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既存システムの改修で注意すべき3つのポイントとは

公開日:2021.05.19 最終更新日:2023.11.14

この記事では、既存システムの改修で注意すべき3つのポイントについて解説します。
システム改修に不安のあるの事業者様は、ぜひご一読ください。

システム改修とは?

システム改修とは、既に使用・公開されているシステムを文字通り改修することです。
改修理由には、不具合の改善や使いにくいレイアウトを変更するなどのネガティブな要因だけではなく、最新の機能を追加したり、市場の動向に合わせ規格に変更したりなどのポジティブな理由も多くあります。

特に顧客が使用するシステムを変更する場合は、業務効率のための改修というより、実店舗におけるリニューアルがイメージに近いといえます。

システムの改修で注意すべき3つのポイント

既存システムの改修は、システムのエラー部分を修正したり機能の追加やカスタマイズなどを行います。
システムの改修では、従来の機能を維持したまま、改修が必要な部分のみを正確に直す必要があります。

ここでは、既存システムを改修する際に注意すべきポイントを3つ解説します。

ポイント①影響範囲を明確にする

1つ目のポイントは、システム改修による影響範囲を明確にしておくことです。

影響範囲の調査を怠ってしまうと、かえって改修部分を増やしてしまい、再び改修が必要になることがあるため注意が必要です。
外部的な改修部分のみならず、改修にあたり影響する内部的な部分も考慮しましょう。

ポイント②ソースコード修正時はコンペアソフトでおこなう

システム改修にあたり、ソースコード修正時はコンペアソフトで行うこともポイントの1つです。
コンペアソフトとは、異なるファイルやソースコードを比較し相違点を表示できるソフトになります。

システム改修を進めるにあたって、無自覚のうちに影響範囲外のソースコードに触れてしまうことがあります。
本来の改修部分とは違う部分でソースに振れてしまうと、システム自体にに不具合が発生してしまうことも考えられます。

そこでコンペアソフトを使用することにより、修正の前後でのソースコードの相違点を簡単に見つけることができます。
代表的なコンペアソフトとしては、『WinMerge』というフリーソフトがあります。

ポイント③デグレードテストの実施

ポイントの3つ目としては、デグレードテストを実施することが挙げられます。

デグレードテストとは、従来のシステムと同じように動作するか、異なる動作であった場合従来の動作の方が良いかを比較するためのテストです。
改修後のテストにおいて確認することは、主に以下の2点です。

確認項目
  • 改修内容が正しく処理に反映されているか
  • 改修箇所以外は従来のシステム通りに動作するか(デグレードテスト)

デグレードテストの実施は、システムの改修前後で同じ環境下で行う必要があります。

ポイント④マニュアルを整備する

システムを改修すると、操作方法や使用感などに、大きな変化が生じる可能性があります。
そのため、現場の混乱を招かないように、システム改修による様々な変更点をマニュアルに記載することが一般的です。

マニュアルの作成は、システムの改修を依頼した業者に委託することもできますが、当然それには別途手数料がかかるため、自社での制作と比較すると多くのコストが発生する場合があります。

人的リソースと割いて自社でマニュアルを制作した方がよいか、コストを負担してマニュアルも外注した方がよいか、どちらのコストパフォーマンスが高いか検証が必要です。

ポイント⑤細かい依頼を繰り返さない

システム改修の依頼は、何回にも分けて細かく注文するよりも、改修したい内容をまとめて依頼した方がコストを抑えることができます。

一見、どちらの注文方法でも、改修の結果は変わらないため、料金の差額はまとめ買いによる割引程度かと思うかもしれません。

しかし同じ改修内容でも、注文を小分けにした金額と、まとめて注文した金額では、料金に数倍の差が発生することもあります。

なぜ金額に大きな差が発生するのか。それは、依頼された業者は注文を受ける度に、設備や設計環境を構築したり、テスト用のデータを用意したりする必要があるため、諸々の準備や工程が注文回数分増加してしまうからです。

また改修の前に、全体のシステムに影響がないか、業者と社員で綿密な調査を行うので、業者に支払う金銭的なコストだけでなく、社内の人的リソースも負担が増加します。

以上のことから、システム改修の際は、極力注文をまとめて行うほうがコストを抑えられるのです。

また、追加の修正をしないためにも、システムの改修を行う際は、会社全体で欲しい機能や改善すべきポイントがないか、システムに関わる全社員に対してヒアリングを行うようにしましょう。

システム改修を検討するタイミング

システムを改修するのに適したタイミングは、会社によってケースバイケースです。

一般的には、既存のシステムが古くなったタイミングで改修することが一般的です。

古いシステムの特徴としては、スマートフォンなどの外部機器と連携できないことや、部品が足りずシステムの修理ができなくなってしまった点が挙げられます。

逆に設計から長い時間が経過したシステムでも、問題なく使用できている場合は、無理に改修する必要はありません。

実際にフロッピーディスクを使用したシステムで現在も稼働している工場があります。

また、元号の変更やインボイス制度、消費税率の変更など、システムの変更が必要なタイミングで改修を行うのも効率的です。

以下にシステム改修を行う代表的なタイミングを紹介します。

既存システムに不具合がある

システム改修が実施される最も多い事例は、既存のシステムに不具合が発生したタイミングです。

システムを設計する際、ある程度はテストを行うことで、不具合が発生しないように対策を行います。とはいえ、全ての不具合を調べることは不可能である他に、最新のスマートフォンやパソコンなど、システム開発時には使用が想定されていないデバイスの接続で、トラブルが発生してしまうことも珍しくありません。

そのため、致命的な不具合が突然に発覚して、急遽システム改修を依頼するといった流れが多い傾向にあります。

このようなことを防ぐためには、日常からシステムの不具合を報告したり、保守点検を厳格に行ったり、新しい世代のデバイスが対応しているか確認するなどが効果的です。

法改正といった外的要因がある

システム自体の問題ではなく、外的要因によってシステム改修を行う場合があります。

一つには、消費税率の変更やインボイス制度などの法的要因があげられます。
消費税が導入、変更された際には、駆け込み的にレジシステムの改修が行われました。
政府からもシステム変更に関する補助金が支払われたため、全国規模のシステム改修となりました。

IT環境の急激な変化も、システム改修の外的要因になります。
例えば、スマートフォンを利用した決済システムが普及したことにより、小売店の取引システムが大規模な改修となりました。

また、システムに使用されることの多い、UbuntuやDebianなどのサーバー用OSがアップデートされることで、システム改修に迫られることが多いです。

ポイントとしては、外的要因、特に国による制度変更を要因とするシステム改修の場合、それが施行される数年前から告知されることが一般的であるため、余裕をもって新しいシステムを吟味することができます。

現状より使いやすく改善したい

システムを使用しているうちに、操作方法や使用感などに改善点が見つかる場面は多々あるでしょう。

大規模なシステム改修であれば、その分大きな金額も発生しますが、ユーザーの生産性が向上する場合、結果的により大きなリターンを期待できます。

但し、簡易的なシステム改修を行うはずが、欲しい機能を全て盛り込もうとすると結局新しいシステムを一から構築するのとコストが対して変わらない、といったことも起こり得ます。
改修を行う際は、それが新しいシステムを一から開発するより高いコストパフォーマンスが期待できるのか、といった観点でも検討するようにしてください。

システム改修の流れ(プロセス)

実際にシステムの改修を依頼する場合の流れを解説します。
システム改修を検討される場合は、こちらを参考にスケジュールを組んでください。

打ち合わせから見積もり

実際にシステムを改修する前に、依頼業者と打ち合わせを行います。
打ち合わせでは具体的な改修内容を検討しますので、自社のシステムに比較的精通している社員や、改修を要望している現場の社員が同席するとスムーズに改修すべき内容を洗い出すことが可能です。

また、打ち合わせの前に要望を書類でまとめておくのも得策です。
ITの知識がなくても、「ここを見やすくしたいなど」具体的に変更した点をまとめておくと打ち合わせがより円滑に進みます。

打ち合わせの内容を前提に、業者からシステム回収の見積もりが提示されます。
また、打ち合わせは数社行い、見積もりを比較することが重要です。

改修の設計

打ち合わせや見積もりを元に、制作するシステムの方向性を決める「要件定義」を行います。

「要件定義」では、ITの知識のないクライアントからの要望をエンジニアの立場から、専門用語で説明しなおしたものです。

この「要件定義」で工数なども確定します。

また、「要件定義」は依頼をする側が行うこともありますが、社内にエンジニアなどがいなければ、依頼業者と進めることも可能です。

「要件定義」にクライアントからの要望を漏れなく設定できたと判断された場合に、設計書が作成されます。

実際に開発

設計書が完成したら、実際にシステムの改修に移ります。

開発には、コーディング(プログラミング)から各種テストまで含まれます。

テストには、細かいコードの確認を行う単体テストから、プログラム全体を確認する結合テスト、運用が可能であるかを確認する「運用テスト」などが行われます。

また、一般利用者の使用感を確かめるために、クライアントや一般人にテスターを担当してもらう場合もあります。

他にも、システム改修の際のみに行うテストとして、リグレッションテスト(退行テストがあります。)

システム改修を行うと、既存のシステム部分の相性が合わずに不具合を起こす場合があります。

そのため、既存のシステムも一通り、不具合がないか確認することが一般的です。

完成および納品

各種テストや点検により、改修されたシステムが一定の基準に達したと判断されれば、完成及び納品となります。

詳細は後述しますが、業者に改修完成後の保守点検などの契約を結んでいない場合は、一旦関係は終了です。

保守・運用

通常のシステム開発にも言えることではありますが、システム改修が完了したあとも、保守点検や運用のためにリソースを割く必要があります。

また、自社で保守点検を行えるようなノウハウや人的リソースが枯渇している場合は、他社に委託する場合もあります。

何か問題などがなければ、開発業者に依頼するのが、システムを最も精通している点からも、合理的です。

システムの改修費用を抑える方法

これまで、システム改修の特徴や流れを確認してきましたが、コストがネックとなり、システム改修に踏み切れない人もいるかもしれません。

以下では、システム改修のコストを下げる方法を紹介します。

自社で対応する範囲を増やす

大規模なシステム改修になると、多くの人員が必要になります。
そのため、マニュアルの作成や簡易的なシステムのデザインなど、一部自社で対応できそうな改修箇所は自社から割り振ることも有効です。

また、自社にシステムに関するスキルを持つ社員がいない場合でも、今後、システムの利用が多そうであれば、社員で勉強会を開催したり、エンジニアを新たに雇用すれば、結果的にコスト削減に繋がることもあります。

他にも、機材の用意などはこちらですることもコスト削減のコツです。

補助金を活用する

近年は、国際的な競争力確保のために、国や地方自治体よりIT化促進の補助金制度が整えられています。

システムを改修する場合でも、IT補助金を利用することが可能です。

IT補助金を受け取るには、システム改修に関する契約をする前に申請する必要があるので、注意が必要です。

代表的な補助金3点を以下に紹介します。

最大補助額補助率申請方法
ものづくり補助金5,000万円1/2または2/3電子
持続化補助金200万円1/4電子または郵送
IT導入補助金450万円1/2以内電子

ものづくり補助金

ものづくり補助金とは、中小企業向けに設備投資やサービス開発を支援するための補助金です。
「通常枠」「デジタル枠」「グローバル市場開拓型」などの種類があります。最大補助額は5000万円になり、補助率は1/2または2/3といわれています。

持続化補助金(小規模事業者持続化補助金)

持続化補助金は、法制度の変更などにより、システムや組織などに変更を求められた中小事業体を支援するための補助金です。

IT導入補助金

IT導入補助は、中小企業のIT化や、効率的なシステムの導入を目的とした補助金です。

WEBサイトの制作や、ソフトウェアに必要な経費の一部を補助してくれます。

補助額は最大450万円・補助率1/2以内です。

複数の業者を比較検討する

システムの改修以外にも言えることですが、複数の業者に見積もりをとってもらうことで、最も安価な業者を探すことが可能です。
価格のみを重視するのではなく、質問に対しての回答は丁寧にしてくれるか、開発を依頼したいシステムに近い制作実績があるかなど、多角的な視点を持って比較検討しましょう。

システム開発の改修は改修部分以外への影響を考慮して行おう

以上、既存システムの改修で注意すべきポイントを3つ解説しました。

既存システムを改修する際のポイントは、改修部分以外への影響範囲を考慮して慎重に改修を行いましょう。
改修後はきちんと動作するかのテストも行う必要があります。

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この記事を書いた人

編集部員 濵岸

編集部員の濵岸と申します。コンテンツ作成と取材を主に担当しております。身長が低いため学生時代は「お豆」と呼ばれていました!豆らしく、皆様の役に立つ記事を「マメに豆知識を!」の意識で作成します!どうぞよろしくお願いいたします!

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