iOSアプリ開発におすすめの言語とは?必要な環境も解説
公開日:2023.11.26 最終更新日:2024.04.19
iOSは、iPhoneやiPadなどAppleのモバイル機器へ搭載されるOS(オペレーティングシステム)です。
iPhoneやiPadは世界でシェアを伸ばし続けており、エンジニアの需要も高まっています。今後も、アプリ開発に関する言語や環境についての知識が必要とされるでしょう。
この記事では、iOSアプリ開発を目指す方に向け、おすすめのプログラミング言語や開発環境について解説します。
理解を深め、企業内アプリ開発など業務範囲の拡大にぜひ役立ててください。
iOSアプリとは
iOSとはiPhoneやiPadなど、Apple社が開発した「i」がつく製品向けのOSのことです。iOSアプリとは名のとおり、iOS搭載の機器(iPhone・iPad・iPod touch・AppleTVなど)で使用されるアプリを指します。
iOSはMacから発売したPCやスマホにしか搭載されておらず、アプリの動作確認などにiPhoneやiPadが必要となるためiOSアプリ開発にはMac機器の準備が必要です。
なお、OSとは、ソフトウェアとハードウェアを仲介する役割をもち、ユーザーが使いやすいようにPCを制御するシステムを指します。アプリ開発においてOSは必須です。文字入力の表示・マウスで位置を決めるなどの機能は、OSがなければできません。
関連記事:iOSとAndroidのアプリ開発における違いとは何か
iOSアプリ開発におすすめのプログラミング言語
iOSアプリ開発におすすめの言語は、以下の5つです。
- JavaScript(ジャバスクリプト)
- C言語
- Swift(スウィフト)
- Objective‑C(オブジェクティブシー)
- Python(パイソン)
特徴を一つずつ見ていきましょう。
JavaScript(ジャバスクリプト)
JavaScriptは、Webサイトに動きを加えられるプログラミング言語です。アニメーションを動かす、画像の拡大などができます。
「動き」という特徴からゲームアプリと特に相性が良く、ビジュアル面で楽しいアプリを開発できます。したがって、JavaScriptはゲームアプリ開発に欠かすことのできない言語といえるでしょう。
JavaScriptの強みは2点あり、1点目はコード構成がシンプルで覚えやすい点です。プログラミング初心者におすすめで、プログラミング言語入門編といえます。
2点目は、汎用性が高い点です。幅広い場面で活用されおり、Webアプリ(Gmailなどネット環境があれば操作できるアプリ)・ネイティブアプリ(App Storeなどアプリストアを経由して使うアプリ)・ハイブリッドアプリ(Webアプリとネイティブアプリの優れた点を組み合わせたアプリ)作成にも適しています。
C言語
C言語は、習得難易度は高い一方、性能の高さから長きにわたり人気の言語です。C言語は高速かつコンパクトにプログラムを作れるため、家電製品や電子機器などの制御プログラムなど幅広い分野で用いられています。
1983年にはC++(C言語拡張版)も開発され、C言語にオブジェクト指向が追加されました。ただし、オブジェクト指向はひな型を作成し実体化したものを生成する必要があり、学習コストがかかるため、まずはC言語の習得が適しています。
Swift(スウィフト)
SwiftとはApple社が開発し、現在では全世界共通でiOSアプリ開発のスタンダードとなっている言語です。高速なコンパイル(処理速度)で、実行時のストレスが緩和されます。
コードの構成は比較的シンプルで、読みやすく書きやすい点が特徴です。初心者でも習得しやすい言語と言えるでしょう。また、Apple社が提供している独自の言語であり、Apple製品向けのアプリ開発に最適です。
Objective‑C(オブジェクティブシー)
Objective‑Cは、前に述べたC言語にオブジェクト指向を追加した言語です。同じオブジェクト指向型のC++とは拡張の仕方が異なります。
1984年にリリースされてからiOSアプリ開発では利用が最も多かったObjective‑Cですが、Swiftの開発後はiOS製品向けアプリ・システム以外で利用が少ないのが現状です。
とはいえ長い歴史から、ライブラリが充実している点が特徴です。大きなアップデートもなく、エンジニアの対応も最小限で済むでしょう。反面、古い言語であることから習得が難しい上に応用が利かず、初心者向けではありません。
Python(パイソン)
Pythonは、データ分析や統計処理を行うプログラミング言語です。iOSアプリ開発の言語で近年もっとも人気があり、YouTubeアプリもPythonによって開発されています。
分かりやすいコード構成で習得難易度がそこまで高くなく、安心して学習できる仕組みが確立されており初心者向けです。
Pythonは、アプリのほかにAI開発や動画の埋め込みなど幅広い分野で活用されており、さらなる高みを目指したい人におすすめの言語といえます。
関連記事:Pythonとはどんな言語?アプリ開発に利用する際の手順も解説
iOSアプリ開発におすすめの統合開発環境
アプリ開発における統合開発環境とは、アプリ開発に必要なツールがすべてまとまったソフトウェアのことです。おすすめのXamarin、Xcodeについて順に解説します。
Xamarin(ザマリン)
Xamarinとは、Microsoft社が提供するクロスプラットフォームアプリ開発環境です。クロスプラットフォームとは、複数のOSに対して一つの言語を用いて同一アプリを動作させることができる開発環境を指します。
Xamarinの場合、C#と呼ばれる言語のみでiOSアプリもAndroidアプリもコード共通化できるため、開発工数やコストが抑えられる点がメリットです。一方で、学習コストがかかる、9割程度はコード共通化できるが完全には共通化できない点がデメリットといえます。
Xcode(エックスコード)
Xcodeとは、Apple社が提供する統合開発環境です。App Storeから無料で利用でき、Apple製品に使用されるアプリであれば、工数がかからず制作できます。
Xcodeはストーリーボードで直感的な操作が可能です。ドラッグアンドドロップでデザインを変更したり、ユーザーインターフェースに優れた仕様になっています。
また、不明点は内部統合された公式ドキュメントで即座に解決することができるため、学習コストが抑えられる点も魅力です。ただし対応しているのはMacOSのみでWindowsでは使用できません。
iOSアプリ開発でおすすめのフレームワーク
アプリ開発におけるフレームワークとは、開発に必要な機能を備えた枠組みです。おすすめはSwiftUI、React Nativeの2つです。順に解説します。
SwiftUI
SwiftUIは、Apple社が提供する比較的新しいフレームワークです。iOS・Mac向けのアプリ開発を目的に開発され、少ない記述量でコーディングを行うことができるため作業が効率化できます。
iOS・Mac向けのアプリ開発は、従来Objective‑C言語を利用し別のフレームワークで行われていましたが、難易度が高いうえ作業量が多いというデメリットがありました。
しかし、Swift言語を用いたSwiftUIの開発によってそれらは解消され、さらに学習コンテンツの豊富さから学習コスト削減も可能としています。すなわち初心者やプログラミング経験が浅い人に向いていると言えるでしょう。
React Native
React Nativeとは、Meta社(旧Facebook)が提供するモバイルアプリ開発用フレームワークです。言語はJavaScriptで書かれ、iOS・Androidでもコード共通化ができるため開発効率のよさは抜群です。
JavaScriptを既に学んでいれば学習コストがかからずiOSアプリ開発に着手できますが、Swiftなど多言語を用いるアプリ開発を中心としてきた方はJavaScriptの学習コストがかかります。
プログラムの修正を即座に反映する機能やライブラリが充実しているメリットの反面、大規模なアップデートが頻繁にあるため開発環境のアップデートの手間がかかります。そのため、初心者向けというよりは経験者向けといえるでしょう。
iOSアプリ開発の言語を選ぶ際のポイント
iOSアプリ開発の言語を選ぶ際は、アプリ開発の目的に沿った言語であること、かつ自身の知識レベルに合っているかをポイントにしましょう。詳しく見ていきます。
目的に沿っているか
iOSアプリには、Webアプリ・ネイティブアプリ・ハイブリッドアプリがあり各々に適した言語があります。各言語の特徴を理解し、目的に合う言語を選ぶことが重要です。
たとえばゲームアプリなら動きを得意とするJavaScript、InstagramなどWebアプリならPythonなどが適しています。iOSアプリ開発の目的と方向性を明確にしましょう。
知識レベルに合っているか
言語には習得難易度があるため初心者なら初心者向け、経験者なら汎用性の高いものやより高い知識を得られる言語を選びましょう。
たとえば初心者向けなら、JavaScript・Swiftなどが適しています。経験者ならAIや動画埋め込みなどにも応用できるPythonだとさらなる高みが目指せるでしょう。
まとめ:iOSアプリ開発には自社に合った開発環境を選びましょう
iOSアプリ開発に用いられる言語や開発環境は、多様な選択肢があります。企業で開発を進める場合、目的もさまざまであり言語の選定がより困難に感じる場合もあるでしょう。
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この記事を書いた人
hata