アプリ開発を行う際の注意点とは?開発のステップごとに分けて解説
公開日:2023.11.17 最終更新日:2024.04.19
「アプリ開発の注意点を事細かに知りたい」
「そもそもアプリ開発が必要な理由は?」
「アプリ開発とWeb開発の違いとは?」
今や誰もが使うアプリ。
当然、使い手がいれば作り手がいて、そこはあまりに知られていない世界です。
本記事では、アプリ開発の注意点を「企画段階」「外注時」「実施時」「個人開発時」に分けて解説していきます。
開発発注先を探している方は、ぜひ最後までご覧ください。
アプリ開発が必要な理由
アプリ開発が必要な理由は、スマホユーザーの急増による需要が高まっているからです。
複数人世帯の90%以上がスマホを所有し、20代から50代の消費層においてはほぼ100%が所有しています(2021年の内閣府調査より)。
さらに、スマホユーザーの85%はアプリを利用しており、消費動向にも大きな影響を与えています。
このような背景から、アプリ開発は市場需要に応えるために不可欠な存在です。
アプリ開発とWeb開発の違い
次に、アプリ開発とWeb開発の違いを、以下の3パターンに分けて解説していきます。
- 使われ方
- 必要なスキル
- リリースの際の手間
それぞれ確認してください。
使われ方
アプリ開発とWeb開発の使われ方の違いについて説明します。
まず、アプリはWebと違って、スマホの専用ストアからダウンロードすればいつでもアクセスが可能になります。
ユーザーはワンタップでアプリを起動し利用することが可能です。
一方、Webはブラウザを通じて検索し、企業のコーポレートサイトやウェブアプリにアクセスする必要があります。
アプリはオフラインでも使用できる利便性がありますが、ダウンロードやアップデートの手間が発生します。
Webはインターネットに接続している限り利用できますが、オフラインでの利用は不可です。
どちらを選ぶかは、目的やニーズに合わせて検討する必要があります。
必要なスキル
アプリ開発には、バックエンドの開発言語(RubyやJava)、フロントエンドの開発フレームワーク(Vue.jsなど)、インフラストラクチャ(AWSなど)に関する知識や技術が必要です。
一方、Web開発ではHTMLやCSSを使ったコーディング、JavaScriptやWordPressを活用した開発技術、デザインセンスが求められます。
アプリ開発ではより専門的なプログラミング言語やインフラに関するスキルが必要とされる一方、Web開発ではより幅広い知識やデザインセンスが重要なため、それぞれに合ったスキルの習得が必要です。
関連記事:アプリ開発におすすめのプログラミング言語とは?種類と特徴を解説
リリースの際の手間
アプリ開発では、アプリをストアにリリースするために審査が必要とされるため、ウェブ開発と比べて時間がかかることや、審査に通らない可能性があることが挙げられます。
一方、Web開発ではデバイス間の互換性の確認が必要ないため、アプリテストの手間がなく、ウェブ開発のほうが安く早く済む傾向があります。
リリースの際の手間の差があるため、開発プロジェクトのニーズや目標に合わせて選択することが大切です。
アプリ開発の手順
ここからは、アプリ開発の手順を見ていきましょう。
基本的には、以下の7ステップで進行します。
- 企画
- 要件定義
- 設計
- 開発
- テスト
- リリース
- 運用保守
それぞれ解説していきます。
関連記事:アプリ開発の流れとは?制作会社に依頼するときのポイントも解説
企画
企画はアプリ開発の最初のステップであり、開発するアプリの目的やターゲットユーザーを明確にするためのプロセスです。
市場調査や競合分析を行い、アイデアやコンセプトを練り上げます。
この段階でアプリの機能やデザイン、収益モデル、開発予算や期間なども検討し、プロジェクトの方向性を定めましょう。
企画の過程で目的やユーザー動機を明確にすることで、開発チームや関係者との共通認識を確立し、効果的なアプリ開発につながります。
要件定義
要件定義とは、アプリ開発の重要なステップのことであり、開発するアプリの具体的な機能や仕様を明確にするためのプロセスです。
機能やデザイン、ユーザーインターフェースなどの要件を整理し、開発チームが共通の目標を持って進めるための基盤を構築します。
要件定義の過程では、関係者の意見調整やコミュニケーションが重要になります。
設計
設計はアプリ開発における重要なステップであり、要件定義で明確にされた機能や仕様を実現するための計画を策定するプロセスです。
システムのアーキテクチャやデータモデル、画面デザインなどを定義し、実際の実装のための設計図を作成するほか、開発手法や技術スタック、開発環境やツールの選定も行います。
このプロセスを踏むことで、開発チームや関係者が共通の理解を得ることができ、スムーズに開発へ進むことができます。
適切な設計をすることで、品質の高いアプリの開発が実現できるでしょう。
開発
開発とは、アプリの実装やコーディングを行うステップのことであり、要件定義や設計に基づいてアプリの機能を実現します。
開発プロセスでは、コーディングやプログラミング言語の選定、データベースの設計などが行われます。
おもに、開発者やデザイナー、QA担当者などの役割分担が重要です。
テストドリブン開発(TDD)やアジャイル開発など、効率的な開発手法やツールを活用しながら、高品質なアプリの開発を目指します。
テスト
テストはアプリ開発の重要なステップであり、開発したアプリが要件を満たしているかを確認するプロセスです。
機能や性能、セキュリティ、ユーザビリティなど、さまざまな側面でテストを実施します。
おもに、ユニットテストや結合テスト、システムテストなど、適切なテストケースを設計し、バグやエラーを早期に発見して修正します。
テストによって品質を向上させ、バグや不具合のリスクを低減し、ユーザーに信頼性の高いアプリを提供することが目的です。
リリース
リリースとは、アプリの公開や配布を行うステップのことであり、開発が完了し、テストに合格したアプリを実際のユーザーに提供することです。
このステップでは、アプリストアへの登録やデプロイ、バージョン管理などを通じて、ユーザーがアプリを入手できる状態にします。
また、リリース後もバグ修正や新機能の追加などのアップデートを行いながら、アプリの品質向上やユーザー満足度の向上に取り組みます。
アプリ開発にとって、サポートやカスタマーサービスも重要な要素です。
運用保守
運用保守とは、アプリがリリースされた後、継続的に安定した動作やパフォーマンスを維持するための活動のことです。
バグ修正やセキュリティ対策、パフォーマンスチューニングなどのメンテナンスを行い、ユーザーからのフィードバックを収集しながら改善を行います。
また、新機能の追加やアップデートを実施し、ユーザーのニーズに合わせたアプリの改善を行うことで、円滑な運用を確保するためのサポート体制も整えられます。
企画段階での注意点
ここからは、アプリ開発の注意点について解説していきます。
まずは企画段階の注意点として、以下の5つを見ていきましょう。
- アプリの必要性を議論する
- 対応OSとデバイスを考慮する
- かかるコストを考慮する
- 法律について考慮する
- 利用規約の内容を決める
それぞれ確認してください。
アプリの必要性を議論する
企画段階では、アプリの必要性を議論することが重要です。
アプリを開発する際には、アプリが本当に必要なのか、ユーザーにとってどのような価値を提供できるのかをよく検討しましょう。
市場や競合状況、ターゲットユーザーのニーズを分析し、アプリが解決できる課題や提供できる便益を明確にすることが重要です。
必要性が高いと判断された場合にのみ、アプリ開発を進めることができます。
対応OSとデバイスを考慮する
企画段階では、対応OSとデバイスを考慮することが重要です。
ターゲットユーザーがどのOSやデバイスをおもに利用しているかを把握し、アプリを対応させる必要があります。
主要なOSやデバイスに対応することで、ユーザーの利用可能性を高め、市場の拡大を図ることができます。
さらに、異なる画面サイズや解像度にも対応するため、ユーザーエクスペリエンスを向上させることも重要です。
かかるコストを考慮する
企画段階では、かかるコストを考慮することが大切です。
アプリを開発する際には、かかる費用や予算を慎重に計画する必要があります。
開発やマーケティングにかかる予算を明確にし、リソースの配分や投資対効果を考慮することで、無駄な出費を防ぎ、予算内での効率的なアプリ開発を実現することが重要です。
法律について考慮する
企画段階において、法律について考慮することは最も重要です。
ここでは、アプリ開発に関連する法的な制約や規制を把握し、遵守することを意味します。
個人情報保護や著作権法、競合他社の特許権など、法的な問題を予め調査し対策を考えることで、リーガルリスクを軽減し、スムーズなアプリ開発・運営を実現することが重要です。
利用規約の内容を決める
アプリを開発する際には、個人情報の取り扱いや免責事項などの内容をしっかり決めましょう。
法令遵守やユーザーの信頼確保に必要なポリシーを策定し、適切な情報管理や免責範囲を示すことで、ユーザーからの信頼を獲得し、サービスの円滑な提供を実現することが重要です。
アプリ開発を外注する際の注意点
次に、アプリ開発を外注する際の注意点についても見ていきます。
主な注意点は以下の5つです。
- 外注先の得意分野を把握する
- アプリ開発の手法を定める
- 開発言語やフレームワークを取り決める
- 契約範囲の認識を合わせる
- アプリリリース後の運用・保守の役割分担を決める
それぞれ解説していきます。
外注先の得意分野を把握する
アプリ開発を外注する際には、外注先の得意分野を把握しましょう。
開発会社やフリーランサーのスキルや経験を調査し、自社の要求に適しているか確認することが重要です。
得意なプログラミング言語やフレームワーク、開発実績などを把握し、適切な外注先を選ぶことで、クオリティの高いアプリを効率的に開発することができます。
アプリ開発の手法を定める
アプリ開発を外注する際には、アプリ開発の手法を定めることが大切です。
ここでは、外注先との開発プロセスやコミュニケーション方法を明確に決めることを指します。
ウォーターフォール型、アジャイル型などの手法を選択し、進捗管理や品質管理を円滑に行うことで、開発スケジュールの遅れや仕様変更のリスクを最小限に抑えることができます。
アプリ開発を外注するには、スムーズなプロジェクト進行を実現することが重要です。
開発言語やフレームワークを取り決める
アプリ開発を外注する際は、開発言語やフレームワークを取り決めましょう。
アプリの要件や予算、開発スキルに合わせて最適な開発言語やフレームワークを決めることが重要です。
柔軟なカスタマイズが必要な場合はオープンソースのフレームワークが適している場合もあります。
アプリ開発を外注するには、確実かつ効率的に進めるためにも、適切な技術の選択が重要です。
契約範囲の認識を合わせる
アプリ開発を外注する際には、契約範囲の認識を合わせましょう。
具体的には、開発内容、納品物、納期、料金などの契約範囲を明確にすることを指します。
要件定義や仕様書、進捗報告などのコミュニケーションを通じて、外注先との共通理解を確認しましょう。
さらに、プロジェクトの変更や追加要件についての対応方法も契約範囲に含め、コミュニケーションを円滑にすることが重要です。
契約範囲が明確であれば、トラブルや不一致のリスクを最小限に抑えることができます。
アプリリリース後の運用・保守の役割分担を決める
アプリ開発を外注する際には、アプリリリース後の運用・保守の役割分担を決めることが大切です。
ここでは、リリース後のアプリの運用・保守を外注先との間で明確に役割分担することを指します。
バグ修正、セキュリティ対策、機能追加などの運用・保守業務を誰が担当するかを明確にすることで、スムーズな運用が実現します。
また、サービスレベルの合意や契約範囲にも反映させ、トラブルや不一致を未然に防ぐことが重要です。
外注先との運用・保守の役割分担を確認し、長期的に健全な運用を重視しましょう。
アプリ開発実施時の注意点
次に、アプリ開発を実施する際の注意点を5つ、解説します。
- しっかりと要件定義を実施する
- UIの優れたアプリを作成する
- OSごとの操作性の違いを把握する
- OS審査への対応を忘れない
- アップデートにも対応する
それぞれ見ていきましょう。
しっかりと要件定義を実施する
アプリ開発実施時には、しっかりと要件定義を実施することが大切です。
ここでは、開発するアプリの具体的な要件を明確にすることを指します。
ユーザーのニーズや目的、機能要件、非機能要件などをできるだけ具体的に洗い出し、仕様書にまとめましょう。
要件定義を十分に実施することで、外注先との共通理解を図り、開発プロセスをスムーズに進めることができます。
また、要件変更や追加に柔軟に対応するためにも、事前の要件定義が重要です。
UIの優れたアプリを作成する
アプリ開発実施時には、UIの優れたアプリを作成しましょう。
ユーザーが使いやすく、魅力的なインターフェースを提供することが大切です。
ユーザビリティやユーザーエクスペリエンスを重視し、シンプルで直感的な操作性を追求しましょう。
また、アプリのデザインにもこだわり、ユーザーにとって魅力的で視覚的に響くデザインを追求しましょう。
良いUIはユーザーの満足度やアプリの評判を高め、成功を左右する要素となります。
OSごとの操作性の違いを把握する
アプリ開発実施時には、OSごとの操作性の違いを把握しましょう。
ここでは、iOSやAndroidなどの異なるオペレーティングシステム(OS)での操作性の違いを理解・把握することを指します。
各OSには独自のデザインガイドラインやアプリの表示・動作の規則がありますので、それに合わせたインターフェースや機能設計を行うことが重要です。
ユーザーが親しみやすく、使いやすいアプリを提供するためには、OSごとの操作性の特徴を理解し、適切なデザインや機能を提供することが必要です。
OS審査への対応を忘れない
アプリ開発実施時には、OS審査への対応を忘れないように気をつけましょう。
アプリを公開する前に、App StoreやGoogle PlayなどのOSプラットフォームの審査基準に準拠した内容や品質を確保することが大切です。
審査基準に沿って必要な機能やセキュリティ、プライバシーに関する事項を実装し、違反や問題がないように注意しましょう。
審査に合格しないとアプリが公開できないため、事前に審査基準を確認し、対応することが重要です。
アップデートにも対応する
アプリを開発する場合、リリース後も定期的なアップデートを提供し、ユーザーのフィードバックや要望に対応しましょう。
新機能や改善点の追加、バグ修正など、ユーザーの満足度を向上させるために継続的な改善を行う必要があります。
アプリの改善と新機能の追加は競争力の維持やユーザーの継続利用につながります。
アプリ開発後もアップデートを見越して計画し、継続的な改善を意識しましょう。
アプリ開発を個人で行う際の注意点
最後に、アプリ開発を個人で行う際の2つの注意点についても触れておきましょう。
- デベロッパー規約に抵触しないように注意する
- 問い合わせへの対応方法を決めておく
それぞれ確認してください。
デベロッパー規約に抵触しないように注意する
アプリ開発を個人で行う際には、デベロッパー規約に抵触しないように注意しましょう。
アプリストアやプラットフォームの提供するデベロッパー規約を遵守し、禁止事項や制限事項に違反しないようにすることが重要です。
たとえば、著作権侵害やプライバシーの侵害、不正な動作や広告の不正利用などが禁止されています。
違反すると、アプリの削除やアカウントの停止などのペナルティが課せられる可能性があります。
開発前にデベロッパー規約を確認し、適切な開発を心がけましょう。
問い合わせへの対応方法を決めておく
アプリ開発を個人で行う際には、問い合わせへの対応方法を決めておきましょう。
ユーザーからの問い合わせを迅速かつ適切に対応する方法を事前に決めておくことは重要です。
ユーザーサポートを円滑に行うことで、ユーザーの満足度を高め、アプリの評判や利用者数の向上につながります。
アプリ開発の注意点は段階別に押さえるべし
アプリ開発の注意点は、設計・開発・テスト・リリースという段階別に考えることが重要です。
各段階における問題や課題に対して適切な対策を講じることで、効率的かつ品質の高いアプリを開発できます。
アプリ開発に悩んだ際にはEMEAO!へのご相談を一度ご検討ください。
この記事を書いた人
編集部員 濵岸
編集部員の濵岸と申します。コンテンツ作成と取材を主に担当しております。身長が低いため学生時代は「お豆」と呼ばれていました!豆らしく、皆様の役に立つ記事を「マメに豆知識を!」の意識で作成します!どうぞよろしくお願いいたします!