アプリ開発におすすめのプログラミング言語とは?種類と特徴を解説
公開日:2023.11.30 最終更新日:2024.04.19
アプリ開発に使われるプログラミング言語は種類が多く、何が適しているのかわからない方もいると思います。開発するアプリの種類や言語ごとの特徴を考慮して、選択肢から選ぶ必要があります。
この記事では、開発できるアプリの種類と使われるプログラミング言語を解説します。
自社が開発したいプログラムに適した言語が理解できますので、ぜひご覧ください。
開発できるアプリの種類は3つ
ここでは、開発できるアプリの特徴を紹介します。種類と特徴は以下のとおりです。
種類 | 特徴 | 例 |
Webアプリ | Webの仕組みを活用したアプリ | Youtube、X(旧Twitter)、ECサイト、インターネットバンキング |
ネイティブアプリ | スマホやPCにダウンロードして使うアプリ | パッケージ版Office、テキストエディタ |
ハイブリッドアプリ | Webアプリとネイティブアプリの利点を合わせたアプリ | Microsoft Azure、Amazon、Gmail、Zoom、チャットワーク、BI(ビジネスインテリジェンス)ツール |
それぞれ解説していきます。
Webアプリ
Webアプリとは、ネットワークを経由してサービスを提供するアプリです。
動画視聴やコメントの入力、商品の購入、お金の振り込みなど双方向のやりとりができるWebサイトを指し、一般的なWebサイトと比べて高機能な特徴があります。Webアプリの具体例は、YouTubeやX(旧Twitter)、各ブランドの公式通販サイトなどです。
インターネット環境があれば、スマホやPCなど端末を選ばずに使用できる反面、通信回線の速度によって動作が遅くなることがあります。
ネイティブアプリ
ネイティブアプリとは、スマホやPCなど端末にダウンロードして使うアプリのことで、Google PlayやApp Storeでインストール可能です。
たとえば、パッケージ版Office、テキストエディタなどがあります。デバイスにインストールするため読み込み速度が速く、通信回線の速度に影響されずに操作出来ることが特徴です。
関連記事:ネイティブアプリ、WEBアプリのアプリ開発依頼する時の違いを紹介
ハイブリッドアプリ
Web上で操作するWebアプリと端末にダウンロードするネイティブアプリの特徴をもつのがハイブリッドアプリです。具体的にはGmail、Zoomなどがあります。
インターネット環境があれば端末を選ばず使用できる利便性と、端末固有のカメラや位置情報などを利用することでサービスの幅が広がることが特徴です。
Webアプリの開発におすすめのプログラミング言語
Webアプリの開発におすすめのプログラミング言語を5つ紹介します。
プログラミング言語 | 特徴 |
Java | 世界中で使われており日本でも案件数1位の言語で、iOSやAndroid、Windowsを問わずプログラムを実行できる |
JavaScript | Webページに動きをつけられるプログラミング言語で主にWeb開発で使われる |
Ruby | コードのシンプルさが特徴で初心者や知識が少ないプログラマーでもコーディングしやすい |
Python | AI分野や業務アプリの開発で使われるインタプリタ型のプログラミング言語 |
PHP | 主にWeb開発で使われるプログラミング言語でWebページに動きをつけられる |
Java
世界中で使われており主にシステム開発で使われるプログラミング言語です。プラットフォームへの依存度が低く、iOSやAndroid、Windowsを問わずプログラムを実行できます。
セキュリティの高さで評価されており、国の機関や銀行のシステムなどで使われることもあるほどです。
Javaはコンパイルを必要とするコンパイラ言語で、あらかじめコンパイルしておいたファイルを実行するため処理速度が速い特徴があります。
JavaScript
JavaScriptは、アプリの雛形となるデザインを作成できるHTMLと、細かいデザインを行うCSSを連動させ、Webページに動きをつけられるプログラミング言語です。
たとえば、ポップアップウィンドウを表示させたり、文字や画像などのアニメーションをつけられます。主にWeb開発で使用されますが、システムやアプリの開発も可能です。
Ruby
Rubyは日本人の「まつもとひろゆき氏」が開発したプログラミング言語です。コードがシンプルなため、初心者や知識が少ないプログラマーでも書きやすく読みやすい特徴があります。無料で使えるフリーソフトウェアのため複製・変更や再配布も可能です。
Rubyを使って作成できるものには、アプリケーションサイト、ショッピングサイト、SNSサイトなどがあります。
Python
Pythonは、世界的に注目が高まっているAI分野での開発や、業務アプリでよく使われるプログラミング言語です。初心者でも読みやすく書きやすいシンプルなコードで、文法が覚えやすい特徴があります。
インタプリタ型のプログラミング言語で1行ずつ機械語に翻訳しプログラムを実行するため、コンパイラする必要がなくエラーに気づきやすいことがメリットです。
一方、インタプリタ言語は実行速度が遅いデメリットがあり、ゲーム開発や大規模なシステム開発には向いていません。
関連記事:Pythonとはどんな言語?アプリ開発に利用する際の手順も解説
PHP
PHPはWebアプリケーションやWebサイトなど主にWeb開発で使われるプログラミング言語です。
Webページに動きをつけられる点ではJavaScriptと似ていますが、PHPがサーバーサイドの開発で使われるのに対し、JavaScriptはクライアントサイドの言語と言われています。シンプルな構造とインターネット上にあるたくさんの情報を活用できるため、初心者も学習しやすい言語です。
スマートフォン用のアプリ開発などWeb開発以外には不向きなデメリットがあり、セキュリティ面でも弱さが指摘されています。
スマホアプリ(iOS/Android)の開発におすすめのプログラミング言語
スマホアプリの開発におすすめのプログラミング言語を5つ紹介します。
プログラミング言語 | 特徴 |
C言語 | さまざまな環境でプログラムを開発できる言語でゲームやスマホのアプリ開発など広範囲に対応可能 |
C++ | C言語に由来する汎用プログラミング言語でオブジェクト指向、手続き型、データ抽出などのパラダイムを持ちブロックチェーン開発でも注目されている |
C# | C++とJavaを元につくられたプログラミング言語でGUIアプリやWebアプリ開発が可能 |
Swift | Apple社が開発したプログラミング言語で、シンプルで読みやすく書きやすいコードと高速処理ができる |
Kotlin | Javaの課題を解決するために安全性と簡潔化を目指した言語でシンプルにコーディングできる |
C言語
C言語は1972年に開発された、歴史のあるプログラミング言語です。OSやCPUに影響されずさまざまな環境でプログラムを開発できる特徴があります。
また、自由度が高くゲーム開発やスマホのアプリケーション開発など広範囲の開発に対応可能です。
メモリやCPUといったコンピュータの仕組みを理解する必要があるため習得難易度は高いですが、C言語を習得すればC言語が元となって開発されたC++やObjective-C、Javaのような言語も習得しやすくなります。さらに基礎から応用まで幅広い知識が得られるため、最初に学ぶプログラミング言語に選ばれることも珍しくありません。
C++
C++はC言語の機能や特徴をベースにつくられた汎用プログラミング言語です。
仮想通貨で知られるビットコインもC++で開発されており、ブロックチェーンに使用されている言語として知られています。他にもロボット技術からスマホやゲームのアプリケーション開発など幅広く使われています。
C++はC言語と互換性があり、C言語で作成されたプログラムをC++に移行することが可能です。
C#
C#はC++とJavaを元につくられたプログラミング言語です。そのためC#を学習すれば文法が似ているJavaも習得しやすくなります。
専門のゲーム機器を必要とする家庭用ゲームやスマホアプリゲーム、パソコンゲームなどあらゆるプラットフォームで実施するゲーム開発が可能なため、ゲーム開発において重宝されているプログラミング言語といえます。他にも、GUIアプリ(ほぼ全ての一般ユーザー向けアプリ)やWebアプリ開発が可能です。
Swift
SwiftはApple社が開発したプログラミング言語でApple製品向けのアプリの開発が可能です。
従来のApple製品向けアプリの開発にはObjective-Cが使われてきましたが、独特な構文や特徴から習得が難しく、いろいろな言語の良いところを取り入れたSwiftが開発されました。シンプルで読みやすく書きやすいコードと高速処理ができるところが魅力です。
Kotlin
KotlinはJavaを改良して開発されたオブジェクト指向型のプログラミング言語です。Javaの課題を解決するために安全性と簡潔化を目指した言語でシンプルなブログラムが書ける特徴があります。
KotlinではAndroidアプリの他にWebアプリやサーバーサイドでの開発も可能なため、汎用性が高く将来活躍が期待されている言語です。
アプリ開発にかかる費用と相場
アプリ開発の方法は、自社で開発する内製と専門会社に依頼する外注の2つです。
内製する場合の費用は、プログラマー(PG)やシステムエンジニア(SE)にかかる人件費で考えましょう。開発に関わる人数と期間を考えるとおおよその費用が算出できます。
他にも、デザイナーや開発全体のディレクションや企画、仕様作成を行うスタッフも必要です。内製する場合でも人件費はかかりますが、外注に比べると費用を抑えることができます。
外注でかかる費用もプログラマー(PG)やシステムエンジニア(SE)の人件費がほとんどです。経験やスキルによりますが、費用相場はプログラマーが1人当たり50万〜100万円/月、システムエンジニアが1人当たり60万〜160万円/月です。
アプリは開発して終わりではなく、メンテナンスが必要なため保守・運用にかかるランニングコストも見積っておきましょう。
発注者がアプリ開発言語を知るメリット
発注者がアプリ開発言語を知っておくメリットは以下の4つです。
- 専門会社選びに役立つ
- アプリ開発者の技量が把握できる
- アプリの要件設定に役立つ
- エンジニアや外注先企業とのコミュニケーションが円滑になる
アプリの開発言語は種類が多いため、開発したいアプリに合った会社を選ぶことが大切です。アプリ開発言語の知識があれば会社の開発事例や実績を元に選べます。
アプリ開発者が出しているポートフォリオも理解でき、技量を把握したうえで予算や内容、必要とする人材などを擦り合わせられます。
また、アプリ開発で必ず行う要件定義でも自社の欲しい機能を具体的に伝えられるでしょう。開発を進める中で行われる発注先企業からの説明や提案も理解でき、スムーズなやりとりにつながります。
プログラミング言語の知識がなければアプリ開発の外注を考えよう
アプリにはWebアプリ、ネイティブアプリ、ハイブリッドアプリと種類があり、それぞれに適したプログラミング言語を選ぶ必要があります。
しかし、プログラミング言語は種類が多く、開発できるプログラムと言語の相性まで把握するのは難しいでしょう。自社がアプリ開発を考えたときにプログラミング言語に関する知識がないのであれば、専門会社への外注という選択肢もあります。
どの開発企業を選べばいいかわからないという方は、得意分野やサポート体制を把握し、比較検討する方法がおすすめです。
この記事を書いた人
hata