複合機の耐用年数とは?適切な買い替えのタイミングとともに解説
公開日:2019.08.13 最終更新日:2024.04.30
複合機はオフィスに欠かせない機器です。
もし故障したら、様々な業務に支障がでてしまうでしょう。
機器が故障する前に、あらかじめ買い替え時期を検討する必要があります。
そこで、今回は複合機の買い替えの目安となる耐用年数と、買い替えにおすすめのタイミングをご紹介します。
「オフィスの複合機がいつ設置されたか覚えていないな……」
という事業者様は、ぜひ本記事を参考に買い替えの時期を考えてみてください。
複合機の寿命は法定耐用年数が5年、印刷枚数は10万ページ
耐用年数とは減価償却資産として耐えられる期間のことを言います。
つまり、耐用年数の期間は減価償却期間として認められ安全に使用することができます。
国が定めた複合機の法定耐用年数は5年です。
法定耐用年数はリース契約の適正期間にもかかわってきます。
リース契約をお考えの方や契約中の方は、ぜひ複合機リース期間と相場表のまとめ記事もご覧ください。
また、総印刷枚数も耐用年数の目安になります。
法定耐用年数前でも、総印刷枚数が多ければ故障の確率は上がっていきます。
そのため、一般的に複合機は総印刷枚数10万ページが耐用年数の限界とされています。
複合機が故障した際、安く済ませるためにも耐用年数を確認して、買い替えではなく修理を検討することもありますよね。
修理か買い替えか悩んだ際は、耐用年数が法定耐用年数である5年、印刷枚数なら10万ページが目安になります。
耐用年数に余裕があり、買い替えよりも料金が安いのあれば、修理を選択するといいでしょう。
中古品の耐用年数は?
複合機を安く購入するために、中古品の購入を視野に入れる方もいると思います。
しかし、中古品はある程度耐用年数が経ったものがほとんどで、購入した際に耐用年数がギリギリだという場合もあります。
中古品購入の際には、機器の使用年数を確認して、耐用年数を逆算する必要があります。
また、耐用年数を超えても機器は使えます。
ただ機器それぞれに耐用年数が異なるため、耐用年数を超過した機器は故障しやすいリスクがあります。
長く使い続けるためにはこまめなメンテナンスが必要でしょう。
複合機を買い替えるのにおすすめの時期は?
複合機の耐用年数が近づいて買い替えをする際には、なるべく安く、いい製品を選びたいですよね。
複合機が故障して使えなくなったのではなく、耐用年数が来る前だからこそ、いいタイミングを選ぶことができます!
本項目では、複合機を買い替えるのにおすすめの時期をご紹介します。
発売から半年後を狙う
新型の複合機を購入したい場合、発売から半年は価格がそのままであることがほとんど。
価格が安くなるのは発売から半年と言われています。
新型の発売から半年後のタイミングを狙って買い替えましょう!
旧モデルの在庫処分を狙う
新型複合機の発売が発表されると、発売前に在庫処分で旧モデルが安く売りだされます。
旧モデルと新モデルで機能やデザインに多少違いもあるでしょうが、特にこだわりがない場合は、旧モデルが在庫処分されるタイミングを狙ってみてはいかがでしょうか。
キャンペーンを狙う
メーカーもしくは販売店がキャンペーンとして複合機を安く売りだすことがあります。
こまめにチェックしておかないと分かりませんが、新入生や新入社員が入る3~4月ごろはキャンペーンが多い傾向があります。
複合機・コピー機の減価償却の計算方法
複合機やコピー機を減価償却するためには、以下2つの計算方法で費用を算出します。
- 定額法
- 定率法
定額法は毎年一定額で償却、定率法は毎年の残存価額から一定の割合で償却する方法です。
それぞれの計算方法や、自社がどのような場合に定額法、もしくは定率法が該当するのかを解説します。
定額法
定額法は毎年一定額で償却する計算方法で、「取得金額×償却率」の式で算出できます。
注意点として、取得金額はコピー機や複合機の購入にかかった費用全般を指します。本体価格だけではなく、運賃や手数料なども含まれるため注意が必要です。
また償却率は、耐用年数ごとに規定があります。コピー機や複合機の耐用年数は5年のため、償却率は0.2です。
〜償却率の算出方法(定額法)〜 1÷耐用年数 |
たとえば取得金額が100万円の複合機を5年間で償却する場合、以下のようになります。
償却率=1÷5=0.2 年間償却費=取得価額×償却率=100万円×0.2=20万円 |
ただし残存簿価のため、5年目のみ19万9,999円で償却し1円を残します。残存簿価とは、法定耐用年数の後にも残る固定資産の価値のことです。
固定資産は使用過程で価値が減少しますが、法定耐用年数を過ぎたからといって完全に価値が無くなる訳ではありません。
そこで5年目のみ19万9,999円で償却し残存簿価を1円残すことで、資産の価値を0にしないようにします。
残存簿価を1円残したことで、減価償却を終えた後も減価償却資産として活用している証拠になるのです。
定率法
定率法は毎年の残存価額から一定の割合で償却していく方法で、以下の計算式で算出できます。
〜定率法の計算式〜 未償却残高×定率法の償却率 |
ただし額が償却保証額を下回った場合は、「改定取得価額×改定償却率」で計算しなければなりません。なお償却保証額の概念は、定率法にのみ定められています。
では実際に以下の条件に当てはめて、定率法で複合機を減価償却してみましょう。
・取得金額=100万円 ・法定耐用年数=5年 ・償却率(定率法)=0.400 ・改定保証率=0.500 ・償却保証率=0.10800 ※減価償却資産の償却率等は、国税庁のサイトで確認可能です。 |
まずは償却保証額を算出します。償却保証額は「取得価額×償却保証率」で算出できるため、100万円×0.10800=10万8,000円が償却保証額です。
上記の数字をもとに定率法の計算式「未償却残高×定率法の償却率」で各年の償却額を算出すると、以下の通りです。
年数 | 未償却残高 | 償却率 | 償却額 |
1 | 100万円 | 0.4 | 40万円 |
2 | 60万円 | 0.4 | 24万円 |
3 | 36万円 | 0.4 | 14.4万円 |
4 | 21万6千円 | 0.5 | 10万8千円 |
4年目は償却保証額である10万8千円を下回るため、改定保証率である0.500で計算します。
また定額法と同様に残存簿価で1円残す必要があるため、5年目の償却額は「10.8万円×0.5-1円=10万7,999円」となります。
複合機・コピー機を減価償却する際の注意点
複合機・コピー機を減価償却する際の注意点は、以下の通りです。
- 原則として法人は「定率法」、個人は「定額法」が適用される
- 耐用年数に注意する
- 勘定科目の扱いを把握する
- 処分時の手続きに注意する
それぞれ詳しく解説します。
原則として法人は「定率法」、個人は「定額法」が適用される
減価償却の計算方法は、原則として個人の場合は「定額法」、法人の場合は「定率法」が適用されます。
ただし「減価償却資産の償却方法の届出」をすれば、計算式を変更できます。
定額法は計算方法が簡単で、毎年一定額を計上するため資金計画が立てやすいのが特徴です。
一方、定率法は初期段階に減価償却費を多く計上できるため、利益を抑えて節税対策につながります。自社の状況に合わせて、どちらの方法で減価償却するか検討しましょう。
耐用年数に注意する
複合機やコピー機の法定耐用年数は5年ですが、これは新品の場合に適用される数字です。
中古品を購入した場合は、製造日や金額によって法定耐用年数が変わります。新品価格の50%を超えるものであれば、法定耐用年数の5年で算出可能です。
もし新品価格の50%を下回る場合には、使用可能な年数を見積もって減価償却額を算出します。耐用年数を誤ると過年度分の訂正ができないため注意しましょう。
勘定科目の扱いを把握する
複合機は購入価格によって勘定科目が変わります。10万円未満なら「消耗品費」、10万円以上なら「工具器具備品」に該当します。
税法上10万円以上の複合機は、基本的には「固定資産(減価償却資産)」での処理が必要です。
ただし金額によっては「一括償却資産(取得費用の1/3を3年間にわたって費用計上)」や「少額減価償却資産(取得した年度に全額を損金計上)」での処理も可能です。
自社の財務状況に合わせ、適切な会計方法で処理すると良いでしょう。
処分時の手続きに注意する
減価償却中の複合機を処分する際は、除去処理が必要です。除去処理とは事業での使用を途中で取りやめ、帳簿から外す処理を指します。
複合機の処分後に除却処理をしなかった場合、本体がないのに償却資産税だけを支払う必要があるため注意しましょう。
複合機・コピー機の耐用年数でよくある質問
複合機やコピー機の耐用年数で、よくある質問を3つ紹介します。
- 国税庁が定める複合機の耐用年数の確認方法は?
- 複合機のリース期間は何年ですか?
いずれも複合機やコピー機を減価償却する際には、把握しておきたい内容です。では、それぞれ詳しく解説します。
国税庁が定める複合機の耐用年数の確認方法は?
下記の国税庁のサイトにて確認できます。
耐用年数を間違えると、過年度分の訂正ができなくなります。減価償却の際には上記のサイトを確認し、正しい年数で算出するようにしましょう。
複合機のリース期間は何年ですか?
複合機のリース期間は3〜7年の間で自由に設定できますが、一般的には法定耐用年数である5年で契約されることがほとんどです。
複合機の長期リースは毎月の費用を抑えられる反面、途中解約できないといったデメリットもあります。
自社の状況に合わせて、購入またはリースで運用するか検討してみましょう。
複合機の法定耐用年数は5年!タイミングを見計らって早めに買い替えよう
以上で説明してきた通り、複合機は定耐用年数5年と印刷枚数10万ページを目安にすることで、トラブルなく買い替えることができるでしょう。
壊れてから慌てて複合機を買い替えるのではなく、耐用年数を意識して余裕をもった買い替えを検討し、用途に合った複合機を安く手に入れましょう!
ぜひ複合機の耐用年数を確認して、本記事を参考に買い替えの時期を検討してみてください。
「オフィスの複合機を確認してみたらもう法定耐久年数を超えていた!」
という事業者様は、ぜひEMEAO!にお問い合わせください。
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この記事を書いた人
編集部員 河田
編集部員の河田です。編集プロダクションでの書籍編集の経験を経て、現在はEMEAO!のWebコンテンツ編集・執筆とお客様へのインタビューを担当させていただいています。日々、コツコツと皆さんのお役に立つ情報を発信していきます!よろしくお願いします。