アプリの開発時でよくあるセキュリティトラブルと対策法
公開日:2020.02.14 最終更新日:2023.11.17
アプリ開発を行う際、セキュリティ対策を行っておくことは必須事項です。
しかし、具体的にどのような対策をすべきで、行わなければどんなリスクがあるのかがわからないという事業者様も多いのではないでしょうか。
この記事では、アプリを開発する際にセキュリティ対策をしないと何が起こるのか、そしてどんな対策をすればよいのかについてご紹介します。
業者へのアプリ開発の依頼をご検討されている事業者様は、ぜひご一読ください。
セキュリティ対策を行っていないアプリで起こり得る3つのトラブル
アプリにはいくつか種類がありますが、インターネットに接続して使用するアプリや、ユーザー情報の入力が必要なアプリは特に強固なセキュリティ対策が必要です。
セキュリティ対策を行わなければ、アプリに脆弱性が生まれてしまいます。
脆弱性とは、セキュリティの弱点を示す言葉です。
脆弱性はたびたびサイバー攻撃などのトラブルの被害を引き起こします。
ここでは、アプリの脆弱性によって起こり得る3つのトラブルを解説します。
なお、アプリ開発を行う上でのよくあるトラブルについては、こちらのアプリ制作でよく起こるトラブルをご確認ください。
トラブル①ユーザーが不正アクセスの被害を受けてしまう
セキュリティ対策がされていないアプリは、不正アクセスによってユーザーのログイン情報やカード情報などを読み取らてしまう可能性があります。
ただ不正アクセスをされた時点では被害は最小限に済む場合もありますが、情報を悪用された場合、下記のようなリスクが考えられます。
不正アクセスで情報を悪用された場合に考えられるリスク
- 登録している個人情報が不特定多数に流出する
- アカウントを乗っ取られる
- クレジットカードの不正使用
トラブル②アプリ自体が不正アクセスを受けてしまう
ユーザーのアカウントだけでなく、アプリ自体が不正アクセスにあい、情報流出やアプリの改ざんなどの被害をうけてしまうことも考えられます。
アプリの不正アクセスにより考えられるリスク
- データベースにアクセスされ全ユーザーの個人情報が漏えいする
- 企業の情報の漏えい
- アプリの表示内容を改ざんされる
- フィッシングサイトなどに誘導される
トラブル③ウイルスによる攻撃を受ける
脆弱性を攻撃者に利用され、アプリを介してユーザーの端末がウイルスに感染する可能性もあります。
ウイルスが入ると、スマートホンが不正アクセスにあい、端末に保存された情報を盗まれたり、設定を勝手に変更されてしまうなどといった危険性があります。
アプリ開発時に行うべき5つのセキュリティ対策
アプリのセキュリティ対策が充分でないと、脆弱性を利用され、さまざまなトラブルを引き起こしてしまうことがご理解いただけたでしょうか。
それでは、どうすればセキュリティを強化し、脆弱性を解消できるのでしょうか?
ここからは、アプリ開発時に行うべき5つのセキュリティ対策をご紹介します。
セキュリティ対策①暗号化通信を用いる
インターネットを通じて入力された情報を暗号化するために用いる、SSLという技術があります。
SSLを利用すれば、パスワードや住所、クレジットカードの番号といった機密情報を第三者に盗み見られることを防ぐことができます。
情報漏えいによる不正アクセスを防ぐことができるため、アプリへの暗号化通信の導入は必須です。
セキュリティ対策②アプリの連携機能は最低限に絞る
ユーザーが許可さえすれば、アプリは連絡先や位置情報、カメラなど、さまざまな端末の機能や情報との連携が可能です。
例えば地図アプリであれば、位置情報との連携の権限を許可することで、ユーザーに正確な道案内を提供できます。
しかし、不要であるにもかかわらず、むやみにアプリに権限を付与してしまうと、ウイルスの感染や不正アクセスに利用されてしまうことがあります。
必要な機能を改めて確認し、連携する機能は最低限のものに絞りましょう。
セキュリティ対策③ログインの設定を工夫する
不正アクセスを防ぐには、ログイン情報を盗み取られない仕組みを作ることが一番です。
ユーザー側で複雑なパスワードを設定するという工夫も必要ですが、アプリ開発の段階で対策できることもあります。
アプリ開発時にログインの設定で工夫できること
- アプリ起動時に都度起動用のパスワードを要求する
- ログイン有効期間を一定の時間に設定する
- 使用したことのない端末からログインがあった際、メールで通知する
上記から、開発を希望するアプリに適切と思われる機能を検討してみましょう。
セキュリティ対策④スタンドアロンアプリも検討する
アプリの内容によっては、インターネット通信を必要としないスタンドアロンアプリにしてしまうこともひとつの手です。
一度ダウンロードしてしまえば以降は通信を必要とせず、オフラインで使えるスタンドアロンアプリであれば、脆弱性を利用されるリスクも格段に下がります。
スタンドアロンアプリの一例
- 追加コンテンツやランキング機能のない簡易的なゲームアプリ
- クイズや単語帳などの学習系アプリ
- メモ・日記アプリ
上記のような内容であれば、スタンドアロンアプリでの開発が可能です。
開発を希望している内容を再度検討してみましょう。
セキュリティ対策⑤古いバージョンのOSには対応させない
バージョンの古いOSは、OS自体のセキュリティー対策が弱いことが考えられます。
そのため、最新バージョンのOSにのみ対応するようにして、OSのアップデートがあった際には都度アプリも最新版に更新することが望ましいです。
アプリ側で最新OSへのアップデートを促すことによって、ユーザーも古いOSのまま使い続けるということがなくなり、ユーザーの端末そのものが安全に使われるというメリットもあります。
セキュリティ対策⑥個人情報などの不必要な情報は扱わない
金融機関情報や個人情報などを入力しなければならないアプリも存在します。このようなアプリを使わなければいけない場合は、仕方ないと諦めて全ての情報を入力するのではなく、必要な情報だけを入力するようにしましょう。少しでもリスクを減らすことが大切です。とくに、クレジットカード情報や個人情報などは悪用されやすいので気をつけましょう。サイバー攻撃に狙われる可能性が高くなります。情報を入力するリスクをきちんと把握しておいて下さい。アプリをむやみに信用し切らずに、クレジットカード情報や個人情報などを入力する際は、本当に入力するべきか立ち止まってよく考えるようにしましょう。
セキュリティ対策⑦HTTPS経由でサイトを表示する
SSLやTSLで暗号に変化させた通信のことを、「HTTPS」といいます。WebサイトのURLが「HTTPS」からから始まっているものは、通信がSSLやTSLによって暗号に変化されているということになります。「HTTPS」と似たものに、「HTTP」というものがあります。この通信は「HTTPS」とは異なり、暗号化されていない通信です。つまり、悪用されたり、サイバー攻撃を受けたりする可能性が高くなっています。サイバー攻撃を受けると、個人情報を盗まれたり、サイトの情報を改ざんされる恐れがあります。このようなリスクを回避するためにも、サイトを閲覧するときは、「HTTPS」経由で表示させるようにしましょう。
セキュリティ面から見るアプリ開発を外注するメリット
セキュリティ面が甘いアプリは、サイバー攻撃などに狙われやすいため、大きなトラブルを引き起こす恐れがあります。そのため、アプリの開発は外注するというのも1つの手です。外注すれば、セキュリティに関する専門知識を持った会社に、安心して任せられます。セキュリティ面から見てアプリ開発を外注するメリットは2つあります。
セキュリティ面から見るアプリ開発を外注するメリット
- 専門知識と経験を活用してくれる
- リソースと効率を最適化できる
それぞれ解説していきます。
専門知識と経験を活用してくれる
セキュリティに関する専門知識を持った専門家は、市場の流行についても知見がある上に、表面上ではわからない、影に潜んでいる悪からもアプリを保護してくれます。また、突如発生して攻撃してくる悪に対しても迅速に対応して、免疫をつけることによって、アプリのセキュリティをより向上させます。セキュリティに強い専門家がいることで、サイバー攻撃などの悪から保護してくれるだけでなく、精神的にも安心できるようになります。
リソースと効率を最適化できる
セキュリティ対策において、詳しい専門知識は欠かせません。セキュリティの専門家を雇ったり、セキュリティを自社の内部で育成しようとしたりすると、時間やコストがかかってしまいます。そのような課題は、アプリの開発を外注することによって解決するでしょう。外注することでセキュリティの専門家に安心して開発を任せられる上に、余分な手間や時間が省けるため、自社のリソースを開けられます。開いたリソースに業務の時間を入れれば、より効率的に仕事ができるようになるでしょう。
アプリ開発の外部パートナーを選ぶ際に確認すること
アプリ開発の外部パートナーを選ぶ際は、セキュリティ面を重視して選ぶことが重要です。また、アプリを開発する際の外部パートナーは、「フリーランスのエンジニア」「アプリを開発する会社」になるでしょう。
- 「アプリを開発する会社」
アプリを開発する会社には、さまざまな種類の会社が存在しています。会社によって得意とする開発分野が異なるので、作りたいアプリと会社とを照らし合わせて、その会社の得意なカテゴリを確認した上で発注するようにしましょう。例えば、アプリを開発する会社には、メッセージ系のアプリ、ショッピング系のアプリ、業務系のアプリ、ゲーム系のアプリなどがあります。
アプリ開発が終わってインターネット上に公開すると、一旦業務は落ち着きます。しかし、どのような内容のアプリにおいても、公開後の運用が大切になってきます。具体的には、公開後のバグやエラーの修正やそれらを防ぐための機能の改善などが挙げられます。そのため、アプリ開発の外部パートナーを選ぶ際には、アプリを開発している段階の対応だけでなく、公開後のサポートの手厚さや修正の速さなどの、アプリを公開した後の対応もしっかりと見るようにしましょう。その上で、料金なども重ねて検討することをおすすめします。 - 「フリーランスのエンジニア」
アプリを開発する会社と同じく、フリーランスのエンジニアにもさまざまなタイプがいます。人によって得意な開発分野が異なるので、作りたいアプリと同じ種類のアプリを作成しているエンジニアか、エンジニアの実績に作りたいアプリと同じ種類のものがあるかなどを確認しておきましょう。小さな規模のアプリであれば、フリーランスの方がコストパフォーマンスやクオリティが良いというパターンがよくあります。フリーランスの方が適応力があるので、アプリをインターネットに公開した後にトラブルが起こったとしても、迅速に対応してくれる可能性があります。ただし、大規模なアプリにはフリーランスはあまり向いていません。
「フリーランス エンジニア」と検索をかけて、ホームページやSNSからフリーランスのエンジニアを見つけても良いでしょう。また、クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングに登録しているフリーランスのエンジニアもおすすめです。クラウドソーシングでエンジニアを見つけたい場合は、自ら募集をかけてみると、応募条件に合ったエンジニアが見つかりやすくなります。1つのアプリの開発をフリーランスのエンジニア1人にしてもらうこともあります。このパターン以外にも、自社のエンジニアの人数が数人足りないという時や開発トラブルで業務が進まないという時の即戦力として雇うことも可能です。このように、フリーランスのエンジニアは穴埋めの役割を果たしてくれることもあります。
アプリ開発の外部パートナーの選び方は、主に2つあります。
アプリ開発の外部パートナーの選び方
- セキュリティ対応を強みとしているか
- コミュニケーションが取りやすいかどうか
それぞれ解説していきます。
セキュリティ対応を強みとしているか
外部パートナーの選び方の1つ目のポイントは、セキュリティ対応を強みとしているかどうかです。
アプリによっては、ユーザーの個人情報や企業の情報などを取り扱う場合があります。そのため、不正アクセスやサイバー攻撃などによってユーザーの個人情報や企業の情報などの大切な情報が漏れてしまうと、大きなトラブルに繋がって大問題になってしまう可能性が考えられます。大切な情報を漏らさずに、大切に保管しておくためにも、セキュリティ面に特化した外部パートナーを選ぶようにしましょう。
また、電気通信事業法や個人情報保護法などの法律を守る場合には、セキュリティ面に特化した会社の協力が欠かせません。セキュリティ面に弱いイメージがあるアプリを公開してしまうと、市場での会社の立ち位置が落ちたり、ユーザーからの信頼を損なったりしてしまう恐れがあります。
セキュリティ面に強くて、トラブルが起こった時でもきちんとした対応を迅速にとってくれる外部パートナーによって、そのような会社のマイナスイメージが減る可能性もあるのです。
コミュニケーションが取りやすいかどうか
コミュニケーションの取りやすさも外部パートナーの選び方のポイントです。アプリの開発には、コミュニケーションをとることが大切な要素になってきます。そのため、外部パートナーともスムーズなコミュニケーションをとる必要があります。システムのトラブルが起こった時の外部パートナーの対応を考えてみて下さい。トラブルが起こった時に、外部パートナーに連絡しても中々返事がこなかったり、返事が遅かったりすると不安になります。返事が早く、迅速に対応して解決に導いてくれる外部パートナーとは、物理的な問題解決の速さはもちろんのこと、安心感が大幅に変わってくるのではないでしょうか。
また、外部パートナーとのコミュニケーションの取りやすさによって、システムの完成後のクオリティや希望通りかどうかなども変わってきます。外部パートナーと円滑で良好なコミュニケーションがとれれば、詳細なことも逐一伝えられるので、自社の完成後のイメージが伝わりやすくなります。誤解も事前に防げるので、外部パートナーとのトラブルも起こりにくくなるでしょう。
外部パートナーを選ぶ際は、話しやすそうか良好なコミュニケーションがとれそうかどうかを確認してから、自社に合った外部パートナーを見つけるようにして下さい。
ユーザーと自社、双方のためにアプリ開発段階でのセキュリティ対策を!
今回は、セキュリティ対策を行っていないアプリの危険性と、開発段階で行うべき対策をご紹介いたしました。
アプリの脆弱性を利用されてトラブルが起きた場合、ユーザーに迷惑がかかるだけでなく、企業の情報が盗まれる可能性もあります。
当然、ブランドイメージにも傷がつくでしょう。
コンシューマー向け・ビジネス向けのアプリに関係なく、アプリ開発の際はセキュリティ対策をしっかりと行っている業者に依頼しましょう。
また、最新のOSに常に対応させるには、保守まで任せられる業者であることが望ましいです。
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ご紹介するのは第三者機関の審査を通過したアプリ開発会社のみですので、セキュリティの面でもご安心いただけます。
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この記事を書いた人
編集部員 岡本
編集部の岡本です。以前はWEBディレクターとして中小企業のホームページ制作のディレクション等をしておりました。ユーザー様の声をきちんとコンテンツの内容や方向性に反映して、より良いメディアに出来るように日々精進してまいります。