初心者向けPマーク取得ガイド【費用・期間・準備物】
公開日:2020.04.28 最終更新日:2021.08.10
Pマークを初めて取得する際、その必要性や取得するメリット・取得にかかる期間などをあらかじめ知っておく必要があります。
そこで本記事では、『Pマーク取得に関する全容』をひとまずざっくりと解説していきたいと思います。
Pマークの基礎知識に的を絞ってシンプルに解説するため、Pマークに興味がある事業者様はぜひご一読ください。
Pマークとはなに?
Pマークとは、個人情報保護の管理形態がJISの基準を満たしていると第三者機関に認められることで付与されるものです。
組織内で個人情報を保護する際、どのように管理するのかのルールを決めますよね。
その管理形態やルールをマネジメントシステムと呼び、Pマーク取得時にはこのマネジメントシステムがJISの基準を満たしているかを第三者機関に審査されます。
高度なマネジメントシステムが構築され、きちんと運用されていれば社会的に信頼性の高いPマークが付与されるという仕組みです。
つまりPマークを取得しているということは、『個人情報の取り扱いを高いレベルでやっている信頼性の高い業者と第三者からお墨付きをもらっている』ということと同じ意味となります。
このことによりいろいろな恩恵を得ることができるというわけです。
Pマークは誰でも取得できるの?
Pマークの取得は、実は誰でもできるというわけでなく、組織内の社員が2人以上いることが大きな条件です。
Pマークを取得する際、組織内では個人情報保護管理者と個人情報保護監査責任者という役割をもつ人物を立てる必要があります。
管理者はPマークの運用を指揮する役割をもち、監査責任者はその運用が適切であるかどうかを第三者目線で監査をする役割をもちます。
そのため、この二つの役割は兼任することができず必然的に組織内の正社員が最低でも2人必要になるというわけです。
また、社員が2人以上いれば個人事業主でもPマークの取得は可能となります。
Pマークを取得するメリット
社会的に信頼性が得られるPマークですが、具体的にどのようなメリットがあるか代表的な3点にしぼって紹介していきます。
メリット①新規取引開始がスムーズになる
個人情報の取り扱いについて信頼性が高いことを証明するPマークを所持していれば信用される可能性が高くなり、スムーズな取引ができる可能性が増すことが期待できます。
入札案件の資格としてPマーク取得が求められる場合も多々あるため、特に、行政や上場企業相手に新規取引を開始する際には有利になるでしょう。
逆に、Pマークを取得していないことで取引開始を躊躇されてしまうケースもあります。
メリット②企業価値が高くなり営業活動が優位になる
Pマークを取得したときには、Pマークのロゴを自社のホームページや名刺、販促物などに印字することが許可されます。
個人情報管理に力をいれていると大々的に宣伝ができることにより、企業価値が高くなり競合他社との差をつけ、営業を優位に進めることが可能となります。
同じような価格帯・条件で競合と比較した際にPマークを取得している企業のほうが信頼できると選んでもらえる確率が高くなります。
メリット③個人情報管理に対する意識が高まり情報漏洩リスクが下がる
Pマークを取得・維持するためには、定期的に審査を受けてマネジメントシステムをより良いものにしていかなくてはいけません。
そのためには、社員を教育して個人情報管理に対する意識を高める講習、教育、マニュアル化を実施していく必要があります。
このような社員教育を通して、社員一人ひとりの個人情報保護の意識が高まり情報漏洩のようなリスクを抑制することができる点もメリットの1つです。
Pマークを取得するまでの流れとかかる時間
つづいてPマークを取得するためにやるべきことの流れと、それぞれの過程にかかる時間をご紹介します。
以下に、Pマークを取得するためのおおまかな流れをまとめました。
それぞれの過程にかかる最短期間は以下の通りです。
やるべきこと | 最短期間 | |
ステップ① | PMSの構築・運用 | 2ヶ月間 |
ステップ② | 書類の作成と申請、文書審査 | 2ヵ月間 |
ステップ③ | 現地審査 | 1日 |
ステップ④ | 合否判定・Pマーク付与 | 2ヶ月間 |
Pマークの取得には時間がかかるため、すぐにビジネスで使いたいと思っても即時に取得できないので上記スケジュールを意識して期間的な余裕をもつように注意しましょう。
Pマーク取得にかかる費用
Pマークを取得するまでには、申請料や審査料などさまざまな費用がかかります。
また事業者規模によっても金額が変わるため、自社の場合はどれくらいかかるのかを知る必要があります。
以下に、事業者規模ごとの費用をまとめました。
事業者規模は業種と従業員数、資本金の3つによって判断されます。
具体的には以下の表のように分類されます。
事業者規模 | |||
業種 | 小規模 | 中規模 | 大規模 |
製造業その他 | 従業員数2~20人 | 従業員数21~300人 または 資本金3億円以下 | 従業員数301人以上 かつ 資本金3億円超え |
卸売業 | 従業員数2~5人 | 従業員数6~100人 または 資本金1億円以下 | 従業員数101人以上 かつ 資本金1億円超え |
小売業 | 従業員数2~5人 | 従業員数6~50人 または 資本金5,000万円以下 | 従業員数51人以上 かつ 資本金5,000万円超え |
サービス業 | 従業員数2~5人 | 従業員数6~100人 または 資本金5,000万円以下 | 従業員数101人以上 かつ 資本金5,000万円超え |
上記より、どんな小さな企業でもPマーク取得には最低約28万円の費用が必要となることがお分かりいただけるかと思います。
ただし、これらの金額はあくまで必要最低限の費用のため、後述の取得コンサル会社に依頼するのであればこの金額に別途コンサル料が発生します。
上記の金額は『あくまで申請に必要な最低限の基本料金』であると認識するようにしてください。
コンサル料も含めたPマーク取得にかかる費用の詳細については、こちらのPマーク取得にかかる費用の相場と内訳をご覧ください
Pマーク取得の予算確保が難しい場合は助成金を活用しよう
Pマーク取得に最低限必要な金額を見て、予算確保が厳しそうだと感じた場合は、ぜひ自治体が提供しているPマーク取得に対する助成金の活用を検討してみてください!
必要要件さえ満たせば、助成金(給付金)を受け取ることが可能です。
たとえば東京都内であれば港区や文京区、江東区、北区、江戸川区などにPマークの取得活動に対する助成金制度があります。
市区町村や都道府県単位での助成金、どちらも受けられる場合もありますので、ぜひ所属する自治体のホームページなどをチェックしてみましょう!
※申請期間、必要要件などは自治体ごとに異なってきますのでご注意ください。
Pマーク取得に必要な準備物
ここからは、Pマークを取得するために揃えなくてはならない準備物をご紹介します。
Pマーク取得のために必要な書類
まず、Pマークを取得するために必要な書類を以下にまとめました。
- プライバシーマーク付与適格性審査申請チェック表
- プライバシーマーク付与適格性審査申請書 ※代表者印の捺印必須
- 事業者概要
- 個人情報を取扱う業務の概要
- すべての事業所の所在地及び業務内容
- 個人情報保護体制
- 個人情報保護マネジメントシステム文書の一覧
- JIS Q 15001との対応表
- 教育実施サマリー
- 内部監査実施サマリー
- マネジメントレビュー実施サマリー
- 登記事項証明書等申請事業者の実在を証す公的文書の原本 ※申請日前3か月以内の発行文書。写し不可
- 定款、その他これに準ずる規程類の写し
- 最新の個人情報保護マネジメントシステム文書一式の写し
- 個人情報を特定した台帳「個人情報管理台帳」の運用記録(様式ではない)の冒頭1ページの写し
- 「リスク分析結果」の写し
また、上記以外に任意で提出する書類もあります。
多くの準備物が必要となりますが、Pマーク取得コンサル会社に依頼することでこれはどのような書類なのか、どのように準備すればよいのかといったことを丁寧に説明してもらえます。
また、書類のひな形を提供してもらったり、作成自体を外注することも可能です。
Pマーク取得のために必要な設備
Pマークを取得するためには、社内の設備も整える必要があります。
必要になる設備は業種や会社の規模、個人情報の運用ルールなどによって異なりますが、最低限必要である設備を、以下にまとめました。
- 鍵付きの書類ロッカー
- シュレッダー
- パソコン用セキュリティソフト
- SSL認証 など……
これらの設備はただ揃えるだけでなく、きちんと運用されているかどうかが重要です。
マネジメントシステムを構築する際に、上記の設備を利用した運用ルールを設定する必要があります。
Pマークを取得することで企業価値を高められる
以上、Pマークについて概要や取得メリット、必要な期間と費用、準備物などを解説してきました。
Pマークは、個人情報をきちんと取り使うことで得られる社会的に信頼性の高い認証です。
しかしPマークを自力のみで取得することは大変難しく、審査に漕ぎつけるだけでも相当の苦労がかかります。
その上当然ですが審査通過が約束されたわけでもありません。
そこでPマーク取得コンサルティング会社に依頼することで、自社に最適かつスムーズな進め方を考案して実行をサポートしてくれます。
EMEAO!にお問い合わせいただければ、Pマークの取得に関して丁寧にサポートしてくれる優良なコンサル会社を、完全無料でご紹介いたします。
EMEAO!に掲載されているコンサル会社は、第三者機関の審査を受けた優良な業者ばかりなので、安心してお任せいただけます。
この記事を書いた人
編集部員 濵岸
編集部員の濵岸と申します。コンテンツ作成と取材を主に担当しております。身長が低いため学生時代は「お豆」と呼ばれていました!豆らしく、皆様の役に立つ記事を「マメに豆知識を!」の意識で作成します!どうぞよろしくお願いいたします!