複合機の法定耐用年数とは?法定耐用年数とリース期間の関係を解説
公開日:2019.10.31 最終更新日:2024.05.15
「複合機をリースしたいけど、リース期間が長いと途中で壊れてしまわないか心配……」
そんなお悩みをお持ちの事業者様やご担当者様もいらっしゃるのではないでしょか。
本記事では、複合機のリース期間と法定耐用年数との関係を詳しく解説します。
これから複合機をリースするご予定の事業者様やご担当者様は、ぜひリース期間を選択する際の参考にしてみてください。
法定耐用年数とは?
まずは、そもそも法定耐用年数とは何なのかについて説明します。
法定耐用年数とは法律で定められた、機器が使用可能な期間のこと。
法定耐用年数は、資産の減価償却率を計算することを目的として定められています。
減価償却とは、何年も使える機器などの費用を一度に計上するのではなく、これから使う予定の年数に応じて分割して計上するという考え方です。
高額な機器を購入すると、その時だけ赤字になってしまいます。
しかし、以降の年度は黒字です。
これでは、正確な企業の損益を把握することができません。
高額な機器や備品の費用の計上を法定耐用年数をもとに減価償却して計上することで、実際の企業の損益に合った収支管理をすることが可能になります。
たとえば、30万円の複合機をオフィスで購入したとします。
この時、購入した年度に経費を全額計上するのではなく、30万円を耐用年数の5年で割り、毎年6万円ずつに分割して計上することになります。
複合機の法定耐用年数は何年?使い続けて問題ないの?
複合機の法定耐用年数は5年と設定されています。
では、法定耐用年数を超えても使い続けるとどうなるのでしょうか?
複合機の法定耐用年数は5年ですが、じつは5年を超えた後でも、故障などがなければ問題なく使い続けられます。
なぜなら、繰り返しにはなりますが、法定耐用年数は減価償却計算を行うために法律的に定められた年数にすぎないからです。
リース期間も法定耐用年数と同期間に設定される場合が多い
複合機の法定耐用年数は5年なので、リース期間も5年に設定されているケースが最も一般的です。
リース期間を法定耐用年数ギリギリの5年にしておくと、同じ製品を長く使い続けられるというメリットが得られます。
一方で、法定耐用年数ギリギリまで使用し続けることになるのでリース期間中に故障するリスクが高くなったり、リース期間中に解約すると残債が多くなるというデメリットもあります。
複合機のリース期間は5年が一般的ではありますが、5年未満に設定することも可能です。
リース期間を5年未満にした場合、法定耐用年数よりも余裕をもって入れ替えられるのでリース期間中に故障するリスクは低くなります。
また、リース期間中に解約しても残積は少なく、最新機種を導入しやすいというメリットもあります。
ただし、分割回数が少ないため、リース料が割高になるというデメリットもあります。
「オフィスでかなりの大量の印刷をする」「リース料は少々高くても、リース期間を短くして故障リスクをなるべく下げたい」というオフィスでは、リース期間を5年未満に設定することをおすすめします。
リース料金の具体的な金額については、複合機リース契約の料金相場表をご覧ください。
複合機のリース期間とリース料率の関係について
一般的に製品をリースする場合、一括支払いで購入するよりも金額が上乗せされます。
期間に応じてリース料率が変わり、契約期間が長いほど料率が低くなる傾向です。
具体的なリース期間とリース料率の関係は以下の通りです。
リース期間 | リース料率 |
7年契約 | 1.3%~1.4% |
6年契約 | 1.6%~1,7% |
5年契約 | 1.9%~2.0% |
4年契約 | 2.5%~2.6% |
3年契約 | 3.1%~3.2% |
7年契約が最もお得にリース契約できることが分かります。
しかし、リース期間を長く設定すると価格が高くなり、故障のリスクが伴うため、必ずしも最長期間で契約することが最適とは限りません。
リース期間が終了後の対応について
一般的に、リース期間が終了した後の対応は次の4つに分かれます。
- 機種を新しくする
- 今まで使用していた機器を買い取る
- 継続して同じ機種をリースする
- 機器を返却し、リースを終了する
順番に解説します。
機種を新しくする
リース期間が終了した後、最新機種に交換し新たにリース契約を結べます。
新しい機種に変えるメリットは次の3つです。
- 機能性が優れた機器を利用できる
- 省エネ性能が前の機種より優れている物が多いため、電気代の削減につながる
- 劣化による故障のリスクが減るため、メンテナンスの頻度が下がる可能性が高い
今まで使用していた機種を返却し、新しい機種で再度リース契約を行います。
新しい機種に入れ替えるには、今まで使っていた複合機を返却して、新しい機種でリース契約を組み直す必要があります。
今まで使用していた機器を買い取る
リース契約が修了した際、今まで使用していた機器を買い取るという選択肢があります。
ただし、機器の買い取りにはメリット・デメリットがあるため、理解した上で交換すると良いでしょう。
機器を買い取るメリットは次の通りです。
- 毎月リース料を払う必要がなくなる
- 買い取り価格が同じ機器の新品を購入するより安く済む
ただし、機器の買い取りにはデメリットもあるので注意しましょう。
- 保守契約がなくなる修理は自費になる
- 修理費を自分で支払う必要がある
- メンテナンスを自分で行う必要がある
また、機器の買い取りが可能なリース会社は多くありません。
リース契約終了後に買い取りを検討している場合は、事前に機器の買い取りが可能か確認する必要があります。
継続して同じ機種をリースする
リース期間終了時に再リース契約を行う選択肢もあります。
再リース契約にもメリット・デメリットがあるため、事前に状況を確認しましょう。
再リース契約のメリットは次の通りです。
- 現場の混乱を防げる
- リース料金が大幅に安くなる
機器を新しくすると、利用方法が分からず現場が混乱する場合があります。
しかし、再リース契約であれば使い慣れた機器を使い続けられるため、現場の混乱を少なくできます。
再リース契約のデメリットは、機器が古くなるためリース期間が短くなる場合もあることです。
再リースの場合、機器の寿命が短くなるため、部品の交換や修理が発生した際に、部品入手が難しいケースや修理が高額になるケースがあります。
リース期間を短く設定することで、部品の交換や修理の頻度を下げ、最新の機器への移行を促進する狙いがあります。
機器を返却し、リースを終了する
リース期間の終了と同時に機器を返却し、続けての契約を行わない選択肢もあります。
この手法はペーパーレス化を目指す会社や、異なる会社の複合機にしようと考えている場合に有効です。
オフセット印刷機とは
「複合機をリースしていたが、印刷量が多く早く寿命が来てしまった」「もっと大量に印刷したい」と考える会社もあることでしょう。
そのような会社では、オンデマンド印刷である複合機の代わりにオフセット印刷機の利用もおすすめです。
オフセット印刷機とは、「版」を設定し、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの4色を重ね塗り、印刷を行うものです。
「版」とは、事前に版画のように絵を描き、線に沿って彫ったものを指します。
オフセット印刷機は、版にインクを浸すことで、スタンプのように印刷ができるものです。
印刷方式としては主流で、短時間に鮮やかな印刷を大量に行えます。
また、大量印刷可能なため単価を抑えられるため、チラシや冊子、書籍といった商業印刷に適しています。
オンデマンド印刷は複合機、オフセット印刷は印刷業者による印刷と認識すると良いでしょう。
複合機との耐用年数の違い
オフセット印刷機の耐用年数は印刷量やメンテナンス状況にもよるものの、主に10~12年と言われています。
複合機の法定耐用年数である5年に比べ、長い時間稼働可能です。
複合機との減価償却費の違い
複合機は購入金額によって減価償却費が異なります。
購入金額 | 減価償却費 |
~100,000円 | 0円(消耗品の勘定項目に挙げ減価償却しない) |
100,000円~200,000円 | 30,000円~67,000円(一括償却資産として3年で減価償却可能) |
200,000円以上 | 67,000円~(5年で減価償却) |
10万円までの複合機は減価償却を行わず、消耗品として一括で経費に計上可能です。
10万円~20万円の複合機の場合、購入金額を3で割った金額が毎年の減価償却費です。
20万円以上の場合は、複合機の法定耐用年数として購入金額を5で割った金額を毎年、減価償却費として計上します。
複合機の法定耐用年数は5年!リース期間も5年が一般的
いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで複合機の法定耐用年数とリース期間の関係についてご理解いただけたと思います。
リース期間を5年にするか5年未満にするかは、オフィスでの複合機の使用状況や月額使用料との兼ね合いで判断するとよいでしょう。
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この記事を書いた人
編集部員 河田
編集部員の河田です。編集プロダクションでの書籍編集の経験を経て、現在はEMEAO!のWebコンテンツ編集・執筆とお客様へのインタビューを担当させていただいています。日々、コツコツと皆さんのお役に立つ情報を発信していきます!よろしくお願いします。