ハイブリッドアプリとは?メリット・デメリットと開発フレームワーク4選
公開日:2023.12.19 最終更新日:2024.04.19
アプリ開発の方法は多様化している中で、多機能性とコスト効率の良さからハイブリッドアプリに注目が集まっています。しかし、ネイティブアプリやWebアプリなど他の選択肢もある中で、ハイブリッドアプリを選ぶか迷っている方もいるでしょう。
そこで本記事では、ハイブリッドアプリのメリット・デメリットを紹介します。また、開発フレームワーク4選も解説しますので、ぜひご覧ください。
ハイブリッドアプリとは
ハイブリッドアプリとは、ネイティブアプリとWebアプリの両方の長所を兼ね備えたアプリのことです。SafariやChromeなどのWebブラウザ上で動作し、HTML・CSS・Javascriptなどの言語で開発されます。
ここでは、ハイブリッドアプリについて以下の3つの観点から解説します。
- Webアプリとの違い
- ネイティブアプリとの違い
- PWAとの違い
1つずつ見ていきましょう。
Webアプリとの違い
Webアプリは、インターネットブラウザを通じて利用されるアプリケーションのことです。インストール不要でブラウザ上で直接動作するため、特定のOSやデバイスに依存することなく利用できます。
HTML・CSS・JavaScriptなど、Webのプログラミング言語で開発され、ハイブリッドアプリよりも安く開発でき、OSアップデートの影響も受けにくいのが特徴です。
関連記事:Webアプリ開発を効率的に作成できる代表的なツール6選
ネイティブアプリとの違い
ネイティブアプリは、App StoreやGoogle Playなどのアプリストアからダウンロードして、スマホやタブレット上で利用するアプリのことです。端末にインストールするためプッシュ通知・カメラ・GPSなど端末の機能も利用できます。
そして、動作が速く、オフラインでも使用できるのが魅力です。しかし、OSごとに開発環境が異なり、リリースやアップデートをするときはアプリストアの審査が欠かせません。また、開発コストはハイブリッドアプリよりも高く、OSアップデートの影響も受けやすいと言えます。
関連記事:ネイティブアプリ開発とは?webアプリとの違いやメリットなど
PWAとの違い
PWA(プログレッシブウェブアプリ)とは、Webサイトでありながらアプリのように扱えるWebアプリのことです。アプリストアを経由せずにインストールして使用できます。
読み込みが早く、端末の機能を一部利用できるという魅力があります。ハイブリッドアプリも端末の機能を利用できますが、動作が端末のスペックやインターネット環境に依存するという違いがあります。
ハイブリッドアプリのメリット
ハイブリッドアプリには、以下4つのメリットがあります。
- ネイティブアプリよりも開発費用が安い
- オフラインでも使用できる
- メンテナンスの手間が少ない
- ネイティブ機能を利用できる
それぞれ解説していきます。
ネイティブアプリよりも開発費用が安い
ネイティブアプリは、iOSとAndroidのそれぞれのOSに対応して開発する必要があり、使用される言語も異なります。そのため、開発工数がかかりコストが高額になる傾向です。
しかし、ハイブリッドアプリはOS固有の開発をする必要がなく、開発費用を抑えられます。
オフラインでも使用できる
WebアプリはWebブラウザ上で動作するアプリケーションで、使用時にはインターネットに接続する必要があります。
しかし、ハイブリッドアプリはオフラインでも一部の機能が利用できます。また、通信速度などインターネット環境に左右されることなく動作するのも魅力です。
メンテナンスの手間が少ない
ハイブリッドアプリは複数のOSでアプリをリリースしていても、基本的には一度の修正作業ですべてのプラットフォームに対応できます。
ネイティブアプリのように、メンテナンスするたびにiPhoneとAndroidなどOSごとに修正するなどの作業は必要ありません。メンテナンスの手間が少ないため、顧客の要望やフィードバックにも迅速に対応でき、顧客満足度の向上が見込めます。
ネイティブ機能を利用できる
ハイブリッドアプリは、スマホのプッシュ通知・カメラ・位置センサーなどネイティブ機能を利用したアプリ開発が可能です。例えば、スマホの内蔵カメラ機能を使って商品のバーコードを読み取り、Web上で検索するようなアプリを開発できます。
ネイティブ機能があれば、身の回りにあるさまざまなデバイスを活用した実用的なアプリを開発できるでしょう。
ハイブリッドアプリのデメリット
ハイブリッドアプリのデメリットには以下の2つがあります。
- ネイティブアプリよりも動作が重い
- 詳細な機能・設定が不得意
それぞれ解説していきます。
ネイティブアプリよりも動作が重い
ハイブリッドアプリはOSが異なるプラットフォームでも対応するため、動作面でネイティブアプリに比べて劣る傾向があります。
端末にインストールして使用するネイティブアプリは、インターネット環境に表示速度が影響を受けることは多くありません。しかし、ハイブリッドアプリは動作するたびにインターネットに接続する必要があるため、動作はやや遅くなります。
詳細な機能・設定が不得意
ハイブリッドアプリを開発するとき、一般的にはフレームワークを使用します。フレームワーク内でカメラなどのネイティブ機能を利用するためには、特定のプラグインが必要です。
しかし、プラグインはフレームワークごとに異なり、自由度や機能の制限を受けることも少なくありません。既存のフレームワークやプラグインを利用して比較的容易に開発できる一方で、より複雑な機能や特別な仕様は実現しにくいことを理解しておきましょう。
ハイブリッドアプリが向くケース
ECストアのアプリやニュースアプリなど動作速度を求められないアプリケーションには、ハイブリッドアプリが向いています。
一方、ゲームアプリや画像加工のように速い動作や高度な機能が求められる場合には、ネイティブアプリがおすすめです。
ハイブリッドアプリ開発のフレームワーク4選
ハイブリッドアプリ開発のフレームワークには、主に以下の4つがあります。
- Apache Cordova
- Flutter
- React Native
- Monaca
それぞれ解説していきます。
Apache Cordova
Apache Cordovaは、オープンソースのハイブリッドアプリ開発サービスです。HTML・CSS・Javascriptといった言語が使用され、加速度センサーやカメラといった端末の機能を活用したアプリケーションを開発できます。
また、開発者間のコミュニティが活発で意見交換が盛んに行われており、開発に関する疑問や不明点を気軽に質問し、情報を共有できるのも魅力です。
URL:https://cordova.apache.org/
Flutter
Flutterは、Googleが提供するモバイルアプリ開発のためのフレームワークです。AndroidとiOS向けのプログラムコードの大半の部分を共有可能で、開発の効率化が図れます。
Flutterで使用されるプログラミング言語Dartは、Javascriptの代替言語として開発されたため、Javascriptの文法に似ています。Javascriptに慣れている方は比較的、習得しやすいでしょう。
React Native
React Nativeは、Meta(旧Facebook)によって開発されたJavascriptベースのフレームワークです。1つのコードベースでAndroidとiOSの両方のOSで動作するアプリケーションを開発可能で、開発工数やコストを削減しやすいのが特徴です。
また、Webviewを使用せずにネイティブ環境でアプリが描画され、実際に開発してリリースした後のアプリの動作や見た目を確認できるのも魅力です。
Monaca
Monacaは、HTML5アプリ開発を目的としたクラウド型のWebサービスです。Web上で直接アプリを開発できるフレームワークで、自社で開発環境を構築する必要はありません。
また、Monacaは国産のフレームワークであるため、日本語での情報が豊富に提供されているため、開発中に発生する疑問や問題も解決しやすいのも魅力です。
まとめ:ハイブリッドアプリを開発しましょう
ハイブリッドアプリは、ネイティブアプリの高性能とWebアプリの汎用性を兼ね備えたアプリです。複数のプラットフォームに対応し、開発とメンテナンスのコストを削減できるという魅力があります。一方で、ネイティブアプリに比べて動作速度や機能面で劣るなどのデメリットもあります。
開発するには、Apache Cordova・Flutter・React Native・Monacaなどのフレームワークがあります。フレームワークはそれぞれに特色が異なるため、自社の要件にあったものを選ぶことが大切です。自社アプリを作るときには、ハイブリッドアプリを検討してみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
hata