製造業におけるISOとは?5つの取得メリットやコツも紹介
公開日:2024.01.23 最終更新日:2024.01.23
製造業において、ISO認証を取得するメリットが分からない方も多いかもしれません。
今回はISO認証を取得すべき理由と、5つのメリットを紹介します。あわせて、認証取得の際に押さえておきたいコツも解説します。
初めての方でも分かりやすいように丁寧に解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
製造業におけるISOとは
ここでは製造業におけるISOが、具体的にどのようなものかを詳しく紹介します。まずはISOについての理解を深めましょう。
マネジメントシステムとは
マネジメントシステムとは、企業や組織が達成すべき目標を実現するための管理システムのことです。具体的には、品質や環境に対する管理システムなどがあります。
ISOの認証取得の際には、それぞれのマネジメントシステムが適切に働いているかどうかが重要なポイントです。ISO認証取得は、掲げている目標を実現できる管理体制が整っていることの証明にも繋がります。
ISO規格の種類
ISOの規格には、さまざまな種類があります。品質マネジメントシステムである「ISO9001」や環境マネジメントシステム「ISO14001」などが有名です。
どの規格を選ぶかは、達成したい目標によって異なります。どのような目標を達成したいのかを明らかにすることで、認証取得するISOの種類が変わることを理解しておきましょう。
製造業がISOを取得する理由
製造業がISOを取得する主な理由は以下のとおりです。
- 親会社からの取得を要求された
- 会社を変えたい
- 企業や組織がどのようなことをおこなっているかを示したい
ISOを認証取得する理由のひとつとして、取引先からの信頼を得ることが挙げられます。そのため企業や組織の親会社が子会社に、ISOの認証取得を要求することも少なくありません。
また安心して取引ができる企業であることを証明するためには、会社のシステムを変えることも必要です。会社のマネジメントシステムを改善するために、ISOを取得する企業もあります。
加えて、ISOは国際規格のため、国際的な基準において企業や組織の品質が管理されているアピールにもつながります。
製造業がISOを取得する5つのメリット
製造業がISOを認証取得することには多くのメリットがありますが、ここでは5つ紹介します。
生産性向上
ISOの認証取得することで、生産性の向上につながります。
ISO認証取得のためには、マネジメントシステムの基準や手順を明確にしなければなりません。ルールを明確にするためには、PDCAサイクルの確立にもつながります。
PDCAサイクルを効率的に回すことで、品質の維持や継続的な業務改善が期待できます。ISOの認証取得は、生産性の向上に効果的なPDCAサイクルを構築できるため、大きなメリットといえるでしょう。
組織のマネジメントシステム確立
ISOの認証取得よって、組織や企業におけるマネジメントシステムを確立できます。
ISOの種類に応じて各マネジメントシステムが明確化できるため、生産時の作業効率の向上が期待できます。マネジメントシステムの確立は、製造を行う際のマニュアルの統一化にも役立ちます。
誰が見てもわかるマニュアルの作成は、品質を一定に保つために重要です。そのため、ISO取得は品質の安定にも大きく貢献します。
ノウハウの共有
確立されたマネジメントシステムを基に作られたマニュアルには、企業や組織のノウハウが記されます。企業内で人事異動や責任者の退職などが生じた場合でも、マニュアルを確認すればノウハウの共有が可能です。
ノウハウを適切に共有することで、新たに企業や組織に入ってきた人でも生産工程や業務を確認できるため、品質の維持に役立ちます。
社会的信頼の向上
ISOは国際的規格のため、認証取得することは社会的信頼の向上にも繋がります。ISOの取得によって、品質の高い製品を生産していることを証明できるからです。
ISOを認証取得すれば、製品の質が保証されるので取引先にも安心感を与えられます。国際規格による品質の基準をクリアした製品であれば、取引先の増加も期待できるでしょう。
顧客満足度の向上
ISOの認証取得は、顧客満足度の向上も期待できます。というのもISO認証取得のためには、品質の維持だけでなく向上のための手順の確立も求められるからです。
国際規格基準であるISOの認証を取得していることは、顧客が満足できる品質を提供し続けることにもつながります。
ISO認証取得のデメリット
ここで、ISO取得におけるデメリットとして、以下を紹介します。
- 文書作成や記録の管理が多くなる
- 審査のための費用がかかる
- 掲げた目標に対して常に改善を行わなければならない
ISO認証審査を受けるためには、多くの文書作成や記録を管理する必要があり、業務内容が増えてしまいます。さらに、認証審査を受けるためには費用もかさんでしまうのがデメリットです。
ISOの認証取得をしたあとも、掲げた目標に対して継続的に改善を行わなければなりません。目標を達成できなければ何度も改善を繰り返す必要があり、生産性向上のためのPDCAサイクルがデメリットになる場合もあります。
ISO取得のコツ
ISOを認証取得するためには、どのようなポイントを押さえればいいのか気になる方も多いでしょう。ここでは、ISO取得のコツを紹介します。
品質方針の策定
ISOの認証取得における品質方針の策定では、以下を含みましょう。
- 組織や企業における運営戦略の方向性
- 一定以上の品質を目指すための枠組み
- ISOの定める要求事項に見合った内容
- 継続的な品質改善に関する内容
とはいえ多くの組織や企業では、ISOの認証取得のために新規に品質方針を策定する必要がないかもしれません。組織や企業において、上記のような内容は整えられていることがほとんどだからです。
品質方針の策定はISOの認証取得には欠かせませんが、すでに定めている方針を利用するのもおすすめです。
目標の設定
ISOの認証取得には、目標の設定も必要です。しかし「認証取得をするために新しく目標を立てなければ」と頭を抱える必要はありません。
企業や組織がすでに掲げている目標は、ISOを認証取得した後も実現すべきと考えると良いでしょう。今の目標が適当ではない組織や企業は少ないはずなので、現在の目標を活用するのがポイントです。
まとめ 製造業ではISO取得をすべき
製造業においての国際規格であるISOの認証取得は、質の高い製品を提供していることを示すことになります。顧客の満足度も信頼度も高められるため、ISOの取得におけるメリットは大きいです。
ISOの認証取得を行う場合には、現在の運営方針や掲げている目標を活用しましょう。
この記事を書いた人
hata