iOS(iPhone)アプリの作り方は?必要なものや収益化する3つの方法も解説
公開日:2023.11.26 最終更新日:2024.09.30
昨今、iPhoneの国内シェアが広がり、iOS(iPhone)アプリ開発への注目が高まっています。iOSアプリを開発する際には、必要なものや知識、手順などを知ることが大切です。
本記事では、iOS(iPhone)アプリの作り方をはじめ、必要なものや収益化する3つの方法ついて解説します。必要なスキルを学習する方法も紹介しているので、iOSアプリを開発する際の参考にしてください。
iOSアプリ開発の基礎知識
アプリ開発を始める前に、基礎知識を知る必要があります。
- iOSとは何か
- iOSアプリ開発の特徴と利点
- Xcodeの基本機能と使い方
上記の3項目にわけて解説していきます。
iOSとは何か
iOSとは、Apple社が開発したOS(オペレーティング・システム)のことです。
基本ソフトウェアとも呼ばれ、ユーザーの操作をアプリに伝えたり、ソフトウェアとハードウェア間のデータを制御したりします。
iOSアプリ開発の特徴と利点
iOSアプリ開発の特徴は以下の通りです。
- 開発言語はSwift
- Apple社が提供するXcodeを使用する
- App Storeで配布する
- 限られたハードウェアで使用するため、ハードウェアの互換性を考慮する必要が少ない
- UIデザインガイドラインはApple社のHIG(Human Interface Guidelines)に従う
- Appleの他のサービスや機能と統合しやすい
検査端末が少ないため、コストも抑えられます。
Xcodeの基本機能と使い方
XcodeとはApple社製品向けの統合開発環境で、App StoreやDeveloperの公式ページからダウンロードできます。
基本的な使い方は以下のとおりです。
- プロジェクトを作成
- プロジェクトの設定項目を入力
- プロジェクトファイルの保存場所を選択
- 「hello world!」を表示させる
iPhoneをエミュレートした画面に「hello world!」が表示されれば成功です。
iOSアプリの開発前に必要なもの
iOSアプリを開発する際には、まず必要なものを準備しましょう。
- パソコン
- 開発環境
- iPhone・Apple ID
- Apple Developerのアカウント登録費用
それぞれ詳しく解説します。
パソコン
iPhoneはApple製品であるため、互換性のあるMacのパソコンがおすすめです。
WindowsのパソコンでもiOSアプリの開発はできますが、仮想OSを作って開発する必要があります。しかし設定が大変なうえ、不具合が起こる可能性もあるため避けた方がよいでしょう。
また、ストレスなく開発を進めるためには、以下のスペックのMacのパソコンを選ぶとよいでしょう。
- CPU:Core i5以上
- メモリ:8GB以上
- ストレージ:128GB以上(SSD)
開発環境
アプリのプログラムを実行したりエラーを確認したりする際は、開発環境で実施します。iOSアプリ開発に使用される開発環境は、以下の3つです。
- Xcode
- Xamarin
- Flutter
Xcodeは、Apple社が開発したMac専用の統合開発環境で、iOSアプリとの相性がよいとされています。また、コードが少なくて済むため、iOSアプリ開発が初めての方も安心して利用できます。
Xamarinは、プログラミング言語のC#で操作できる、オープンソースの開発環境です。複数のOSに対応したアプリを開発できるため、iOSアプリとAndroidアプリの両方を同時にリリースしたい方におすすめです。
Flutterは、Google社が開発した開発環境で、プログラミング言語のDartを使用したクロスプラットフォームを開発できます。上記2つの開発環境よりも、デザイン性の高いアプリを開発できるのが特徴です。
iPhone・Apple ID
アプリの開発はパソコンで行いますが、最終的なアプリの動作やエラー発生の確認は、iPhoneの実機を用いて実施します。
また、テストが終了し、Apple Storeにアプリを申請する際には、Apple IDが必要です。個人の場合は個人アカウント、法人の場合は法人アカウントを準備しましょう。
Apple Developerのアカウント登録費用
Apple Storeにアプリを申請する際には、Apple Developerのアカウントも必要です。Apple Developerのアカウントの登録費用は、個人の場合は年間99ドル、法人の場合は年間299ドルかかります。
iOSアプリを開発する際に必要な3つの言語
iOSアプリを開発する際には、以下の3つの言語を覚えておくべきです。
- Swift
- Java
- Python
それぞれ詳しく解説します。
Swift
Swiftは、Apple社が開発したiOSアプリ向けのプログラミング言語です。これまでは「Objective-C」と呼ばれる言語が使われていましたが、より最適化できるようにとSwiftが開発されました。Swiftは、文法がシンプルでわかりやすく、複雑なコードを書かなくて済みます。
動作が軽量で、プログラミング作業がしやすい点が特徴です。
Java
Javaは、世界的に人気があるプログラミング言語で、日本でも多くの開発に利用されています。セキュリティの高さが特徴なので、銀行や証券会社などの大規模なアプリを開発する際におすすめです。
処理速度が高いため、IT人材が少ない企業にも適しています。
関連記事:Javaで開発できるアプリとは?種類と開発環境を解説
Python
Pythonは、AIやブロックチェーンなどでよく使用されているプログラミング言語です。データ分析や統計が得意で、汎用性が高い点が特徴です。文法がわかりやすいため、初めての方でも学びやすいプログラミング言語です。
関連記事:Pythonとはどんな言語?アプリ開発に利用する際の手順も解説
Objective-C
Objective-Cとは、20年以上の歴史を持つ言語です。多く開発事例とノウハウが蓄積されているため、幅広い分野に対応できます。
C++
C++とは、C言語から発展したプログラミング言語です。多種多様な機能を持っており、他の言語にはない高度な処理も実装できます。そのため、自由度が大変高いと言われています。
iOSアプリの作り方・手順
iOSアプリを作る際の手順は、以下の通りです。
- 開発するアプリの企画
- 画面設計図の制作
- アプリ開発の開始
- 動作テストの実施
- アプリの申請・公開
それぞれ詳しく解説します。
開発するアプリの企画
iOSアプリを作る際には、まずは開発アプリの企画を立てます。どのようなサービスを提供したいか、機能やデザイン、実現方法などを詳細に決めましょう。自身が持つスキルや経験と照らし合わせ、無理のない範囲で企画を立てることが大切です。
市場調査とターゲット分析
企画を立てたら、市場調査とターゲット分析をします。App Storeには毎週数えきれないほどのアプリがリリースされます。その中で選ばれ、継続して利用してもらうためには、市場調査とターゲット分析が重要です。
画面設計図の制作
企画を立てたら、画面設計図を制作しましょう。画面設計図は、上流工程の社員だけではなく、下流工程の社員も着手します。そのため、下流工程の社員にも伝わる内容にすることが大切です。
ユーザーインターフェースのデザイン
画面設計図を元に、ユーザーインターフェースのデザインを行います。ユーザーが使いやすいデザインを採用することで、類似アプリと比較したときに利用してもらえる可能性があります。
アプリ開発の開始
画面設計図をもとにソースコードを書き、アプリ開発を開始します。画面設計図の内容に関して不明点や疑問点があれば、必ず確認をとってから進めるようにしましょう。
動作テストの実施
アプリ開発がある程度進んだら、動作テストを実施します。iPhoneを使用し、問題がなく動作できているか確認する作業です。バグやエラーなどが発生した場合はその都度、修正していきましょう。
アプリのセキュリティ対策
動作テストをクリアしたら、アプリのセキュリティ対策を行います。基本的にiOSは高いセキュリティ標準とプライバシー保護の機能を有しているため、正しく設定しましょう。
アプリの申請・公開
動作テストが完了したら、Apple Developerへアプリの申請をしましょう。申請後は、審査の結果を待ちます。審査の結果によっては、不具合や問題点が見つかる場合もあり、再審査が必要になります。審査を無事通過できたら、アプリを公開しましょう。
iOSアプリを収益化する3つの方法
iOSアプリを収益化する方法は、主に3つあります。
- アプリ利用の有料化
- アプリ内の広告掲載
- アプリ内課金の設定
それぞれ詳しく解説します。
アプリ利用の有料化
iOSアプリを収益化する方法として、アプリ利用の有料化が挙げられます。有料アプリは、アプリがインストールされる際に収益を得られます。
ただし、有料アプリは、インストールのハードルが上がるため、費用に見合った内容のアプリを作成する必要があります。
アプリ内の広告掲載
iOSアプリ内に広告を掲載し、広告収益を得て収益化する方法もあります。アプリ内に広告動画を流したり、広告バナーを設置したりして、収益化します。
1つあたりの広告収益は少額ではありますが、利用者が多ければ安定した収益を得られます。
アプリ内課金の設定
アプリ内課金を設定することで、収益化する方法もあります。アプリの内容にもよりますが、有料のサービス・アイテムを作成することで、継続的に稼げます。
アプリ内課金で得た収益の15〜30%が手数料として差し引かれます。
iOSアプリのマーケティング戦略
多くのユーザーにアプリを利用してもらうために、アプリのマーケティングが重要です。段階ごとに、どのような戦略が有効か考えていきます。
- App Store最適化(ASO)の基本
- ユーザー獲得とリテンション戦略
- アプリのアップデートとメンテナンス
ここからは、3つの項目にわけて解説していきます。
App Store最適化(ASO)の基本
ASOでは、アプリがApp Storeの上位にランクインすることを目指し、ユーザーにわかりやすい詳細ページを作成する施策です。App Storeの上位にランクインするために、ユーザーが検索するキーワードを特定したり、アプリ使用時の動画やスクリーンショットを詳細ページに掲載して魅力を伝えたりします。
ユーザー獲得とリテンション戦略
ユーザー獲得の方法はたくさんあります。たとえば、以下のような方法です。
- SEOマーケティング
- SNSマーケティング
- 有料広告
- 自社コンテンツ
作成したアプリに最適なプロモーションを検討し、宣伝します。
リテンション(ユーザーの維持)戦略もいろいろな方法がありますが、よく活用されるのは、コンテンツの追加やイベントです。たとえば、人気アニメとのコラボイベントです。新しいキャラクターの獲得や限定のステージが追加されるので、飽きずにゲームを楽しめます。
アプリのアップデートとメンテナンス
アプリ開発後も、市場調査や改善が不可欠です。ユーザーの意見を取り入れ、機能を改善します。
また、アプリを利用していると、不具合などの問題が発生することがあります。メンテナンスを行い、不具合を改善することで、ユーザーが使いやすいようにしましょう。
iOSアプリ開発に必要なスキルを学習する方法
iOSアプリ開発に必要なスキルを学習する方法は、主に3つあります。
- Webサイトで学習する
- 本で学習する
- プログラミングスクールで学習する
それぞれ詳しく解説します。
Webサイトで学習する
iOSアプリを開発する際には、Webサイトで学習する方法がおすすめです。Webサイトで学ぶ場合、インターネット環境とパソコンやスマートフォンさえあれば、気軽に学習できます。
またテキストだけではなく、図解やイラスト、動画などでも解説されているため、初心者でも理解しやすいのが特徴です。
本で学習する
iOSアプリ開発に必要なスキルを学習する方法として、本で学ぶという手段もあります。Webサイトで基礎を学び、実際のコーディングやサンプルコードを本で学ぶのをおすすめします。
本で学ぶ際には、1〜2冊に絞って繰り返し学ぶようにしましょう。
プログラミングスクールで学習する
プログラミングスクールを活用して学習する方法もあります。学習途中で挫折したくない方や独学するのが心配な方には、この方法がおすすめです。
iOSアプリ開発のトレンドと将来展望
トレンドを知って活用することは、アプリ開発成功の鍵となります。
- AI・機械学習の活用
- AR/VR技術の統合
- クロスプラットフォーム開発ツール
上記の項目にわけて解説します。
AI・機械学習の活用
AIやML(機械学習)はアプリ開発の主要なトレンドの一つです。ユーザーの行動や好みの分析をしたり、チャットボットなど24時間体制で顧客対応を行うなど、使用方法は複数あります。
近年、AIやMLの技術がさらに進み、より高度な機能を使ったアプリ開発が期待されています。
AR/VR技術の統合
AR(拡張現実)とVR(仮想現実)はアプリ開発における革新的な技術です。利用ジャンルも広く、ゲームやショッピング、不動産など、色んな分野での応用事例があります。
ARやVRの技術の発達は、リアルでインタラクティブな体験を期待できます。
クロスプラットフォーム開発ツール
クロスプラットフォーム開発とは、1度で複数のプラットフォームに対応できることです。クロスプラットフォーム開発を活用することで、効率がよくコストも低減できます。
クロスプラットフォーム開発は、企業と開発者の両方に利点があるため、今後需要が高まっていくでしょう。
まとめ:iOS(iPhone)アプリを作成し、活躍の場を広げよう
昨今、アプリ開発の動きが活発に進んでおり、iOSアプリの開発に興味を持つ方が増えています。
iOSアプリを開発する際には、まずはパソコンや開発環境、iPhoneなど、必要なものを準備しましょう。その後、アプリ開発の企画を立て、画面設計図を制作し、アプリ開発を進めます。動作テストを実施し、アプリの申請・審査が通ったら、アプリを公開しましょう。
iOSアプリ開発を検討されている方は、本記事を参考に、ぜひアプリを作成し、活躍の場を広げてみませんか?
この記事を書いた人
hata