複合機の対応用紙サイズはどう選ぶ?業種ごとに適切なスペックを解説
公開日:2019.10.28 最終更新日:2024.05.15
一般的に、複合機本体にはA4やB5サイズの用紙へ印刷がしやすいよう、用紙サイズごとのカセットがついています。
しかし、業種によってはカセットに対応していないB0サイズの用紙や、はがきのように定型用紙以外のサイズの用紙を頻繁に使うという場合も考えられます。
業種によって扱う用紙のサイズが異なるので、「どのサイズの用紙まで印刷できるのか」という点も複合機選びでは重要です。
そこで本記事では、日常的に印刷する用紙サイズごとの複合機の選び方を解説していきます。
大判サイズの用紙や定型用紙以外への印刷をお考えの事業者様は、ぜひ最後までご覧ください。
複合機の種類は主に2つ
複合機のサイズは、「自立型」と「卓上型」の2種類に分類されます。
メーカーや機種によって異なりますが、一般的なサイズや重量は以下のとおりです。
自立型 | 卓上型 | |
サイズ | 幅 600mm 奥行 600mm 高さ 1,200mm | 幅 250mm 奥行 400mm 高さ 400mm |
重量 | 50~100kg | ~50kg |
それぞれの違いを見ていきましょう。
自立タイプ
自立型は、オフィスやコンビニでよく見かける大型の複合機です。一般企業の約8割が導入しているため、業務用複合機ともよばれます。
サイズはメーカーや機種によって異なりますが、幅・奥行き600mm、高さ1,200mm程度が一般的です。
給紙カセットが4段付いているのが特徴で、ハガキからA3まで幅広いサイズを出力できます。
家電量販店やインターネットでは販売されないため、導入する際はメーカーもしくは専門の販売業者に問い合わせる必要があります。
卓上タイプ
卓上型は、デスクや棚の上に設置するコンパクトサイズの複合機です。省スペースで設置可能なため、業務用だけでなく家庭用としても使用されます。
サイズはメーカーや機種によって異なりますが、幅250mm、奥行き・高さ400mm程度が一般的です。重量も50kg未満と軽いため、置き場所を選びません。
ただし、耐久性が弱いので、多くの紙を出力するのには不向きです。
月間印刷枚数500枚以下など、複合機の使用頻度が低いオフィスに適しています。
一般的な複合機の対応サイズについて
ここからは、ごく一般的な複合機で扱うことのできる用紙のサイズと適した業種について解説します。
専用の用紙カセットで扱える用紙のサイズ
一般的な複合機のカセットは、A4、B5、B4、A3サイズの用紙をセットできます。
また、専用の用紙カセット以外にも、手差しトレイがあるため、定型用紙以外のサイズに印刷することも可能です。
オフィスで使われるビジネス書類のサイズはA4が圧倒的に多く、チラシはB5サイズ、建築の設計図はA3サイズと用途によって用紙のサイズは変わっていきます。
また、B0用紙のような大判サイズは一般的な複合機では対応していません。
A4、B5、B4、A3の用紙サイズまで対応している一般的な複合機は、営業資料や経理関係の資料を印刷する一般的なオフィスや、建築関係の事業所、コンビニなどの設置に向いています。
手差しトレイで印刷できる用紙のサイズ
一般的な複合機は、手差しトレイによって定型用紙以外のサイズを使うこともできます。
専用カセットでは対応していない用紙サイズであるはがきやL版(写真サイズ)、名刺サイズなどの用紙は、手差しトレイで印刷ができます。
ただし、手差しトレイは頻度の低いサイズの用紙を想定しています。
そのため、一度に大量の用紙をセットすると、紙詰まりのようなトラブルが起きやすいというデメリットがあります。
日常的に定型用紙以外のサイズへの印刷を想定している場合は、手差しトレイを使うよりも、求めている用紙サイズの専用の用紙カセットがある機器を選ぶべきでしょう。
大きなサイズの用紙を複合機で使いたい場合は?
ポスターでよく使われるB0~B2の用紙サイズは、一般的な複合機では大きすぎて扱うことができません。
大判サイズをスキャン・印刷できる大判複合機であれば、ポスターのような大きなサイズの用紙に印刷できます。
大判複合機の場合は1枚ごとの用紙サイズが大きいため、一般的な複合機のようにカセットに1枚ずつ用紙を重ねられません。
そのため、大判複合機の場合はコピー用紙ではなく、ロール紙が必要です。
プリンターでロール紙に印刷し、指定のサイズにそって機器がカットしてくれるという仕組みになります。
ポスターや新聞など大きなサイズの用紙への印刷に使われるため、大判複合機では出版・印刷関係の企業では必須といえるでしょう。
ただし、一般的な複合機と比べて機器本体やロール紙の値段は高く設定されている傾向にあります。
複合機のサイズ選びで注意すべきこと
複合機のサイズを選ぶ際は、以下の4点に注意が必要です。
- 設置スペースをチェックする
- 対応可能な用紙サイズを確認する
- 用紙サイズの使用頻度を把握する
- 配線経路を確保する
順番に見ていきましょう。
設置スペースをチェックする
複合機のサイズを選ぶ際は、オフィスに十分な設置スペースを確保できるか確認しましょう。
複合機の一般的なサイズは以下のとおりです。
自立型 | 幅600mm×奥行600mm×高さ1,200mm |
卓上型 | 幅250mm×奥行400mm×高さ400mm |
ただし、これらはあくまでも目安です。実際の大きさはメーカーや機種によって異なるため、導入予定の複合機が設置できるか事前に測ると安心でしょう。
設置スペースを確認せずに複合機を導入すると、給紙やトナー交換をスムーズにおこなえなくなる可能性も。とくに自立型は重量が50〜100kgあるため、設置すると動かすのは困難です。
なお、設置スペースを計測する際は、本体サイズだけでなく給紙時の奥行きも確認しましょう。
対応可能な用紙サイズを確認する
複合機のサイズを選ぶ際は、対応可能な用紙サイズを確認することも重要です。
卓上型で出力できる最大用紙サイズはA4が一般的です。
設置した後にA3を印刷したいと思っても、最大サイズ以上の用紙は使用できません。
ただし自立型の場合は、多くの機種がA3サイズに対応しています。
用紙サイズの使用頻度を把握する
用紙サイズの使用頻度を確認したうえで、複合機のサイズを選ぶのも重要です。
たとえばA3サイズの使用頻度が低いなら、本体価格やランニングコストの安いA4複合機の導入を検討するのも一つの手段です。
使用頻度の高い用紙サイズに対応する複合機を導入することで、コスト削減につながります。
配線経路を確保する
設置スペースだけでなく、十分な配線経路を確保できるのかを考慮しましょう。
複合機はインターネットに接続して使用しますが、基本的にはLANケーブルでの有線接続が推奨されています。無線が可能な機種もありますが、安定した回線を確保するには有線接続が安心です。
また、複合機でFAX機能を使用する場合は、FAX線もつなぐ必要があります。
配線経路を確保せずに導入すると、ケーブルが届かなかったり、複雑配線によってオフィスの美観を損ねたりする恐れがあるため注意しましょう。
おすすめの複合機をサイズ別に紹介
ここからは、オフィスにおすすめの複合機をサイズ別に紹介します。
- シャープ BP-70C26(自立型)
- リコー IM C6000(自立型)
- キャノン MF755Cdw(卓上型)
- 富士フィルム ApeosPort C2410SD(卓上型)
それぞれの大きさや特徴も解説するので、ぜひ参考にしてください。
シャープ BP-70C26
シャープ「BP-70C26」は、2022年にグッドデザイン賞を受賞した、オフィス利用に最適な自立型複合機です。
スタイリッシュな見た目でデザイン性が高いため、オフィスの雰囲気を崩したくない場合におすすめです。
その他、使用頻度の高いメニューをワンタッチで起動できる機能や、クラウドサービスに接続できる機能も搭載されています。
タイプ | 自立型 |
本体サイズ | 幅609mm×奥行662mm×高さ860mm |
重さ | 約87kg |
最大用紙サイズ | A3 |
リコー IM C6000
リコー「IM C6000」は、業務効率化と生産性向上を実現できる高性能な業務用複合機です。
リコー独自の「RICOH e-Sharing Box」をはじめ、数多くのクラウドサービスに対応しています。
スマートフォンやタブレットとも連携できるため、社内外の区別なく素早い情報共有が可能です。
また、紙折りユニットやフィニッシャーなどのオプションにも対応しています。利便性を重視するオフィスに適しているでしょう。
タイプ | 自立型 |
本体サイズ | 幅587mm×奥行685mm×高さ963mm |
重さ | 約103kg |
最大用紙サイズ | A3 |
キャノン MF755Cdw
キャノン「MF755Cdw」は、カラーとモノクロの高速印刷に対応した卓上型複合機です。
コンパクトで軽量なので、オフィス内に十分なスペースがなくても設置できます。
また、一度で両面をスキャンできる機能や、PC操作なしでデータを送信できる機能も搭載されています。
タイプ | 卓上型 |
本体サイズ | 幅412mm×奥行395mm×高さ345mm |
重さ | 約21.7kg |
最大用紙サイズ | A4 |
富士フィルム ApeosPort C2410SD
富士フイルムの「ApeosPort C2410SD」は、コンパクトかつ軽量な卓上型複合機です。
机やカウンター、棚の上など場所を選ばず設置できます。
A4からA6の定形サイズに加え、非定形サイズにも対応しているため、さまざまな用途で活用可能です。
また、エコモードなら用紙やトナーを節約しながら印刷できるので、コスト削減や環境への配慮にもつながります。
タイプ | 卓上型 |
本体サイズ | 幅412mm×奥行395mm×高さ345mm |
重さ | 約19.4 kg |
最大用紙サイズ | A4 |
日常的に印刷する用紙のサイズに合った複合機選びを
今回は、業種別に必要な用紙のサイズと、選ぶべき複合機について解説しました。
日常的に扱う書類が一般的な事務作業に必要な書類や、ビジネス書類程度の業種であれば、ごく一般的な複合機の機種で問題ありません。
A4、B5、B4、A3以外のサイズや、定型用紙外のサイズを日常的に印刷する業種は、各サイズに対応している機種を選ぶとよいでしょう。
出版会社や印刷会社では、幅広いサイズの用紙を扱えるようにするため、複数のプリンターを設置しているというケースもあります。
一般的な機種と併せて、大判複合機を導入することも一つの手段です。
定型用紙以外、もしくは大判サイズの用紙を日常的に扱う業種の方は、ぜひ本記事を参考に複合機の導入をご検討ください。
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この記事を書いた人
編集部員 濵岸
編集部員の濵岸と申します。コンテンツ作成と取材を主に担当しております。身長が低いため学生時代は「お豆」と呼ばれていました!豆らしく、皆様の役に立つ記事を「マメに豆知識を!」の意識で作成します!どうぞよろしくお願いいたします!