業務用複合機は購入・リース・レンタルどれがよい？特徴と仕組みを比較

オフィスに業務用複合機またはコピー機を導入する際、購入するか、リース契約を結ぶか、レンタルするかで迷う企業は多いでしょう。
どの方法を選択するかで、かかる費用や手間は大きく変わります。
それぞれの特徴を理解したうえで、自社の状況や予算に合う方法を選ぶことが重要です。
本記事では、複合機の購入、リース、レンタルそれぞれの特徴を解説します。
メリットやデメリットも取り上げるため、ぜひ参考にしてください。

業務用複合機やコピー機の購入・リース・レンタルの仕組みを比較

複合機やコピー機の購入・リース・レンタルの仕組みを以下にまとめました。

購入の場合、契約期間や商品選択の面で縛られることなく複合機を利用できます。
一方のリースやレンタルでは、諸費用が月々の支払いに分散されるため、大きな出費を抑えながら低コストで複合機を利用できます。
これらを踏まえたうえで、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
関連記事：複合機とは？プリンターとの違いや選び方のポイントを解説

業務用複合機やコピー機を購入するメリット・デメリット

複合機を新たに購入する場合、最新機種から安価な中古品まで、自社の希望どおりの製品を自由に選べるメリットがあります。
一方で、固定資産税の支払いに伴う減価償却の手続きが発生するため、事務面での負担が増えるデメリットも。
以下の項目で解説するので、ぜひ参考にしてください。

購入のメリット

業務用複合機やコピー機を購入するメリットは以下の3つです。

〇長い目で見れば費用を抑えられる
〇固定資産として計上できる
〇契約期間に縛られない

機器ごと買い取るため、長い目で見れば借りるよりも費用を抑えられます。
また、契約期間に縛られずに使用できるのもメリットの一つです。
順番に解説します。

①長い目で見れば費用を抑えられる

リースやレンタルで複合機を借りる場合、契約期間満了まで毎月一定の費用を支払い続ける必要があります。
購入の場合でも初期費用は必要ですが、その後は追加の支払いが発生しないため、長い目で見れば費用を抑えられます。
また、複合機をリースやレンタルで長期間借りた場合、支払総額が購入費用より割高になるケースも少なくありません。
長期利用を前提にする、なおかつ予算に余裕があるなら、購入するとよいでしょう。

②固定資産として計上できる

複合機やコピー機を購入した場合、10万円以上の製品なら固定資産として経費計上できます。
リースやレンタルでも月々の料金を経費として計上可能ですが、購入なら減価償却で耐用年数に応じた処理ができるため、数年にわたる節税効果が得られます。
また、購入した時点で自社に所有権が移るため、不要になれば売却したり、知り合いに譲渡したりできます。

③契約期間に縛られない

リースやレンタルの契約期間中は、基本的に途中解約が認められません。
しかし、購入なら契約期間に縛られずに使用できます。
自社のタイミングで最新機種に乗り換えたり売却したりできるため、事業拡大や縮小にも柔軟に対応可能です。

購入のデメリット

複合機やコピー機の購入には以下のようなデメリットも存在します。

〇メンテナンスや処分を自社で対応する必要がある
〇事務面での負担が増える

購入してから後悔しないよう、あわせて確認しましょう。
順番に解説します。

①メンテナンスや処分を自社で対応する必要がある

リースやレンタルなら、万が一複合機が故障した場合でも、貸出元の会社が修理やメンテナンスに対応してくれます。
契約期間が終了した際は機器を返却するだけでよいので、処分の手間もかかりません。
しかし、購入した場合は、メンテナンスや処分に自社で対応する必要があります。
不用品として処分する際は別途費用が発生するため、注意しましょう。

②事務面での負担が増える

10万円以上の複合機やコピー機を購入した場合は、固定資産税の支払いに伴う減価償却の手続きをする必要があります。
費用面で不利になるわけではありませんが、リースやレンタルより事務作業の負担が増えるため注意が必要です。

業務用複合機やコピー機をリースするメリット・デメリット

リースとは、要望に合った機種をリース会社が代わりに購入し、企業に対して長期的に貸し出すシステムをいいます。
まとまった資金がなくても、最新機種の複合機を低コストで借りられるのが強みです。
しかしその一方で、審査を受ける必要がある、途中解約できないなどのデメリットも存在します。

リースのメリット

複合機をリースするメリットは以下の4つです。

〇最新機種を低コストで利用できる
〇初期費用を抑えられる
〇月々の支払いを経費として計上できる
〇故障しても保険対応が可能

最新機種を低コストで借りられたり、初期費用を削減できたりします。
順番に見ていきましょう。

①最新機種を低コストで利用できる

複合機やコピー機のリース契約では、企業が希望する機種をリース会社が代わりに購入し、長期間にわたって貸し出す仕組みが取られています。
そのため、最新の機種でも低コストで借りられます。
総額で見れば購入するより割高になりますが、月々の負担は軽くなるため、まとまった出費を抑えたい場合に最適です。

②初期費用を抑えられる

複合機やコピー機を購入する場合は、本体費用のほか、搬入や設定などの初期費用が発生します。
しかし、リースなら負担が月々の料金に分散されるため、初期費用を安く抑えることが可能です。
起業する方やオフィスの新設など、まとまった資金を用意する余裕がない場合に適しています。

③月々の支払いを経費として計上できる

複合機やコピー機のリース料金は、経費として会計処理できます。
支払った料金はすべて売り上げから差し引けるため、高い節税効果が見込めるでしょう。
なお、複合機をリースで借りた場合、所有権はリース会社にあります。
決算や申告などの面倒な事務作業に追われることもないため安心です。

④故障しても保険対応が可能

リース契約では貸出元が動産保険に加入するため、機器が故障したり盗難に遭ったりしても、保険適用の範囲内なら対応してくれます。
また、最近では「カウンター保守」という契約形態を構えるリース会社もあります。
カウンター保守とは、月々の利用枚数に応じて料金が決まる仕組みです。
故障時の修理やトナー補充、定期メンテナンスの費用なども含まれるため、別途料金が発生する心配がありません。

リースのデメリット

複合機をリースした場合のデメリットは以下の3つです。

〇総支払額が高くなりやすい
〇契約期間中は途中解約できない
〇審査に通らなければ借りられない

契約を結ぶ前に目を通しておくと安心です。
順番に見ていきましょう。

①総支払額が高くなりやすい

リース契約は、長い目で見ると購入するより支払総額が高くなりやすいです。
毎月の利用料のほか、金利や保険料、手数料など、多くの諸費用が含まれることが理由でしょう。
なお、本体価格が高いほど月々のリース料も上がるため、最新機種ほど費用がかかります。

②契約期間中は途中解約できない

リースは3〜6年の長期契約が基本で、契約期間中は原則途中解約できません。
経営がうまくいかず事業を縮小したいときでも、一度リース契約を結ぶと、長期にわたって料金を支払う必要があるため注意しましょう。

③審査に通らなければ借りられない

契約期間が長期にわたるリースでは、貸出先の企業に十分な支払い能力があるか審査が実施されます。
審査に通らなければ、希望する複合機やコピー機は借りられません。
なお、審査基準や難易度はリース会社ごとに異なります。
審査に通るか不安な場合は、与信審査を受けるなどして問題なく契約できるかを確認しましょう。

関連記事：複合機のリース契約はどんな仕組み？料金相場やおすすめ業者を紹介

業務用複合機やコピー機をレンタルするメリット・デメリット

複合機やコピー機を導入する場合、レンタル会社が所有する機器を一定期間借りる方法もあります。
しかし、貸し出される機器は基本的に中古品のため注意が必要です。
機種や機能にこだわりがない方や、購入するほどの資金を調達できない場合に適しています。
変更なし:

レンタルのメリット

複合機やコピー機をレンタルするメリットは以下の3つです。

〇まとまった資金がなくても導入できる
〇短期間の契約が可能
〇面倒な事務作業を省略できる

リース契約とは異なり、短期間で契約できるのが強みです。
一つずつ見ていきましょう。

①まとまった資金がなくても導入できる

レンタル会社が定めた月額料金を支払うだけでよいので、まとまった資金がなくても複合機を導入できます。
また、所有権はレンタル会社にあるため、不要になった場合でも製品を返却するのみで、処分費用が発生することもありません。

②短期間の契約が可能

削ース契約は3〜6年の長期契約が前提のため、短い期間だけ借りたい方には不向きです。
レンタルなら最低1年から契約できるケースが多いです。
出張オフィスやお試しでの導入など、短い期間だけ利用したい場合に適しています。

③面倒な事務作業を省略できる

複合機やコピー機を借りた場合、所有権はレンタル会社にあります。
そのため、減価償却の手続きや固定資産税の支払いなど、面倒な事務作業を省略できます。

レンタルのデメリット

少ない資金で導入できる、短期間契約が可能などのメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。

〇長期契約の場合はリースより割高になる
〇借りられるのは中古品のみ

順番に見ていきましょう。

①長期契約の場合はリースより割高になる

レンタルは短期契約を前提としたサービスのため、長期で利用した場合は月々の料金が割高になります。
保守費用も新品より高く設定されるケースが多いので、長期で利用したい場合には不向きでしょう。

②借りられるのは中古品のみ

レンタルを申し込んだ際は、在庫にある機種の中から希望に近いものが貸し出されます。
基本的には中古品のみの取り扱いで、新品や最新機種は選べないケースが多いです。
場合によっては性能が古かったり、欲しい機能が備わっていなかったりするため注意しましょう。

業務用複合機やコピー機は購入・リース・レンタルどれがお得？

どの方法がお得かは各企業によって異なります。
まずは自社の状況を把握したうえで、導入方法を選定しましょう。

なお、複合機やコピー機では「資金」と「使用期間」の2つに焦点を当てると、自社に合う方法を選定しやすくなります。
複合機やコピー機は精密機器のため、導入費用が高額になりやすいです。
資金に余裕がない場合は、まとまった費用が必要になる「購入」ではなく、低コストで導入できる「リース」や「レンタル」を選ぶとよいでしょう。
使用期間では、数年先も使い続けるか確認しましょう。

短い期間だけ使用したい場合は「レンタル」がおすすめです。
長期利用前提だけどまとまった費用を用意できない、自社でメンテナンスに対応できない場合は「リース」が向いています。
完全自社所有で、契約期間に縛られずに使用したいなら、「購入」が適しているでしょう。

業務用複合機を購入・リース・レンタルした場合の料金相場とは

複合機の導入方法は以下の4つです。

〇新品購入
〇中古購入
〇リース
〇レンタル

それぞれの料金相場を解説します。

複合機を新品で購入した場合の料金相場

複合機の料金は本体価格とカウンター料金に分けられます。複合機を新品で購入した場合の本体価格は100万〜400万円程度です。
印刷速度やカラー・モノクロ印刷かによっても金額が変わり、短時間で多く印刷できる最新モデルであるほど高価です。
カウンター料金にはトナー代と修理・メンテナンス費が含まれており、本体価格とは別に支払う必要があります。
新品のコピー機を購入した場合、カウンター保守契約への加入は必須です。
カウンター料金の目安は以下のとおりです。

複合機を中古で購入した場合の料金相場

中古の複合機は本体価格は5万〜30万円程度です。
新品に比べて故障や不具合が発生しやすいため、カウンター料金は高めに設定されています。
中古複合機のカウンター料金相場は以下のとおりです。

中古複合機の場合、保守契約の種類によってカウンター料金の有無が分かれ以下の3つの選択肢があります。

〇保守契約なし
〇スポット保守
〇カウンター保守

上から2つは、トナー代やその他の消耗品は自己負担になり、修理が必要なときは単発で費用が発生する代わりにカウンター料金はありません。

複合機をリースした場合の料金相場

複合機のリースでは、リース料金とカウンター料金が発生します。
リース料金とカウンター料金の相場は以下のとおりです。

印刷枚数が多ければ多いほどリース料金は高くカウンター料金は安くなる傾向にあります。
初期費用がかからない一方で契約満了時まで解約できず、解約する場合には違約金が発生することに注意しましょう。

複合機をレンタルした場合の料金相場

中古複合機のレンタルには以下の費用がかかります。
初期費用
レンタル料
カウンター料金

レンタル料金とカウンター料金の相場は以下のとおりです。

レンタルは短期でも契約可能ですが、期間が短いと相場料金も上がる傾向にあります。

業者によって1日から借りられるところもあるため、イベントなど会社以外の場所でも気軽に利用可能です。
また、リースのような審査もないため、日程さえ合えば希望日時に確実に借りられるのもメリットです。

まとめ：複合機やコピー機は利用状況や資金に合う方法で導入しよう

複合機やコピー機の導入方法は、購入だけに留まりません。
リースやレンタルに対応する業者も多く存在するため、所有権にこだわりがなければ検討するとよいでしょう。
なお、お得に複合機やコピー機を導入したいなら、自社の使用期間や資金を把握したうえで合う方法を選ぶのが大切です。
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