Pマーク取得にかかる最短の期間と取得までの流れ
公開日:2019.08.28 最終更新日:2024.08.08
取引の拡大や新規事業の展開をきっかけに、Pマークの取得を考えられる企業様は多くいらっしゃいます。
しかし、どれくらいの期間で取得できるのか、まず何をすればよいのかがわからず困りの担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、本記事ではPマークを取得するまでの一連の流れと、それぞれの過程にかかる期間をご紹介します。
Pマーク取得を目指している事業者様は、ぜひ参考にしてみてください。
また、Pマークの取得には費用がかかるため、取得の流れとともに以下のPマーク取得にかかる費用相場もあわせてご確認ください。
Pマークの概要と取得期間
Pマーク(プライバシーマーク)制度とは、個人情報の取り扱いが適切であることを第三者機関が評価する制度のことです。Pマークが付与された事業者は、事業活動においてプライバシーマークを使用可能になります。
プライバシーマークを取得するには、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が指定する、審査機関による審査に合格する必要があります。取得にはどの程度書類やルールの整備ができているかにもよりますが、おおよそ半年から1年程度の期間がかかる点は押さえておきましょう。
本項では、プライバシーマークについて以下の2点について解説します。
- Pマークの利点や取得費用について
- Pマーク取得企業
Pマーク取得を目指す事業者の方は、まずはPマークの概要や費用などを確認しておいてください。
Pマークの利点や取得費用について
Pマークを取得する利点は以下のとおりです。
- 信頼性の担保
- 情報漏洩リスクの軽減
- ビジネスチャンスの拡大
Pマークを取得している事業者は、個人情報取り扱いに関して一定の水準が保たれていることを意味します。年に一度の内部監査もあり、正しく運用ができているかを審査されるため、情報漏洩のリスク軽減にもつながります。
そのため、Pマークを取得していると企業などからの信頼を得やすいのが利点です。
また、公共事業等の入札条件にPマークの取得が必須項目になっている場合があります。新しいビジネスチャンスを得られる可能性があるため、Pマークの取得はおすすめです。
費用は事業規模や新規・更新のいずれかによっても異なり、たとえば新規取得の費用は以下のとおりです。
事業規模 | 費用(税込) |
小規模 | 314,288円 |
中規模 | 628,573円 |
大規模 | 1,257,144円 |
事業規模は業種によって定義が異なり、従業員数や資本金の額などによって判断されます。取得にはある程度の費用がかかるため、費用対効果も見ながら取得を検討しましょう。
Pマーク取得企業
どのような企業がPマークを取得しているのか気になる場合は、JIPDECの公式ホームページで事業者の確認が可能です。2024年8月5日現在、17,659社がPマークを取得しています。
個人情報の取り扱いに対する意識は年々高まっており、Pマークを取得する事業者の数は年々増えています。
また、Pマークを取得している事業者の業種は、サービス業が7割以上です。
取り扱う個人情報の数が多く、Pマークの取得が情報漏洩リスク軽減に効果を発揮しやすいことが理由と考えられます。
Pマーク取得の過程で、ぜひ保管方法や運用ルールの見直しを行いましょう。
Pマーク取得までの流れと、それぞれの過程にかかる期間
Pマーク取得までの流れは、大きく4つの過程に分けられます。
- PMSの構築&運用
- 書類の作成と申請、文書審査
- 現地審査
- 合否判定、Pマーク付与契約の締結
以下、それぞれの過程について詳しく解説していきます。
ステップ① PMSの構築&運用 【必要な時間:2ヶ月~】
Pマークを取得するための始めの一歩は、PMS(個人情報保護マネジメントシステム)を構築&運用することです。
Pマークは、各企業のPMSが基準に適合していて審査基準を満たした場合に付与されるものです。
そのためPMSがなければ、そもそも申請することができません。
PMSの構築の手順は以下の通りです。
- 保護方針の策定と計画の立案
- 現状の把握と対策
- 内部規定の策定
- 教育の実施
- セキュリティー対策の実施
- 監査の実施
PMSの構築の手順をより細かく分けてみると、まず方針を策定し、個人情報の特定やリスクを評価し、規定作成によって体制を確立します。
ここまできてやっと運用開始を開始することができるわけです。
方針の決定から運用開始までにかかる時間は、短くて2ヶ月。
これは業種や従業員規模などによっても異なりますので、あくまでも目安です。
ステップ②書類の作成と申請、文書審査 【必要な時間:2ヶ月~】
新規でPマーク取得を申請する場合は、申請書類を作成する必要があります。
申請に必要な書類が足りないと受理してもらえないので、ミスのないよう細心の注意を払いましょう。
申請書類を揃えたら、法人単位で申請します。
申請先は、保険・医療・福祉分野の事業者か、該当する審査機関の会員になっている事業者(保険・医療・福祉分野の事業者を除く)か、本社の登記上所在地はどこかなどによって異なります。
また、申請時には申請料(審査料は審査終了後)を支払う必要があります。
申請書類が受理されたら、文書審査が始まります。
まず、申請資格の有無や書類の不備などがないか、また事業規模はどれくらいかなどのチェックが入ります。
申請書類の中でも特に、個人情報保護マネジメントシステム(PMS)文書(内部規程・様式)がPマーク付与適格性審査基準を満たしているかどうかは厳重にチェックされます。
書類の作成から文書審査完了まで、最短で2ヶ月程度かかります。
ステップ③現地審査 【必要な時間:1日】
書類審査が終われば、次は現地審査です。
現地審査においては、事業者の代表であるトップに事業内容や経営方針、個人情報に関する事柄についてインタビュー、現地でのPMSの運用状況の確認、個人情報を実際に取り扱っている現場での実施状況の確認、総括が行われます。
現地審査は、基本的には1日で完了します。
審査終了後には、審査料を支払う必要があります。
また、指摘事項があった場合は、文書に記載された日付から3ヶ月以内に改善報告書を改善の証拠とともに提出する必要があります。
ステップ④合否判定、Pマーク付与契約の締結 【必要な時間:2ヶ月~】
合否が判明したら、申請事業者宛にPマーク付与適格性審査決定結果が通知されます。
付与が適格とみなされた業者のみ、Pマークを取得できます。
結果が合格判定だった場合、送付された契約書に必要事項を記入したうえで返送し、付与登録料を振り込ます。
付与登録料の振込確認後、2年間Pマークの取得を公表することができます。
Pマークを取得した企業には、プライバシーマーク登録証と画像データが送られます。
画像データは企業のホームページやパンフレットにてPマークを取得した証として使用することが可能。
また、プライバシーマーク制度のWEBサイトにも、新たに登録が完了した事業者の名前が掲載されます。
結果の通知から登録証および画像データの送付まで、短くて2ヶ月程度かかります。
Pマークの有効期間や更新期間について
Pマークの有効期間や更新期間は以下のとおりです。
- 有効期間:取得日から2年間
- 更新期間:有効期間満了の8ヶ月前~4ヶ月前の日までに更新書類提出
Pマークは2年ごとに更新審査を受ける必要があり、更新を忘れると自動的に失効します。有効期限を確認する方法は以下の2種類です。
- 登録証に記載がある
- JIPDECホームページの事業者検索で確認
多くの場合、有効期限満了が近づくと審査機関より連絡があります。しかし、更新審査にも新規取得時と同様に書類や運用等の準備が必要です。
更新審査に慌てないよう、事前に有効期限は確認しておきましょう。
申請期間・更新期間に間に合わない場合の対応
Pマークの申請期間や更新期間にどうしても書類等の提出が間に合わない場合は、申請期間の延長ができる場合があります。その際、延長の理由を訊かれる可能性があるので正確に伝えましょう。
ただし、必ずしも対応してもらえるとは限りません。原則、期間内に準備を終えて書類を提出できるようあらかじめスケジュールに余裕を持って進めてください。
有効期間や更新期間が過ぎた場合の対応
もしPマークの有効期間・更新申請のための期間が過ぎた場合、どの程度超過しているかを確認してください。
更新期限が切れた直後の場合は、更新審査の対応ができる可能性があります。ただし、猶予期間は審査機関ごとに異なります。
また、更新期限を長期間経過している場合、再度新規取得の手順を踏むことになります。
どちらの場合も、迅速に審査機関へと連絡して対応の可否を問い合わせてください。
Pマーク取得までの各過程にかかる期間から計算すると、最短取得期間は約6ヶ月!
以上、Pマーク取得までの流れと、それぞれの過程にかかる期間をご紹介しました。
Pマークは、「今すぐ欲しい!」と思っても即座に取得できるわけではありません。
①~④の各ステップにかかる期間を合計すると、Pマーク取得には短くても半年はかかります。
Pマークの取得に時間がかかるのは、取得はあくまでも過程であり、ゴールはないから。
大切なのは、Pマーク取得を通してしっかりとした個人情報保護の体制を整え、運用していくことです。
Pマークを取得したいとお考えの方は、事前にどの作業や手続きにどれくらい時間が必要なのかを把握して、早めに準備にとりかかりましょう!
「取得まで半年もかかるなら、今すぐPマーク取得に向けて準備を始めたい!」
そう思われた事業者様は、ぜひEMEAO!のコンシェルジュにご相談ください。
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この記事を書いた人
編集部員 河田
編集部員の河田です。編集プロダクションでの書籍編集の経験を経て、現在はEMEAO!のWebコンテンツ編集・執筆とお客様へのインタビューを担当させていただいています。日々、コツコツと皆さんのお役に立つ情報を発信していきます!よろしくお願いします。