
アプリ開発の着手から納品までの基本的な11ステップ
公開日:2019.08.01 最終更新日:2021.08.13
「アプリの開発を専門の会社に依頼したいけれど、どんな流れで進めていけばいいのかよくわからない」
とお悩みの事業者様もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は、アプリ開発を依頼してから納品されるまでの流れを、11のステップに分けて解説いたします。
各ステップでの注意事項もご紹介しますので、ぜひアプリ開発の依頼をする前にご一読ください。
- 1 本記事監修のご紹介
- 2 アプリ開発の依頼から納品までの流れとは?
- 2.1 ①初めの一歩は「アプリの企画書作成」
- 2.2 ②見積もり前の必須準備「条件を整理する」
- 2.3 ③開発したいアプリが決まったら「アプリ開発を依頼する会社選び」
- 2.4 ④アプリ開発会社を比較検討するために「見積もりを取る」
- 2.5 ⑤選び抜いた1社に「注文書を提出する」
- 2.6 ⑥発注が決まったら「基本契約書とNDAを締結」
- 2.7 ⑦発注条件の詳細を確認し「個別契約を結ぶ」
- 2.8 ⑧詳細を詰めていくために「外部設計を行う」
- 2.9 ⑨開発会社による「内部設計」
- 2.10 ⑩業者に任せっきりはNG!「開発作業」
- 2.11 ⑪最後まで気を抜かないでしっかり確認しよう!「検収・納品」
- 2.12 【TIPS】審査・リリースも忘れずに!
- 3 アプリ開発依頼の流れを把握して、満足のいくアプリを完成させよう!
本記事監修のご紹介
本記事は、EMEAO!にご登録いただいております優良アプリ開発会社のつばさ株式会社様にご監修をいただきました。
会社名 | つばさ株式会社 |
所在地 | 東京都港区南青山3丁目8番40号 青山センタービル214 |
事業内容 | モバイルアプリやAI応用システムの開発・提案 |
Webサイト | https://www.world-wing.com/ |
2018年創立のアプリ開発会社。国内大手エレクトロニクス企業での豊富な経験を有するスタッフが多数在籍しています。試作品を早い段階で作成して発注者に確認を行う『プロトタイプ開発』を得意としており、アプリ開発はもちろんプロジェクト管理まで支援しています。
アプリ開発の依頼から納品までの流れとは?
アプリの開発を依頼する際の流れは、おおまかに11のステップに分けられます。
以下、それぞれのステップについてくわしく解説していきます。
各ステップで注意したいポイントもご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
なお、アプリ開発の中にはトラブルに発展するケースも多々あります。
事前に、こちらのアプリ制作におけるよくあるトラブルと回避方法をあわせてご参照ください。
①初めの一歩は「アプリの企画書作成」
まずはどんなアプリを作りたいのかという概要を決め、企画書を作成します。
依頼先の会社にアプリのイメージを正確に伝えるため、企画書は見積もり時に必ず渡すものです。
企画書の内容が詳しいほど正確な見積もりを出してもらうことができます。
アプリの企画書には、最低限こちらの内容を盛り込みましょう。
- そのアプリを作る目的
- ターゲットユーザー
- ユーザーゴール(アプリを通して顧客が体験できること)
- アプリのコンセプト
- アプリの機能
そのアプリを作る目的
まずはアプリを通して達成したい目的を考えましょう。
たとえば以下のようなものがあります。
- 企業やサービス、店舗のファンを増やしたい
- アプリ単体でマネタイズしたい(課金要素や広告収入)
- 既存サービスで新規層を開拓したい
「一体、何のためにそのアプリを作りたいのか?」
ということをまずは明確にしましょう。
ターゲットユーザー
ターゲットユーザーとは、アプリの利用を想定している中心となる層のことです。
どの層を選ぶかによってアプリに必要な機能やデザイン、告知の方法なども大きく異なるため、ターゲット決めは非常に重要です。
ターゲットユーザーには、たとえば以下のようなものがあります。
- 20代~30代の会社員の男性
- 大学進学を考えている高校生の男女
- ファッションが好きな20代の女性
「老若男女を問わず幅広い層に楽しんでもらえるアプリを作りたい!」
と考えている場合でも、特定のターゲットを決めることは必然です。
なぜなら、ターゲットの範囲が広いとアプローチの方向がぶれてしまいやすくなるため、結果的に“誰の心にもあまり刺さらない”という状態になってしまうためです。
ユーザーゴール
ターゲットユーザーがしっかりと決まったら、次は“そのターゲットにアプリを通してどんな価値を提供できるか”というユーザーゴールを決めます。
- ビジネスに役立つニュースを受け取ることができる
- 大学受験に役立つ情報を受け取ることができる
- 自身のコーディネート画像の投稿ができる
アプリのコンセプト
アプリのコンセプトとは、ひとことでそのアプリを言い表すとどんなアプリか? というキャッチフレーズのようなものです。
具体的かつシンプルで、それだけでアプリの内容が大まかに理解できるようなコンセプトを設定しましょう。
ここでは、コンセプトの具体例を紹介します。
- Yahoo!天気……雨雲の接近がわかる天気アプリ
- TikTok……ケータイ向けショートビデオプラットフォーム
- ピッコマ……人気マンガが待てば無料の漫画アプリ
アプリの機能
現在考えているアプリは、おそらく大なり小なり既に類似のものがあるはずです。
まずは類似アプリを参考に、自社でも必要だと感じる機能を書き出していきましょう。
類似アプリの機能の書き出しが終わったら、既に決めてあるユーザーゴールやコンセプトと比較して、不要な機能の除外や新しく必要だと思う機能の追加を行っていきます。
②見積もり前の必須準備「条件を整理する」
ここまでで企画書が完成しましたが、見積もり時に開発会社に伝えるべき情報は他にもあります。
下記の情報は必ず伝えるべきことなので、事前にそれぞれ明確にしておきましょう。
- 納期
- 予算
- 企画概要
- 想定している機能
- アプリかWebサービスどちらなのか
- 対応端末・OS
- Webサービスの場合、対応ブラウザ
スマホアプリの場合、対応OSは基本的にはiOSかAndroidのどちらか、もしくは両方を選ぶことになります。
日本国内ではiOSのシェアが大きめですが、世界的にはAndroidユーザーが多いとされています。
基本的に両方のOSに対応しているほうが料金は上がります。
③開発したいアプリが決まったら「アプリ開発を依頼する会社選び」
アプリ開発会社を選ぶ際に注意したいのは、今回作りたいと思っているタイプのアプリ開発が得意な会社であるかどうかという点です。
対応OSごとに開発言語が違うため、どちらに慣れているか、または両方大丈夫なのかを確認しましょう。
また、ゲーム用アプリやビジネスアプリなど、業者によって得意な分野が異なります。
自分が開発を希望するアプリと同じ分野の実績が豊富な業者であれば、その分野が得意ということなので安心して依頼できるでしょう。
専門的に開発している会社なら、自分たちでは気が付きにくい問題点や改善案など提案してくれることが期待できるからです。
また、その業者が自社アプリを開発している実績があるかどうかという点も重要です。
自社でアプリ開発が出来るほど体制が充実している企業であれば、外部からの依頼についても高いクオリティで対応してもらえる可能性が高まります。
企画がまだ定まっていない、難航しているという場合は、企画段階からアドバイスをくれるアプリ開発会社を選ぶのもよいでしょう。
後のステップで、複数のアプリ開発会社に見積もりをとって比較することが望ましいため、この段階で候補の会社をいくつかピックアップしておくとよいでしょう。
候補のアプリ開発会社の選び方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
④アプリ開発会社を比較検討するために「見積もりを取る」

複数の会社で見積もりをとって、かかる費用をくらべてみよう
候補の開発会社が決まったら、それぞれの会社に見積もりを依頼しましょう。
この時、開発会社の担当者と発注側で“具体的にどのようなアプリを作りたいのか”というヒアリングを行い、発注側の希望を言語化する『要件定義』を行います。
要件定義の内容をもとに開発会社はアプリ開発にかかる費用の見積もりを算出します。
3社ほど見積もりを取っておくと、比較しながらどの業者に依頼をすべきか検討できます。
比較検討の際には、単純な価格だけでなく、要件定義した内容や担当者の仕事ぶりも含めて総合的に判断するのがポイントです。
なぜかというと、安さだけを追い求めるとスペックを犠牲にしなければならないことや、多額の追加費用が発生する恐れがあるためです。
⑤選び抜いた1社に「注文書を提出する」
見積もりをもとにアプリ開発会社を比較検討して依頼先を1社に絞ったら、「注文書」を作成し提出します。
注文書とは、アプリ開発会社側が提示した見積書に対する発注の意味で提出するもので発注書とも言います。
注文書には、アプリ開発会社に対してどのような商品やサービスを「いつまでに」「どのように」提供してほしいのかを明確に記載する必要があります。
⑥発注が決まったら「基本契約書とNDAを締結」
アプリ開発会社に注文書を提出し、発注が決まったら、依頼のための基本契約書を締結します。
基本契約書とは、アプリ開発会社と反復継続的に取引が行われるときに、すべての取引に共通する基本的な事項を定めるための書類です。
また、基本契約の前後で、NDA(秘密保持契約書)も締結するのが一般的です。
⑦発注条件の詳細を確認し「個別契約を結ぶ」
基本契約書の締結を終えたら、開発会社と個別契約を結びます 。
契約書の締結はステップ⑥でも行いましたが、ここでも改めて必要になるのです。
実はアプリ開発においては、大体の場合「基本契約書」と「個別契約書」という二種類の契約書があります。
「基本契約書」は前述のとおり、アプリ開発におけるすべての取引に共通する基本的な事項を定めるためのもの。
それに対し、「個別契約書」とは、作業分担内容や共同作業内容、つまり、どの作業はどちらに責任が生じるのかといったようなことを示したうえで、最終的な金額が明記されています。
この契約を取り交わすといよいよアプリ開発がスタートするので、契約書の内容は細部までしっかりチェックするようにしましょう。
⑧詳細を詰めていくために「外部設計を行う」
外部設計とは、基本設計とも呼ばれ、全体のデザインやアプリの操作の流れ、動きといったアプリの外側の要素を決定していく作業です。
使いやすさや利用に与えるイメージに大きく影響する作業なので、都度確認をさせてもらって意見を出していきましょう。
基本的には開発会社側で行ってもらえる作業ですが、あらかじめ自社で大まかな外部設計を行っていると開発の流れがスムーズに進みます。
外部設計のポイントは、アプリを構成する3つの要素を明確にしておくことです。
- 機能:ユーザーがアプリでできること
- 情報:ユーザーがアプリから受け取ることができる内容
- 動き:アプリの画面推移の流れ
機能:ユーザーがアプリでできること
ここでいう“機能”とは、コメント機能やログイン機能といった端的なものではなく、より具体的な利用シーンのことです。
「誰が・何を・どうすることができるのか」というユーザーストーリーを考えると具体的な機能が見えてきます。
ここでは、Instagramのような写真投稿SNSアプリを例にユーザーストーリーの一部を紹介します。
- 投稿者は、自分が撮影した写真を投稿できる
- 投稿者は、写真にコメントとタグをつけることができる
- 閲覧者は、任意の投稿をお気に入り登録できる
- 閲覧者は、任意の投稿にコメントができる
- 投稿者は、自分の投稿についたコメントに返信できる
情報:ユーザーがアプリから受け取ることができる内容
上記で決めたユーザーストーリーに必要な情報を可能な限り詳細に書き出します。
具体的に考えるのが難しい場合は、類似アプリを参考にしましょう。
- ユーザー名:20文字以内
- 投稿タイトル名:30文字以内
- 投稿日時:投稿された日時
- コメント数:コメントが書き込まれている件数
- お気に入り登録数:お気に入りに登録した人数
- コメント内容:1,000文字以内
動き:アプリの画面推移の流れ
ユーザーストーリーを一つひとつ繋げていくことで、アプリの操作の一連の流れをマップとして可視化できます。
写真SNSアプリの「閲覧者は、任意の投稿にコメントができる」というユーザーストーリーを最終目標とした場合、下記のようなマップになります。
- 閲覧者は、投稿を一覧で見ることができる
- 閲覧者は、任意の投稿のコメント投稿画面に推移できる
- 閲覧者は、任意の投稿にコメントができる
- コメント投稿完了画面が表示される
- 閲覧していた投稿の画面に戻る
このとき、それぞれの画面の大まかなイメージ(=ワイヤーフレーム)があると画面遷移がわかりやすくなります。
ワイヤーフレームは詳細なデザインまで考える必要はなく、簡単な図形の組み合わせでざっくりとしたレイアウトがわかる程度で問題ありません。
⑨開発会社による「内部設計」
内部設計とは、外部設計で決めた内容を実現するために、プログラミングの処理方法などユーザーの目には見えないアプリ内部の仕組みを決めていく作業です。
外部設計は発注側と開発会社のイメージのすり合わせが重要ですが、内部設計は専門知識が必要な工程のため開発会社に任せるというのがポイントです。
⑩業者に任せっきりはNG!「開発作業」

発注後もしっかりと連絡をとるのが、成功のカギです!
個別契約書を締結し、実際に発注となったら、作業は開発依頼した業者に移ります。
いわゆるプログラミングや受け入れテスト(受注側の担当者がアプリの動作チェックや、不便なく使用できるかを確認するテスト)などを行う段階です。
ただし、開発会社に任せっきりにしていてはいけません。
定期的な進捗具合の確認と、仕様変更の際の早急な対応は発注側が注意すべき重要なポイントです。
基本的には開発会社がしっかり納期を守るはずですが、他の業務との兼ね合いや想定外のトラブルで遅れが出ることもあります。
後々になってリリースに間に合わないということがないように、定期的に進捗を確認しましょう。
また、開発途中で、当初想定していた仕様では求めているアプリが開発できないという事態が発生するかもしれません。
万が一そのような事態が発覚したら、すぐに依頼先の会社と一緒に対策を考えましょう。
もし大幅な仕様変更を行わなければいけない場合は多額の追加費用が発生することもありますので、ご注意ください。
⑪最後まで気を抜かないでしっかり確認しよう!「検収・納品」
以上、①~⑩の流れを踏んで、ようやくアプリが納入されます。
しかし、ここで気を抜いてはいけません。
納品の際に検収というチェック工程があります。
検収とは、納められた品物が要求仕様に合っているかを「チェックして(検査)」、問題がないことを確認し「受け取った(収納)」という意味の言葉です。 検収が済んだ時点で、発注者の代金支払い義務が発生します。
つまり、検収が済んでいなければ、売上にならなのです。
検収が済んだら、請求書を発行してもらい、支払いを済ませましょう。
また、納品の際には運用・保守についても確認する必要があります。
ソースコードを納品してもらう形式だと、基本的には自社のエンジニアがその後の保守や運用を行います。
そのため、自社で運用する場合はコーディングや開発に利用したツールなどについてしっかり確認しましょう。
ここでしっかりと運用に必要な情報を確認しておかないと、後で大きな手間や追加費用が発生してしまいます。
一方で開発会社に運用や保守も任せる場合は、このような問題は基本的には発生しません。予算に余裕があるのであれば、運用・保守の契約も盛り込んでおくと良いでしょう。
【TIPS】審査・リリースも忘れずに!
アプリが完成したら、配信ストアでアプリをリリースするための手続きを行います。
iOSであればApp Store、AndroidであればGoogle Playストアに「配信しても問題ないアプリかどうか」を審査してもらい、無事に審査通過となればついにアプリがリリースとなります。
業者によって、審査の申し込みまで行ってもらえる場合もあれば別途料金がかかる場合もあります。
BtoCのアプリなど、ストアを経由して不特定多数のユーザーにアプリを配信する予定であれば審査関係まで依頼できるかどうかも確認しておきましょう。
アプリ開発依頼の流れを把握して、満足のいくアプリを完成させよう!
今回はアプリ開発を依頼する際の流れについて、11のステップに分けてご紹介しました。
アプリを開発が完了するまでの流れは、思っていたよりも長い道のりに感じたかもしれません。
しかし、これらのステップを着実に踏むことで、きっと満足できるアプリを完成させることができます。
本記事を参考にぜひ満足のいくアプリを完成させてください!
「流れも分かったことだしアプリ開発を依頼してみよう!」
と思われた事業者様はぜひEMEAO!にお問い合わせください。
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この記事を書いた人
編集部員 河田
編集部員の河田です。編集プロダクションでの書籍編集の経験を経て、現在はEMEAO!のWebコンテンツ編集・執筆とお客様へのインタビューを担当させていただいています。日々、コツコツと皆さんのお役に立つ情報を発信していきます!よろしくお願いします。





