ISO審査とは?機関の選び方や費用の目安も紹介
公開日:2024.01.25 最終更新日:2024.01.25
ISOの認証審査を受けようと考えている方は、どの審査機関を選べばいいか分からず迷っていませんか?
今回はISOの審査機関を選ぶ際のポイントや審査の種類、費用の目安を紹介します。また、審査を受ける前に準備すべき点も解説します。
分かりやすいように丁寧に説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。
ISOの審査機関(認証機関)とは
ISOの審査機関とは、企業や組織がISOを認証取得するための審査を行う機関です。ISO認証を行うため「認証機関」と呼ばれることもあります。
審査機関を選ぶ理由
ISOの審査機関は数多くあるため、どの審査機関を選んでも良いのでは?と感じるかもしれません。しかし審査機関の数が多い理由は、それぞれの機関で審査できるISOの規格が違うためです。
また審査内容や費用も、審査機関ごとに異なります。さらに審査時の指摘内容も、差が生じることが多いです。そのためISOの認証取得を行う際は、審査機関を慎重に選ぶ必要があります。
審査機関は変更できる
組織や企業は、審査機関と契約を交わしてISOの認証をおこないます。しかし契約後でも審査機関は変更できます。審査機関の変更は「審査機関の移転」と呼ばれます。
審査機関の登録変更には、申請書の提出や調査をしたうえで、判定会議の判定によって完結します。現在の審査機関に対して不満がある場合は、審査機関の変更を検討しましょう。
ISOの審査機関を選ぶポイント
審査機関を探すと、同じISOの認証取得ができる機関がいくつかあります。
日本適合性認定協会のホームページで、品質マネジメントシステムの認証取得ができる機関を検索すると、34件ヒットします。
具体的には、日本規格協会ソリューションズ株式会社 審査登録事業部や日本検査キューエイ株式会社、一般財団法人 日本ガス機器検査協会 QAセンターなど多くの認証機関が存在します。
そのため、どの審査機関を選べばいいか迷うかもしれません。ここでは、ISOの審査機関を選ぶときのポイントを紹介します。
予算に見合っているか
認証取得できるISOの規格が同じでも、審査機関によって費用が異なります。組織や企業によって、審査にかけられる費用も限られるでしょう。
認証取得したいISOの規格が同じである審査機関をいくつかピックアップして、審査にかかる費用を確認することが重要です。いくつかの審査機関から見積もりを出してもらえば、審査の相場が把握できます。
予算に応じた審査機関を選択しましょう。
審査のクオリティ
ISOの認証取得の審査において、審査のクオリティも大事な要素です。
ISOの認証取得するためだけに審査を受けるのであれば、簡単に済ませてしまう機関でも問題ないでしょう。
一方で、マネジメントシステムに対して指摘してくれる審査機関もあります。指摘によって、マネジメントシステムの継続的な改善に努めることも可能です。審査のクオリティで選ぶのも一つのポイントです。
審査にかかる日数
ISO認証取得の審査にかかる日数も確認しておく必要があります。組織や企業のスケジュール上、ISOの認証取得をしたい日程までに審査をしてもらえるか、把握しておきましょう。
認証取得までの日数だけでなく、見積もり提出も含めた対応のスピードもポイントです。素早く対応してくれる審査機関であれば、今後のやりとりもスムーズに進められるでしょう。
ISO審査の種類と費用の目安
ISOの認証取得のためには、ISO審査機関によるいくつかの審査を通過する必要があります。ここでは審査の種類と、それぞれの審査にかかる費用の目安も紹介します。
登録審査
ISOの認証審査で、初めに行われるのが登録審査です。
登録審査には、一次審査と二次審査があります。一次審査では、組織や企業が作成した文書をメインに審査されます。チェック内容は、ISOが要求している規格の事項に適したルールが策定されているかどうかです。
その後の二次審査では、審査機関が組織や企業を直接訪問します。文書のルールに合わせて業務できているかの確認が行われます。
登録審査にかかる費用は約40万〜60万程度が一般的で、内訳は以下のとおりです。
- ISO認証登録料
- 一次審査料
- 二次審査料
- 審査員の交通費および宿泊費
審査料金以外にも、審査員の交通費や宿泊費などもかかりますので、注意が必要です。
定期審査
ISOの認証取得をした後も、定期的に審査が行われます。定期審査はISOの認証を取得した後、1年目と2年目に行われる審査です。
定期審査ではISO認証取得時の策定内容と、現在の運用状況に相違がないかどうかの確認が行われます。定期審査の費用は、2年分で30万〜60万円程度です。
更新審査
ISOの登録証の有効期限は3年間で、定期審査2年と更新審査1年の3年で1サイクルです。
ISOの認証取得後、3年目に行われる審査を「更新審査」といいます。更新審査にかかる費用は、登録審査時の3分の2程度であることが一般的です。
なお、登録審査・定期審査・更新審査の費用のばらつきは、審査工数や業種、適用範囲の違いによって発生します。
ISO審査の流れ
ISOの認証取得における審査の流れは、次の3つです。
- 事前準備
- 要求事項に向けたシステム構築
- 審査
ここでは、ISO審査の流れに沿って、それぞれの内容を解説します。
事前準備
ISOの審査を受ける前に、事前準備として、次の項目を確認しましょう。
- ISOを認証取得するマネジメントシステムの決定
- 組織や企業内での適用範囲の決定
- 認証取得のために必要な準備を行うための事務局の設立
- ISO認証取得審査を受けることを組織や企業全体に宣言する
事務局の設立は、ISO認証取得のための必要事項の決定など、認証審査に向けたスムーズな手続きを行うために大切な要素です。
また認証審査を受けることを、組織や企業で働いている従業員全体に伝えることも重要です。
要求事項に向けたシステム構築
認証取得の要求事項を満たしたマネジメントシステムの構築は、ISOの認証取得に大きく影響します。
マネジメントシステム構築に必要な過程は、以下のとおりです。
- 組織や企業のシステム環境を把握し、問題点を明確化する
- 明確にした問題を改善できるマネジメントシステムの構築を行う
- 構築されたマネジメントシステムを整え、運用を始める
- マネジメントシステムの運用状態を内部監査を通して、評価・改善を行う
審査
要求事項を満たすためのマネジメントシステムが運用できたら、ISOの認証審査を受けましょう。初めに受ける審査は、登録審査の一次審査と二次審査です。
登録審査を通過すれば、ISOの認証取得の登録申請が可能です。申請がとおり次第、ISO認証の登録証が発行されます。
まとめ:ISOの審査機関は慎重に選ぼう
ISOの審査機関は、マネジメントシステムの運用などについて指摘してくれる機関や、希望の日程に審査をしてくれる機関などさまざまです。審査機関によって、かかる費用も異なるため、組織や企業に合った機関を選ぶのがポイントです。
何度も審査を受けることにならないよう、本記事で紹介した内容を参考に審査機関の情報収集や事前の準備をおこなってください。
この記事を書いた人
hata