ノーコードでアプリ開発できる無料ツール7選|メリットや押さえたいポイントも解説
公開日:2023.12.01 最終更新日:2024.04.19
昨今、ノーコード開発ツールを用いてアプリを開発する企業が増えてきています。ノーコード開発ツールには多くの種類があるため、開発する形態に合わせて使用するツールを選ぶ必要があります。
この記事では、ノーコードでアプリを開発することを検討する方に向けて、ノーコードでアプリ開発できる無料ツールを7つ紹介します。ノーコードでアプリを開発するメリットや、押さえるべきポイントについても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
ノーコードとは?
ノーコードとは、プログラミングを使わずに一定のサービスの開発をすることです。例えば、Webアプリ制作ツールやWebサイト制作ツール、自動化ツールなどで、ノーコードは使用されています。
ノーコードとローコードの違い
ローコードとは、少数のソースコードを用いて、システムの構築をすることを意味します。ノーコードの場合はソースコードを書く必要はありませんが、ローコードでは最低限のソースコードを書く作業が必要です。
ノーコードが普及している背景
ノーコードが普及している背景は、主に3つあります。
- IT人材が慢性的に不足している
- クラウドサービスの利用が一般化している
- 企業が抱える課題が多様化してきている
それぞれ詳しく解説します。
IT人材が慢性的に不足している
ノーコードが普及している背景として、IT人材が慢性的に不足していることが挙げられます。例えば、自社でアプリ開発をする場合、アプリ開発ができる人材を採用または育成したり、外部に委託したりする必要があります。
しかし、ノーコードでアプリを開発すれば、上記の方法をとらなくても、アプリ開発が可能です。既存の従業員のみでアプリ開発を進められるため、人材コストも削減できるでしょう。
クラウドサービスの利用が一般化している
多くのノーコード開発は、自社内にサーバーを設置せずに、クラウドサービスとして提供しています。従来は、自社の機密情報やユーザーの個人情報などを取り扱うサービスをオンラインで開発するのを、セキュリティリスクの観点より避けてきました。
しかし昨今は、セキュリティリスク対策が充実してきており、クラウドサービスの利用が一般化してきています。
企業が抱える課題が多様化してきている
企業が抱える課題が多様化してきている点も、ノーコードが普及している背景として挙げられます。現在、多くの企業では、一つの課題に対してスピーディーかつ最適な対応が求められています。
課題を解決するには、開発にかける工数をできる限り削減することが大切です。ノーコード開発であれば、開発にかける工数を大幅に削減できるでしょう。
ノーコードでアプリを開発するメリット
ノーコードでアプリを開発するメリットは、主に3つあります。
- 自社にエンジニアがいなくても開発できる
- アプリの開発費用を抑えられる
- アプリ開発までの期間を短くできる
それぞれ詳しく解説します。
自社にエンジニアがいなくても開発できる
ノーコードのアプリ制作ツールさえあれば、プログラミングの知識がなくても簡単に作成できます。
また、現場の従業員がアプリを作成できることから、リリースしてからも使いやすい仕様に改善できるでしょう。
アプリの開発費用を抑えられる
アプリを一から開発するとなると、最低でも数百万円の費用が必要となります。
しかしノーコードでアプリを開発する場合、安価かつ自社で運用できることからコストの削減につながります。
関連記事:自社アプリを作るメリット・デメリットは?開発方法ごとの費用相場も解説
アプリ開発までの期間を短くできる
一からアプリを開発する場合と比較して、開発までの期間を短縮できます。一からアプリ開発をする場合、開発するアプリによっても異なりますが、6ヶ月~1年程度はかかることが一般的です。
しかし、ノーコードでアプリ開発をする場合、3~6ヶ月程度と、従来の開発期間の半分以上削減できます。
関連記事:アプリ開発にかかる期間はどのくらい?手法別の目安も解説
ノーコードでアプリ開発できる無料ツール7選
ノーコードのアプリ制作ツールには、無料で利用できるものもあります。ここでは、ノーコードでアプリ開発できる無料ツールを7つ紹介します。
ツール名 | 特徴 |
Adalo | 直感で使いやすいUI |
AppSheet | 業務内容別のサンプルが用意されている |
Airtable | データベースをより高機能にできる |
Bubble | 約400種類のテンプレート、1,000種類以上のプラグインを利用できる |
Glide | 無料のものから有料のものまで、数百種類ほどのテンプレートが用意されている |
Honeycode | ExcelやGoogleのスプレッドシートなどを簡単にアプリ化できる |
Power apps | Microsoftの他ツールと連携しやすい |
1.Adalo
Adaloは、2018年にリリースされたアメリカ発のノーコード開発ツールです。Adaloで作れるアプリは、以下の通りです。
- Webアプリ(Webの仕組みを利用したアプリ)
- PWA(プログレッシブウェブアプリ:Webサイトをアプリのように使える技術)
- ネイティブアプリ(デバイスにダウンロードしてインストールできるアプリ)
Adaloのメリットは、直感的に動かせるUI(ユーザーインターフェース)です。アプリの操作に慣れていなくても、すぐに操作方法を理解できるでしょう。
2.AppSheet
AppSheetは、2020年にGoogleが買収して有名になったノーコード開発ツールです。GoogleのスプレッドシートなどのGoogleツールと連携し、アプリ開発ができます。
業務内容別に10個のカテゴリに分けられたサンプルが用意されており、目的に合ったものをすぐに使用できるため、業務効率化も図れます。また、自社の求める仕様にカスタマイズすることも可能です。
3.Airtable
Airtableは、ExcelやGoogleのスプレッドシートなどのデータベースを、より高機能にし使用したい方におすすめです。データベースをグラフや表にして見やすくしたり、データを扱う際のアプリを作ったりできます。
4.Bubble
Bubbleは、2012年にリリースされたニューヨークのサービスです。アカウント登録をすると、Webアプリを作成できます。全世界で25万人以上の利用者がおり、約400種類のテンプレート、1,000種類以上のプラグインの利用が可能です。
無料プランでテスト版のアプリの作成は可能ですが、本番リリースする場合は有料プランに加入する必要があります。
5.Glide
Glideは、PWA(プログレッシブウェブアプリ)が作成できるツールです。Googleのスプレッドシートをデータベースにして、アプリのデータ管理を行います。
テンプレートは、無料のものから有料のものまで、数百種類ほど用意されています。
6.Honeycode
Honeycodeは、2020年にリリースされたAWS(Amazon Web Services)で、クラウドサービスの一部です。サービス利用者はインターネット接続環境とパソコンがあれば、アプリを開発できます。
ExcelやGoogleのスプレッドシートなどを簡単にアプリ化できる点がメリットといえるでしょう。
7.Power apps
Power Appsは、「Microsoft Power Platform」の一部として利用できるサービスです。ノーコードのアプリ開発はもちろん、ローコードのアプリ開発も可能です。
Microsoftの他ツールと連携しやすい点がメリットです。Microsoft Power Platformについては、後ほど詳しく紹介します。
業務効率化できるおすすめの無料ノーコードアプリ3選
アプリ制作ツールの導入と合わせて、業務効率化できるノーコードアプリの利用もおすすめです。ここでは、業務効率化できるおすすめの無料ノーコードアプリを3つ紹介します。
ツール名 | 特徴 |
docupilot | テンプレートを使って見積書や請求書などを作成できる |
Microsoft Power Platform | Microsoftの製品と連携して、アプリ開発を行える |
Zapier | GmailやSlackなどのツールを組み合わせた自動化アプリを開発できる |
1.docupilot
docupilotは、多くのデータ蓄積により、ドキュメントを自動作成できるツールです。テンプレートを用いて、見積書や請求書などを簡単に作ることが可能です。
2.Microsoft Power Platform
Microsoft Power Platforは、Microsoftが提供するアプリケーションプラットフォームです。ExcelやWord、Microsoft AzureなどのMicrosoftの製品と連携し、アプリの開発を行えます。
3.Zapier
Zapierは、Webアプリ間のタスクを自動化できるツールです。例えばGmailやSlack、Googleのスプレッドシートなど、さまざまなツールを組み合わせた自動化アプリを開発できます。
ノーコードでアプリ開発する際に押さえるべきポイント
ノーコードでアプリ開発する際に押さえるべきポイントは、以下の通りです。
- まずはツールに慣れることが大切
- 開発者向けのサービスを活用する
- 学習コンテンツを活用する
それぞれ詳しく解説します。
まずはツールに慣れることが大切
ノーコードでアプリを開発する際には、まずはノーコード開発ツールに慣れることが大切です。実際に操作をしていくことで、ツールの操作方法や機能などに対する理解が深まっていくことでしょう。
ツールの中には、無料でトライアルできるプランを設けている場合もあるため、有効活用することをおすすめします。
開発者向けのサービスを活用する
ノーコードに関する専門サイトやオンラインサロンなど、開発者向けのサービスを活用する方法もおすすめです。時期によっては、ノーコードに関するイベントも開催されているので、参加してみてください。
学習コンテンツを活用する
ノーコードの学習コンテンツを活用するのも、一つの手です。ノーコード開発ツールを操作する際には、疑問が生じたり、壁にぶつかったりするケースもあるでしょう。
そのため、各アプリが提供するチュートリアルや、利用者が提供するコンテンツを活用することをおすすめします
まとめ:ノーコードなら誰でもアプリ開発ができる
ノーコードのアプリ開発なら、自社にシステムエンジニアがいなくてもアプリ開発が可能です。また、一からアプリを開発するよりも、開発費用を抑えられたり、開発までの期間を短くできたりするメリットもあります。
無料で利用できるノーコード開発アプリも多数あるので、自社の目的に合ったアプリを活用し、アプリ開発を進めてみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
hata