ISO9001の認証取得にかかる期間は最短でどれくらい?
公開日:2019.11.01 最終更新日:2024.08.24
「取引先から、ISO9001の認証取得を条件に仕事を任せたいと言われた」 「新しい事業を展開するために、ISO9001の認証取得が必要になった」 そんな事情で、ISO9001の認証取得を急いでいる事業者様もいらっしゃるのではないでしょうか? ここでは、
ISO9001認証を最短期間で取得する場合のスケジュールをご紹介します。 これからISO9001認証の取得をしようと考えている事業者様は、ぜひ参考にしてください!
- ISO認証取得までのスケジュール
- ISO認証取得にかかる期間
ISO取得には何から始めればいい?
ISOの取得に向けたステップは以下のとおりです。
- 取得の範囲と規格を決める
- 取得に向けた担当者とコンサルを利用するかを決める
- 審査機関を決める
- ISOの有効期間や更新期間について
ISOの取得には、準備も合わせると半年以上の期間が必要です。少しでも早く取得するためには、流れを押さえて効率よく進めるのがおすすめです。
取得の範囲と規格を決める
ISOには、大きく分けて以下の2種類があります。
- モノ規格
- マネジメントシステム規格
モノ規格は製品を認証する規格のことで、代表的な例でいえば「非常口のマーク」や「ネジ」などがあげられます。安全性や互換性の観点から、サイズや品質などの規格を国際基準に統一して製造します。
マネジメントシステム規格は、サービスや組織運営の品質や管理方法に対する規格のことです。マニュアルや情報管理など、組織運営に関わるシステムを整備し、組織改善や信頼性の向上につなげます。
また、マネジメントシステム規格には目的に応じて複数の種類があります。本記事では、製品やサービスなどの品質向上と維持を目的とした「ISO9001」を取得する流れを記載しています。
ただし、他のISO規格であっても審査項目が異なるだけで流れは同様です。自社に必要な規格を選択しましょう。
取得に向けた担当者とコンサルを利用するかを決める
ISOを取得するにあたって、社内の責任者・担当者を決めてください。審査機関やコンサルタントとの窓口となり、中心となって取得を推進する方です。
ただし、ISO取得では多くの場合社内の運用やマニュアルを見直すため、各部署の協力が不可欠です。担当者1人で推し進められるものではないため、経営層から末端の従業員にいたるまで全社で取り組みましょう。
また、ISO取得に向けて社外からコンサルタントを入れるかどうかも検討してください。ISO取得はさまざまな社内整備が必要なため、効率よく準備を進めるために有効です。
短期間で取得しやすくなりますが、コンサル費用がかかる点は留意しておきましょう。
審査機関を決める
実際に審査を行う審査機関を選択してください。ISOの審査期間は国内だけでも70社ほどあるため、自社で選んで審査を依頼します。
審査機関を選ぶ際のポイントは以下のとおりです。
- 取得を目指す規格や範囲に精通しているか
- 審査にかかる費用とスケジュール感
- ISO取得の目的に合致するか
単にISO取得だけを目的とした審査を行う機関もあれば、本質的な業務品質の改善を目的に審査を行う機関もあります。自社がISOを取得する目的に合った機関を選択しましょう。
ISOの有効期間や更新期間について
ISOの有効期間は3年間で、取得から1年目と2年目に維持審査があります。取得から有効期間までには以下の審査があるため、忘れないよう社内でスケジュール管理を行ってください。
審査の種類 | 概要 |
初回審査 | ISO取得のための審査 |
維持審査 | ISO取得後の審査で、1年目と2年目に1回ずつ行う |
更新審査 | 有効期間満了時に行われる、認証更新のための審査 |
維持審査も更新審査も、認証後運用が適切に行われているかを確認されます。ISOを取得しても定期的にチェックされるため、以前の運用に戻ることがないよう社内で管理しましょう。
ISO認証取得までのスケジュール
ISO9001の認証取得までのスケジュールは会社によって異なります。 ここでは、代表的なスケジュール例を紹介します。
ISO9001取得ステップ①準備・体制づくり(1カ月)
チーム編成を行ったり、各部門の担当者を選任したりします。 また現在の問題点を洗い出し、ISO認証取得を通じて、自社をどのようにしていきたいかを話し合います。
ISO9001取得ステップ②システム構築・文書化(1~3カ月)
文書や記録の様式をつくります。 また品質マネジメントシステムの方針や目標を設定し、計画書や管理リスト、マニュアルなどの文書を作成していきます。
ISO9001取得ステップ③システム運用・評価(3~4カ月)
従業員に教育を行い、定めた運用ルールで業務を遂行していきます。 運用をする中で、上手くいかないところがあれば、その都度改定します。 最新のマネジメントシステムをまた試してみて、不具合が見つかったら、また改定しするというサイクルを確立し、ベストな状態へと仕上げていきます。
ISO9001取得ステップ④1次審査&2次審査(1カ月)
審査は1次と2次の2回行われます。 1次審査は文書審査。 作成したマニュアル等が規格要求事項に沿っているかどうかが判断されます。 1次審査合格後は、実地審査である2次審査です。 2次審査では、実際に審査員が現場に足を運び、1次審査で定められたルールを全員がしっかりと守っているかどうかを判定します。
ISO9001の認証取得にかかる期間
ISO9001の認証取得にかかる期間は取得の目的によって異なります。 早く取得することを目的としている場合も、半年以上はかかると思ったほうが良いでしょう。
コンサルティング会社に頼らず、自社だけで認証を取得することもできます。 しかし早めのISO9001の取得を目指す場合は、コンサルティング会社に依頼したほうが、要領よくプロジェクトを進められるため、より早期に取得できる可能性が高いです。
ISO9001の取得にかかる期間を短くするポイント
ISOの取得には最低でも半年程度はかかりますが、少しでも期間を短くするポイントを紹介します。
- 会社の実態に即したルールにする
- 完璧を目指さず指摘事項への対応も視野に入れる
- 依頼先のコンサルタントの考え方も重要
早期取得を目指す場合は、これらの点を押さえて取り組むとよいでしょう。
会社の実態に即したルールにする
ISO取得の過程で、組織運営や情報管理の方法などをマニュアル化する必要があります。その際は、業務の実態に即したルールを策定しましょう。
ISO取得のために実際の運用とはかけ離れたルールにすると、維持や更新が困難です。ルール変更に伴って業務が回らなくなるのは本末転倒なため、あくまでも業務改善を目的に行うのがおすすめです。
完璧を目指さず指摘事項への対応も視野に入れる
一切の不備なくISOの審査に臨みたいところですが、すべてを完璧に仕上げようとすると時間がかかります。しかし、審査時に指摘事項があっても、軽微な内容であれば期間内に修正すれば認証されます。
そのため、最初から完璧を目指さず細かな指摘事項への対応も視野に入れて取得を進めましょう。重大な指摘事項があると認証されない可能性もありますが、準備に時間をかけ過ぎないことも大切です。
依頼先のコンサルタントの考え方も重要
ISO取得を依頼するコンサルタントも、審査機関同様考え方が異なります。単に取得を目指すのか、業務や組織の改善を目的とするのか、自社に合ったコンサルを選んでください。
担当者との相性もあるため、実際に契約する前のヒアリングなどで確認しましょう。
ISO9001認証取得は最短でも半年近くはかかる!
いかがでしたでしょうか? この記事を読んでいただくことで、ISO9001認証取得には最低半年はかかることをご理解いただけたと思います。 ISO9001認証取得にはプロジェクトチームをつくり、社内のマネジメントシステムを構築・文書化、実際にルールに基づいて運用し、エラーが発生したら、良くなるまで改善を繰り返す必要があります。
ISO9001は認証取得がゴールではなく、自社に合った品質マネジメントシステムを構築し、日常業務の中で定着させ、会社をより良い方向へと導いていくことがゴールです。 最短期間である半年でのISO9001認証の取得を目標にしつつも、未来を見据えてプロジェクトを進行させることがベストでしょう!
自社の動きに合ったスケジュールでISO認証取得までサポートできる企業を、EMEAO!なら最短1営業日で紹介いたします。 5分ほどヒアリングのお時間をいただくだけでご要望に合った企業を紹介しますので、お気軽にご相談ください。
この記事を書いた人
編集部員 河田
編集部員の河田です。編集プロダクションでの書籍編集の経験を経て、現在はEMEAO!のWebコンテンツ編集・執筆とお客様へのインタビューを担当させていただいています。日々、コツコツと皆さんのお役に立つ情報を発信していきます!よろしくお願いします。