Pマークの有効期限とは?確認方法と更新のタイミングを解説
公開日:2024.01.22 最終更新日:2024.01.22
Pマークの有効期限は取得から2年間です。効力を維持するには、有効期限満了日になる前に更新審査を受ける必要があります。
しかし、自社の有効期限を把握していなかったり、更新手続きについて理解できていなかったりする付与事業者もいるでしょう。
そこで本記事では、Pマークの有効期限について解説します。有効期限の確認方法や更新のタイミングも取り上げるので、ぜひ参考にしてください。
Pマークの有効期限
Pマークには、取得から2年間の有効期限が定められています。恒久的な制度ではないため、何もしないまま満了日を迎えると自動的に失効します。
【例】2024年1月10日に付与された場合 有効期間:2024年1月10日~2026年1月9日 期間満了日:2026年1月9日 |
効力を維持するには2年ごとに更新審査を受ける必要がありますが、都合のよいタイミングでは受けられません。有効期限満了日の8〜4か月前までに、審査機関に更新申請をすることが求められています。
【例】2026年1月9日が有効期限満了日の場合 更新時期:2025年5月9日~2025年9月9日 更新申請の受付開始日:2025年5月9日 更新申請の受付期限日:2025年9月9日 |
Pマークの有効期限を確認する方法
Pマークを維持するには、2年ごとに更新審査を受ける必要があります。しかし、取得から審査まで期間が空くため、いざ更新となった際に必要な書類が揃っていないことも珍しくありません。
更新申請で慌てないためにも、自社のPマークの有効期限を把握し、あらかじめ備えておくことが重要です。Pマークの有効期限を確認する方法は以下の2つです。
- 登録証を確認する
- JIPDECのホームページで事業者検索する
順番に解説します。
登録証を確認する
Pマークを取得すると、事業者宛に登録証が届きます。
登録証とは、一定の基準を満たし、Pマークの使用が認められたことを証明するものです。登録証にはPマークの有効期限が記載されているため、万が一有効期限を忘れてもすぐに確認できます。
2.JIPDECのホームページで事業者検索する
JIPDECホームページの「プライバシーマーク付与事業者検索」でも、Pマークの有効期限を確認できます。
事業者名称または登録番号を入力して検索しましょう。事業者名称がアルファベットの場合は、全角の大文字でなければヒットしないため注意してください。
なお、似たような名称が多い場合は、都道府県や本店所在地、業種で絞って検索することも可能です。
Pマークに有効期限が定められている理由
なぜPマークには2年間の有効期限が定められているのでしょうか。理由は大きく分けて以下の2つです。
- 運用システムの更新が求められるため
- 事業内容や体制の変化に沿って運用する必要があるため
それぞれ解説します。
運用システムの更新が求められるため
Pマークの運用には、個人情報保護マネジメントシステム(PMS)の構築が必須です。
個人情報保護マネジメントシステム(PMS)とは、個人情報保護における体制の整備、実行、確認、改善を適切に進めるための仕組みです。
個人情報保護マネジメントシステム(PMS)の内容は、時代や社会とともに変化します。そのため、Pマークを継続的に運用するなら、時代の変化に合わせて自社のPMSも都度更新する必要があります。
現に、Pマーク制度が創設されてから25年が経ちましたが、インターネットやスマートフォンの普及によって社会は大きく変化しました。従来は見られなかったセキュリティリスクが増加する中、それらに対応するには新たな規格を定める必要があります。
Pマークに有効期限を定めて2年ごとの更新を設けることで、付与事業者が自社のPMSを新規格に沿うように改善できるのです。
事業内容や体制の変化に沿って運用する必要があるため
Pマークの規格だけでなく、企業の事業内容や社内体制も時代とともに変化します。Pマークを取得した当初から個人情報の取り扱いにおけるルールが変更されなければ、情報漏えいや流出などが生じる可能性が高まります。
セキュリティ性を向上するためにも、Pマークに有効期限を定め、最新の事業内容や社内体制に沿ったルールを保つよう求められているのです。
Pマークは有効期限より前に更新が必要
Pマークは有効期限よりも前に更新申請をする必要があります。更新申請の受付期間は、Pマーク有効期限の8〜4か月前までの4か月間です。
有効期限満了日まで申請ができるわけではないため、タイミングには注意してください。ここからは、Pマークの更新手順と必要な書類を解説します。
Pマークを更新する手順
Pマークを更新する流れは以下のとおりです。
- 更新申請書を審査機関のWebサイトからダウンロード
- 更新申請書を作成して審査機関に送付
- 文書審査を受け必要に応じて指摘事項に対応
- 現地審査を受け必要に応じて指摘事項に対応
- 更新されたPマーク認証が発行される
大まかな流れは取得時と変わりません。
しかし更新審査では、前回の審査から個人情報保護体制が適切に維持・運用されていたのかをチェックされます。そのため更新申請の際は、適切な維持・運用を証明する2年分の記録を提出する必要があるので注意しましょう。
なお、更新申請書はPマークの付与を受けた審査機関に提出してください。前回付与を受けた審査機関は、Pマークの登録証で確認できます。
Pマークの更新手続きで用意するもの
Pマークの更新手続きで用意するものは以下のとおりです。
- 更新申請書類一式
- 個人情報保護マネジメントシステム文書一式(最新版)の写し
- 個人情報管理台帳の運用記録(冒頭1ページ)の写し
- 上記に対応するリスク分析結果の写し
また、一定の基準に該当する事業者に限り、以下の書類も必要です。
- 登記事項証明書など事業者が実在することを証明できる公的文書の写し
- 定款の写し
- 変更報告書
なお、任意で提出することで、審査の効率化・短縮化につながるものもあります。
- 個人情報保護における教育を実施したことがわかる記録一式
- 内部監査を実施したことがわかる記録一式
- マネジメントレビューを実施したことがわかる記録一式
- 会社のパンフレットなど
Pマークの有効期限が切れてしまったらどうなる?
Pマークの有効期限が切れた場合、審査機関は更新申請を受け付けてくれません。申請が受理されなければ更新審査を受けられないため、Pマークは自動的に失効します。
Pマークを再度使用するには、一から取得のための取り組みを実施しなければなりません。余計な時間と費用がかかるため、自社の有効期限を把握したうえで、期限内に更新申請をできるよう準備することが重要です。
Pマークの有効期限に間に合わない場合の対処法
どれほど準備していても、自然災害や業務過多で更新申請が間に合わなくなるケースもあります。
やむを得ない理由で申請期限に間に合わない場合は、審査機関にその旨を伝えることで、期限を延長してもらえる可能性があります。
ただし、審査機関によって対応が異なるうえ、必ず受理してもらえるとは限りませんので注意してください。
まとめ:Pマークの有効期限を把握して計画的に更新しよう
Pマークには、取得から2年間の有効期限が定められています。取得したまま放置すれば効力が失われるため、2年ごとに更新審査を受ける必要があります。
更新申請のタイミングは、有効期限満了日の8か月〜4か月前までの4か月間です。過去2年間の運用記録と必要書類を用意したうえで、審査機関に申請しましょう。
なお、Pマークの更新申請期限に間に合わない場合は、あらかじめ審査機関にその旨を伝えることで、期限を延長してもらえる可能性があります。
この記事を書いた人
hata