ネイティブアプリ開発とは?webアプリとの違いやメリットなど
公開日:2019.10.28 最終更新日:2023.11.17
スマートフォンアプリは、大きく分けると「ネイティブアプリ」と「Webアプリ」の2種類があります。アプリ開発をする際は、どちらを選べばよいか悩むかもしれません。
それぞれには違ったメリット・デメリットがあるため、それらを考慮して、どちらのアプリを開発するか選ぶとよいでしょう。
本記事では、ネイティブアプリとWebアプリとの違いや、それぞれのメリット・デメリット、アプリ開発の費用を安く抑えるポイント、アプリ開発の業者を選ぶ際に重視する項目などについて解説します。
ネイティブアプリ開発について詳しく知りたい方にとって有益な情報をまとめているため、ぜひご一読ください。
ネイティブアプリとは?
まず、ネイティブアプリとは、iPhoneの「App store」やGoogleの「Playストア」といったアプリケーションストアからアプリをダウンロードして、スマートフォンやタブレット端末にインストールするタイプのアプリのことです。
Apple端末なら「iOS」、Android端末なら「Android OS」というように、それぞれのOSに合わせたアプリのため、プッシュ機能やカメラ機能など、デバイスに備わっている機能を十分に活用することができます。
最初にネイティブアプリを使いたいときは、App storeやPlayストアからアプリをダウンロードしなければいけないため、ユーザーに手間をかけますが、一度ダウンロードしてしまえば、スマートフォンやタブレットのホーム画面に常に表示されるため、2回目以降の使用はスムーズにおこなうことができます。
ホーム画面に表示されることにより、アプリの存在を忘れず、継続して使ってもらいやすい特徴もあります。
ネイティブアプリとWebアプリの違い
対して、Webアプリとは、「Safari」や「Google Chrome」などのWebブラウザ上で使用するタイプのアプリのことです。
代表的なものとしては、動画共有サービス「YouTube」やメールサービス「Gmail」、インターネット電話サービス「Skype」などがあります。
Webアプリには、インターネット環境下でないと使用できないという特徴があります。また、App storeかPlayストアからアプリをダウンロードする必要がなく、Webサイトにアクセスするだけで使用可能です。
ネイティブアプリとWebアプリの特徴や、メリット・デメリットを表にまとめて比較してみましょう。
特徴 | メリット | デメリット | |
ネイティブアプリ | アプリをダウンロードして使用する | ・プッシュ機能やカメラ機能など、端末と連動したバリエーションが充実
・一度ダウンロードするとホーム画面に常に表示される
・動作が早い | ・OSごとに開発環境が変わる
・アプリアップデート時にも審査が必要 |
Webアプリ | Webサイトにアクセスして使用する | ・アプリストアの審査をクリアしなくてよいため、自由度が高い
・アプリをダウンロードする必要がない
・インターネット環境があれば使用できる
・マルチプラットフォームのため、どのOSでも使用できる | ・動作が遅いこともある
・常にインターネット接続されているため、ウイルスや情報流出のリスクがある
・利用できない機能もある |
ネイティブアプリのメリット・デメリット
ネイティブアプリのメリット・デメリットについて詳しく解説しましょう。
ネイティブアプリのメリット
ネイティブアプリのメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
- プッシュ機能やカメラ機能など、端末と連動したバリエーションが充実
- 一度ダウンロードするとホーム画面に常に表示される
- 動作が早い
まず、ネイティブアプリは、プッシュ機能やカメラ機能、GPS機能など、デバイス特有の機能と連動したバリエーションが豊富です。
ほかにも、デバイスに登録している連絡先との連携や、ユーザーの動きを測るのに便利なセンサーである加速度センサーなども活用できます。
これらの機能を活用したアプリを開発したいなら、Webアプリではなく、ネイティブアプリのほうが適しているでしょう。
また、ネイティブアプリは一度ダウンロードするとホーム画面に常に表示されるため、継続的な利用を促しやすいメリットもあります。
ホーム画面に自社ブランドのアイコンがあって、日常的にアプリを見ることで、時間があるときに「ちょっとアプリを開いてみようか」という気持ちになることもあるでしょう。
そのため、メッセージアプリや、金銭管理や体調管理など記録系アプリは、ネイティブアプリのほうが適しているとされています。
また、ネイティブアプリは、比較的動作が早いことが多く、インターネット環境がよくなくても使用できることもメリットのひとつです。
ネイティブアプリのデメリット
一方、ネイティブアプリのデメリットとしては、以下の2つがあります。
- OSごとに開発環境が変わる
- アプリアップデート時にも審査が必要
まず、OSごとに開発環境が変わるため、それぞれの開発環境でアプリ開発ができるエンジニアが必要です。
また、ネイティブアプリは、リリース時だけでなくアップデート時にもアプリストアによる審査を通過しなければいけません。
とくに、App Storeは、審査期間が約2週間と長く、審査が厳しいことで有名です。とはいえ、日本ではiPhoneユーザーが多いため、無視できない存在だと言えるでしょう。
Webアプリのメリット・デメリット
続いて、Webアプリのメリット・デメリットについて解説します。
Webアプリのメリット
まず、Webアプリのメリットは、以下の4つです。
- アプリストアの審査をクリアしなくてよいため、自由度が高い
- アプリをダウンロードする必要がない
- インターネット環境があれば使用できる
- マルチプラットフォームのため、どのOSでも使用できる
Webアプリは、アプリストアの審査をクリアしなくてよいため、仕様に対する制約が少なく、比較的自由度が高いとされています。また、自由度が高いものの、アプリの管理や保守、更新が難しくないことがほとんどです。
また、アプリストアからアプリをダウンロードする必要がなく、さらにインターネット環境があれば誰でも使用できるため、最初の利用ハードルが低いというメリットもあります。
さらに、スマートフォンやタブレット、パソコンなど、あらゆるデバイスからアクセスできる柔軟性も魅力的です。
マルチプラットフォームのため、どのOSでも使用できる点も、大きな魅力です。また、マルチプラットフォームは、各プラットフォームで異なるアプリを開発する必要がないため、開発期間や費用を大幅に抑えることもできます。
ほかにも、バグ修正や機能追加、仕様変更も1つのソースコードを改修するだけで対応可能ですので、メンテナンスにかかる時間や費用も少なくて済みます。
Webアプリのデメリット
対した、Webアプリのデメリットとしては、以下の2つが挙げられます。
- 動作が遅いこともある
- 常にインターネット接続されているため、ウイルスや情報流出のリスクがある
- 利用できない機能もある
Webアプリは、ブラウザ上で動作するため、端末のスペックやインターネット環境などの影響をもろに受けてしまい、ときには動作が遅くなってしまうことも考えられます。
アプリはさくさく使用できないと、ユーザーにとってストレスになってしまいます。「このアプリは使いにくい、遅い」と判断されて、使われなくなってしまうこともあるでしょう。
また、常にインターネット接続されているため、ウイルスや情報流出のリスクがあることも否定できません。セキュリティ対策も考えなければいけないでしょう。
ほかには、ネイティブアプリでは利用できても、Webアプリでは利用できない機能もあるのはデメリットと言えるでしょう。端末のOSやブラウザの影響を受けてしまいます。
ネイティブアプリとWebアプリのどちらを選べばよいのか
では、結局のところ、ネイティブアプリとWebアプリのどちらを選べばよいのか悩むかもしれません。
近年では、ネイティブアプリが主流になりつつありますが、どちらを選べばよいという絶対的な答えはなく、企画しているアプリ内容や、アプリ開発業者の得意分野などを考慮したうえで、適したほうを選ぶとよいでしょう。
また、ネイティブアプリとWebアプリの特徴を組み合わせた「ハイブリッドアプリ」と呼ばれるものもあります。
ハイブリッドアプリとは、Web上のコンテンツをアプリ内に表示する仕組みとなっています。詳しい特徴は以下の3つです。
- デバイスの機能を利用できる
- マルチプラットフォーム
- アプリ内でWebサイトを表示できる
ハイブリッドアプリは、ネイティブアプリと同様にプッシュ機能やカメラ機能、GPS機能など、デバイス特有の機能と連動させることが可能です。
また、ハイブリッドアプリは、各OSで利用できる「WebView」という機能を使って開発できるマルチプラットフォームです。OSごとに開発環境を変える必要がありません。
そして、WebViewを用いることで、アプリ内でWebサイトを表示できます。
これらを総合的に考えたうえで、ネイティブアプリかWebアプリ、それともネイティブアプリのいずれを選ぶか、考えましょう。
アプリ開発の費用を安く抑えるポイント
アプリ開発の費用を安く抑えるポイントとしては、以下の3つがあります。
- アプリの内容や機能を明確にしておく
- 補助金を利用する
- 複数の業者を比較検討する
それぞれについて詳しく解説しましょう。
ポイント①アプリの内容や機能を明確にしておく
アプリ開発を進めるうえで、どれだけアプリの内容や機能を明確にできているか、というのは非常に重要なポイントです。
おぼろげなイメージでアプリ開発依頼をすると「思ったのと違った」ということになりかねません。
事前にアプリ内容や機能を明確にしなかったため、途中で機能修正や機能追加が発生してしまうことも考えられます。そういった場合、費用が膨らんでしまい、最悪の結果はアプリ開発の断念となってしまうかもしれません。
これらを避けるためには、正確な要件定義が必要不可欠です。アプリ開発会社としっかり話し合い、認識違いがないようにしましょう。
ポイント②補助金を利用する
また、意外に知られていませんが、アプリ開発では補助金や助成金を使うこともできます。
アプリによっては、高額な費用がかかってしまいますが、国や自治体が用意している補助金や助成金の制度を積極的に利用することで、アプリ開発の費用を安く抑えられることもあるでしょう。
用意されている補助金や助成金としては、以下などがあります。
- ものづくり補助金
- IT導入補助金
- 事業再構築補助金
- 小規模事業者持続化補助金
アプリ開発の補助金や助成金として代表的なものが、ものづくり補助金です。
ものづくり補助金の正式名称は、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」で、中小企業あるいは小規模事業者などが今後複数年にわたり直面する制度変更に対応するため、アプリ開発などをおこなう際に支援する補助金です。
たとえば、働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入などに対応するためのアプリやサービスの開発、生産プロセスの改善などをおこなうための設備投資を支援するものです。
IT導入補助金とは、さまざまな経営課題を解決するためのITツール導入を支援するための補助金です。たとえば、業務のデジタル化を目的としたソフトウェアやシステムの導入や、生産性の向上を図るためのアプリ開発などが当てはまります。
事業再構築補助金は、新市場進出や事業・業種転換、事業再編、国内回帰またはこれらの取組みを通じた規模の拡大など、思い切った事業再構築に取り組む中小企業の挑戦を支援するものです。
小規模事業者持続化補助金は、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、小規模事業者の販路開拓や業務効率化などの取り組みを支援するものです。
ぜひ、これら国や自治体が用意している補助金や助成金の利用を積極的に考えてみましょう。
ポイント③複数の業者を比較検討する
また、複数のアプリ開発業者を比較検討するのも重要なポイントです。
とくに初めてのアプリ開発依頼だと、どのくらいの費用がかかるのかイメージがつかないかもしれません。そんなときに1社にしか見積もりを依頼しなかったから、その費用の妥当性を把握できないでしょう。
安ければよいという問題ではありませんが、妥当な金額で依頼できるように、複数社の見積もりをしっかり比較検討しましょう。
アプリ開発の業者を選ぶ際に重視する項目
続いて、アプリ開発の業者を選ぶ際に重視する項目について解説します。ぜひ重視したいのは、以下の3つです。
- 開発の得意分野
- 開発コスト
- ユーザーからの評価・評判
それぞれについて詳しく解説しましょう。
開発の得意分野
まず、どのようなアプリ開発を得意分野としているかチェックしましょう。アプリには、さまざまな種類があるため、自社が開発したいアプリと似たものを開発した実績があり、得意分野としているなら、信頼して依頼できるでしょう。
開発実績や得意分野については、正式に依頼する前であっても、問い合わせると教えてくれるはずです。しっかりヒアリングして慎重に判断しましょう。
開発コスト
また、開発コストが明確かつ予算内におさまっているかどうかも確認しましょう。
とくに見定めたいのが費用の内訳が適切かということ。費用については要件を基にアプリ開発会社が見積もって提示してくれるため、どういったことにどれだけ開発コストがかかるのか確かめてください。
なかには、リリース後のダウンロード数やユーザー数などによって料金が変動する方式を採用しているアプリ開発会社もあります。成果に対して開発コストが変動するわけですので、この特徴が自社にとってメリットがあるかどうか判断しましょう。
ユーザーからの評価・評判
アプリ開発を成功させるためには、ユーザーからの評価や評判も重視しなければいけません。
そのアプリ開発会社は、ユーザーのニーズに応えたアプリを開発し、日々ユーザーファーストの思考で改善に努めているか、判断しましょう。
ユーザーにとって使いにくいアプリは、いずれ使われなくなることも考えられます。わざわざ多くの費用や時間をかけて開発したのに、使われなくなるのは大きな損失だと言えるでしょう。
ネイティブアプリ開発のメリット・デメリットを考えよう
本記事では、ネイティブアプリとWebアプリとの違いや、それぞれのメリット・デメリット、アプリ開発の費用を安く抑えるポイント、アプリ開発の業者を選ぶ際に重視する項目などについて解説しました。
ネイティブアプリは、最近の流行ではありますが、安易にネイティブアプリを選択するのではなく、それぞれのメリット・デメリットを考慮して、十分に検討しましょう。
アプリ開発には、多くの費用や時間がかかるため、アプリ開発会社選びは慎重におこないましょう。ポイントのひとつは、本文でも触れたとおり複数の業者の比較検討です。
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この記事を書いた人
編集部員 濵岸
編集部員の濵岸と申します。コンテンツ作成と取材を主に担当しております。身長が低いため学生時代は「お豆」と呼ばれていました!豆らしく、皆様の役に立つ記事を「マメに豆知識を!」の意識で作成します!どうぞよろしくお願いいたします!