アプリ開発におけるクロスプラットフォームとは?おすすめのフレームワークも紹介
公開日:2023.11.26 最終更新日:2024.04.19
アプリ開発のプラットフォームとは、基盤となる開発環境を意味する言葉です。異なるプラットフォーム上で動作するアプリを開発する際の環境を、クロスプラットフォームと呼びます。
本記事では、アプリ開発におけるクロスプラットフォームという概念の意味や種類、フレームワークについて紹介します。クロスプラットフォームでのアプリ開発に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
アプリ開発におけるクロスプラットフォームとは
アプリ開発における「クロスプラットフォーム」とは、異なるプラットフォーム上で動作するアプリケーションを開発するプログラムを意味します。iOS・Android・Windows・macOSなど、プラットフォームが異なる場合でも、1つの開発言語で対応可能です。
同じコードを使用して複数のプラットフォームに対応できるため、開発効率の向上、リソースの最適化などのメリットがあります。
クロスプラットフォームの種類
クロスプラットフォームの種類は、以下の通りです。
- ネイティブ型
- ハイブリッド型
- 独自レンダラ型
それぞれの種類ごとに特徴を解説します。
ネイティブ型
ネイティブ型のクロスプラットフォーム開発とは、各OSのプラットフォームのレンダリングエンジンを使用する開発方法です。共通のコードベースを使用して複数のプラットフォームに対応できるため、開発効率の向上につながります。
ネイティブ型開発は、フレームワークからOSのUI部分を操作する感覚に近いため扱いやすく、処理速度が速いというメリットあります。
ただし、各プラットフォームごとに微調整が必要であり、特定のプラットフォームへの最適化やアップデートに手間がかかる点には注意しなければなりません。
関連記事:ネイティブアプリ、WEBアプリのアプリ開発依頼する時の違いを紹介
ハイブリッド型
ハイブリッド型クロスプラットフォームとは、Webアプリとネイティブアプリの機能を融合したプラットフォームです。WebView上でネイティブ機能を使用するため、ハイブリッド型と呼ばれます。
ハイブリッド型のクロスプラットフォーム開発は、Web開発言語(HTML、CSS、JavaScript)をもとにした開発方法です。Web開発言語で構築されたアプリを専用のフレームワークでラッピングして、ネイティブアプリのように動作させます。
ハイブリッドアプリは、共通のコードベースを使用して複数のプラットフォームに展開できます。Web開発言語を使用するため、比較的簡単にクロスプラットフォームへ対応できる点もメリットといえるでしょう。
しかし、ハイブリッドアプリは、ネイティブアプリに比べて性能がやや劣ることがあります。ハイブリッド型は、開発速度やコストパフォーマンスに優れるものの、一部の高度な機能への制約が生じる点には注意しましょう。
関連記事:ハイブリッドアプリとは?メリット・デメリットと開発フレームワーク4選
独自レンダラ型
独自レンダラ型クロスプラットフォームとは、独自のレンダリングエンジンで画面の描画を行うクロスプラットフォームです。OSのレンダリングエンジンやネイティブ型とは異なり、独自のレンダリング技術を用いて、異なるプラットフォーム上で開発を進めます。
独自レンダラ型の開発では、プラットフォーム依存のコードを最小限に抑え、高度なグラフィックスやパフォーマンスを実現可能です。共通のコードベースを使用しつつ、独自のレンダラ技術を活用することで、各プラットフォームに最適な形でアプリを描画できます。
独自レンダラ型は、ゲーム開発や対話アプリなど、高度な視覚的要素が求められる場合におすすめです。特定のフレームワークに依存するため、柔軟性やカスタマイズ性が制約されることもありますが、高度な開発が可能になります。
クロスプラットフォームアプリ開発のおすすめフレームワーク
クロスプラットフォームアプリ開発におすすめのフレームワークは、以下の通りです。
- Flutter
- React Native
- Xamarin
- Unity
それぞれのフレームワークの特徴を解説します。
Flutter
Flutter(フラッター)は、Googleが開発したオープンソースのモバイルアプリケーションフレームワークです。プログラミング言語のDartをもとに開発され、2018年にリリースされました。
Flutterでは、視覚的に美しいネイティブアプリの構築が可能です。ウィジェットと呼ばれる再利用可能なビルディングブロック方式を利用しており、iOS・Android・Web・デスクトップなどさまざまなプラットフォームに対応できます。
また、高いカスタマイズ性や迅速な開発サイクル、ホットリロード機能なども特徴の1つ。開発者が素早く効果的なアプリケーションを構築できるようにサポートする、モダンで柔軟なアプリ開発フレームワークです。
React Native
React Native(リアクトネイティブ)は、Facebookが開発したオープンソースのモバイルアプリケーションフレームワークです。JavaScriptで開発されており、ネイティブな描画スピードとレスポンスが実現されています。
React Nativeフレームワークでは、iOSとAndroidのアプリ開発を、OSを問わず共通のプログラムで実施することができます。そのため、開発工数の削減やスピーディなサービスローンチにつながり、開発コストを抑えることも可能です。
ネイティブモジュールの組み込みや既存のネイティブコードとの統合が容易なため、パフォーマンス向上やネイティブ機能の利用も可能。React Nativeは、多くの企業や開発者に利用されており、効率的なモバイルアプリケーション開発に貢献しています。
Xamarin
Xamarin(ザマリン)は、クロスプラットフォームアプリを開発するためのオープンソースのフレームワークです。C#で開発されており、iOS・Android・Windows用のアプリを作成できます。
Xamarinには、同一言語・API・データ構造を使用すると約75%のコードを共有できる、Xamarin.FormsでUIを作成すると約90%のコードを共有できるなどの特徴があります。また、C#ならではのLINQ・async/await・ラムダ式などの言語サポート機能が充実しているのもメリットの1つ。
Visual Studioとの統合も強力で、アプリ開発者は豊富なツールやデバッグ機能を利用できます。Xamarinはネイティブアプリの性能と機能を持ちつつ、C#の力強さを活かした効率的なクロスプラットフォーム開発が可能です。
Unity
Unity(ユニティ)は、ゲーム開発などの分野で利用されているフレームワークです。C#やJavaScriptなどの言語を用いて、複雑なアプリ開発ができます。
Unityは縦・横・奥行きで表現された立体的な3次元データを扱うことに優れています。VRやARなどの仮想空間を構築するだけではなく、コンピューター上でモデリングすることで、効率的にシミュレーションすることも可能です。
Unityは、3Dおよび2Dのゲーム開発を得意としたクロスプラットフォームフレームワークともいえます。高度な3Dグラフィックスやシミュレーションを実現できるため、シミュレーション・教育・訓練などの分野でも応用されています。
まとめ:Windows・Mac両方に対応したクロスプラットフォームアプリを開発しよう
アプリ開発におけるクロスプラットフォームとは、異なるプラットフォーム上で動作するアプリケーションを開発するプログラムを意味する言葉です。ネイティブ型・ハイブリッド型・独自レンダラ型などの種類があり、目的に応じて使い分けられています。
クロスプラットフォームアプリの開発には、Flutter・React Native・Xamarin・Unityなどのフレームワークが使われます。開発したいアプリの種類に最適なフレームワークを選ぶことが大切です。
この記事を書いた人
hata