Rubyの特徴とは?メリットやWebアプリの作り方を解説
公開日:2024.01.20 最終更新日:2024.04.17
Webアプリを開発するときに、Rubyを使いたいと思う方は少なくありません。そもそも、RubyでWebアプリは作れるのか、どのような特徴があるのか分からない方もいるでしょう。
そこで本記事では、Rubyで開発できるものとRubyの特徴を解説します。RubyでWebアプリを開発する方法や作り方も紹介しますので、ぜひご一読ください。
Rubyで開発できるものは?
Rubyで開発できるものは、以下の3つです。
- Webアプリ
- スクレイピング
- WebAPI
それぞれ、詳しく解説します。
Webアプリ
Rubyは、Webアプリの制作でよく使われています。Rubyがサーバー側の処理に長けているためです。ECサイトやオウンドメディアでは、サーバーからの情報取得やユーザーデータの保存が重要であるため、効率的なデータ処理と拡張性の高いRubyは最適です。
クックパッド・X(旧 Twitter)・Shopifyは、Rubyで作られているWebアプリとして有名です。他にも、Rubyは、ECサイトやソーシャルメディアなど多岐にわたる領域で使用されています。
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スクレイピング
Rubyを活用することで、スクレイピングを実現できます。スクレイピングとは、ネット上に散在する有益なデータを収集し、整理・加工することです。
ゼロからスクレイピング技術を構築するとコストと手間がかかりますが、RubyではNokogiriというライブラリを使うことで、比較的簡単に開発可能です。適切なライブラリを利用することで、効率的にWebデータの収集と処理が行えるでしょう。
WebAPI
WebAPIの開発には、Rubyなどのプログラミング言語も使用できます。APIは、Application Programming Interfaceの略で、アプリケーションやシステム間の接続を可能にするための処理プログラムです。
APIを活用することで、異なるアプリケーション間でデータのやり取りが行えるようになります。最近では、多くのサービスがAPIを通じてシステムを連携させているため、需要の高い機能です。
RubyでWebアプリを開発するメリット
RubyでWebアプリを開発するメリットは、以下5つがあります。
- シンプルな構文でわかりやすい
- 多様な用途に活用できる
- 短期間で開発できる
- 修正・更新がしやすい
- ライブラリが豊富にある
それぞれ、詳しく解説します。
シンプルな構文でわかりやすい
Rubyは、直感的で理解しやすい構文をしているため、他のプログラミング言語よりも初学者の学習に向いています。複雑な操作も、Rubyでは数行のコードで表現できることが多く、より直感的にコーディングが行えます。
また構文がシンプルなため、チームでの開発やコードのメンテナンスが容易に行え、エラーの発見や修正も迅速に行えるでしょう。
多様な用途に活用できる
Rubyは汎用性が高く、Web開発だけでなく、データ分析・自動化・プロトタイピングなど幅広い用途に活用できます。特に、Ruby on Railsというフレームワークを使うことで、Webアプリの開発が効率的に行えます。
Ruby on RailsはMVCアーキテクチャを採用しており、アプリの構造を整理しやすく、多様な機能を簡単に統合できるのが魅力です。
短期間で開発できる
Rubyのフレームワーク、Ruby on Railsを利用することで効率的に作業を進められるため、短期間で開発できるのが魅力です。開発を滞りなく進められるため、短期間で開発したアプリをリリースするのも、実現しやすいでしょう。
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修正・更新がしやすい
Rubyのコードは読みやすく修正更新がしやすいため、長期のプロジェクトにも向いています。コードの変更や新しい機能の追加が比較的容易で、エラーの修正も迅速に行えます。
また、Rubyの動的な特性と強力なリフレクション機能により、既存のコードに影響を与えずに新しい機能を追加することも可能です。
ライブラリが豊富にある
Rubyには幅広いライブラリがあるため、開発するときにはさまざまな機能を簡単にアプリに組み込むことが可能です。
例えば、認証システム・決済処理・ファイルアップロード・APIの統合など、多様なニーズに対応するライブラリがあります。Ruby Gemsというパッケージ管理システムからライブラリをインストールし、簡単に管理できます。
RubyでのWebアプリの作り方
RubyでのWebアプリの作り方は、以下8つの工程に分けられます。
- 開発環境を整える
- APIを設計する
- バックエンドを実装する
- フロントエンドを実装する
- APIと通信する
- テストを実施する
- デプロイする
- 運用・保守を行う
それぞれ、詳しく解説します。
開発環境を整える
はじめに、Ruby on Railsをインストールして開発環境を整えましょう。その後、Railsのプロジェクトテンプレートを作成し、gemと呼ばれるライブラリをインストールします。
gemはRailsアプリケーションに必要な機能を実装するためのもので、開発するアプリの要件に応じて選択していきます。
APIを設計する
Webアプリがスマホアプリや他のシステムと連携する必要がある場合は、APIの設計をします。一般的にはRESTful APIで設計していきますが、他の設計手法も選択可能です。
APIを設計するときは、認証や認可の仕組みを組み込んでいくことが重要です。
バックエンドを実装する
開発したWebアプリは、実機やエミュレータを使用してデバッグを行い、正常に動作するかを確認していきます。Railsでは自動でテストをする仕組みが整っているため、バックエンドの動作も確認しましょう。
フロントエンドを実装する
Webアプリのユーザーインターフェース(UI)を実装するときには、HTML・CSS・JavaScriptなどを用いるのが一般的です。また、JavaScriptフレームワークを活用すると、フロントエンドの実装をより効率的に行えます。
APIと通信する
フロントエンドからRailsで実装されたAPIと通信するには、HTTPリクエストの送信とレスポンスの受け取りが欠かせません。
また、通信を行うときは、認証トークンやセッション情報を管理することが重要です。安全かつスムーズにデータをやり取りするためです。
テストを実施する
開発したWebアプリを実際のデバイスやエミュレータ上でデバッグし、正常に動作するかを確認します。Railsには自動テストを行うための仕組みが備わっています。
アプリの安定性と信頼性を高めるために、バックエンド部分のテストも念入りに行っていくことが大切です。
デプロイする
ローカル環境で開発したアプリをサーバーにアップロードすることで、実際にユーザーがアプリを利用できる状態になります。デプロイを行うことで、開発したアプリが実際の利用環境で動作するためです。
運用・保守を行う
Webアプリの運用を開始した後は、バグの修正、新機能の追加、パフォーマンスの改善などのアップデートを継続的に行うことが大切です。
また、アプリの安定性を保ち、ユーザー体験を向上させるために、Railsやアプリ開発フレームワークのバージョンアップへの対応も行います。
Rubyでアプリ開発をするときによくある質問
Rubyで実際にアプリ開発をすると、さまざまな疑問が出てきます。ここでは、よくある質問に回答していきます。
iPhone(iOS)アプリは開発できる?
Rubyを使ってiPhone(iOS)アプリを開発することは不可能ではありませんが、あまり向いているとは言えません。一般的に、iOSアプリの開発は、SwiftやObjective-Cなど、Appleが推奨する言語で開発されます。
Rubyでも、Ruby Motionのようなツールや他のフレームワークを使うことで、開発は可能ですが、ネイティブ機能へのアクセスなどが難しいケースもあります。iOSアプリを開発するときには、可能であればSwiftやObjective-Cも学習することをおすすめします。
Rubyはサンプルで学べる?
Ruby on Railsを学び始めるときには、Ruby on Railsの学習サイト「Ruby on Rails チュートリアル」が利用できます。Ruby on Railsチュートリアルには実際に動作するWebアプリ構築のサンプルがあります。
完了すれば、RubyやRuby on Railsの知識だけでなく、データベースを利用したWebアプリ開発における幅広いスキルを身につけられます。実際に手を動かしながら学ぶことで、理論だけでなく実践的な知識が理解できるでしょう。
まとめ:RubyでWebアプリを開発しよう
Rubyは、直感的で読みやすい構文をしており、チームでの開発にも向いているという特徴があります。Ruby on Railsのフレームワークを使うと、効率的にアプリ開発が行えるため、時間と労力を節約しながらWebアプリを作成できます。
本記事を参考に、開発環境を整えて、RubyでのWebアプリ開発をはじめましょう。
この記事を書いた人
hata