アプリ開発にはどれくらいの期間がかかる?種類や開発手法別に解説
公開日:2023.11.16 最終更新日:2024.10.01
アプリ開発を進めていく上でスケジュールを立てますが、その際にどのぐらいの期間を要するのかわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで当記事ではアプリ開発にかかる期間や、知っておきたい開発方法や手法について紹介します。
スケジュール通りアプリ開発を進めるコツや、遅れる要因についても紹介していますので、アプリ開発の期間で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
アプリ開発にかかる期間
アプリ開発をする際、完成までの時間がわかれば、今後の流れをつかみやすいでしょう。
しかし、アプリ開発にかかる期間は開発するアプリの種類や手法で異なります。
そのため、アプリ開発は一概に◯ヶ月かかるとはいえません。
ここではどのようなアプリでどのくらいの期間がかかるのか、アプリ開発の大まかな流れについて詳しく紹介します。
開発するアプリの種類や手法で異なる
先ほども述べたように、アプリ開発にかかる期間は、開発するアプリの種類や規模によって大きく変わります。簡単なアプリであったり、既存の枠組みがあれば、2週間から1ヵ月程度作成できますが、機能が多くなると半年以上かかります。
しかし現在のアプリの多くは、簡単なものと機能がある中間程度の規模で開発されているため、4ヶ月から6ヶ月程度の期間が多いです。
したがって、アプリ開発の時は、アプリの機能や規模の大きさで開発にかかるおおまかな期間を掴むことが可能です。
ただし、トラブルが発生したり、仕様が変更になったりすると、想定以上の期間がかかります。
また、個人で開発するのか、数人で開発するかにもよって、アプリ開発の期間は変わってきます。
関連記事:アプリ開発にかかる期間はどのくらい?手法別の目安も解説
アプリ開発の大まかな流れ
アプリ開発の大まかな流れは、以下の通りです。
- ヒアリング
- 企画
- 要件定義
- 設計
- 開発・実装
- テスト
- ストア申請・リリース
まずは具体的なイメージの共有、予算のすり合わせ、アプリの目的などのヒアリングが行われます。
アプリの目的やイメージの共有ができていないと、完成しても思っていたのと違うとなりかねません。
ヒアリング後は企画です。
企画では、アプリの開発、目的やターゲット層などのコンセプトをより具体的にしてアプリの提案書、費用の見積書の作成をします。
続いての要件定義では、アプリの開発に必要なシステムやスケジュール機能などを決めます。
要件定義の後の設計では、アプリの基本設計や詳細設計を決めて、どのようなプログラミング言語で開発するか、どのようなデータ処理をするかを設定していく工程です。
次の開発・実装では、アプリを形にするコーディング作業をします。
コーディング作業にかかる時間は1ヶ月から2ヶ月となっていますが、リソースによって大きく変わるため、一概には言えません。
実際にアプリが完成したらテストを行い正常に作動するかを確認していきます。正常に動作することが確認できたら、ストアにリリース申請を行い、完了です。
アプリの種類と所要期間
アプリの開発方法には、フルスクラッチ型とクラウド型の2種類があります。フルスクラッチ型とはアプリを0から作り上げる方法で、クラウド型は既に枠組みがあるものです。
ここでは、フルスクラッチ型とクラウド型に分けて、それぞれのメリットとデメリットを解説します。
フルスクラッチ型
フルスクラッチ型とは、アプリを0から作り上げる方法です。
ここでは、フルスクラッチ型のメリットとデメリットを詳しく紹介します。
メリット
フルスクラッチ型のメリットは、0からアプリを開発するため自由度が高く、独自の機能を構築できる点です。
ニーズに応じて最適化でき、技術があればどんな要件にも対応できます。
さらに自社で開発するからこそ、運用中の保守もしやすく、新たな機能にもスムーズに対応可能です。
そのため、競合他社と差別化を図りたい、独自の機能が欲しいといった場合は、0からアプリを作りあげるフルスクラッチ型が適しています。
デメリット
フルスクラッチ型は自由度が高く、独自の機能を構築しやすいもののコストがかかります。
具体的には初期費用で1,000万円以上、月額費用で数十万円以上です。
そのため予算が限られていたり、売り上げが見込めなかったりする場合は、困難な開発方法です。
さらにフルスクラッチ型に取り組むコストを確保できたとしても、高い技術力が求められます。
エンジニアやインフラ、セキュリティーの担当者など、各ジャンルのスペシャリストが求められます。
企業によっては、新たに人材確保をする必要があるでしょう。
クラウド型
クラウド型とは既に枠組みがあり、そこからアプリを作っていくものです。
ここでは、クラウド型のメリットとデメリットを詳しく紹介します。
メリット
クラウド型は既に枠組みがあるため、導入費用を抑えながら短期間で開発ができます。さらにフルスクラッチ型よりも、自由度は劣るものの、多少のカスタマイズも可能です。
複雑な設定もそれほど必要ありません。
そのため、アプリの開発をすぐにしたいとき、予算が限られている場合に最適の方法です。
デメリット
クラウド型のデメリットとしては、社外のサーバーを利用するため、セキュリティー対策が必要不可欠です。
さらに既に枠組みが決まっていることから、カスタマイズ性が高くありません。
自社に最適な機能を導入したいといった場合は、クラウド型よりもフルスクラッチ型の方が適しています。
アプリ開発の主要な手法と所要期間
アプリの開発手法は、ウォーターフォール型とアジャイル型の2種類です。
それぞれのメリットとデメリットを詳しく紹介します。
ウォーターフォール型
ウォーターフォール型とは、企画、要件定義、設計、開発・実装といった工程を一つ一つ確認しながら進めていく手法のことです。
ウォーターフォールにはメリットもありますが、デメリットもあります。
ここではメリットとデメリットに分けて解説します。
メリット
ウォーターフォール型のメリットとしては、進捗状況の把握、スケジュール管理がしやすいことです。各工程で行うべきタスクが明確になっているため、進捗がわかりやすく、どのタスクにどのぐらいの時間がかかるのかを把握しやすいです。
さらにスケジュールがしっかりと決められているうえ、各工程が完成してから次の工程に行くため、一定の品質を担保できます。
他にも予算やリソースの確保がしやすかったり、初期段階で最終的な目標が決まっていたりすることから、方向性がブレにくいのもウォーターフォール型のメリットです。
デメリット
ウォーターフォール型のデメリットとしては、途中で仕様の変更に対応しにくいことです。そもそも、ウォーターフォール型は途中の仕様変更はしない前提のもと、プロジェクトの流れや工程が最初から決まっています。
そのため、プロジェクト開始後の仕様変更には対応しにくくなっています。もしも仕様変更があった場合は、前の工程に戻らなければなりません。
その結果、工程が複雑化してしまい、成果物がイマイチとなる可能性があります。
また、工程が終わってから次に進むため、成果物ができるまでに時間がかかったり、状況変化に弱かったりするのも、ウォーターフォール型のデメリットです。
アジャイル型
アジャイル型とは、要件が高いものから、順番に開発をしていくものです。ウォーターフォール型はそれぞれの工程をクリアしてから次に進むのに対して、アジャイル型は機能ごとに段階的に開発していきます。
ここでは、アジャイル型のメリットとデメリットを紹介します。
メリット
アジャイル型のメリットとしては、不具合があったときに柔軟に対応できることです。ウォーターフォール型では不具合があると戻る必要があり、想定以上の時間やコストがかかる可能性があります。
対して、アジャイル型は段階的に開発をしているため、修正があったとしても負担が少なくなっています。
さらにユーザーの意見を聞きながら開発を進められるため、ユーザーの要望に最大限応えることが可能です。
アプリ開発をスムーズに行いたい、柔軟な対応をしたいと言った場合は、アジャイル型が最適です。
デメリット
アジャイル型のデメリットとしては、スケジュールのコントロールが難しいことです。仕様変更には柔軟なものの、何度も仕様変更が起きた場合はスケジュールが伸びてしまいます。
さらに、それぞれの部門のスケジュール管理は可能ですが、全体的な進捗状態を把握するのが難しいです。
そのため、予定リリース日に間に合わなかったり、想定以上の予算がかかってしまったりします。
アプリ開発の期間が延びてしまう要因
アプリ開発が伸びてしまう要因はさまざまですが、主に以下の5つが挙げられます。
- 開発中にトラブルが発生する
- 機能追加で工数が増える
- 成果物が当初のイメージとは異なる
- アプリの審査が長引く
- 専門的な知識のある人材を確保できていない
あらかじめアプリ期間の用意が伸びてしまう要因を把握しておけば、対策が可能です。
ここではそれぞれの要因を詳しく見ていきましょう。
開発中にトラブルが発生する
アプリの開発途中に機能の追加や仕様の変更バグが見られれば、それに対応する必要があります。その結果、スケジュールが伸びてしまいます。
アプリの開発途中にトラブルが発生する原因としては、企画段階の要件定義がはっきりしていないことが挙げられます。
開発中のトラブルを避けるためにも、要件定義で詳細を詰めておき、機能ごとで開発を区切るなどして、トラブル発生時の影響を最小限に抑えましょう。
関連記事:アプリ開発でのトラブル防止に契約書でチェックする5つの項目
機能追加で工数が増える
機能追加で工数が増えるのも、スケジュールが伸びる原因です。特にアプリの作成を外部に依頼したときに起こりやすいです。
発注側と依頼側の完成イメージがずれているため、開発途中に機能追加が起こってしまいます。
機能追加を最小限にするためには、事前に十分なヒアリングとイメージの共有が重要です。
成果物が当初のイメージとは異なる
3つ目の原因は成果物が当初のイメージと異なるためです。
こちらは、アプリ開発側と依頼側の間でアプリ完成イメージにズレが生じているのが原因で起こります。
具体的には、企画要件定義の打ち合わせの段階でイメージ共有ができていない、意見のすり合わせがうまくいっていない場合に起こります。
プロジェクト成果物が当初のイメージと異なっていると、修正・作り直しが必要となり、結果的に完成までのスケジュールが伸びてしまいます
アプリの審査が長引く
4つ目はアプリ自体に問題は無いものの、アプリの審査が長引いたことが原因です。審査に通らなかった原因がわかれば、スムーズな対処が可能です。しかし原因がわからない場合、原因を追求するのに時間をとられてしまい、リリースが遅れてしまいます。
専門的な知識のある人材を確保できていない
アプリ開発は外部への依頼も可能ですが、社内に専門的な知識のある人材がいないと、現場の意見や状況を正しく共有できません。
その結果、情報共有に時間がかかってしまい、開発期間が長くなります。
アプリ開発の期間が長引くことで起きる問題とは
アプリ開発の期間が長引くことで起きる問題は、おもに以下3つが予想されます。
- 開発期間が伸びるほどコストが増大する
- マーケティング戦略に支障が出る
- 市場トレンドとのズレが生じる
1つずつ解説します。
開発期間が伸びるほどコストは増大する
予想よりも開発期間が延びることで、エンジニアを含むプロジェクトに関わる人たちの工程が増えます。工程が増えることで、伸びた分の人件費の増大は避けられません。
開発費は「人月単価×人月×開発期間」で決定するため、外注の際は進捗管理が重要となるでしょう。とはいえ、プロジェクトの規模に対して開発期間が短いと、アプリの仕上がりに影響します。外注先とよく詳細をすり合わせ、方向性がブレないように社内でも企画を練り上げておきましょう。
マーケティング戦略に支障が出る
リリースにあわせてイベントなどを計画していた場合、開発期間が遅れてしまうと機会損失を免れません。予定通りにアプリ開発が進まないと、マーケティング戦略に大きな影響を受けます。
アプリ開発にかかる平均期間は4〜6ヶ月程度、規模が大きくなれば10ヶ月以上かかるケースもあります。できる限りマーケティング戦略に支障がでないように、余裕を持ったスケジュールを組むとよいでしょう。
市場トレンドとのズレが生じる
開発期間が延びるとリリース時期が遅れるため、顧客ニーズと大きなズレが生じる恐れがあります。リリース時の市場トレンドにあわせてアプリを開発するため、期間が延びるほど顧客ニーズとのズレは大きくなるでしょう。
開発期間は長引くことを想定し、対応策についての具体的な案を計画しておきましょう。
アプリ開発の開発期間における進捗管理
アプリの開発期間を考える際に重要となる、進捗管理について以下4つに分けて解説します。
- 進捗管理とは
- 進捗管理の必要性
- 自社開発の際の進捗管理のポイント
- 外注の場合の進捗管理のポイント
1つずつ詳しく見ていきましょう。
進捗管理とは
事前に立てたスケジュールと相違なく計画が進んでいるか、確認と管理を行うことです。アプリ開発ではスケジュールが遅れるケースが多く、重要な取り組みといえます。
また、遅延やトラブル時の対応を事前に定めておくことも大切です。アプリ開発では、プロジェクトマネージャー(PM)といった役職の人がおもに担当します。
進捗管理の必要性
開発期間が延びれば、それだけ機会損失や人材費が増大します。そのため、アプリ開発の費用を抑えるためにも進捗管理は重要です。遅れが生じた際に早急に対応できるため、プロジェクト全体のスムーズな進行が確保されます。
また、適切な進捗管理はアプリの品質低下を防ぐことにつながります。
自社開発の際の進捗管理のポイント
自社開発でアプリ開発を行う際は、以下3つのポイントを意識しましょう。
- 定期的に進捗確認のミーティングを行う
- マイルストーンとKPIを設定する
- ツールを活用して進捗を管理する
チーム全体の進捗を確認、共有するためには、定期的なミーティングは欠かせません。リソース不足といった問題点に、早期に対応できます。また、長期目標とは別に、中間地点を設けるマイルストーンとKPIの設定も重要となるでしょう。
外注の場合の進捗管理のポイント
アプリ開発を外注する場合は、以下のポイントに配慮して進捗管理を行いましょう。
- 外注先との定期的なコミュニケーション
- 進捗表を作成して共有する
- 品質チェックを定期的に行う
外注先とのコミュニケーション不足は認識のズレを生じやすく、開発期間の遅延につながる要因となります。定期的なコミュニケーションと品質チェックは、早急な問題解決を可能とします。また、外注先と信頼関係を築くことで、品質の担保・向上に期待できるでしょう。
アプリ開発の期間を予定通りに進めるためのコツ
アプリ開発を予定通りにするためにはコツがあります。
具体的なコツとしては、以下の3つです。
- 開発期間に余裕を持たせる
- 必要な機能を事前に明確にしておく
- 工数のかからない開発手法を選択する
ここでは、開発を予定通りに進めるためのコツを詳しく紹介していきましょう。
開発期間に余裕を持たせる
あらかじめ、開発期間は余裕を持ったスケジュールにしましょう。余裕のないスケジュールにすると、トラブルがあったときに対応できなくなります。
さらに、各工程の開発にかかる時間を無理して削ってしまい、トラブルに繋がる恐れもあります。
リリース日を間に合わせることも重要ですが、そもそも充分な開発期間が設けられているかの見直しも大切なポイントです。
リソース、エンジニアの技量に合わせて、スケジュールを組み立てましょう。
必要な機能を事前に明確にしておく
必要な機能を事前に明確にしておくのも、予定通りに開発を進める重要なポイントです。
そもそもスケジュール期間が伸びる原因として、機能の追加が挙げられます。
要件定義の段階で必要な機能が明確になっていれば、機能の追加も必要最小限にできます。
ユーザーの要望・現場の声に柔軟に対応することも重要ですが、その場合は工数のかからない開発手法を選択したり、余裕を持ったスケジュールを設定したりしていきましょう。
工数のかからない開発手法を選択する
短期間でアプリを開発したい場合は、今週のかからない開発手法を選択するのも手段の1つです。現在はプログラミングコードを書く必要のないノーコード開発や、すでに枠組みが決まっているクラウド型などがあり、これらを用いれば短期間で開発が可能です。
さらに簡単にアプリ開発ができるため、現場の状況や意見も反映しやすくなります。自由度が低いといったデメリットはあるものの、スムーズに開発したい場合は検討してみるといいでしょう。
アプリ開発の期間に関するQ&A
アプリ開発の期間に関するQ&Aを、まとめて紹介します。
- アプリ開発にかかる平均期間は?
- アプリを個人開発するのにかかる期間は?
- アプリ開発の独学に必要な期間は?
気になる項目については、続きをご確認ください。
アプリ開発にかかる平均期間は?
平均4〜6ヶ月程度かかるとされています。
なお、大規模プロジェクトになると10ヶ月以上かかるケースも多いようです。
アプリを個人開発するのにかかる期間は?
シンプルな機能であれば、1ヶ月程度で開発することも可能です。
簡単なアプリであれば3ヶ月〜半年、規模が大きくなると1年以上要するケースもあります。
アプリ開発の独学に必要な期間は?
アプリ開発の独学には、3ヶ月から1年程度の期間が必要です。
確保できる学習時間によって、大きく変動します。また、どのようなアプリを作るかによっても開発期間は左右されます。
アプリ開発にかかる期間を把握しスムーズに開発を進めよう
本記事ではアプリ開発に必要な期間について解説しました。アプリ開発に必要な期間は規模やリソースによって大きく異なるため、一概には言えません。
アプリ開発をスケジュール通りに進めるためには開発期間に余裕を持たせたり、必要な機能を事前に明確したりするのも重要なポイントです。本記事で紹介した内容をもとにアプリ開発をスムーズに進めていきましょう。
もしもアプリ開発に戸惑った場合は、アプリ開発会社に相談してみるのもオススメです。「EMEAO!(エミーオ)」では複数のアプリ開発会社を紹介していますので、ぜひ活用してみてください。
この記事を書いた人
編集部員 濵岸
編集部員の濵岸と申します。コンテンツ作成と取材を主に担当しております。身長が低いため学生時代は「お豆」と呼ばれていました!豆らしく、皆様の役に立つ記事を「マメに豆知識を!」の意識で作成します!どうぞよろしくお願いいたします!