ISO認証取得にかかる費用の相場は?コストを抑えるコツも紹介
公開日:2019.11.01 最終更新日:2023.05.15
ISO認証取得を検討しているものの、認定を受けるための費用の目安がわからない方もいらっしゃるでしょう。
「想定以上にコストがかかり、予算をオーバーしてしまった」といった事態を避けられるように、事前に取得費用の目安は把握しておきたいところです。
本記事では、ISO認証の取得にかかる費用の相場や、コストを抑えるために押さえたいポイントなどを紹介します。
ISO認証取得で失敗したくないご担当者様は、最後までご覧ください。
本記事監修のご紹介
本記事はEMEAO!提携の優良事業者様でいらっしゃいます株式会社サイバービジネス様にご監修をお願い致しました。
会社名 | 株式会社サイバービジネス |
所在地 | 東京都港区新橋6-4-3 ル・グラシエルBLDG.7-407 |
事業内容 | ISO取得・更新コンサルティング |
1996年に創業され、ISO導入コンサルティングを軸にマネジメントシステムの構築や、情報システム導入のサポートを行っています。「お客様の将来像を見据えた業務の見直し」に重点を置き、無理・無駄を省いた適切な組織構造を実現することをモットーにしています。
ISO認証とは?
国際規格を策定する組織である「International Organization for Standardization(国際標準化機構)」の略称を「ISO」といいます。
この組織が制定する「国を問わず、世界中で同じ品質の製品やサービスの提供を目指す」という国際的な認証が「ISO認証」です。
ISO認証取得は、社内体制の健全化や円滑化を図れるだけでなく、企業のブランドイメージの向上にも効果が期待できます。
また、企業の安全性や健全性が認められるので、社外との取引をスムーズに進められるようになります。
ISO認証の種類
ひと口にISO認証といっても、その種類はさまざまです。
主なISO認証の種類、ならびに内容を下記するので、確認しておきましょう。
ISO認証の種類 | 規格の内容 |
ISO9001(品質マネジメントシステム) | 品質の高い製品やサービスの提供により、顧客満足度の向上を目指す |
ISO14001(環境マネジメントシステム) | 省エネルギーによるコスト削減や、法令順守の推進により、環境リスクを保全する |
ISO20000(ITサービス) | ITサービスの内容やリスクを明確にしたうえで、業務継承を円滑化、および継続的に業務の効率化や改善を図る |
ISO22000/FSSC22000(食品安全マネジメントシステム) | 食品安全ハザードを明確化して、工程トラブルへの予防処置や製品回収リスクを低減する。食品の安全な提供を目指し、消費者に安全な食品を届ける |
ISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム) | 情報の機密性や完全性、可用性をバランスよくマネジメントして、情報を有効活用する。また、ルール設定やセキュリティ強化によって情報の漏洩を防ぐ |
ISO45001(労働安全マネジメントシステム) | 労働安全衛生におけるリスクを最小化させて、従業員が安全かつ健全な労働環境下で働けるようにする |
ISO50001(エネルギーマネジメントシステム) | エネルギー消費原単位や使用量、CO2排出量などをパフォーマンスとして設定したうえで、エネルギーの使用量を継続的に削減する |
ISO認証の取得にかかる費用の目安
ISO認証時に、どのくらいの費用がかかるのかは気になりますよね。
コンサルタント会社のサポートを受けて、ISO認証を取得する場合に発生するコストを「基本費用」「コンサルティング費用」の項目に分けて紹介します。
基本費用(取得審査費用)
ISO認証の取得時に発生する、ISO登録料や文書審査料、実地審査料などの費用を総じて「基本費用」といいます。
機関に支払う必要経費であり、ISOを取得するのであれば、必ず支払わなければなりません。
基本費用の目安は、従業員が30人程度の企業であれば50万円以上、50人程度であれば100万円以上です。
ただし、認証の種類やコンサルタント会社の料金設定、申請する審査機関などによって費用は変動するため、この限りではありません。
ISO認証のなかでも、代表的な規格である「ISO9001」「ISO14001」「ISO27001」の基本費用の相場を下記するので、確認してみてください。
【従業員数別】ISO認証取得にかかる基本費用の目安
企業の従業員数 | ISO9001 | ISO14001 | ISO27001 |
30人程度 | 50万円~ | 50万円~ | 60万円~ |
50人程度 | 100万円~ | 100万円~ | 120万円~ |
審査機関の住所と、審査対象のオフィスや工場の位置が離れている場合には、上記の費用とは別途で、審査員の交通費や宿泊費が発生することもあります。
業者から見積もりをとる際には、これらの費用が発生するかどうかも確認しましょう。
コンサルティング費用
ISO認証取得時は、企業の経営状態や作業のスキームを分析したうえで、管理制度や目標設定などを構築します。
そのうえで、各部署を監査する「内部監査員」を選出し、マネジメントシステムが適切に運用されているかどうかを確認しなければなりません。
これらの作業、ならびに社内教育や申請書類のサポートなどをコンサルタント会社に依頼した場合に発生するコストを「コンサルティング費用」といいます。
そのため、コンサルタント会社からのサポートを受けずにISO認証を取得する場合には、この費用は発生しません。
認証の種類やサポート内容によって金額は変動しますが、コンサルティング費用の目安は月額10万~20万円程度です。
従業員の人数が増えるほど社内教育に手間がかかるので、費用も高くなる傾向にあります。
なお、ISO認証取得には、およそ6か月~1年程度の期間が必要です。
そのため、月額10万円のコンサルティング費用が発生する場合には、最低でも月額60万円の費用が発生します。
ISO認証の運用にかかる費用の目安
ISO認証では、取得時だけではなく、1年ごとの「定期審査」と、3年ごとの「更新審査」を受ける際にも費用がかかります。
従業員が30人程度の企業の場合における維持費の目安は、定期審査では20万~35万円程度、更新審査では50万~60万円程度です。
ISO認証の取得費用を抑える方法
ISO認証の取得、ならび運用にかかる費用は決して安くないため、少しでもコストを抑えたいとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
基本費用は必要経費なので削減は困難ですが、コンサルティング費用であればコストを抑えられるかもしれません。
たとえば、フルサポートではなく「申請書類の作成のみ依頼する」「簡単なアドバイスだけもらう」といったように、サポート範囲を限定するだけでも、費用を抑えられます。
また、コンサルティングは無形サービスであるため、同等のサポート内容でも、業者ごとに料金設定はそれぞれ異なります。
必ずしもリーズナブルなコンサルタント会社がよいとは限らないので、複数の業者に問い合わせて料金とサービス内容を比較して、希望する条件に合った業者を選んでください。
ISO認証の取得方法
ISO認証を受けるには、機関が設けている厳しい審査に通過しなければなりません。
取得方法は「ISO認証取得のコンサルタント会社のサポートを受けて自社で申請する」「独学で認証を取得する」の2通りです。
それぞれの方法の内容は以下のとおりです。
ISO認証取得のコンサルタント会社のサポートを受ける
ISO認証の申請書類の作成は難易度が高く、書面の内容に誤りがあったり、審査機関が求めている情報が記載されていなかったりする場合には、審査で落とされます。
当然のことながら、審査に通過できなかった場合には、書類を作りなおして、再度申請の手続きをしなければなりません。
ISO認証の取得時に、コンサルタント会社からのサポートを受ければ、ほぼ確実に審査に通過します。
また、内部監査やマネジメントレビューにも対応しているので、効率よく準備が進められるだけでなく、従業員のリソース確保にも役立ちます。
コンサルティング費用はかかりますが「ISO認証を確実に取得したい」「従業員のリソースを確保したい」とお考えの方は、コンサルタント会社のサポートを受けましょう。
独学する
ISOに造詣が深い従業員がいる、もしくは従業員がISOの知識をゼロから独学すれば、自力での認証取得も可能です。
この方法では、ISO認証の取得時、ならびに取得後のコンサルタント費用が発生しないため、費用を抑えられます。
しかし、ISO認証取得における、書面の作成や申請手続きは煩雑です。
作業には工数がかかるので、担当者が主業務に専念できなくなることや、審査機関が設定している基準を満たせず、審査に落ちてしまうことも起こりえます。
もし、審査に通過できたとしても、適切に運用できず、維持審査や更新審査に通過できない可能性があります。
自力でのISO認証取得はあまり現実的ではないので、確実性や安定性を求めるのであれば、避けたほうが賢明です。
ISO認証取得や運用にあたって意識しておきたいポイント
ここからは、ISO認証取得や運用にあたって覚えておきたいポイントを紹介します。
「こんなはずじゃなかった」と後悔しないように、以下で挙げる項目を確認しましょう。
ポイント①認証を取り消される可能性がある
ISO認証を維持するには、定期審査と更新審査に通過しなければなりません。
社会通念に逸脱する行為をはたらき、審査機関から「問題あり」と判断された場合には、これらの審査の際に認証が取り消されることがあります。
ISO認証が取り消しになった事例は以下のとおりです。
- 床に落ちた材料を使って食品を製造した
- データを改ざんした
- 建築物の耐震偽装に関わっていた
- 検査資格がない者が製品の出荷検査を実施していた
認証の取り消しは、取引先や顧客からの信頼を失うだけでなく、業績の低下にも直結します。
健全かつ安全な事業経営を目指しましょう。
ポイント②効果がでるまでに時間がかかる
ISO認証取得にともない、新たに構築したマネジメントシステムを実際に運用すると、従業員の業務効率やモチベーションは向上します。
しかし、使い慣れないシステムや、勝手が異なるルールにすぐに順応できるとは限らず、効果がでるまでに数年かかることも珍しくありません。
システムの浸透や従業員の意識改革には一定の時間がかかるので、最初のうちは、周囲の同僚や上司がサポートできる体制を整えておくと安心です。
ISO認証取得にかかる費用の相場は少なくとも100万円以上を想定しましょう
いかがでしたでしょうか。
コンサルタント会社のサポートを受けてISO認証を取得する場合には、基本費用とコンサルティング費用が発生します。
基本費用の目安は50万円以上、コンサルティング費用の目安は月額10万~20万円程度です。
同等のサポート内容であっても、業者ごとに料金設定はそれぞれ異なります。
少しでも費用を抑えたいのであれば、複数の業者に問い合わせて料金やサービス内容を十分に比較したうえで、希望する条件にマッチした業者を選びましょう。
業者を検索する工数を削減したいとお考えの方は、EMEAO!までお問い合わせください。
コンシェルジュに希望をお伝えいただければ、条件に合った優良業者を無料で紹介いたします。
この記事を書いた人
EMEAO!編集長 黄(こう)
EMEAO!の事業責任者兼編集長の黄(こう)と申します。400社以上の売上支援コンサル経験・100社以上への外注経験を基に、皆さんがよりスムーズに、失敗しない業者選びを出来るよう全力でサポートいたします!運営会社取締役・山口県出身・35歳。