映像翻訳とは?文書翻訳との違いとともに解説
公開日:2020.02.21 最終更新日:2021.08.18
動画ストリーミングサイトの流行や、企業がPR動画を作成する機会が増えたことから、翻訳会社へ映像翻訳を依頼する需要が高まっています。
そこで本記事では、改めて映像翻訳とはどのような仕事か?という点を解説していきます。
自社の事業において、動画コンテンツなどの海外輸出をお考えの事業者様は、ぜひ最後までご覧ください。
- 映像翻訳の特徴とは
- 文書を扱う際との違いとは
映像翻訳とはどんな仕事?
映像翻訳とは、名前の通り、あらゆる映像作品を他言語へ対応させる仕事です。
日本の映画館で海外作品を観賞する際、一般的に「字幕上映」と「吹き替え上映」の二つが用意されていることからも、二種類に分けられることがわかります。
元の音声はそのままに、台詞を他言語に変換した字幕を作成する「字幕翻訳」と、台詞を別のナレーションで上書きするための原稿を作成する「吹き替え翻訳」。
一般的に、映像翻訳ではどちらにも対応可能であることが求められています。
従来は海外映画の日本ローカライズという印象が強かった作業ですが、コンテンツの多様化により、近年は映画にとどまらず、さまざまなコンテンツに対応しています。
映像翻訳で対応可能な分野の一例
- 劇場公開映画
- 地上波や衛星放送で放送される映画
- DVDなどのパッケージソフト
- ニュース映像
- 企業や製品のPR動画
- 観光案内の動画
二種類の映像翻訳
同じ映像を扱っていても、作業内容や必要なスキルはそれぞれ異なります。
字幕翻訳の特徴とは
字幕翻訳は「書き言葉」、つまり目で見て読む言葉を扱います。
そこで、重要視されるのは「可読性」です。
映像を観る人は、描かれている状況を理解しつつ、字幕の内容も理解する必要があります。
観賞者が字幕を見て直感的に理解できるように要約していく必要がありますが、同様に欠かせないのが文字数のバランスです。
日本語の字幕は、一般的には一行あたり30文字程度、行数は2行、つまり最大60文字程度まで表示できます。
60文字という段階でも既に相当な制限ですが、すべてのカットで60文字の字幕が表示されては、観賞者は台詞を読むことでいっぱいになってしまいます。
そのため、会話のテンポや全体のバランスをみて、適切な文字数内で完璧な要約を行うのが字幕翻訳の仕事です。
吹き替え翻訳の特徴とは
吹き替え翻訳で扱うのは「話し言葉」、つまり耳で聞く言葉です。
普段、私たちが日常生活で扱う言葉と同じく、書き言葉と話し言葉では、言い回しや細かなニュアンスといった意識するポイントが異なります。
そのため、字幕の内容をそのまま台詞に起こせばよい、というわけではありません。
さらに、ここで重要視されるのは、「いかに映像と音声に齟齬がないか」という点です。
台詞を登場人物の口の動きや動作のタイミングに自然に合わせる必要があるため、時には長く、時にはとても短く、元の台詞と同じ尺に調整していくことが求められます。
映像翻訳と一般的な文書の翻訳の違いとは?
一般的なテキストを扱う場合と、映像翻訳の大きな違いは、校閲・校正の厳しさです。
出版物などテキストでもある程度の校閲は必要なフローですが、映像の場合は放送における表現のルールがあるためです。
国によって文化や歴史背景は異なるため、そのままのニュアンスで訳した場合、自国においては差別用語などの放送禁止用語に触れるおそれがあります。
そのため、「正しいニュアンスで訳されているか」だけではなく、「禁止されている表現がないか」「事実関係に間違いはないか」という部分の徹底的な確認が不可欠です。
映像翻訳の役割とは、他言語の映像の意味を正しく伝えること
今回は、映像翻訳とは何か?を解説しました。
二種類それぞれの特徴や、文書の翻訳との違いがご理解いただけたでしょうか。
自社の事業で映像翻訳の外注をご検討中の事業者様は、ぜひEMEAO!をご利用ください。
完全無料のサービスで、条件にぴったりの翻訳会社をご紹介します。
この記事を書いた人
編集部員 城下
EMEAO!編集部員の城下です。雑誌編集者と人材コーディネーターの勤務経験を生かし、現在はWebコンテンツの作成を担当しています。業者選定ガイドでは真っ白でクリーンな情報を届け、皆様にとって有益な知識の溢れるお城となるようなメディアを目指します。よろしくお願いします!