複合機の設置作業の流れを3つのステップに分けて解説
公開日:2019.10.29 最終更新日:2024.09.27
本記事では、複合機を設置する具体的な流れについてご説明します。
複合機の設置でトラブルを避けるためにも、ぜひ設置前にご一読して参考にしてみてください。
複合機の設置作業の流れ
複合機を設置するまでの大まかな流れは以下のように、3ステップに分けられます。
- 複合機を置く場所の状況確認
- 設置日の確定
- 搬入・設置工事の実施
ステップ①複合機を置く場所の状況確認
複合機を設置する際は、まず複合機を置く場所や運び込む経路を確認します。
複合機の設置工事をスムーズに行うために最も重要な下準備であり、工事当日のトラブルを防ぎます。
設置工事前には業者が直接設置場所を確認することもあるので、必ず設置場所やその周辺はきれいに片付けておきましょう。
ただし業者によっては設置場所の確認をしない場合もあるので、その場合は以下の点をあらかじめ確認して事前に業者に伝えておきましょう。
確認①複合機を2階以上に設置する場合エレベーターから搬入できるか
複合機は精密機器であるうえに非常に重量のある機械であるため、基本的に搬入は複数人で行います。
しかし、設置場所が2階以上でありエレベーターがない場合、搬入に大きな負担がかかるためスタッフを増やす必要があり追加料金が発生することもあります。
そのため、エレベーターの有無を確認し、またエレベーターからの搬入が可能かどうかを事前に業者に伝えましょう。
通路が広いようであれば台車を活用して少人数での搬入ができるケースもあるので、事前に業者に相談するとよいです。
確認②電源やLANケーブル・電話線は設置場所の近くにあるか
複合機を設置する際に電源やLANケーブル・電話線等が近くにないと、専用の長いケーブルや延長コードが必要になったりと余分な費用がかかる可能性があります。
また、通路をまたいで接続する場合であれば、何かの拍子につまづいて大きなトラブルにも発展しかねません。
複合機の無線プリントやFAX機能を使うためには、電源だけでなくLANケーブルや電話線も必要となるためあらかじめ近い位置を設置場所に決めておきましょう。
どうしてもレイアウトの都合上難しい場合は、事前に配線工事を行って都合の良い位置にケーブルを持ってくることも可能です。
気になるようであれば、事前に業者に相談しておくとよいでしょう。
ステップ②設置日の確定
複合機の設置場所が決定したら、次は実際に搬入・設置工事を行う日程を確定します。
複合機の設置で何かトラブルがあった際にすぐに対応できるよう、なるべく担当者が立ち会える候補日を複数提案しましょう。
また、古い複合機がある場合は、その複合機の撤去工事日以降に、新しい複合機の設置日を設定する必要があります。
撤去工事が必要な場合は、新しい複合機を使い始めたい日から逆算して対応可能な日程を決定しましょう。
ステップ③搬入・設置工事の実施
複合機を実際に搬入・設置工事を行う際は、なるべく担当者が立ち会うようにしましょう。
工事の間ずっとそばにいる必要はありませんが、離れている間も業者からの連絡が取れるようにしておくと安心です。
無事に複合機の設置が完了したら、業者と一緒に動作確認作業を必ず行いましょう。
接続したパソコンから文書を問題なくプリントできるか、FAXが正常に印刷できるか、コピーエラーは起きないかなど細かいチェックが重要です。
問題なく複合機が使用できることを確認できれば、設置工事は完了となります。
複合機の適切な設置場所
複合機を設置する際は、以下の場所を選びましょう。
- 周囲にスペースを確保できる場所
- 従業員が使いやすい場所
- 水平で安定した場所
- セキュリティ上問題がない場所
使いやすさを意識しながら、危険を避ける観点からも適切に設置してください。
周囲にスペースを確保できる場所
複合機は人が前に立って使用するほか、トナー交換や用紙の補充などで必要時に開閉します。周囲には十分なスペースを確保し、作業の邪魔になったり導線を防いだりしない場所に設置してください。
複合機は一般的に、幅・奥行ともに60cm以上の大きさがあります。前面100cm程度、左右50cm程度のスペースを確保しましょう。
また、トナーや用紙がスムーズに補充できるよう、向きに注意が必要です。
従業員が使いやすい場所
複合機は使用頻度が高い部署の近くに設置しましょう。利用頻度が高いにもかかわらず遠く離れた場所にあると、印刷の際に何度も往復して非効率的です。
ただし、複合機は使用時に音が出るため、電話の真横だと顧客対応などの際に支障が出る可能性があります。業務内容を加味して、従業員が使いやすい場所がおすすめです。
水平で安定した場所
複合機の設置場所に傾斜があると、転倒のおそれや色ムラ・紙詰まりを起こす可能性があります。そのため、複合機は必ず水平で安定した場所に設置してください。
また、傾斜や接地面の凹凸は、複合機の動作時に振動を起こしやすくなります。機械内部のパーツに余計な負荷がかかり、故障の原因となるでしょう。
セキュリティ上問題がない場所
複合機はネットワークに接続されていたり、HDDなどの記憶媒体が搭載されていたりするため、情報漏洩への対策が必要です。
また、印刷した紙を回収し忘れるといったミスも想定されます。プリントアウトした用紙が外部へ持ち去られるのを防ぐためにも、出入り口から遠い位置に設置しましょう。
ほかにも、応接室を兼ねた部屋に設置すると、文書の覗き見などのリスクがあります。来客時に使用しにくいというデメリットもあるため、使いやすさとあわせて最適な場所を検討してください。
複合機を設置する際の注意点
設置の際に押さえておきたいポイントは以下の4点です。
- 持ち上げて運搬はしない
- 移動時は水平を保つ
- 直射日光やほこりの多い場所は避ける
- 電源コードやアースの取り扱いに注意する
故障やケガの予防のために、設置する前に必ず確認しましょう。
持ち上げて運搬はしない
一般的な複合機には、70kg以上の重さがあります。製品によっては100kgを超える複合機もあり、持ち上げて運搬するのは危険なためやめてください。
複合機は精密機器なため、万が一転倒させるとケガにつながるだけでなく、故障の原因にもなります。設置場所を変えたい場合など、大幅な移動が必要な際は専門業者に依頼しましょう。
移動時は水平を保つ
紙詰まりのために複合機の背面を開ける際や、レイアウトの変更など、どうしても移動が必要なケースがあります。その際は、必ず水平を保って動かしてください。
複合機は少しの振動で、内部部品の損傷につながるおそれがあります。たとえば、移動時の衝撃で記憶媒体が破損すると、保存データが失われます。
安全に複合機を移動させるために、事前に移動経路を空けておきましょう。
直射日光やほこりの多い場所は避ける
複合機はデリケートな精密機械なため、以下のような場所は避けてください。
- ほこりやゴミが多い
- 湿気が多い
- 熱すぎる場所や寒すぎる場所
ほこりや細かなゴミが内部に溜まると、漏電や感電のリスクが高まります。火災のリスクも高まるため、換気のよい清潔な場所に設置しましょう。
また、一般的に、複合機を設置する際の推奨環境は以下のとおりです。
- 温度:10~32℃
- 湿度:15~80℃
直射日光があたる場所など、温度変化が大きい場所にも注意が必要です。やむを得ず日のあたる場所に設置する際は、窓にブラインドを取り付けるといった対策を行ってください。
電源コードやアースの取り扱いに注意する
火災や漏電を防止する対策を行ってください。
- 電源コードを折り曲げたり重い物を置いたりしない
- 配線が絡まないように設置する
- アース接続を行う
電源コードが絡んだり、重い物を置いて断線したりすると漏電や火災のおそれがあります。気付かないうちに折れ曲がっているケースもあるため、定期的に確認しましょう。
また、複合機のコンセントを差し込む前にアースを接続してください。電気を安全に地上へ逃がす対策なため、できるだけ専門業者に依頼するのがおすすめです。
中古の複合機を設置するメリット
中古の複合機には、以下のようなメリットがあります。
- 費用が安い
- 導入までが早い
中古の複合機は、費用を安く抑えられるのが大きな利点です。製品によっては新品の10分の1の価格で買えるケースもあり、形式や型番にこだわりがない事業者に向いています。
また、新品複合機のリース契約とは異なり、与信審査もなく最短2~3日程度でも導入可能です。リース契約の場合は、長ければ2週間~1ヶ月程度かかるため、設置を急いでいる場合に検討しましょう。
中古の複合機を設置するデメリット
中古の複合機は以下のデメリットがあるため、メリットとあわせて確認しましょう。
- カウンター保守がないケースがある
- 経年劣化の可能性がある
- 最新機種を選べない
機能面や保守の観点から、新品を選ぶほうがよいケースもあります。用途や予算から総合的に判断してください。
カウンター保守がないケースがある
新品複合機では、毎月印刷した枚数分の使用料を支払い、修理費などが無料になる「カウンター保守契約」が一般的です。しかし、中古複合機の場合はカウンター保守ケースがないケースがあります。
スポットで修理依頼をすると100,000円以上の修繕費がかかる可能性があるため、注意してください。
また、カウンター保守契約が結べる場合でも、単価が割高になるおそれがあります。中古複合機は本体価格が安いため、どちらが総合的に安く済むかをあらかじめ計算しておきましょう。
経年劣化の可能性がある
中古複合機は、製品によって状態に差があります。部品が経年劣化している複合機もあるため、実際に使うまで品質が確認しにくい点がデメリットです。
販売業者は販売前に動作確認は行っています。しかし、使用開始後にすぐ故障するリスクは、新品複合機よりは高いでしょう。
代理店側で保証が付いている場合はありますが、1年程度と長期ではありません。使用年数や製造年月日、カウンター枚数といった情報は購入前に確認してください。
最新機種を選べない
中古複合機は、欲しい機種があっても手に入らない場合があります。とくに最新機種は選べないケースがほとんどで、5年前の機種など型落ち品が大半です。
また押さえておきたいのは、販売終了から7~10年程度で部品の供給が終了する点です。安く古い機種を購入した場合、修理が必要になると市場に残っている部品の在庫で対応します。
製品によっては部品が手に入らず、修理自体できません。購入前には販売開始時期や、部品の供給状況などを確認してください。
複合機設置の流れを理解してスムーズな設置ができるよう各所の事前確認をしよう
以上、複合機設置の流れについて段階ごとに詳しく解説してきました。
複合機はオフィスでも使う機会が多いため、設置時にトラブルが起きてしまうと複合機を使えず業務に支障が出るかもしれません。
スムーズな設置工事を行うためにも、業者に任せきりにするのではなく流れを知って事前確認等を行いましょう。
EMEAO!では設置工事を円滑に進められる優良な業者をご紹介できますので、ぜひお問い合わせくださいませ。
また、まだ複合機の導入方法も決まっていないという段階の事業者様には、高額な初期費用なしで利用開始できるリース契約がおすすめ。
複合機リース契約の費用の目安をまとめた記事がありますので、ぜひご覧ください。
複合機の優良おすすめ業者とメーカーを知りたい方はこちらをご覧ください。
地域別におすすめ業者を知りたい方はこちらをご覧ください。
この記事を書いた人
編集部員 河田
編集部員の河田です。編集プロダクションでの書籍編集の経験を経て、現在はEMEAO!のWebコンテンツ編集・執筆とお客様へのインタビューを担当させていただいています。日々、コツコツと皆さんのお役に立つ情報を発信していきます!よろしくお願いします。