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JAPHICマークとは?Pマークとの違いや取得するメリットを解説

公開日:2019.11.01 最終更新日:2023.07.19

個人情報保護において広く知られている認証といえば「プライバシーマーク(Pマーク)」ですが、近年はそれとほぼ同程度の評価として認められる「JAPHICマーク」が注目を集めています。
他にも類似した認証がいくつかある中、なぜJAPHICマークが話題となっているのでしょうか?

今回は、JAPHICマークの概要やPマークとの違い、JAPHICマーク認証を受けるまでの流れについて分かりやすく解説します。
個人情報関連の認証の中でどの認証を取得すべきか迷っている事業者様、ぜひ最後までご一読ください。

JAPHICマーク(ジャフィックマーク)とは?

JAPHICマークは、個人情報の保護体制に対する第三者認証制度の1つで、個人情報の取り扱いやセキュリティが適切であると認められた企業に対し、第三者機関である「一般社団法人JAPHICマーク認証機構」が付与する認証のことです。
平成18年2月10日付で経済産業大臣より「認定個人情報保護団体」として認定を受けたことで大きな注目を集め、近年はJAPHICマークを取得する中小企業が増えています。

JAPHICマークの認証審査は、個人情報保護法を遵守するために経済産業省が出しているガイドラインが審査基準となっています。
ガイドラインの内容を事業者の規模や業務内容に合わせて選べること、講じなければならない事項に対して手法まで詳細に記載されていることなど、他の認証に比べて親切で柔軟性が高いことが特徴です。

JAPHICマークは、個人情報を適切に取り扱っているということを客観的に証明するものであり、Pマークと同等に入札案件に有利な認証とされています。
Pマークと比較して、中小企業でも負担なく取得しやすいという理由から、多くの事業者から注目を集めているのです。

JAPHICマークを取得するメリット

JAPHICマークを取得することで、企業はさまざまなメリットが得られます。

主な内容については、以下の通りです。

  • 取引がスムーズに進められる
  • ユーザーに安心感を与えられる
  • 情報漏えい保険が自動付帯する
  • 個人情報相談センターが利用できる

JAPHICマークを取得することで、取引先からの信頼を得やすくなり、同時に顧客からの信用度も大幅に向上します。

また企業としては、万が一情報漏えいした際、保険で対応費用が補償されるというのもポイントとなるでしょう。
個人情報に関してトラブルや苦情が発生した際も、JAPHICに相談することが可能です。

JAPHICマーク制度の背景

繰り返し個人情報保護法が改正される中、事業者にはより高度なセキュリティ措置が求められるようになっています。
そんな中、自社の個人情報保護対策について第三者の視点で評価し、条件を満たした場合には認証を受けることで、企業としての信頼性を高めたいという声が事業者から挙がるようになりました。

その要望に応えるために、中小企業向け第三者認証制度が作られたのです。

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Pマーク(プライバシーマーク)とは?

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プライバシーマークといえば、個人情報の管理体制を証明するための認証です

個人情報保護における認証として、JAPHICよりも広く知られているのがPマークです。

Pマークは、個人情報の取り扱いやセキュリティにおいて水準を満たしている企業に対し、一般財団法人日本個人情報推進協会が発行する認証です。
個人情報保護の観点から、Pマークを取得する企業は2022年9月時点で1万7,000社を超えており、日本で最も有名な認証といえます。

Pマークは、企業がJIS Q 15001「個人情報保護マネジメントシステム」と呼ばれる日本産業規格における個人情報保護に関するルールに沿って、個人情報の保護体制を構築しているということを証明します。
つまり、Pマークを取得していることで、顧客情報などを適切に扱うコンプライアンス意識の高い企業であることをアピールできるのです。
また、官公庁や大企業から仕事を受注する際、入札参加条件としてPマークを取得していることが挙げられるケースが急増しています。

Pマークについての詳しい説明は、以下の記事で解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

PマークとJAPHICマークの違い

ここまでご紹介してきた通り、PマークとJAPHICマークは企業における個人情報の取り扱いを証明する認証制度で、どちらも官公庁や大企業の入札案件に対応しています。

そんな中で大きく異なるのは、JAPHICマークは比較的取得がしやすいという点です。
ここからは取得のしやすさを軸に、PマークとJAPHICマークの違いをより具体的に解説していきます。

違い①審査費用

PマークとJAPHICマークでは、取得と更新にかかる費用が異なり、新規取得時・更新時のいずれもJAPHICマークの方がリーズナブルです。

以下に、新規取得と更新時にそれぞれ必要となる費用についてまとめました。

単位:円(税抜)

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PマークとJAPHICマークの新規取得費用の比較 画像クリックで拡大表示

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PマークとJAPHICマークの更新費用の比較 画像クリックで拡大表示

JAPHICマークの新規取得費用を見ると、小規模事業者の場合はPマークの取得費用の1/2、大規模事業者となると約1/4の費用で済ませられることが分かります。
更新費用はさらに差が大きく、小規模事業者だけでなく中規模事業者でも約1/3と大幅に費用を抑えることができるのです。

JAPHICマークであれば、特に費用を抑えたい小規模事業者でも大きな負担なく取得できると言えるでしょう。

参照:費用|申請手続き |プライバシーマーク制度|一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)
参照:審査・申請費用|JAPHIC

違い②取得にかかる期間

PマークとJAPHICマークでは、取得までにかかる期間が異なります。

具体的には、Pマークは最短6か月、JAPHICマークは約3カ月で取得できるとされており、JAPHICマークはPマークの半分ほどの期間で取得できることが分かります。

参照:JAPHICマーク制度について|JAPHIC

JAPHICマークは短期間で取得することができ、同時に従業員にかかる負担も軽減されることから、導入を検討する企業が増えているのです。

違い③認知度

PマークとJAPHICマークでは、認知度も異なります。
認知度の高さでいえば、歴史の深いPマークの方が圧倒的に上といえます。

1万7,000社以上が認定を取得しているPマークに対して、JAPHICマークの取得企業数はまだ3桁しかありません。
ただ、JAPHICマークが経済産業大臣認定の個人情報保護団体として認められたことにより、ここ数年で格段に認知度が上がっています。

さらに、Pマークよりも取得・更新しやすいことが認知されはじめ、今後はPマークに代わってJAPHICマークを選ぶ企業も増えることが見込まれています。

JAPHICマーク認証の申請から認証書発行までの一連の流れ

今後は従来のPマークに代わり、JAPHICマークを取得する企業も増えてくるとお伝えしました。
こちらでは、実際にJAPHICマークを取得する際の流れについて、申請から認証書発行まで順番にご紹介します。

ステップ①申請情報の登録

JAPHICマークを取得するためには、認定審査機関に申込書類を揃えて提出しなければなりません。
まずは、自社がJAPHICマークの対象となる事業者であることを確認した上で、以下を参考に必要な書類一式を用意しましょう。

【申請書の様式】

<すべての事業者>

  • 個情法(通則編) 自己評価表
  • 番号法(事業者編) 自己評価表

<該当する事業者のみ>

  • 個情法(第三者提供時等編) 自己評価表
  • 個情法(外国提供編) 自己評価表
  • 個情法(匿名加工情報編) 自己評価表
    ※該当する項目がある事業者は、該当項目を登録する必要があります。なお、上記に該当する場合は、追加で審査費用がかかります。

これらの書類はJAPHIC公式ホームページから一括ダウンロード が可能です。

また、申請は全てWEB上で行われるため、原則として紙媒体での資料提出はできません。
各審査機関に問い合わせて「申請用URL」を取得し、オンライン上で審査用資料を全て登録する形となります。

ステップ②文書審査

提出した資料の内容について、個人情報における保護体制や個人情報保護方針などについて細かい審査が行われます。

その中で疑義が生じた場合には追加で書類の提出を、重大な指摘であれば次の現地審査までに是正を求められることがあるため、いずれも迅速に対応することが大切です。

ステップ③現地審査

書類審査が終われば、審査員が直接足を運んで現地審査が行われます。
ここでは、書類審査の際に生じた疑義、実際に個人情報保護方針に沿った整備・運用がなされているかといった点について確認を行います。

なお、現地審査終了後には交通費や宿泊費など審査に係った費用について請求書が送付されるため、速やかに支払いましょう。

ステップ④指摘事項への対応

書類審査と現地審査の結果から、改善すべき点などについて指摘を受けます。
これについては後日、指摘を受けた内容に対し改善した点、強化した点などをまとめた報告書をあらためて提出します。

指摘内容によっては現地の再審査が行われることになり、その費用は実費請求されることとなるため、できる限り客観的な視点で指摘されそうな点をカバーしておくことが大切です。

ステップ⑤判定会議

それまでの結果を総合的に評価し、ガイドライン記載の必須項目を100%、望ましい項目を70%以上満たしていると判定されれば合格とされ、晴れてJAPHICマークの認定資格が得られます。

不合格の場合は再判定が行われますが、こちらも全額実費となるため注意が必要です。

ステップ⑥認証書発行

判定会議をクリアできれば、申請者に合格通知が届きます。
通知に従い、指定期間内にJAPHICマーク認定対象事業者として年会費を振り込むことで、JAPHICマーク認証書の発行、JAPHICマークの付与が行われ、同時にJAPHICマーク認証機構のホームページ上で事業者名が公表されます。

取得しやすくPマークと同程度のメリットをもつJAPHICマークは、中小規模事業者様におすすめの認証

今回はJAPHICマークについて、Pマークと比較しながら解説してきました。
近年新しく登場したJAPHICマークは、Pマークに比べると安く短期間で取得できる上、Pマークと同様に入札案件にも対応できる認証です。

また、取得企業数ではPマークに劣るものの、経済産業大臣認定の個人情報保護団体となったことから、今後認知度が上がっていくことも予想されています。
「個人情報保護に力を入れたい!でもお金や時間はあまり割けない」と頭を抱えている中小規模の事業者様に最適な認証と言えるでしょう。

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この記事を書いた人

編集部員 濵岸

編集部員の濵岸と申します。コンテンツ作成と取材を主に担当しております。身長が低いため学生時代は「お豆」と呼ばれていました!豆らしく、皆様の役に立つ記事を「マメに豆知識を!」の意識で作成します!どうぞよろしくお願いいたします!

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