ISO9001の認証取得に不可欠な内部監査用チェックリストとは?
公開日:2019.09.26 最終更新日:2020.10.02
ISO9001の認証取得のためにどんな準備が必要なのかを調べていると、“内部監査用チェックリスト”という単語が必ず出てきます。
いったい、ISO9001の認証取得に必要な内部監査チェックリストとは何なのでしょうか?
本記事では、ISO O9001用の内部監査チェックリストについて、必要な理由から準備する際のポイントまで詳しくご紹介します。
ISO9001の認証取得を目指す企業のご担当者様は、ぜひご一読ください。
ISO9001の認証取得に必要な内部監査チェックリストとは?
ISO9001の認定を受けるためには厳しく定められた審査フローを全うし、その上で「規格への適合性が十分満たされている」と判定される必要があります。
その最終関門ともいえる「外部監査(セカンドステージ審査)」前までに実施しなければならない作業が「内部監査(審査)とレビュー」になります。
セカンドステージ審査は内部監査とレビューが完了していることを前提に、はじめて行われます。
ISO90001の認証取得審査における内部監査とは、「ISO90001の規格に沿った品質マネジメントシステムを運用できているか?」ということを、社内の人間がチェックする作業です。
それ自体が外部審査に進む上で必須なこともありますが、内部監査を行うことによって外部監査前に問題点を洗い出して修正することができるという意味合いもあります。
つまり内部監査チェックリストとは、正しく内部監査を行う為にあらかじめ社内向けに作成された質問集(リスト)のことです。
厳しい外部審査で合格点を獲得するために、事前に自社内で適合性が十分か、審査までに改善しておくべき課題がないかチェックするためのリストということです。
ISO9001の内部監査用チェックリストが必要な理由とは?
内部監査チェックリストは、内部の監査員が以下の目的のために使用します。
- 監査業務の標準化を図り属人性を排除した監査を行う
- 監査結果を正確かつ計画的に漏れなく行う
- 監査の準備にかかる時間の短縮・省略化
実際の内部監査の担当者はISO認証に対する知識がまだ浅い人が多いことも多くあります。
しかも自社が監査する対象なので、どうしても見方が甘くなりがちになります。
そこで、チェックリストを準備しておくことによって、知識不足を補い、抜け漏れを防ぎ、本番さながらの審査を実行、さらにある程度審査と結果に客観性を持たせることができるようになります。
また、ISO9001は有効期間が3年なのでチェックリストを用意しておけば、認証取得後の更新までに担当者の変更があったとしても新任者がスムーズに更新審査における内部監査を行うことができるようになります。
ただし、チェックリストに依存し過ぎてしまうと、チェックリストにない項目は確認しなかったり、ISO9001の規格の本質を見落としたりしてしまうなど弊害もあるので過信は禁物です。
あくまで「チェックリストはチェックリストであり本番の審査とは違う」と認識しておく必要があります。
内部監査チェックリストは定期的にアップデートして、社内のマンネリ化、出来レース主義にならないように関係者は十分に理解をしておく必要があります。
それを理解した上で、あくまで「内部監査を漏れなく行うための道具のひとつ」として利用するという心構えでいましょう。
ISO9001の内部監査用チェックリストを作成する際のポイント
では、内部監査チェックリストはどのように作成すればいいのでしょうか。
ここではチェックリストを作成する際に気を付けたいポイントを3つご紹介します。
ポイント①ISO規格の品質マニュアル(要求事項)を読み込む
そもそもISO90001の認証取得のために行われる内部監査は、自社で現在運用されている品質マネジメントシステムがISO規格の要求事項に沿っているかどうかを確認するためにあります。
つまり、内部審査のために必要なチェックリストは、ISO規格の要求事項を元に作成することが基本的な考え方になります。
もちろん要求事項をそのまま一覧にしただけでは具体的に何を確認すればいいのかわからないので、より詳しく記載しておく必要があります。
ポイント②誰が・いつ・どのようにといったことを明確にする
要求事項の内容をどのように具体化していけばいいのかというと、
「誰が・いつ・どのように」と問う質問形式にすると効果的です。
例えば、文書のレビュー一つとっても、
「文書のレビューをしていますか?」
だけでは、適切でない対応だったとしてもYESと回答されてしまったら、真偽を判断できません。
一方で、
「いつ、誰が、どのような方法で文書のレビューをしていますか?」
と具体的な質問を投げかければ、本当に適切な対応をしているのかが明確に判断できます。
ポイント③回答しづらい質問こそ、積極的に質問項目に入れ込む
前述のとおり内部監査は社内の人間が実施するためどうしてもチェックが甘くなりがちです。
しかし、内部監査をおろそかにしていては、その後に待ち構えている外部審査で多くの問題点を指摘されてしまうことになります。
その結果肝心の外部審査(セカンドステージ審査)に落ちるなどということになければ本末転倒そのものです。
外部審査の指摘事項を少なくするために、内部審査用のチェックリストを作成する際には
「相手が答えづらいだろうな…」という質問項目こそ積極的に入れるようにしましょう。
事前に課題点、問題点を明らかにして対応策を打つこともチェックリストの目的のひとつです。
ISO9001における内部監査用チェックリストとは、監査のための質問集のこと!
今回はISO9001の認証を取得するために必要な、内部監査チェックリストについて解説してきました。
チェックリストとは何か、また必要性や作成のポイントについて、ご理解いただけたでしょうか?
これからISO9001の認証取得を予定している方は、ぜひ本記事を参考にチェックリストを準備して、形式だけではなくて本当に意味のある内部審査にしてください。
もし内部監査用のチェックリストを準備する人や時間が足りないという場合は、ISO取得支援を行っているコンサルティング会社がチェックリストを提供してくれる場合があるので、相談してみましょう。
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この記事を書いた人
編集部員 河田
編集部員の河田です。編集プロダクションでの書籍編集の経験を経て、現在はEMEAO!のWebコンテンツ編集・執筆とお客様へのインタビューを担当させていただいています。日々、コツコツと皆さんのお役に立つ情報を発信していきます!よろしくお願いします。