ISO認証マーク(ロゴ)とは?取得の流れや使い方を解説
公開日:2024.01.24 最終更新日:2024.01.24
ISOロゴを目にしたことはあるけど、実際に取得する方法や使い方がわからないという方も多いでしょう。
ISOロゴは国内で認められた認証機関の審査を通過後、専用サイトからダウンロードすることで使えます。
この記事では、ISOロゴの取得の仕組みや使い方について解説します。使うときの注意事項やダウンロード方法もわかりますので、ぜひ最後まで読んでください。
ISO認証マーク(ロゴ)とは?
ISO認証マーク(ロゴ)とは、ISOの認証機関が行う審査を通過した企業が企業案内や名詞などに記載できるマークのことです。ISOロゴの使用によって、世界共通の基準をクリアしたことを証明できます。
国内における認証機関の数は約50と多いため、例えば同じISO9001でも幅広い種類のロゴが存在します。ロゴの使用方法は細かい取り決めがあるため、規定に合っているか必ず確認しましょう。
ISOは世界の基準を定めた機関
ISOとは世界でモノやサービスに関する基準を定めている機関のことです。ISO認証を取得するなど、規格を指している場合もあります。
認証取得が指すISO規格とは
ISO規格にはモノ規格とマネジメントシステム規格がありますが、「認証取得」が指すのは後者です。具体的な内容は「企業が目標を定め、その目標に到達するための仕組み」についての規格です。
一方のモノ規格は、電池やクレジットカードの大きさなど製品そのものや、品質・安全性についての規格を指します。
ISOマネジメントシステム規格認証の仕組みと流れ
ここでは認証が行われる仕組みや具体的な流れについて解説します。
ISOマネジメントシステムとは
「経営者など組織のトップが定めた目標を達成するための仕組みやルール」に関する規格です。代表的な規格には以下のような種類があります。
- ISO9001:品質マネジメントシステム規格
- ISO14001:環境マネジメントシステム
- ISO 27001:情報セキュリティマネジメントシステム規格
組織の人数が増えると経営者だけで直接全体を指揮・管理することが難しくなるため、ルールを作り守っていく必要があります。
ルール(手順や規定)を運用していくために役職の取り決めと「権限」や「責任」の明確化を行います。ルールづくりと権限や責任を体系化したものが「マネジメントシステム」。
その国際的な基準を示したものが、ISOマネジメントシステム規格です。
認証の仕組み
認証を得るためには、第三者機関が行う審査を通過することが必要です。
審査基準として要求事項が設けられており、企業がこの基準を達成できていると審査されれば、認証証明書(登録証)の発行と社会への公開となります。
日本国内にある認証機関は約50社、認定機関は情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC)と日本適合性認定協会(JAB)の2社です。
認定機関は認証機関を「認定」する役割があります。一般企業は利害関係のない機関によって認証されることで社会的信頼を得られます。
認証取得の流れ
ISO認証を取得する流れは以下のとおりです。
内容 | 詳細 |
検討、準備 | 担当者やSOを適用する範囲を決める |
構築・運用 | マネジメントシステムの構築と文書化を行い、実際に運用する 運用結果をふまえた改善を行いPDCAを回す |
審査 | 認証機関の審査を受け要求事項をクリアしていれば認証取得できる |
認証 | 認証取得後も更新審査が3年に1度行われるため、継続的な運用が必要となる |
ISO認証を取得するとロゴが使用できる
ISO認証を取得すると。会社案内や名詞などでロゴを使用できるようになります。ロゴはそれぞれ審査を受けた認証機関の専用サイトからダウンロードして使用する形式です。
たとえば、日本で最も多くの企業が認証取得しているISO9001は、以下の認証機関のサイトからダウンロードができます。
ロゴの使用についてルールがありますので、あらかじめ確認しておきましょう。
企業がISO認証マーク(ロゴ)を使用する理由
企業がISOロゴを使用する理由は以下の3つです。
- 品質の管理体制を整えることで、サービスや製品の品質向上を図るため。
- 社内における業務プロセスの標準化を行うことで、効率的な業務の実施につなげるため。
- 世界共通の基準である規格を取得することで、企業や商品のブランドイメージや信頼性を向上させるため。
ISOロゴは会社案内、名刺、ホームページなどの用途に使用可能です。
ISOロゴの使用によって、国内のモノやサービスの流通で品質が保たれるだけでなく、国際的な信頼も得られるため海外とのやりとりもスムーズになります。
ISO認証マーク(ロゴ)が普及した経緯
ISO認証制度のはじまりは、1987年にISO9001が発行されたことです。
18世紀半ばから19世紀にかけての産業革命や2度の世界大戦後、物資を大量につくることが重視され効率的な生産が求められました。
大量生産を進める中で、コストを掛けない方法として不良品の確率を下げる有効な手段として普及したのが品質管理や品質保証という考え方です。
現在もISO認証マーク(ロゴ)が取得される理由
日本にとって輸出の際、世界に品質を認められるための手段として広まったISO認証マークですが、現在でも取得する企業は多いです。
その理由は輸出のための品質保証の役割だけでなく、国内の顧客に向けた信頼の確保や社内業務を効率的に進める狙いがあります。
ISO認証マーク(ロゴ)の種類
ISO認証マーク(ロゴ)の種類は17個あり、その中で取得企業数が多いISO規格は以下の3つです。
- (ISO 9001) 品質マネジメントシステム
- (ISO 14001) 環境マネジメントシステム
- (ISO 27001) 情報セキュリティマネジメントシステム
ここでは、国内で取得している企業が多いISO認証の内容について解説します。
ISO9001(品質マネジメントシステム:QMS)
ISO9001品質マネジメントシステム(QMS)とは品質を高めることで顧客満足を向上させることを目的とした規格です。
品質マネジメントシステムの中心となるのはPDCAを回すという考え方で、継続的な改善を行う仕組みづくりが求められています。業種や業態を問わず適用可能な規格のため、最も取得されているマネジメントシステムです。
ISO14001(環境マネジメントシステム:EMS)
ISO14001環境マネジメントシステム(EMS)とは、企業活動や製品が環境に与える影響を管理することで、自社が設定した環境パフォーマンスを達成できる仕組みづくりのための規格です。
環境パフォーマンスとは、たとえば消費電力量や紙の使用量の削減などがあります。建設業や製造業など、環境への負担が大きい業種で取得されることが多いです。
ISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム:ISMS)
ISO27001情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)とは、情報セキュリティに関する規格です。
具体的には情報セキュリティの3つの要素である情報の可用性・完全性・機密性を維持することで管理体制を整え、情報を上手く使うための組織づくりを行います。
あらゆる情報をパソコンやサーバーなどITシステムで管理している現代で、情報資産の適切な管理が必要になりました。
ISO認証マーク(ロゴ)を使用する際の注意点
ISOロゴの用途(使用方法)は、会社案内や名刺など媒体に記載する方法です。
他社との取引や顧客から信用を得る根拠として使用可能ですが、ロゴを使う上で5つの注意点があります。具体的には以下のとおりです。
- 認証範囲外と認証範囲内の領域を誤解されないようにする
- ロゴやシンボルは、色、形状など指定を守って使用する
- 常に最新の状況で表明する
- 使用状況を管理し、状況の変化に対応できるようにする
- 認証範囲に含まれている人のみ名刺での認証の表明ができる
ISOロゴの使用には厳格なルールが定められており、配布されたデータの編集や分解は認められていません。また、ホームページ制作業者や印刷業者など外部にデータを渡したときは、削除依頼とその記録が必要です。
どの範囲に対してのISO認証なのか明確にする必要があり、相手から誤解を招く表現は避けなければいけません。
まとめ:ISOロゴは安全性や信頼性を保つ役割を担っている
ISOロゴを取得することは、世界的な基準をクリアしていることを意味し国際的な信頼だけでなく国内の顧客へのアピールになります。
また、自社業務の改善と継続的に実現可能な仕組みづくりを行うため、企業として成長し続けることが期待できるでしょう。
費用の負担や文書作成の手間などがデメリットですが、自社取得だけでなくコンサルタントに依頼する方法もあるので、自社に合った方法でぜひISOを取得してみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
hata