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公開日:2024.03.13 最終更新日:2025.08.22
近年の電気代高騰に伴って、複合機の消費電力が気になり始める企業もいるでしょう。
実は、オフィスの電力使用量の約10%は複合機が占めています。
つまり複合機の消費電力を抑えられれば、全体的な節電につながるのです。
そこで本記事では、複合機の消費電力について解説します。
実際にかかる電気代や節電方法も取り上げるため、ぜひ参考にしてください。

複合機の消費電力は、1,100〜1,500W程度といわれています。
これは一般的に消費電力が多いとされる、エアコンやアイロンと同じ数値です。
しかし、複合機は常にこれだけの電力を消費しているわけではありません。
複合機の消費電力には3つの種類があり、それぞれで数値は異なります。
以下の項目で見ていきましょう。
関連記事:複合機とは?プリンターとの違いや選び方のポイントを解説
最大電力とは、複合機を使用する際に最も電力が必要になる状態です。
電源を入れたときやスタンバイ状態から印刷を始めるときにかかる電力で、1,100〜1,500W程度が一般的です。
複合機は起動時に最も電力が消費されるため、節電を目指すなら頻繁に電源をオン・オフするのは避けましょう。
動作時平均電力は、複合機を稼働させたときに継続して発生する電力を指します。
具体的には印刷やコピーする際に必要で、400〜600W程度が一般的です。
待機電力は、複合機がスリープモードになっている場合に発生する電力です。
複合機では、稼働しないまま一定の時間が経つと、自動的にスリープモードに切り替わる機能が搭載されています。
0.5〜3Wが一般的で消費電力が少ないため、節電においては待機状態を長時間維持することが重要です。
複合機の消費電力にはそれぞれ目安があるものの、これだけで実際の電力量を判断するのは難しいでしょう。
そこで注目すべきなのが「TEC値」です。
TEC値は省エネ性能を示す指標で、kWh(キロワットアワー)の単位で表されます。
数値が低いほど省エネ性能が高く、消費電力の削減が見込めます。
5営業日+2休日で構成される1週間の平均的な消費電力を指します。
たとえばTEC値が2kWhの場合は、1週間に2kWの消費電力が発生するということです。
業務用複合機のTEC値は、2kWh前後が一般的です。
低いもので0.23kWh、高いものだと6kWhの製品もあります。
消費電力の削減を目的とするなら、可能な限りTEC値が低い製品を選ぶとよいでしょう。
ここからは、複合機の使用で実際にどのくらい電気代がかかるのかを見ていきましょう。
複合機のTEC値が2kWhと仮定したケースを例に挙げます。
| 2kWh÷7日=1日あたり0.29kWh (0.29kWh×31円)×30日=270円 |
上記の場合、1か月にかかる電気代は約270円です。
なお、1kWhあたりの平均的な電気代は、全国家庭電気製品公正取引協議会が公表する「新電力料金目安単価」を参考にしています。
ただし、印刷枚数が多かったり、頻繁にオンオフを繰り返したりした場合は、電気代が上がるため注意が必要です。
前述のとおり、オフィスの電力使用量の約10%は複合機が占めています。
そのため、複合機の消費電力を削減できれば、大幅な節電につながるでしょう。
ここからは、複合機の消費電力を抑える方法を7つ紹介します。
順番に見ていきましょう。
複合機を一定時間使用しない場合は、自動でスリープモードに切り替わる設定にすることで、消費電力を抑えられます。
スリープモードとは、機能の大半を停止できる状態です。
消費電力は0.5〜3Wが一般的で、電力量の大幅な削減が期待できます。
ただし注意点として、スリープモードから再起動する際は最大電力が必要になります。
また、頻繁に利用するからといってスリープモードに切り替える時間を短くしすぎると、かえって多くの電力を消費するため注意しましょう。
複合機では、スリープの状態から印刷やコピーを始める際に、最も電力がかかります。
そのため、都度印刷すると余分な電力を消費することになるのです。
複数枚をまとめて印刷することで、消費電力削減につながります。
OA機器には、コピー機やFAX、プリンター、スキャナーなど数々の種類がありますが、個別で導入するとその分多くの電力が必要になります。
複合機には上記の機能がすべて搭載されているため、一本化することで大きな節電効果が見込めるでしょう。
印刷ミスをすると、余分な消費電力が発生するだけでなく、カウンター料金や紙、インク代も無駄になります。
カラー印刷のカウンター料金の相場は、1枚あたり10円程度といわれています。
仮に10部の資料を印刷ミスした場合、カウンター料金だけで100円が無駄になるのです。
印刷する前に間違いがないか確認することで、消費電力や料金の節約につながります。
複合機は、各メーカーによって日々改良されています。
そのため、場合によっては最新機種に買い替えるだけで、大きな節電効果が得られるケースも。
プリンター・複合機部会(JBMIA)の調査では、10年前のモデルから最新機種に買い替えた場合、約80%もの消費電力を削減できるという結果が報告されています。
10年以上前に購入した複合機を現在も使用している企業は、買い替えを検討してみてください。
関連記事:業務用複合機は購入・リース・レンタルどれがよい?特徴と仕組みを比較
印刷の必要性がないものは電子化し、ペーパーレスを進めることで、消費電力の削減につながります。
なお、最近では紙を使用しなくてもFAXの送受信ができる
「ペーパーレスFAX機能」が搭載された複合機もあります。
パソコンからFAXデータを送受信できるため、消費電力だけでなく、紙やインク代の節約にもなるでしょう。
関連記事:複合機のペーパーレスファックス機能を活用することによる2つのメリット
複合機の消費電力を削減するために、終業後にコンセントを抜く企業も少なくないでしょう。
しかし、使用のたびにコンセントを抜き差しすると、かえって多くの電力を消費します。
コンセントはこまめに抜くのではなく、複合機の場合はあえて差したままの方が、消費電力の節約につながります。

ここからは、複合機の消費電力をメーカー別で比較します。
| キャノン iR-ADV C3720F | 富士フイルム Apeos C2570 | コニカミノルタ bizhub C287 i | リコー RICOH IM C2510 | エプソン LP-M8180 | |
| 最大電力 | 1,500W | 1,500W | 1,500W | 1,500W以下 | 1,210W |
| 動作時平均電力 | – | – | 400W | – | – |
| 待機電力 | – | 64W | 82W | – | 88W |
| スリープモード | 0.8W | 0.5W | 0.5W | 0.3W | 0.9W以下 |
| TEC値 | – | – | 0.37kwh | 0.23kwh | 0.58kWh |
※上記はあくまで目安です。実際の消費電力は、各メーカーのページを確認してください。
| 最大電力 | 1,500W |
| 動作時平均電力 | – |
| 待機時電力 | – |
| スリープモード | 0.8W |
| TEC値 | – |
キャノンは、業務用複合機で世界第2位のシェアを誇る大手メーカーです。
2023年8月に発売された「imageRUNNER ADVANCE DXシリーズ」では、高速印刷を維持しながらも、業界トップクラスの低消費電力を実現しています。
| 最大電力 | 1,500W |
| 動作時平均電力 | – |
| 待機時電力 | 64W |
| スリープモード | 0.5W |
| TEC値 | – |
優れた操作性に定評がある富士フィルムのApeosシリーズ。
スピーディーなスキャンを得意とするだけでなく、スリープモードでの消費電力が0.5Wと、省エネ性能にも優れています。
ペーパーレスFAX機能も搭載しているため、消費電力はもちろん、紙やインク代の削減にも効果的です。
| 最大電力 | 1,500W |
| 動作時平均電力 | 400W |
| 待機時電力 | 82W |
| スリープモード | 0.5W |
| TEC値 | 0.37kwh |
コニカミノルタのbizhub C287 iでは、スリープ中にCPUの電源をオフにすることで、低消費電力を実現しています。
また、随所に環境配慮テクノロジーを取り入れることで、従来機に比べ、TEC値を約10%削減することに成功しました。
| 最大電力 | 1,500W以下 |
| 動作時平均電力 | – |
| 待機時電力 | – |
| スリープモード | 0.3W |
| TEC値 | 0.23kwh |
独自のトナー技術を採用し、0.23kWhの業界トップクラスのTEC値を実現しました。
さらに、ペーパーレスFAX機能にも対応しており、受信したデータはクラウド上で保存可能です。
省エネ性能はもちろん、アナログとデジタルをシームレスにつなげたい場合に適しています。
| 最大電力 | 1,210W |
| 動作時平均電力 | – |
| 待機時電力 | 88W |
| スリープモード | 0.9W以下 |
| TEC値 | 0.58kWh |
国際エネルギースタープログラムに適合した低消費電力設定で、優れた省エネ性能を実現しています。
さらに、従来より20℃低い温度で定着するトナーを使用し、印刷時の消費電力を削減。
高速性と低消費電力を兼ね備えた複合機を探している場合に最適です。
関連記事:【複合機の主要メーカー11社】会社ごとの機器の特徴を解説
電気代は年々上昇傾向にあります。
オフィスで使用する複合機の使い方を見直すことで、消費電力を抑えて、大幅な節電が期待できるでしょう。
スリープモードを活用したり、印刷ミスを減らしたりするなど、こまめに対策を取ることが、消費電力の削減につながります。
なお、古い機種を使用している場合は、最新機種に買い替えることで、消費電力を抑えられるでしょう。
新しい複合機を選ぶ際は、消費電力を視野に入れて検討するのがおすすめです。
複合機の優良おすすめ業者とメーカーを知りたい方はこちらをご覧ください。
地域別におすすめ業者を知りたい方はこちらをご覧ください。
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現在は、お客さま対応を担う。年間実績として、120社を超えるクライアントのSEOコンサルを担当。
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