アプリの受託開発とは?手順の流れからメリットまで解説
公開日:2023.12.27 最終更新日:2024.09.30
スマートフォンアプリに限らず、自社でのアプリ開発を考えている企業もあるでしょう。
アプリを活用することで、社内でのコミュニケーションが活発になったり、マーケティングに役立てることが期待できます。
この記事では、アプリの受託開発の流れからメリット・デメリットをわかりやすく解説しています。アプリの受託開発を検討している企業の方は、ぜひ最後までご覧ください。
アプリの受託開発とは
アプリの受託開発とは、、システム開発を専門に行っている企業に依頼することです。
アプリはコンピューターをより効率的に活用するために存在します。
例えば、Webアプリの代表は通販サイトやホームページ、ネイティブアプリはアプリストアからダウンロードする一般的なアプリを指します。どちらのアプリを開発する場合でも、プログラミングの専門的な知識が必要です。
アプリを受託開発することで、専門企業に開発を依頼できます。
アプリを受託開発するためのステップ
アプリの受託開発を行う場合に、踏むべき手順があります。アプリを受託開発するためのステップは以下の5つです。
- アプリの企画立案
- 外注する企業を選んで見積を取る
- 見積を比較して契約する
- アプリ開発の企画をする
- ストア申請・公開
それぞれ詳しく解説します。
アプリの企画立案
どのようなアプリを開発するのかを企画します。
自社の課題や業務の弱点を補うため、アプリに期待している機能や役割の明確化が必要です。アプリの概要が固まったら開発にかけられる期間も設定し、提案依頼書の形にまとめましょう。
外注する企業を選んで見積もりを取る
提案依頼書が完成したら、アプリの受託開発を請け負う外注先を選定しましょう。
アプリ開発を専門にしている企業でも、目的とするアプリ機能や性質によって得意、不得意があります。企業の特性を理解し、選定しましょう。
見積もりを比較して契約する
開発期間についてもすり合わせを行います。開発期間が短くなるほど、人件費が高くなる傾向にあります。
複数の企業から見積もりを取り、もっとも希望に沿うことのできる、開発計画と費用感の企業を選ぶとよいでしょう。
関連記事:アプリ開発で見積もりを依頼する際に必ず注意すべき6つのポイント
アプリ開発の企画をする
アプリを受託開発する先が決定したら、企業と共同でアプリ開発の企画を行います。
外注先に任せきりにせず、自社の考えや業務の流れなどを理解してもらえるよう、積極的に開発に関与する姿勢が必要です。
外注先と意思疎通を上手く取ることにより、アプリが完成した後に「想定していた機能がない」や「作ってみたらまったく役に経たなかった」などの残念な結果を防げます。
企画内容をもとに開発を進める
企画書をもとに、アプリを形にしていく工程です。アプリ開発にはプログラミング言語を用いて1から開発するフルスクラッチ型と、アプリ開発ツールを使うノーコード型があります。
自由度が高いのはプログラミング言語による作成で、柔軟なカスタマイズが可能です。ノーコード型の開発は機能面の制約があるものの、費用を抑えて効率的にプロジェクトを進められるメリットがあります。
なおアプリの開発期間はプログラムの複雑さによって異なり、目安として4〜6ヶ月程度です。規模が大きい場合は、1年以上かかることもあります。
ストアへの申請準備を行う
アプリ開発が完了したら、ストアへ申請するために必要な情報を準備します。プロモーションを成功させるためにも、スクリーンショットや動画、説明文などを丁寧に作成することが重要です。
申請準備を進める際は、Apple StoreのガイドラインやGoogle Playのデベロッパーポリシーを確認し、規約の遵守を心がけましょう。審査基準を満たしていないと、申請に落ちることがあります。
なおApp Storeの審査は、Google Playに比べて審査が厳しく、時間も長くかかる傾向です。開発期間とあわせて、余裕を持ったスケジュールで進めてください。
ストア申請・公開
アプリの開発が完了したら、アプリストアに申請します。
自社・外注先の企業のどちらでも申請できます。どちらが申請を行うのかは、あらかじめ決めておきましょう。
アプリリリース後のモニタリング
システムが安定して稼働するかどうかを確認するため、リリース後はモニタリングを実施します。モニタリングの目的は、アプリのエラーやバグなどの問題を早期に見つけ出し、迅速な対応を行うことです。
さらにユーザーからのフィードバックを積極的に収集することで、アプリの改善点が明らかになります。機能や使い勝手を改善することでアプリの品質が高まり、評判の向上につながるでしょう。
アプリを受託開発するメリット
アプリを受託開発するメリットは3つあります。
- アプリ開発の専門家に依頼できる
- アプリの品質を担保できる
- アプリ開発にリソースを取られない
メリットを十分理解し、アプリの受託開発を検討しましょう。
アプリ開発の専門家に依頼できる
アプリの受託開発は、知識や技術を持った専門家に依頼できます。
自社にアプリケーションを開発できる人材や、ノウハウがない場合でもアプリ開発を進められる点が魅力的です。
1から人材を育てるには時間もかかりますし、機材を揃えるのにもコストがかかります。アプリ開発会社に外注すれば、初期費用を抑えられます。
アプリの品質を担保できる
アプリ開発会社に受注すると、アプリケーションの品質が期待できます。
時間とコストをかけて作ったアプリは、不具合が少ない方がよいでしょう。プロに受注することで不具合が起きにくいアプリケーションが期待できます。
アプリ開発にリソースを取られない
アプリを自社で開発する場合、通常業務と並行してアプリ開発作業を行わなければならないため、社員1人あたりの負荷はどうしても大きくなります。
また、開発を行うための知識習得も必要になり、教育のための時間も確保しなくてはなりません。
アプリを自社開発する場合、時間とマンパワーを取られてしまうでしょう。
アプリを受託開発するデメリット
アプリの受託開発を検討している場合に、デメリットがメリットを上回る場合は、別の手段を検討してみるのも良いでしょう。
コストが掛かる
アプリの受託開発は、コストがかかります。
想定より開発するための期間が伸びたり、問題が発生して解決するために人員を補充するなど、外注するとコストに対してのコントロールが利かせずらくなります。そのため、自社でアプリを開発するよりもコストが増大してしまう可能性があるでしょう。
メンテナンスを考える必要がある
アプリを開発し、完成した後もメンテナンスが必要です。
不具合が発生した場合はプログラムを修正する必要があり、継続的なメンテナンスは欠かせません。受託開発したアプリの場合は、外注先の開発会社にアプリのメンテナンスも依頼できることを確認すると良いでしょう。
アプリ開発のノウハウを蓄積できない
アプリを受託開発すると、開発に必要な知識が自社に根付きません。
自社で1から開発する場合と異なり、開発作業に携われる範囲が限定的になってしまうからです。新たなアプリを企画する時にも、アプリ開発のノウハウがないので、自社で開発するのは難しいといえるでしょう。
アプリの受託開発の費用相場
受託開発の費用相場は、アプリの種別や開発手法によって開きがあります。アプリ種別ごとの費用相場は、おおむね次のとおりです。
アプリの種別 | ノーコード型 | フルスクラッチ型 |
マッチングアプリ | 1,500,000~5,000,000円 | 3,000,000~25,000,000円 |
予約アプリ | 1,000,000~5,000,000円 | 1,500,000~20,000,000円 |
業務支援システム | 1,500,000~6,000,000円 | 3,000,000~25,000,000円 |
SNS | 2,000,000~5,000,000円 | 5,000,000~20,000,000円 |
メッセージアプリ | 1,000,000~4,000,000円 | 1,500,000~20,000,000円 |
ゲームアプリ | 2,000,000~10,000,000円 | 5,000,000~35,000,000円 |
決済機能つきアプリ | 1,500,000~5,000,000円 | 2,000,000~25,000,000円 |
アプリ開発ツールを使用したノーコード型の開発であれば、フルスクラッチ型よりも費用を抑えられます。なおアプリに必要な機能によって最適な開発手法は異なるため、見積もりや問い合わせの際に確認することが重要です。
またアプリの種別だけでなく、対応するOSや機能の種類によっても費用は変動します。おおよその価格帯を知り、変動する要因についても把握しましょう。
受託開発の費用が変動する要因
受託開発の費用は、下記のようにさまざまな要因によって変動します。
変動要因 | 詳細 |
人件費 | 初級SE~上級SEで相場が異なり、作業にあたるエンジニアの人数が増えるほど人件費が高くなる |
開発期間 | 開発期間が長くなるほど費用も高くなる |
アプリの機能 | 複雑な機能の実装や、機能数の多さによって費用が変動する |
アプリの種類 | コミュニティアプリやゲームアプリなど、開発するアプリのタイプによって費用が変動する |
開発手法 | どの開発手法を用いるかで費用や期間が異なる |
OSの種類 | App StoreかGoogle Playのどちらでリリースするかによって費用や期間が異なる |
アプリの開発費用は、上記の要因が複雑に絡み合って決定されます。費用を抑えたい場合は必要な要件を明確にし、複数の開発会社に見積もりを依頼することが重要です。
アプリの受託開発を検討する際のポイント
アプリの受託開発を検討する際のポイントをご説明します。
自社開発した場合と比較する
自社でアプリ開発した場合のメリットと受託開発した場合のメリットを比較して、自社でアプリ開発した場合のメリットが上回るようであるなら、自社開発してみるのもおすすめです。プロジェクト経験やIT人材の有無、スケジュールなどを踏まえたうえで、自社開発に取り組むべきか検討しましょう。
ただし自社にリソースが足りない場合や、短期間で高品質なアプリを実装したいときは、受託開発が向いています。自社の技術力やリソースでプロジェクトに取り組めるか、開発遅延や品質問題のリスクをどの程度許容できるか、十分検討することが大切です。
外注する範囲を明確にする
アプリの受託開発にはいくつかの工程があります。それぞれの工程を自社と外注のどちらが作業するのかは、最初に依頼する段階で明確にしましょう。
なお、アプリのテストは自社で請け負った方がよい工程です。自社のサービスを深く理解する社内の人間がテストを実施することで、業務知識に基づいた視点で問題点を見つけ出せます。
依頼先の実績やポートフォリオを確認する
自社が開発したいアプリに適合する依頼先を見つけ出すため、実績やポートフォリオなどから積極的に情報収集しましょう。これらの情報を参考にすることで、開発会社の技術力や強み、得意分野などを把握できます。
とくに重要な点は、実装したいアプリと類似する実績を開発会社が持っているか確認することです。たとえばゲームアプリを開発したい場合は、ゲームアプリの技術やノウハウが豊富な開発会社への依頼が適しています。
また、開発実績とあわせて顧客からの評価や評判も参考にするとよいでしょう。さまざまな点を考慮しながら多角的に評価することで、最適なパートナーを見つけられます。
アプリの受託開発で費用を抑えるためのポイント
アプリを開発する際に気になるのはコストです。できるだけコストを抑えて開発できた方が望ましいものです。
この章では、受託開発で試用を抑えるためのポイントを解説しています。
必要な機能を厳選する
費用を抑えるために、必要な機能を厳選して開発する方法があります。
余計な機能を実装するとその分、開発にコストが必要になります。コストを抑えるために、本当に必要な機能のみ搭載しましょう。
開発の一部を自社で行う
アプリの開発工程をすべて任せるのではなく、一部の作業を自社で受け持つことで費用を抑えることができます。テストの一部やアプリストアへの申請など、負担できる範囲で行ってみるのも良いでしょう。
プラットフォームを利用して開発する
プラットフォームを利用し、アプリ開発に掛かる期間を短縮することが期待できます。期間が短くなればそれだけ人件費が削減できるでしょう。
また、プラットホームの特性上、すでに用意された開発環境を使うことができるのでプログラミングの知識がなくてもアプリを開発できます。
関連記事:アプリ開発のプラットフォームおすすめ7選!選び方のポイントも解説
まとめ:アプリの受託開発のメリットを見極めましょう
ビジネスパーソンにとって、アプリは業務遂行のために欠かせないものです。
アプリ開発を検討している企業の方は、アプリを受託開発するメリットとデメリットをそれぞれ見極めて、自社の状況や今後の戦略を考えて、受託開発を検討しましょう。
この記事を書いた人
hata