防犯のために屋外に防犯カメラを設置したいと考えている方に向けて、どのような工事があるか解説します。
屋外用防犯カメラに必要な機能や工事の依頼先もわかるので、ぜひ参考にしてみてください。
屋外用防犯カメラとは?必要な3つの機能
屋外用防犯カメラとは、屋外に設置できる防犯カメラのことです。
家庭の玄関や駐車場だけでなく、店舗の出入口や街中の街路灯にも見守りと防犯目的で設置されています。
防犯カメラは「犯罪抑止」「証拠撮影」「安心感」の役割を期待する人が多く、実際に防犯カメラの情報から犯罪が解決した例も多くあります。
屋外用防犯カメラは雨風に耐えたり、暗い場所で撮影したりするため以下の3つの機能が必要です。
- 防塵・防水機能
- 赤外線機能
- 逆光対応機能
それぞれ解説します。
防塵・防水
防犯カメラを屋外で使用する場合、防塵防水のJIS規格で、IP65かIP66以上(最大でIP68)の保護等級が必要です。IPの意味は侵入に対する保護で、IPに続く数字は防塵性能と防水性能を表しています。
例えばIP65であれば防塵性能が6、防水性能が5ということです。
屋外用防犯カメラは雨や塵の影響を長期間受ける可能性が考えられるため、IPいくつのカメラなのか必ず確認しましょう。
赤外線
夜間の撮影は明かりが少ない場所が多いため、赤外線暗視機能が必要です。
赤外線照明での撮影は、通常だとカラー映像を記録し夜間になると白黒で撮影を行います。
さらにナイトビジョン対応カメラでは、暗闇でもカラー映像の記録も可能です。
安価な屋外用防犯カメラの場合、LEDの寿命が短かったり赤外線の届く距離が短いことがあるため注意しましょう。
逆光補正
逆光補正とは、明暗の差が大きい場所で被写体をちょうどよいい明るさに保つことができる機能です。
最近の防犯カメラには逆光補正機能がついているものが多いため黒つぶれの大半は解決されています。
しかし、補正によって全体を明るくすることで元々明るい部分が白飛びする可能性があります。
鮮明な映像を記録したい方は、WDR(ワイドダイナミックレンジ)機能をもった屋外用防犯カメラがおすすめです。
防犯カメラにおける屋外工事の種類
防犯カメラを取り付けるための工事にはいくつか種類があります。
具体的には以下のとおりです。
- 建物への防犯カメラ設置工事
- ポールへの防犯カメラ設置工事
- 無線を使うための屋外用大容量無線LAN工事
それぞれ詳しく解説していきます。
建物への防犯カメラ設置工事
建物に防犯カメラを設置する場合、ある程度の高さが必要になるため外壁や軒(屋根の下)への設置工事が必要です。
それぞれ解説します。
外壁への設置工事
外壁への設置は以下の方法で行います。
- 土台の設置
- カメラの設置
- カメラ本体の電源とラインの確保
- 配管工事
- カメラ本体と電源をつなげて調整、設定
- 専用液晶の接続設定、動作チェック
他にも、専用アプリを使ってスマートフォンで映像を見られるよう設定が可能です。
外壁へ設置する場合、基本的には壁に穴を開けて配線を通します。
しかし、どうしても穴を開けたくない場合は、エアコンのダクト穴や給気口、床下給気口を利用する方法があります。
軒への設置工事
軒(屋根の下)へ設置する場合、天井裏から屋外まで配線を通します。防犯カメラを設置したい場所の近くに点検口があれば施工しやすいですが、ない場合には大がかりな工事になるでしょう。
軒に設置するカメラは雨の影響を受けないと考えがちですが、湿気の多い空気やホコリや砂は故障の原因となるため、屋外用カメラの設置が必要です。
ポールへの防犯カメラ設置工事
敷地内に街灯や防犯灯がある場合、ポール部分に防犯カメラを設置すると建物から映せない映像も撮影できます。
敷地が広く入り組んでいたり、街路樹が多い場合にもポールへの設置が有効です。
ポールへ防犯カメラを設置するために必要な工事は以下の3つです。
工事①配管埋設工事
配管埋設工事とは、穴を掘って配管を埋める工事です。屋外ポールへの配管がない場合や既存の配管では映像通信ケーブルを通せない場合に行います。
配管は外部からの衝撃や圧力に強いため、配線はそのまま埋めず配管を利用します。
工事を行う場所は、車の出入りがある入口付近などです。
工事②架空配線工事
架空配線工事とは、空中をとおって屋外にあるポールに配線する工事です。
注意点として以下の3つがあります。
- 距離が長い場合には、追加のポールが必要になる
- 敷地内のみでしか配線できない
- 落雷の多い地域では避けた方がいい
工事③ポール自体の設置工事
屋外用防犯カメラを設置する場所がない場合には、ポール自体の設置が可能です。
通常であれば街路灯や防犯灯を利用しますが、ない場所もあります。
ポール自体を設置するときは、基礎工事をしっかり行うことと取りたい映像にあった画角と高さがポイントです。
無線を使うための屋外用大容量無線LAN工事
無線を使った屋外用防犯カメラを使用する場合、大容量のデータ通信に対応した無線LAN工事が必要です。使用条件には受信機と送信機の間の見通しが良いことがあげられます。
一般的なワイヤレスやWi-Fi接続と比べて、遠い距離でも無線を使った通信が可能です。
工事不要のソーラーパネルを使った屋外用防犯カメラの注意点
屋外に防犯カメラを設置するときに、工事を行わず簡単に設置したいと考える人は多いでしょう。工事不要のソーラーパネルを使った屋外用防犯カメラには、以下のメリットと注意点があります。
メリット |
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注意点 |
|
ソーラーパネルを使った屋外用防犯カメラは、電気工事が難しい場所で力を発揮するカメラです。具体的な場所は以下のとおりです。
- コインパーキングや商業施設の駐車場
- 公園、駐車場、墓地などの公共施設
- 畑や田んぼなどの農地
- 森林や山林
- 観光地
- 工場
ソーラーパネルを使った屋外用防犯カメラは、ネットワークが不安定さや電波妨害装置の影響を受けてしまうことで24時間365日の稼働ができないことが想定されるため住居や店舗での使用は避けた方がいいでしょう。
防犯カメラの設置で使える補助金とは
防犯カメラの設置で使える補助金には国から出るものと地方自治体が独自に出しているものがあります。
防犯カメラの設置を考えている人は、ぜひ利用条件に当てはまる補助金を探してみてください。
国から出る補助金
国から出る補助金は主に経済産業省や厚生労働省が行っており、さまざまな分野で利用できます。
補助金の利用は、審査を受けて必要な条件を満たした団体にのみ補助金が適用される仕組みです。
国からの防犯カメラ設置に向けた助成金を受けられる対象は、一般的に学校や保育所、介護施設などの事業所や法人です。
しかし、今後の社会情勢によっては対象が広がる可能性や新しい補助金の導入も十分に考えられます。
各自治体から出る補助金
各自治体が独自に出している防犯カメラの設置に対する補助金は、国からの補助金より種類が多く、当てはまる人の数も多いです。
国と同様に各自治体からの補助金も事業所や公園、住宅街など自治会が対象になっている場合が多いですが、中には個人向けの補助金も設けられています。
実際に補助金を出している自治体の例を2つ紹介します。
東京都文京区「安全・安心まちづくり活動助成」
文京区では防犯設備整備のための補助金を設置しています。
補助率は6分の5以内で、上限金額は単独事業の場合1地区当たり500万円、連携事業であれば1地区当たり750万円と高額です。
さらに、補助の対象には防犯カメラ以外にも以下の犯罪抑止に役立つと認められるさまざまな設備の整備が含まれます。
- 注意喚起等を行う電子掲示板
- 防犯情報等の発信
- 車両侵入防止装置
- 防犯ベル
- 防犯灯
その他にも、文京区では防犯カメラの電気料金への助成や保守点検費、修繕費に関する助成も行っています。
大阪府羽曳野市「防犯カメラ設置事業補助金」
大阪府羽曳野(はびきの)市では、市内の自治会、町会などの団体に対して防犯カメラの設置に関する費用を助成しています。
具体的には以下の項目です。
- 支柱の設置費用
- 購入費用
- 電気工事
補助率は防犯カメラ設置に関する費用の3分の2で、補助金の上限はカメラ1台につき20万円までです。
同一年度内に一つの自治会等が申請できる台数の上限は3台で、補助金を受けた翌年度は、制度を利用できなくなるので注意しましょう.。
関連記事:防犯カメラの設置費用の相場はいくら?ランニングコストの相場も紹介
防犯カメラの設置を依頼できる4つの事業者
防犯カメラの設置を依頼できる事業者は、以下の4つです。
- 防犯カメラ設置業者
- 防犯カメラ専門店
- 電気工事店
- 警備会社
それぞれ解説します。
防犯カメラ設置業者
防犯カメラ設置業者に依頼する場合、防犯カメラは自分で用意しなければいけません。
しかし、防犯カメラ設置の専門家であるため、防犯に効果的な設置場所や使用方法のアドバイスをしてもらえます。
防犯カメラは自分で選ぶことができ、設置のみ依頼したい人におすすめです。
関連記事:防犯カメラの設置業者はどこに依頼する?機種を選ぶ13のポイントも紹介
防犯カメラ専門店
防犯カメラ専門店では、カメラに関する専門的なアドバイスが期待できます。防犯カメラの定期点検や使い方など保守・メンテナンスの知識が得られることで、故障を防ぎ長期的な運用につながります。
ただし、設置を行っている防犯カメラ専門店ばかりではないため、事前の確認が必要です。
電気工事店
電気工事店は、電気に関するさまざまな工事を行っているため、安全で確実に工事ができます。防犯カメラの設置に関してはプロですが、防犯面からの設置場所のアドバイスなどは期待できないため、依頼者が調べておく必要があります。
警備会社
ホームセキュリティを行っている警備会社でも、防犯カメラの設置が可能です。防犯カメラの設置だけというより、ホームセキュリティのプランの中に防犯カメラの購入や設置工事が含まれるケースが多いです。
防犯カメラの設置だけでなく、確実なデータ管理や遠隔監視など防犯に力を入れたい方におすすめです。
おすすめの屋外用防犯カメラ
おすすめの屋外用防犯カメラは以下の3つです。
- バレット型
- ドーム型
- RTZ型
それぞれ詳しく解説します。
犯罪抑止効果が期待できるバレット型(BOX型)
バレット型(BOX型)は、カメラとして存在感があることで犯罪抑止効果が期待できます。
カメラを保護するための箱(ハウジング)と取り付け金具(ブラケット)が一体型になっているため、設置場所を選ばず雨に濡れても安心な防水タイプが多いです。
撮影方向は基本的に一方向のため、広範囲を撮影したい場合は複数台の設置が必要です。
コンパクトで威圧感を与えないドーム型
ドーム型はドーム状のカバーに格納されているため、目立たない特徴があります。広範囲の撮影が可能で、カメラの先がどこを向いているかわかりにくいため死角を見つけにくいです。
操作性が高くリアルタイムの監視に向いてるRTZ型
RTZ型は、水平回転、垂直回転、拡大・縮小ができる遠隔操作機能を持った防犯カメラです。
リアルタイムで撮影範囲を変えられるため広範囲の撮影が可能ですが、カメラが向いてる方向しか撮影できないデメリットもあります。
まとめ:防犯カメラの屋外工事は防犯カメラ設置業者がおすすめ
防犯カメラの屋外工事は建物への設置とポールへの設置が主な工事で、無線を使った防犯カメラを使う場合には大容量無線LAN工事が必要です。
実際に設置工事を行いたいと考えている方には、防犯カメラ設置業者への依頼がおすすめです。
EMEAO!では、防犯カメラ設置のプロをご紹介できますので、お気軽にEMEAO!までご相談ください!
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この記事を書いた人
hata